2015年4月11日
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日本は重要な友好国だが軍事力の増強には慎重
世論調査にみるアメリカ人の対日感情の変化

ニュース・コメンタリ―

 中国の台頭によって日米関係はますます重要になっているが、日本の軍事力増強には慎重な姿勢を崩していない。
 アメリカの調査機関「ピューリサーチセンター」が戦後70年となる今年の2月、日米両国でそれぞれ1000人を対象に世論調査を行った結果、日米両国の国民のお互いに対する認識に数々の興味深い変化が生じていることがわかった。
 ピューリサーチセンターが4月7日に発表した「アメリカ人・日本人 第2次世界大戦終結から70年後の相互認識」によると、中国の軍事的・経済的な台頭によって日米関係がより重要になっていると回答したアメリカ人は60%にのぼった。しかし、その一方で、日本が東アジア地域の平和を維持するためにより大きな軍事的役割を果たすべきかどうかについては、果たすべきと答えた人が47%だったのに対し、軍事的な役割は抑制すべきと答えた人が43%と、日本の軍事拡張に対しては依然慎重論が強いことも浮き彫りになった。
 日米両国では相互への信頼感が依然として強固であることも明らかになった。日本を信頼していると回答したアメリカ人が68%だったのに対し、アメリカを信頼していると回答した日本人も75%にのぼった。ただし、そのうち、日本を「とても信頼している」と答えたアメリカ人が26%だったのに対し、アメリカを「とても信頼している」と答えた日本人は10%にとどまった。また、日米双方ともに、女性よりも男性の方が、相手国を信頼している人の比率が高いこともわかった。
 中国に対しては、総じてアメリカ人も日本人も中国を信頼していないという結果が出たが、中国を信頼していると回答したアメリカ人が30%(「とても信頼」が6%で「まあまあ信頼」が24%)だったのに対し、中国を信頼していると答えた日本人はわずか7%(「とても信頼」が0%で「まあまあ信頼」が7%)だった。日本は韓国に対する信頼でも「とても信頼」できると答えた人が1%にとどまるなど、日本の韓国、中国に対する不信感の強さが目立った。
 また、 安倍首相のアメリカでの知名度がとても低いことも明らかになった。メジャーリーグで活躍中のイチロー選手に対して47%のアメリカ人が好感を持っていると答えたのに対し、安倍首相に好感を持つと答えた人は11%にとどまった。73%が安倍首相の名前を聞いたことがないと回答している。
36の設問が用意されていた同世論調査では、総じてアメリカ人は日本人を勤勉で正直で利他的であると、高い評価を下しているのに対し、日本人はアメリカのことを、勤勉さや誠実さに欠け、利己的な人が多いと、低い評価を下していることも明らかになった。
 第二次世界大戦関連では、79%の日本人が原爆投下は誤りだったと考えているのに対し、アメリカ人の56%は依然として原爆投下は正当な行為だったと考えていることがわかった。しかし、その一方で、原爆投下は誤りだったと考えるアメリカ人も34%に上った。
 日米両国の意識調査から見えてくる日米関係の現状について、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。

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