インタビュアー・神保哲生(ビデオニュース)
「ヒ素は自分で呑んだ。真須美は保険金詐欺のプロだが、殺人者ではない。」
和歌山カレー事件で死刑が確定した林真須美被告の夫、林健治さんが、最高裁判決から2日後の4月23日、ビデオニュース・ドットコムのインタビューに応じ、真須美被告に殺人罪を適用する上で有力な状況証拠の一つとなった健治さんに対する殺人未遂事件は、実際は健治さんが真須美さんと共謀の上、保険金を詐取するために自らヒ素を呑んだもので、真須美さんが殺人未遂を犯した事実は無いと語り、最高裁判決の不当性を訴えた。
1998年7月25日、和歌山県和歌山市郊外園部の町内会の夏祭りで出されたカレーに猛毒のヒ素が混入し、子どもを含む4人が死亡、63人がヒ素中毒の被害を受けたいわゆる和歌山カレー事件の公判では、最高裁が21日、殺人の罪に問われていた林真須美被告の上告を棄却したことで、大阪高裁が05年6月28日に下した真須美被告の死刑が確定している。
しかし、この事件の公判では、真須美被告の犯行を裏付ける物的証拠が何一つ提出されず、また、真須美被告が一貫して犯行を全面否認していることから、殺人の動機も不明なまま死刑判決が下るという、異例の展開となっていた。
検察は真須美被告がカレー鍋にヒ素を混入させた犯人と考えるべき根拠として、被告には過去に夫健治さんらをヒ素を使って殺害し、保険金を得ようと試みた殺人未遂の前歴があることを重要な状況証拠としてあげていた。
しかし、夫健治さんはインタビューの中で、「真須美は保険金詐欺のプロだが、殺人者ではない」と語り、真須美さんが健治さん殺害を狙ったとされる「くず湯事件」は、健治さんが真須美さんと共謀の上、自らヒ素を呑み、重度後遺障害の保険金を詐取しようとしたもので、真須美さんの殺人未遂容疑はまったくの冤罪だと主張した。
健治さんは同様の主張をカレー事件裁判の控訴審で証言したが、裁判所はこれが近親者の証言である上、一審では出なかった証言事実が唐突に二審で出てきたものとして、この証言を信ずるに足らないと一蹴している。しかし、健治さんは、「最初からずっとこれ(くず湯事件が自らヒ素を呑んだものであること)を主張していたが、一審では自分は保険金詐欺事件で捕まっていて法廷で証言する機会がなかった。(保険金詐取事件の)取り調べの時に担当検事にこの話をしても、全く取り上げてもらえなかった」と語っている。
マル激トーク・オン・ディマンド 第420回(2009年04月25日)
和歌山カレー事件はまだ終わっていない
ゲスト:安田好弘氏(弁護士・林真須美被告主任弁護人)
林健治氏のリアルに感じた話。
○「砒素は自分で入れた。他人がいれたものは食べる事はできない。」
○検察官の人物像
○裁判でのやりとり
同氏の余りリアルに感じなかった話。
○金は使ってしまい残っていない。
○真須美の目は澄んでいる。
○普通のOLなら三日でゲロしている。11年も否定しているから無実。
○真須美とのやり取り
○「金をもてあそんだ罰」というマスコミが飛びつきそうなキャッチコピー
また、検察のストーリーが無理筋なのであって、警察のストーリーを否定できるからと言って彼らの主張が全て正しいとは限らない。テレビでの真須美被告はナベにも近づいた事もないと言っていた。
例えば、今回の行為は大量殺人を計画したわけではなく、害意の表出が主であった場合、気づかれかねない量を一つのナベに入れても、行為的には矛盾がない。
また、均等に混ざっていれば、死亡者はもっと大量に出ただろう。
大方が時間経過とともに底に沈み、残った微量な砒素がかき混ぜられ、死亡者や中毒者を生じさせたと考えるのが妥当性が高い。
どちらにしても推定無罪の原則で言えば判決は無罪が妥当だと思う。
判決は無罪が妥当だが、検察のストーリーとは別に、真須美被告が実際にやったかどうかはわからない。
林健治氏のインタビューを見ても、悪としては年季が入っているのを感じる。
真実の中に嘘を混ぜる事は容易だろう。真須美被告と「何遍もやりとりした」にカーテンを閉めたくらいの具体シーンしか出てこないのも疑問は湧く。真須美氏の人物像も健治氏の話からは明確に浮かび上がらない。
また安田弁護士が言った地域の中の対立と別な容疑者に関してもっと話が聞きたかった。