普天間移設問題で、政府が新たに提示しているくい打ち桟橋方式(QIP)の滑走路建設に対して、環境学の専門家らから疑問の声が上がっている。
環境学が専門の桜井国利・沖縄大学教授はくい打ち方式であっても「くいを打つ場所が珊瑚やジュゴンのえさ場である藻場を破壊する」ほか、「くいを打たない場所も上部構造が光を遮ってしまうことで藻場や珊瑚の成育に必要な光合成が行えず、海全体が死んでしまう」と語り、杭打ち方式が当初計画の埋め立て案よりも環境負荷が軽くなるとする政府の主張を真っ向から否定する。
また、桜井教授は、桟橋方式では杭が海水で腐食しやすくなるため、それを防ぐための防錆剤の塗料が海に染み出したり、3000本とも言われる杭によって潮流が変わってしまうことから、むしろ埋め立て工法より環境負荷が高い恐れがあると指摘する。
それだけではない。桜井教授によれば、今回政府が提示したQIPは1996年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告の頃と2001年と2002年に行われた代替施設協議会でも既に検討され、工法が難しく建設費用も現行の埋め立て方式に比べて高いことなどから、却下されたた経緯あるのだ。
もしこれが鳩山首相の「腹案」だとすれば、首相は過去の政府が蓄積してきた情報から隔離されたまま、次から次へと実現不可能な案や既に却下された案を提案していることになる。
(2010年05月15日)
ニュースコメンタリー「
くい打ち方式は本当に環境に優しいのか」(神保哲生・萱野稔人)は
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