2014年8月14日
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野球肘を防ぐには球数制限が必要

山崎哲也氏(整形外科医・横浜南共済病院スポーツ整形外科部長)
インタビューズ

 日本で数々の歴代記録を打ち破り鳴り物入りで今季からメジャーリーグのヤンキースに移籍した田中将大投手が、7月に右肘痛を訴えて戦列を離脱した。神がかり的な活躍ぶりで向かうところ敵無しだったマー君の、まさかの故障だった。しかも、右肘の靱帯の部分断裂という重い症状だという。
 日本で大活躍した後にメジャーリーグに渡った投手たちが、次々と故障に見舞われている。田中投手は当面手術は回避する方針のようだが、松坂大輔、和田毅、藤川球児といった名だたる投手たちは、トミージョン手術と呼ばれる肘の靱帯の再生手術を受けなければならないほど深刻な故障に見舞われている。
 今週はレンジャーズのダルビッシュ有投手も右肘の違和感を訴えて8月14日に故障者リスト入りが報じられた。
 故障の原因を特定することは難しいが、彼らに共通して言えることは、いずれも高校時代から第一線で活躍し、肘を酷使してきたということだ。
 実際にピッチャーの投球過多による故障は後を絶たない。プロ野球横浜DeNAベイスターズのチームドクターも務める横浜南共済病院の山崎哲也医師は、野球のボールを全力投球すれば、一球だけでも肘の靱帯に微少な断裂が起きているのだという。その後十分な休息を取れば、微少な断裂は修復され、また元に戻る。しかし、一度に多くの投球数を投げすぎたり、十分な休息をとらないまままた次の投球を行えば、微少の断裂が徐々に拡大していき、何かの拍子に靱帯の太い部分が断裂してしまう部分断裂や、靱帯そのものが完全に切断されてしまう完全断裂にいたる危険性が高くなるのだという。
 肘の故障を防ぐためには投球数を抑え、投球の間に十分な休養を取ることが不可欠という山崎医師に、ピッチャーの投球動作がどういうメカニズムで故障につながるのか。いわゆる「野球肘」と呼ばれる故障とその引き金になる投球過多の問題、その治療方法や少年野球におけるピッチャーの故障に関する留意点などについて、ジャーナリストの神保哲生が聞いた。

山崎 哲也 やまざき てつや
(整形外科医・横浜南共済病院スポーツ整形外科部長)
1961 年新潟県生まれ。1987年滋賀医科大学医学部医学科卒業。横須賀共済病院整形外科医長、横浜市立港湾病院整形外科副医長、横浜南共済病院整形外科医長などを経て2002年より現職。横浜DeNAベイスターズチームドクター、関東学院大学ラグビー部チームドクターなどを兼務。
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