2014年11月7日
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最高裁判決は米国の選挙をどう変質させたか

宮下紘氏(中央大学総合政策学部准教授)
インタビューズ

 米中間選挙はオバマ大統領率いる民主党の大敗となり、民主党は2008年以来守ってきた上院の過半数も失う結果となった。
 今回の選挙では、企業の政治献金の制限を事実上取り払った2010年の米最高裁判決によって、大量の企業・団体資金が選挙戦に投入されることが可能となり、選挙資金の総額は議会選挙としては史上最高となる約36億7千万ドル(約4163億円)に上った。そして、その大半が主にテレビコマーシャルなどに費やされた。
 最高裁判決が「シチズンズ・ユナイテッド判決」で青天井の企業・団体献金を認めた対象が、PAC(Political Action Committee=政治活動委員会)と呼ばれる従来の候補者の政治団体ではなく、候補者自身を応援する活動をしないスーパーPACと呼ばれる政治団体に限られていたため、選挙CMの多くは候補者自身やその政策をアピールする目的ではなく、対立候補を中傷したり攻撃したりするものが中心となり、結果的に未曾有のネガティブキャンペーン合戦となっている。
 しかし、なぜ米最高裁はこのような結果を招くことになる判決を下したのか。最高裁の9人の判事のうち保守派判事5人の意見によって、選挙運動への資金供与を合衆国憲法修正第一条で保証された表現の自由の範疇とみなし、その自由が個人のみならず法人にも適用されると判断したこの判決の法理とは何だったのか。
 米憲法に詳しい憲法学者の宮下紘中央大学総合政策学部准教授に、ジャーナリストの神保哲生が聞いた。

宮下紘 みやしたひろし
(中央大学総合政策学部准教授)
一橋大学大学院法学研究科博士課程修了。博士(法学)。駿河台大学法学部准教授、ハーバード大学ロースクール客員研究員等を経て2013年より現職。専攻は憲法、比較憲法、情報法。著書に『個人情報保護の施策』など。
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