2017年2月26日
  • 文字サイズ
  • 印刷

まず医師と患者との上下関係を変えなければならない

上野秀樹氏(精神科医)
インタビューズ(2017年2月26日)

 相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で19人の命が奪われた事件から半年余りが過ぎた。国は、再発防止のため精神保健福祉法の改正案を今国会に提出し、措置入院後の対策を強化するとしているが、果たしてそれが問題の解決につながるのだろうか。そもそもこの事件は精神医療の問題なのだろうか。

 精神科医の上野秀樹氏は、外界から隔離された密室の中で行われる精神医療は、医師と患者の間に容易に上下関係ができてしまうため、患者の意思が尊重されなくなる傾向が強いことを指摘する。医師は患者を拘束したり隔離する強い権限を持つため、患者の側は医師に従順にならざるを得ないからだ。

 精神医療の改革が叫ばれて久しいが、その実態はなかなか変わっていない。そして、精神医療の改革を妨げているのが、精神保健福祉法のベースに流れている隔離の思想だと上野氏は指摘する。

 上野医師にジャーナリストの迫田朋子が聞いた。

上野 秀樹(うえの ひでき)
精神科医
1963年東京生まれ。92年東京大学医学部卒。都立松沢病院勤務などを経て、2008年より海上寮療養所。2014年より千葉大学医学部附属病院特任准教授、敦賀温泉病院を兼務。14年より内閣府・障害者政策委員会委員(~16年)著書に『認知症 医療の限界、ケアの可能性』など。

 

番組制作アシスタント募集
  • 登録
  • 解除