昨年9月の自民党総裁選で遠藤利明衆議院議員は、安倍晋三氏と総裁の座を争った谷垣禎一氏が所属する谷垣派の大番頭として谷垣選対を支えた。しかし、安倍氏が総裁に選ばれ、谷垣派の議員がことごとく新内閣で冷遇される中、遠藤氏だけは文部科学副大臣として、谷垣派から唯一の入閣を果たしていた。実は遠藤氏は、議院運営委員会の理事として安倍氏とコンビを組んで国会運営にあたった経験を持つ、総理とは昵懇の間柄だったのだ。
そのような経緯もあってか、遠藤氏の安倍内閣の評価は、ことさらに採点が甘い。お友だち内閣と揶揄される安倍内閣を、官邸主導のトップダウン方式を実現するために総理が話をしやすい人を優先した結果であると弁護したかと思えば、支持率低下後、安倍首相が国民投票法や教育関連法で独自色を強めている点も、「初心に帰れの声に応えた」と、積極的に評価する。
その遠藤氏が、文部科学副大臣として強い意欲を見せているのが、日本独自のバイオエタノール燃料の開発だ。農水行政にも強い遠藤氏は、間伐材やコメを使った国産のバイオエタノール生産によって、海外からの輸入に依存せずに済む上、それが地方の活性化につながる可能性に強い期待を寄せる。
年金不安などを理由に自民党の劣勢が伝えられる7月の参議院選挙については、自民党への有権者の信頼は、民主党が一人区を簡単に切り崩せるほど揺らいでいないと、強気の見方を示すが、同時に厳しい選挙となることは率直に認める。
谷垣派にして対立派閥の政権にも深々と食い込み、党内の幅広い人脈ぶりをいかんなく発揮している遠藤氏に、大宏池会構想から、参院選への展望、改憲問題などを問うた。
遠藤 利明えんどう としあき
(衆議院議員・文部科学副大臣)
1950年山形県生まれ。73年中央大学法学部卒。衆議院議員秘書を経て、83年山形県議に初当選(自民党)。93年に衆院初当選(日本新党)。96年自民党へ復党。以後、建設政務次官、党国会対策副委員長、党文部科学部会長、衆議院議院運営委員会理事などを歴任し、06年に安倍内閣で文部科学副大臣に就任。当選4回(山形1区)。