旧社会党系の赤松広隆氏は、主義主張では小沢一郎党首の対極に位置すると思われがちだが、実は小沢氏が党内で最も信頼を置く議員として知られている。昨年の参院選後、小沢氏が最も重視する選挙対策の責任者に赤松氏を起用したことでも、その信頼のほどがうかがえる。
その赤松氏は、世間が言うほど小沢氏はワンマンではないが、その不器用さから誤解を招きやすいと、党首を弁護する。昨年秋の連立騒動や最近の政局運営をめぐり党内で取りざたされる分裂騒ぎについても、「政権前夜の苦悩に過ぎない」と赤松氏は一笑に付し、小沢氏の指導力への悪影響を否定する。
かつて壊し屋と呼ばれた小沢氏だが、赤松氏は小沢氏が民主党に合流する際に言った「少なくとも私から党を分裂させることはない」との言葉を重く受け止めており、小沢氏を単なる壊し屋とする見方には与しないと言う。むしろ、政策的には右の端にいる小沢氏を、左の端にいる赤松氏の一派が支える現体制が、民主党の基盤を強固なものにしていると、赤松氏は党の結束に自信のほどを見せる。
来るべき総選挙については、選挙対策責任者でもある赤松氏は、まずは民主党が比較第一党になり、他党との協力で過半数を占めたいと抱負を述べる。しかし、政権交代への意欲は並々ならぬものがあると見て、場合によっては公明党も抱き込んだ形での連立の可能性すら否定しない。
具体的な政局については、今後、自民党が提出してくる暫定税率の再可決に対して、問責決議を出す5月か6月が一つ山になるが、遅くとも秋までには総選挙に追い込みたいと語る。
福田政権の支持率急落で俄然きな臭くなり始めた永田町で、民主党のキーマン赤松氏に、党内事情から、政治家・小沢一郎の魅力、政権奪取へ向けての構想を聞いた。
赤松 広隆あかまつ ひろたか
(民主党・衆議院議員)
1948年愛知県生まれ。71年早稲田大学政治経済学部卒業。日本通運勤務、愛知県議を経て90年衆院初当選(社会党)。党書記長などを歴任の後、96年民主党結成に参加。選対委員長、副代表などを経て07年選対委員長に再就任。当選6回(比例東海ブロック)。