衆議院予算委員会の理事を務める元金融担当相の伊藤達也氏は、「今までになく政治家の力量が試された」とねじれ国会を振り返る。参院で多数を占める民主党との折衝なしには、法案が通らない状況は確かに与党にとって厳しいが、先進各国ではこのような状態を経て、二大政党制下の成熟した政党政治へと成長した。現在、民主党とは、競い合い、協力し合う関係を作りつつあり、会期途中で浮上した大連立構想も、社会保障関連や消費税など、全党が一丸となって当たるべき問題を解決するという点で大いに評価する。
93年の日本新党を中心とした8会派による連立政権を日本新党の新人議員として体験した伊藤氏は、目的を明確にし、説明を尽くせば、大連立は、国民の支持を得られたはずと語る。
小泉政権の竹中平蔵氏の下で金融担当相として金融制度の改革を進めた伊藤氏は、自民党の中でも、いわゆる上げ潮路線を提唱する論客として知られている。上げ潮派としては、昨今、党内から持ち上がってきている「消費税増税やむなし」の声に異議を唱えざるをえないと語る。
伊藤氏は上げ潮路線とは、単なる経済成長路線ではなく、バランスシート改革であると主張する。成長を維持して税収を確保する一方、財政の無駄を省くことも同時に行っていくという考え方だ。伊藤氏は、今、消費税増税に頼る危険性について具体的な数値を上げて反論し、小泉内閣が推し進めた小さな政府と地方分権への流れを成果が出る前に方向転換してはならないと、強く主張する。
政策通として知られる伊藤達也氏に、大連立構想から、消費税増税の愚に、社保庁改革、公務員制度改革、地方分権問題、上げ潮路線まで、日本が今、必要としている政策について、じっくりと聞いた。
伊藤 達也いとう たつや
(自由民主党 衆議院議員)
1961年東京都生まれ。84年慶応大学法学部卒業。93年衆議院初当選(日本新党)。新進党を経て97年自民党入党。04年内閣府特命担当大臣(金融担当)に就任。衆議院予算委員会理事。当選5回(東京都第22区)。