なぜ日本には米軍基地があるのか
マル激トーク・オン・ディマンド 第385回(2008年08月16日)
なぜ日本には米軍基地があるのか
ゲスト:ケント・カルダー氏(ジョンズ・ホプキンス大学大学院教授)
 8月15日、日本は63回目の終戦記念日を迎えたが、終戦とともに日本に進駐してきたのが、マッカーサー元帥率いる米軍だった。以来米軍は、日本に駐留を続けている。しかし、世界40カ国に800以上もの基地を維持してきた米国は、冷戦の終結や軍事技術の発達によって、現在欧州やアジアの基地の整理縮小を進めている。9.11以降のテロとの戦いを理由に軍備を増強している中東・イスラム圏を例外とすると、既にアジアではフィリピンからは完全撤退し、在韓米軍も縮小傾向にある。米軍が世界から次々と撤退する中で、米軍の日本国内のプレゼンスは一向に縮小の兆しが見えないのはなぜか。新著『米軍再編の政治学』で米軍基地の現状を問うたジョンズ・ホプキンス大学大学院ケント・カルダー教授とともに議論した。
 第二次大戦後の世界は、米国の基地が世界に点在している現状をそれほど違和感なく受け入れているようだが、そもそも主権国家の国内に外国の軍事基地が存在する状況は、第二次大戦後に出現した歴史的に見ても極めて稀な状況であるとカルダー氏は指摘する。
 もともと海外基地の起源はローマやペルシアの帝国時代にさかのぼる。大航海時代にはスペインやオランダ、英国など海軍力で世界を支配した帝国が、艦船の補給基地や資源確保の拠点として、海外に基地を持った。現在の米軍基地は、英国が世界に張り巡らしたこれらの基地ネットワークを、第一次大戦後に譲り受けたものが多いが、過去の軍事基地はいずれも帝国の領土内に限られ、現在の米軍基地のように同盟国の領土内に外国の軍隊を駐留させることは、第二次大戦前はほとんどなかった。
 第二次大戦時、米国は英国やフランスなど連合国内に基地を展開し、ドイツやイタリア、日本の敗戦国内には占領のための基地を作った。占領が軌道に乗ると順次基地の縮小を行い、軍隊を撤退させていった。カルダー氏は、当初米国は長期にわたって日本に基地を持つことは考えていなかったという。
 しかし、1950年の朝鮮戦争勃発で事態は一変した。中国に支援された北朝鮮軍の侵攻を許したトラウマとソ連の原爆の保持で、米国の海外基地戦略は抜本的な変更を余儀なくされたと、カルダー氏は語る。その結果、ソ連や中国など共産圏を封じ込める戦略的な役割を担った基地が、ドイツ、イタリア、スペイン、日本、韓国、フィリピンなどで建設されていった。1970年代には、石油ショックを契機に資源輸送のルートとしてのシーレーン防衛の概念が重視されるようになり、海外基地の役割が拡充されていった。
 しかし、冷戦の終結とともに、対共産圏包囲網としての基地の戦略的価値は低下し、再び基地の整備・縮小がはじまった。いわゆる米軍の再編だ。
 ところが、現在、世界各国で米軍の縮小・撤退が進む中、在日米軍は一向に縮小の兆しが見えない。カルダー氏は現在、米軍の海外基地は、地政学的な理由や戦略的な理由よりも、基地存置国と受入国の政治的な状況によって存続か否かが決定されていると語る。日本は、「解放者」として進駐した米軍との関係が良好だった上、政変がなく政権が安定していること、手厚い思いやり予算、そして、基地周辺住民との軋轢を減らす防衛施設庁などの充実した管理体制などがあり、政治的に基地が存続しやすい状況にあるため、基地の縮小が進んでいないとカルダー氏は分析する。
 現在、米国は、長引くテロとの戦いに疲弊し、財政赤字が膨らみ、基軸通貨としてのドルの地位低下が大きくのしかかっている。世界最強の軍事力を誇りながらも、全世界に点在する基地を維持することに大きな負担を感じている。今後、米国国内の事情により基地の縮小・撤退が進む可能性が高い。日本でも、今後政権交代があり、思いやり予算の減額や地位協定の改定など、政治状況に変化が生じた場合、米軍基地の撤退や再編が加速する可能性が高いとカルダー氏は指摘する。
 第二次大戦後、世界に展開してきた米軍基地は今後どうなるのか。米軍再編が進む一方、なぜ、日本の米軍基地は整理縮小されないのか。基地の歴史や機能を検証しながら、米軍基地の今後を議論した。

マル激トーク・オン・ディマンド 第370回(2008年05月03日)
思いやり予算、そろそろやめませんか
ゲスト:田岡俊次氏(軍事ジャーナリスト)

ケント・カルダー
(ジョンズ・ホプキンス大学大学院教授)
1948年米国ユタ州生まれ。70年ユタ大学政治学部卒。79年政治学博士(ハーバード大学)。ハーバード大学政治学部講師、プリンストン大学教授、ワシントン戦略国際問題研究所(CSIS)日本部長、駐日米大使特別補佐官などを経て、03年より現職。同大学大学院エドウィン・O・ライシャワー東アジア研究センター所長を兼務。著書に『米軍再編の政治学』、『アジア危機の構図』、『自民党長期政権の研究』など。
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いまさらだがブログを始めてみる。特にWeb時代に乗り遅れてるつもりはなかったし、mixiにハマッてたのも過去の話。なのにブログは遠かった。まぁ要するに、書... 1/100 動機と構・・・
(1/100 百聞の一のブログ)|2008年08月20日 00:43
この記事へのコメント

やはり、ゲストには日本語の流暢な人を呼んで欲しい。
カルダーさんが悪いわけじゃないけど、聞き取りにくくて厳しかったです。

匿名 | 2008年08月24日 23:53

↓それもあるし、加えて反応すべきコメントが無いというのも理由でしょう。
神保・宮台は常々「自分達にない新しい視点を提示しろ」って言ってますから。
ただの感想やどっかから持ってきた脳内コピペに反応しろと言われても困るでしょうし。

EN | 2008年08月23日 12:14

変な人も湧いてるし、反応したらその人に餌をあげることになるから反応しないんだろう。

匿名 | 2008年08月23日 02:11

ニュースの部について
野球の日本代表がいう、「日の丸が重い」というコメント。
プロ野球という日本のトップレベルの、さらにトップと目されている選手が代表に選ばれていること。
そして、日本の野球は、世界のトップに近いと選手たちも国民も感じていることが背景にあると思う。

サッカーみたいに、オリンピック代表はフル代表ではなく、しかも日本のレベルはまだまだ世界の中でトップではないとわかっていれば、結構気楽に、自己のアピールと考えることもできるだろう。
でも野球の場合、国のトップレベルの選手で構成されているチームが外国に負ければ、、、自分たちの所属している日本のプロ野球は、井の中の蛙のようなものとなり、それに対してファンも失望するだろう。

「一生懸命プレーしてけがをしても何の保証もない」というのはその通りだが、勝つことで自分たちの存在証明にもなるし誇りも保てるというものだろう。

単純に、外に敵を作れば中がまとまるという面もあると思うけれど。

けがをしたくないんだったら代表に選ばれても辞退する選択肢もあるとおもう。でもそうしたら、、ファンに支持されず結局収入も減るんじゃないだろうか。

もう一つ。
負けた選手の「すみませんでした」発言を批判するのだったら、勝った選手や結果を残した選手の、「ありがとうございました」や「感謝しています」発言も批判すべきじゃないでしょうか。


最後に、ニュースや本編の中で、この「コメント」投稿に関しての発言が全くないのは不満です。

柏 | 2008年08月21日 00:04

昔の(大昔の)軍人は貴族&エリートが多かっただろうけど、いまの軍人(とくに米軍)は社会を反映して優秀な軍人もいれば、俺みたいなゴミカス犯罪者も結構いるから、軍隊の縮小は悪くないと思う。いくらなんでも米国の刑務所逝き確実な人を軍人として外国に派遣するのはよくないし、他国にも迷惑だし、(予想通りというか)現に問題が起きてる。

あ | 2008年08月20日 12:49

外国人の話す日本語の異様さって、ふつうの日本人が話す英語と同じくらい異様なんだろうな。

あ | 2008年08月20日 12:38

ケント・カルダー氏といえども、たぶん神保&宮台さんの日本語は半分くらいしか理解してないんじゃないか?本人に直接聞いてみないとわからないけど、たぶん聞いてないし聞こえてないし理解してないよw なんとなく言ってることは推測できてるだろうけど、神保さんとは違った意味で「空中戦」を眺めてるはずだからww 日本の小中学生に噛み砕いて話しかけるように説明しないとちょっと厳しいんじゃないか?まあ、宮台さんは塾講師の経験もあるし神保さんは外資系だから大丈夫だとは思うけど、普通だったらダグラス・K・フリーマン氏みたいにバイリンガルじゃないと丸激の完全理解は難しいよw

??? | 2008年08月20日 07:01

ケント・カルダー氏の日本語のような言葉の順序・配列で英語を書いたり話したりすれば急激にコミュニケーション効率がアップするかもなw 下手な日本人英語よりは伝わりやすくて分かりやすいと思う。

そういえば | 2008年08月20日 06:49

ふだんくつろいで会話や議論してる米国人のおっちゃんたちと違って、今回のゲストは日本人に合わせた態度物腰という感じでしたw ちょっとおとなしいというか静かでまじめというかww そのギャップがまた面白いんだけどwww

なんか | 2008年08月20日 06:29

『フォーリン・アフェアーズ』の文章を読んでる気分だったw 瑣末なことだが、思いきり英語の論理・発想・表現で日本語を話すゲストのような気がした。別の言い方をすると、はじめて米国文学(例:カポーティ)を読んだ時の感触に近いかな?頭の柔らかい20才前後の俺だったら気にならなかっただろうけど、今の俺はちょっと気になった(丸激番組進行中に聞こえてくるカラスの鳴き声や救急車のサイレン音なみに気になった)w こういう場合、何とか完全理解しようと努めるのが日本人や韓国人だろうけど、他の国の人だったら平然と「わかりません」「理解してません」と言ってのけるんだろうなww おそらく優秀な日本人であるにもかかわらず英語が通じないことがあるとしたら、今回の丸激ゲストのような言語を使ってる可能性が高いと思われる。おそらく英語圏の人が聞いてる日本人英語は、日本でいうとケント・カルダー氏の日本語に近いんじゃないか?あるいは日系アメリカ人3世の人たちが話す日本語の響き。発音も表現もリズムもそこそこいいけど、意味が通じないというねw

なんか | 2008年08月20日 06:17

○平均的日本人さん
>ちゃんとした政府なら核武装も徴兵制復活もして、特亜反日カルト国家連合体と戦いを始めるだろうからである。

それってどんな逆死ね死ね団ですか?そういうヘイトスピーチはチラシの裏だけにしてもらえませんかね。ついでに日本人を僭称して日本の評判を落とそうとするのもこれきりにしていただきたいですな。

○100%勇気さん
今回の番組でもつくづく、東西冷戦と言うものが世界の在り様にいかに大きな影響を及ぼしてたか思い知らされましたね。いかに巨大な経済力を誇る米国と言えども、人類史上かつて無かったような規模での軍事力の展開というのは、ある所から合理性を超えたものになっていた感があります。

東西冷戦の終結もそうですが、地球温暖化問題を背景にした脱・石油の流れはシーレーン防衛の必要性も低下させるかも知れず、場合によっては世界の軍事バランスを大きく変えかねない気がします。

○MAMEさん
>Ideologyに従わない国家の抹殺が彼らの祈願だからねぇ。

それはどんなイデオローグも同じで、極端化すればやってる事は変わらないと思うのですが・・・
昔から「人は己の敵に似る」と言いますからね。敵を非難していたつもりが、いつのまにか自身を深く切り裂いてた、と言うのは避けたいものであります(笑)

冷戦期における在外米軍の存在は、東西対立と言う背景があればこそ一定の意義が認められるものであり、無前提に是とされるものじゃないってのが番組の主旨だったように思うんですけどねぇ?
大体「アメリカと言う国家」にしても「軍事基地」にしてもその存在と言うのは多面的な影響を社会に及ぼすものであり、それで害を受ける人が出るのはどこどうやっても仕方の無い事でしょうに。

であるならば。

姿勢を問われるべきなのはそれらを非とする者ではなくて、むしろ是とする人達の方なのでは?自分は気にならないからってどんな者にも同じ立場に立つ事を強要するのは独善と言うものでしょう。何だか中国共産党や北の将軍様みたいですよ。

デミトリー | 2008年08月20日 02:33

今回のはいい番組だった。Newsでの喋りもいい結論がでてきて実におもしろかった。
もっとも本編は反米・反基地とかやってる人間には見るに耐えなかったかも知れないがね(笑)
元々こういうの見て考えを取り入れたり頭切り替える人ってのは右寄り、なんのかんの言って自分たちの集団の生存と未来を考えちゃう人には大勢いても左寄りにはほとんどいないんじゃないの?
Ideologyに従わない国家の抹殺が彼らの祈願だからねぇ。

MAME | 2008年08月18日 16:17

複雑化する世界情勢の中で、もはや白か黒かの単純思考では対処できない現実が迫ってきていることを思い知らされました。

宮台氏の「中国とアメリカはお互いに弱みを抱えており、ある面ではそれを相互補完している。中国はアメリカ国債を持ち保険をかけている」とのコメントに対し、カルダーさんが全面的に同意されていたことは注目に値します。
「ドルの基軸通貨としての凋落、それに伴い世界に823箇所も軍事基地を保ち続けることは不可能となる。更に帝国主義的な振る舞いは許されなくなり、外国に基地を持ち続け、軍事介入をするには、道義的・正当性なくしてはもはや成り立たなくなる。このタイミングでアメリカ自体が政権交代すれば、今までとは全く違った世界戦略に転換するであろう」この点でもお二人の意見は一致していました。

要するに、世界は多元化・多極化するに違いない。このような情勢の中で単純な一元論(日本の右翼・左翼に顕著に見られる)は通用しなくなる。複眼的な視野が必要になる。このように強く感じます。宮台氏の複眼的視野は今後ますます貴重になるに違いありません。有効な議論を導きだした神保さんの賢明さにも感服しました。本当に良い番組でした。

100%勇気 | 2008年08月17日 21:16

五輪はもう歴史上最悪に汚れた不幸な五輪と言うより表現しようがない状況である。支那どもが有史以来の人面獣心・厚顔無恥っぷりを満天下にさらけ出している。選手たちにはこんな汚れた五輪でプレイすることになって気の毒であると同時に、こんな五輪に参加することが恥ずかしくないのか? 五輪に参加することによってチベット・ウイグル・内モンゴルのジェノサイドに加担しているんだぞ! とも問いかけたい。北島あたりが公式ステイトメンツで「この金メダルを支那の暴虐と戦うチベット・ウイグル・内モンゴル国民と支那に毒をもられて殺されたパナマの子供たちに捧げる」とか言っていたら、彼のことを心から尊敬した。しかし、こういう当たり前の発言が日本選手から全く出て来ないことが、日本の酷い現状を表していると思う。

米軍基地に関して言うなら、日本から米軍にはちゃっちゃと撤退して欲しい。そのことで日本人が戦うことの大切さに目覚めるいい機会になる。そうして覚醒した国民が投票すれば、日本にちゃんとした政府が出来る。ちゃんとした政府なら核武装も徴兵制復活もして、特亜反日カルト国家連合体と戦いを始めるだろうからである。

平均的日本人 | 2008年08月17日 19:53
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