マル激トーク・オン・ディマンド
無法地帯化する霞ヶ関
マル激トーク・オン・ディマンド 第407回(2009年01月24日)
無法地帯化する霞ヶ関
ゲスト:高橋洋一氏(東洋大学教授)
 霞が関の官僚たちは一体何を考えているのだろう。
 先々週の国会では、麻生首相は、既に発効している法律を実質的に書き換えるような政令を閣議決定したことを野党から厳しく追及され、答えに詰まる場面が、繰り返しテレビで放送された。安倍政権下での国家公務員法の改正で、省庁による官僚の再就職の斡旋、すなわち天下りが実質的に禁止され、経過措置として3年間は新設される再就職等監視委員会が承認した場合に限り、天下りが認められることになっていた。しかし、ねじれ国会でこの再就職等監視委員会の人事が進まないのをいいことに、麻生政権はその間首相に天下りを承認する権限を与える政令を作ってしまった。国会で成立した法律の本則に反する行為を、法律よりも下位にある政令で可能にしてしまうというのだ。これは明らかに法律違反であり、「霞ヶ関のクーデター」(仙谷由人衆議院議員)と批判されてもしかたがないほどの暴挙だった。
 安倍政権で公務員制度改革を設計した東洋大学の高橋洋一教授は、これを官僚による露骨な天下り禁止法案の切り崩しと説明する。何とか天下りを続けたい官僚たちが、なりふり構わぬ既得権益の防衛に乗り出した結果だというのだ。
 しかし、官僚の権謀術数を知り尽くしている高橋氏は、「このような露骨なやり方は考えられない」と、官僚が利権維持のために法律違反まで犯すようになったことを嘆く。同じく安倍内閣で行政改革担当大臣として公務員制度改革を断行した渡辺喜美衆議院議員も、この政令の撤回を麻生首相に求めたが受け入れられなかったために、自民党を離党している。
 しかもこの政令には、一旦天下りした公務員OBの再就職を斡旋する、いわゆる「渡り」を容認する条項まで盛り込まれており、官僚たちは麻生政権が迷走を続ける間に、天下りを禁じた改正国家公務員法を完全に骨抜きにするばかりか、どさくさに紛れて、これまで法律で認められていなかった行為までも政令に押し込んでしまったようだ。
 それにしても、なぜ官僚はここまで露骨に権益擁護に乗り出さなければならないのか。これまでも官僚は、官僚にしかわからないような独特な霞ヶ関用語を法案の条文や大臣談話に滑り込ませることで、政治家の決定を骨抜きにするなどして、政治を巧みにコントロールしてきた。しかし、今回の政令のような露骨な手法は、これまで例をみない。
 また、仮に民主党が政権の座についても、霞ヶ関をコントロールできなければ、有効な施策を打つことはできない。若い議員が多く、官僚の手練手管を熟知していない民主党に、官僚支配を打ち破ることができるのか。高橋氏は民主党が政権についた時、今回の政令作成に関わった官僚たちを厳しく処分できるかどうかが、最初の試金石になるとの考えを示す。
 官僚たちは単に公共心を失ってしまったのか。あるいは、世論の突き上げで少しずつ特権を失い、いよいよここまでやらなければ、自分たちの権益を守れなくなってきているということなのか。今、霞ヶ関で何が起きているのかを、官僚の世界を裏の裏まで知り尽くした高橋氏に聞いた。
(途中、渡辺喜美衆議院議員の電話出演あり)
  • オバマ大統領が政令第一号に署名
  • 消費税増税をめぐる国会論戦
  • 渡辺喜美氏らが政策集団を立ち上げ
  • 裁判への被害者参加の意味

マル激トーク・オン・ディマンド第393回(2008年10月11日)
民主党マニフェストと霞ヶ関埋蔵金
ゲスト:高橋洋一氏(東洋大学教授)

マル激トーク・オン・ディマンド第359回(2008年02月16日)
官僚の思い通りにはさせない
ゲスト:渡辺喜美氏(金融担当大臣)

プレスクラブ (2009年01月13日)
渡辺喜美衆議院議員 離党表明記者会見

高橋 洋一たかはし よういち
(東洋大学経済学部教授)
1955年東京都生まれ。78年東京大学理学部数学科卒業、80年東京大学経済学部卒業。80年大蔵省入省後、理財局資金企画室長、98年〜01年プリンストン大学客員研究員、06年内閣参事官などを経て、08年より現職。07年千葉商科大学大学院で政策研究博士取得。著書に『霞ヶ関埋蔵金男が明かす「お国の経済」』、『霞ヶ関をぶっ壊せ!』など。
この記事へのコメント

まぐさん・・・
『マンキュー経済学 ? マクロ編』読みましたよ(笑)。
「未解決の問題」を始めとして、
読みやすく整理された良書ですね。
ただ、様々なことに配慮し、両論併記なのは結構なんですが、
「未解決の問題」のように対立する考え方それぞれを、
間違いなく支えているであろう思想的背景(哲学)に
言及していない点が気になりました。その意味で、
竹森俊平著『世界デフレは三度来る』は、これぞ、
プロのお仕事だと感銘を受けた素晴らしい傑作でした。
市場のホメオスタシスを前提とするか否かで、
市場観は全然変わっちゃいますからね(笑)。
私個人的には、ケインズ(市場=不均衡)・・・
流れ(動的平衡(笑)→ 非平衡開放系)に与しておりますが、
市場という構造の自己組織性(→ 定常性〜均衡)を
蔑ろにするには、非平衡開放系は難しすぎます。

以前お尋ねした原田泰先生の解説に対する疑問も氷解しました。
> 沈思黙考 | 2009年02月04日 01:27
http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/harada.cfm?i=20060629c3000c3
『世界デフレは三度来る』下巻(p351)
「戦後の日本は輸出を中心とした経済発展を遂げてきたとよく言われるが、
数字の上だけから見れば、
「輸出」が国民所得に占める比重はたかだかGDPの10パーセントでしかない。
経済全体の10分の1の意味しか持たない「輸出」・・・
しかし・・・「輸出」と「設備投資」の連動性が強いという特徴を日本経済が持ち、
それに加えて消費までが、投資の動きと連動するようであれば、
結局、経済全体が輸出の動きに合わせて変動することになる」
「戦後アメリカの寛大な計らいで、1ドル=360円という円安で出発し、
輸出を基礎にした成長を遂げた日本経済だが、
他方では、輸出セクターを頂点として経済構造が築かれているというまさにその理由により、
今日にいたるまで対外摩擦に国全体が一喜一憂することになる。
「対外安定」の重視から「対内安定」の重視への財政・
金融政策の目標の切り換えが円滑にいかなかった理由も、ここにある」

「輸出大企業の工業製品の富が、
回りまわって私たちは今の暮らしを維持しているのだ。
これ以外ではない(副島隆彦著『属国日本論を超えて』)」
「輸出」の定義如何の問題には違いありませんが、
原田泰先生の一面的な解説に、懐疑を覚えたのも事実です。

沈思黙考 | 2009年03月30日 01:28

まぐさんへ
> ネットメディアの編集部の徹底的に酷い対応
そうだったんですか・・・ ここでは、
神保さんが表に出てこないですから大丈夫ですね(笑)。

> 細かく日本に働きかけるメリットをアメリカは感じていない・・・
> 要望書問題は長期停滞ゆえに日本人に沸きあがった陰謀論だと思います。
問題そのものを解決しようとせず、
閉塞感を外に向けたがる傾向も確かに否定はできませんね。
いずれにせよ、できること、できないことがあるにしても、
同様の注文(例えば、思いやり予算)を正式文書で、
http://www.videonews.com/on-demand/361370/001304.php
日本もアメリカに付けて欲しい、それが無理なのであれば、
そのための前提作りぐらい何とかして欲しい、と考えているのは、
私だけではないと思いますよ。

> 制度ができる事は各人の経済的な豊かさを齎すまでであり、
> それ以上は個人の問題です。
私自身は、個人の問題(自己責任)というには、
奥の深い問題だと考えております。
宮台真司先生の発見的な社会学的知見を、
私が大切にしている所以です。

> 比較優位とは絶対優位ではなく、
> あくまで国内での優位性を問題にする
日本語の例えは、日常語としては通用しても、
経済学的用語としては、確かに問題ですね。

> 北朝鮮すらジワジワと外部から経済の流れが侵食しています。
> マクロ経済学とは歴史的に観察された
> 経済の動きから抽出された知見ですから、
> 政府の動きも織り込み済みです。
このあたりが、私とまぐさんの違いかな? と思いました。
経済(学)的合理性が結局は歴史を動かす・・・と読めたのですが、
一方で、経済学があらゆる知見を包含しているとも思いません。
あらかじめこの立場が正しい、というのは危ないと思います。
・・・と思っていることに変わりはないのですが、

魚住昭著『野中広務 差別と権力』
対談 佐藤優 × 魚住昭(文庫)
「いまのところこの勝負は官僚の勝ち。圧倒的に強い。
それは世界全体で生じている現象だと思います。・・・
アメリカでも官僚の力はすごく強まっていますし、ロシアでもそうです。
イデオロギーという対抗軸がなくなってしまっているところで、
国家が基礎的な単位となって動くとなれば、
どうしてもそれを具体的、実体的に担うところの官僚の力は強くなる」

> 市場の外部である巨大な官僚領域を縮める
に至って、沈思黙考(笑々)。なるほどなあ・・・
経済学的合理性を突き詰めた、まぐさんならではのご意見だと感じました。
個人的には、『歴史の終わり』における著者フランシス・フクヤマのジレンマ・・・
「リベラルな民主主義が魂の三つの部分(=理性、欲望、気概)
すべてにいちばん幅広い余地を提供している」と考えつつも、
「普遍的で均質な国家のなかで誰もが画一化され、
世界のどこへ行こうと他人と変わりばえがしないという発想への反発」
「人間は・・・奴隷の生活 ― 合理的消費の生活 ― に結局のところ嫌気がさしてしまう」
「人間を平等なものとして扱うのはその人間性を承認するのではなく否定することだ」
「人間はやはり生き甲斐となる理想(=優越願望)・・・を求める」を思い出しました。
やはり、
> それ以上は個人の問題です。
というご意見には首肯しかねる次第です。

私が、まぐさんを面白いなあ・・・と思うのは、
「自分の本心を絶対明かさないで、いつも慎重に構えていて、
たとえ長年の親友の前でも言葉を選んでしゃべる、という人たち
(『副島隆彦の人生道場』)」
とは正反対の振る舞いをされているからです。
とまれ、後輩さんに叱咤され、
まぐさんも暗にお薦めくださったマクロ経済学・・・
折りを見て、マンキューにチャレンジしてみますね。

沈思黙考 | 2009年02月08日 03:25

私のコメントが何故、承認の対象になるかわかって来たような気がします。
参照資料のアドレスがやたらに多く、アドレス先の内容の確認に時間がかかるのかもしれません。
それから被害者意識の現われは、以前、ネットメディアの編集部の徹底的に酷い対応を経験してきたせいです。

要望書に戻ります。
フォーリン・アフェアーズで外交評議会の議事を読むと米政府要人の思考がわかります。
その流れで言えば、日本の官僚組織は米国にとって敵ではないという事です。
そして、官僚に押さえ込まれている日本の政治家など恐れの対象ではないのです。
逆に言えば、官僚を使いこなし、独自に日中国交を樹立し、石油獲得にも動いた田中角栄は脅威の対象であったと思います。
従って彼の失脚には謀略があった可能性は私も感じます。

日本が大きく現在のポジションを変えない限り、細かく日本に働きかけるメリットをアメリカは感じていないと思います。
また、アメリカは何度も日本政府に金融緩和を要求しています。
しかし、日銀や財務省はそれには応えていません。
アメリカの国債を日本が(今は中国)買い支える事がドル体制を堅固にします。
一方的に日本から搾り取り、日本経済を弱体化させる事に米国の国益があるはずはないのです。また、アメリカは日本が中国に飲み込まれる事を望む訳はないのです。大局的に考えれば、日本の現在のポジションはEU圏の英国、アラブ圏のサウジ(イスラエル)です。シンパシーは少ないでしょうが。

結局、要望書問題は長期停滞ゆえに日本人に沸きあがった陰謀論だと思います。
つまり、貧すれば鈍するです。

また、マクロ経済学とは歴史的に観察された経済の動きから抽出された知見ですから、政府の動きも織り込み済みです。間違った政策をとれば経済を大きく損なう事もありますが、一政府が完全に経済を従属させられるわけはないのです。
北朝鮮すらジワジワと外部から経済の流れが侵食しています。

>豊かさ特有の苦しみ・・・
人間の肉体が食の豊かさには対応できにくいように、精神も豊かな状態ではモチベーションが湧きにくいのかもしれません。
しかし、制度ができる事は各人の経済的な豊かさを齎すまでであり、それ以上は個人の問題です。個人の消極的自由は守られるべきです。

フィリピンの問題は農地解放が成されず、国の大部分の富を数個の財閥が握っていて、健全な市場が形成されていないせいだと思います。従って出稼ぎが送金して経済が成り立つ側面がありますが、フィリピンですら少しづつ成長しています。

>構造問題(比較劣位な日本語、補助金農業・・・)には、

比較優位説は対外的には貿易の正当性を担保しています。
比較優位的に貿易がなされ、貿易によって生じる失業が解決されれば、世界的に富が増加するという話です。
この比較優位とは絶対優位ではなく、あくまで国内での優位性を問題にするのですから、言語や歴史、地理が障害にはなりません。
私の考えでは全ての国が比較優位に特化して産業を単一化していく必要はないのだろうと思います。一番肝心なのは急激な変化、極端な変化は望ましくないということです。
問題は国内での比較優位の実現ですね。
一つは市場の外部である巨大な官僚領域を縮める。
次にはエリート層の新陳代謝をはかる。もともと官僚制度にはそのような意味合いがあったのですが、弊害が多くなっている。
そして最大の問題が経済の長期停滞により、既成資本が圧倒的に有利になっている。
まあ、政商(オリックス等)らの交代はあるのですが。

まぐ | 2009年02月06日 22:39

まぐさんへ
> まぐ | 2009年02月03日 18:24
> 要注意人物視されたのかもw
神保さんはそんな方じゃないですよ(笑)。
単にプログラム上の不具合か、
人手不足(予算の問題)かだと思いますよ(笑)。
神保さんがこのコメント欄について、
番組中で殆ど言及されない理由を私はこんな風に考えてます。
なまじ言及すると公開されているだけに、
おかしなプレッシャーを投稿者にかけてしまうだろう・・・
我々の自由を守ってくれていると言えば聞こえはいいですが、
要するに一人前扱いされてない訳です(笑)。
閑話休題。

どうしても政治が絡みやすい経済故に、
その実証性(「産業政策なし」)に関しては、
留保した方がいいだろうと、私は思っています。
「平和とは、戦争をしていない状態のこと
(副島隆彦著『仕組まれた昭和史』)」に倣えば、
「比較優位説とは、産業政策をしていない状態のこと」
つまり、二律背反関係にあり、
あちら立てれば、こちら立たず・・・、
比較優位説(平和)が良いと分かっていても、
(ホントは留保しています(後述))
裁量行政(戦争)を止められないのが
人間の性(さが)だと、考えております。
江田けんじ代議士のコメントに関しては、
まぐさんが引用されていた部分は、
あくまでもタテマエで、ホンネは
> 頂上から政界とか官界、
> 経済界の景色を見てしまったんです。
> もうグチャグチャ。魑魅魍魎。ヌエだとか、
> 一反木綿だとか、ネズミ小僧・・・(苦笑)。
に現れてるんじゃないでしょうか?
「アメリカというのは、同盟国であっても、
根掘り葉掘り調べないと気が済まない国である
(中田安彦著『ジャパン・ハンドラーズ』)」
なんせ、2国間協議すら自由にさせてくれないお国柄ですから。

副島隆彦著『決然たる政治学への道』
「科学もパラダイムの一つであるから、
それ自体、実に相対的(relative)なものである。
しかし、彼らアメリカ人や西欧人は、そうした本来、
相対的なものを「絶対化」(absolute)することにこそ、
「政治」の意味を見いだしていくのである」
ルイ・アルチュセール『モンテスキュー 政治と歴史』
「古代のあらゆる思想は・・・
政治は作為されればよい、という確信である」
シェルドン・ウォーリン『職業としての政治理論』
「政治学は、
クーンが描き出したような新しい支配的な理論を打ち立てる、
という型の革命を経験したわけではない。
……むしろ、科学革命が成立するためには、
一つの理論を受容して、競合する他の諸理論を排斥する、
という科学者集団の決断が不可欠である」

副島隆彦著『決然たる政治学への道』
「欧米の知識人層や政府の官僚たちにとって、
政治とは政治綱領(ポリティカル・プログラム)あるいは、
政策綱領(プラットフォーム)に従って、
自分たちの意思で選び取って行く国家体制そのものの、
提示であり、かつ、実践そのものであり、それがそのまま、
政治という科学(サイエンス)そのものなのである」
「日本は、一九八九年に日米構造協議(←自分たちの政治綱領を書いて行く手法で、
ある国家体制を記述し、性格づけして行く)が行われたあのとき、真っ裸にされた」

シカゴ・プラン(準備率100%)=リスク(貨幣)の一元化
読ませていただきました。どうせ尻拭いさせられるんだから、
いっそのこと、市中銀行から、
信用創造機能を失くしてしまおうってことなんですね。
まぐさんが、リフレ政策に対する揺るぎない確信を
お持ちであることがよく分かりました。
> 「インフレ率を2%程度に安定化させる」
> 間違いのない金融政策というものは、
> 本当に存在するのでしょうか?
実験で試行錯誤できない経済政策に対して、
ズルい質問をしたことお詫びします。

ところで、
> かぴばら | 2009年01月25日 12:27
> 宮台さんが言っていることは池田信夫氏と全く同じ
まぐさんとのやりとりを通じて感じたのですが、
宮台真司先生は、自身の立場は置くとして、
池田信夫先生の立論をあからさまに振りかざすことで、
視聴者の覚醒を促していたような気がしませんか?
http://www.videonews.com/on-demand/0401410/000818.php#com
> まぐ | 2009年01月19日 08:14
> 結局、福岡氏の言説自体を掴みネタとして、
> 生物に関するまっとうな知見へ向かう者が増えれば、
> 例え番組自体を批判されたとしても神保氏の苦労も報われる
福岡氏 ⇒ 宮台氏(池田氏)、生物 ⇒ 経済、と読み替えても
当たらずとも遠からずだと考えている次第です。

私が比較優位説(最適化)に
一定の留保をつけたい理由を今一つ述べます。
貧しさからの脱却それ自体には共感できるのですが、
豊かさ特有の苦しみ・・・
最適化(「精神なき専門人、
心情なき享楽人(マックス・ウェーバー)」)
のつまらなさを思うのです。

副島隆彦著『決然たる政治学への道』
「非西欧諸国の国々でも比較的独立を保った国は、
そうした(←西欧流の政治形態)
政治的選択(←最適化)を無理やり強いられる局面で、
それらの政治用語の意味を、歴史的な民族固有のコトバと混淆させて、
その国にとって独特の新しい「政治のコトバ」を開発した国もある。
日本はこれに属す・・・日本はこの「言語の壁」によって、
二千年間、外敵から守られてきたのだ」

関岡英之、和田秀樹共著『「改革」にダマされるな!』
「フィリピンという国は五〇年代にアジアで一番豊かな国だったんですが、
・・・アメリカの植民地ゆえに語学ができる人が多かったことも相まって、
国の優秀な人材がこぞってアメリカに移住してしまった。
それが国力低下に拍車をかけたんですね」
「高等教育を母国語で受けられるのが先進国の条件であると同時に、
実はエリート教育を母国語で受けることができるのも先進国の条件」

構造問題(比較劣位な日本語、補助金農業・・・)には、
最適化(比較優位説)に関して、
「一部しか見ないように誘導されている(小幡績先生)」
ことを浮き彫りにする側面があると考えております。

沈思黙考 | 2009年02月06日 18:12

沈思黙考さん
実は最近、マンキューの教科書よみはじめましたw
はじめの「経済学の十大原理」を読むと、その簡潔な記述からケインズの文脈が浮かび上がって来て、ジワーと来ますw
>現代マクロ経済学者たちがやることの実に大きな部分は、まちがなく『一般理論』から直接的に導かれる。

>ケインズ的発想って、
仰るとおりです。
ウィキで「ハーヴェイロードの前提」を検索してみてください。

>外需で賄った過去の経済成長の結果、豊かになった現在の日本は、内需で回るってことなのでしょうか?

日本は輸出立国という事で国策で輸出産業を育成してきました。言わば輸出企業に国民の所有を移転してきたわけで、そろそろ、内需を重視した方が豊かな生活を送れるという事なのでしょう。

>金融的有効需要って、手に負えない気がします・・

http://a1morino.blogspot.com/2008/12/blog-post_25.html
シカゴプラン
以前の大恐慌後に金融の安定を研究し
て生まれたプラン。

銀行の貸し手とその借り手間で貨幣は創造(通貨量の増加)されるが、一旦恐慌になると、貨幣需要が極端に高まり結果として金融が収縮する。
(現在の証券化による貨幣創造はレバレッジされている分だけ、急激な信用の膨張と収縮を生む。)
従って、貨幣創出は国に独占させ銀行には貯蓄、融資事業のみにする。
国は実態経済に見合う通貨量の2%増しを市場に供給するというものです。
>フィッシャーによると、貨幣創造は借り入れる借り手と融資する銀行の二つの意思の偶然の一致に依存している。ケインズは、流通する媒介物における揺れの大きな源泉としてこうした「二重の欲求」を嘆いた。

またケインズが出てきますねw


まぐ | 2009年02月04日 23:35

まぐさんへ
ご紹介くださった山形浩生氏の解説文、読ませてもらいました。
> どうすればもっと雇用を作れるだろうか?
> ケインズは賃金が下がれば雇用が増えるという甘い信念と対決している
有効需要という抽象概念は、
雇用創出をいかに実現するかという深い思索の中から出てきた概念だったんですね。
できるだけ多くの人を豊かにしたい・・・
ケインズって格好いいですね(笑)。

> 批判の意味3 | 2009年01月28日 13:09
> 日本の潜在成長率・・・以上の成長を考えることが成長政策で、
> 宮台氏の「生産性」の話はこれに当たります
> まぐ | 2009年01月27日 09:56
> 生産性が上がるというのは結果論
市場に任せた方がいいというのは、この「生産性」のことなんですね。
まぐさん達の考え方が、だんだん分かってきました(笑)。
> 金融を緩和していないと・・・他の面で雇用減を生み、
> トタールでは経済の成長につながらなかった
> 私の考えでは再分配政策の誤りで貨幣に偏在が生まれ
> 過剰流動性を生んでいると思います。
> 税体系も消費を抑制する消費税ではなく
> 所得税の累進課税の強化が望ましいと思います。
貨幣に偏り(⇒過剰流動性)ができてしまうのは、貨幣の属性故・・・
偏りを生まない人為的な仕組み(累進課税)が求められるってことですね。
ケインズ的観点(モノよりおカネ)って有用ですね。
ホントにシビレてます(笑)。

> EN | 2009年01月27日 14:06
に関しては、アマゾンの書評に掲載されているモワノンプリュさんの引用文
「財源論が出てくるときは、それ以外にまともな反対理由がない、ということでもある。
(中略)財源論に付き合う必要はない(湯浅誠著『貧困襲来』)」を、
財源論 ⇒ 長文批判 で読み替えればいいと思いますよ(笑)。
個人的には、多少斜に構えて見えますけど、良心的な方だと思ってます。

http://www.videonews.com/on-demand/0391391400/000798.php#com
> EN | 2008年10月27日 13:05
では、豊下楢彦先生に言及されてますし、
http://www.videonews.com/on-demand/0391391400/000802.php#com
EN | 2008年11月23日 12:30
60才までサラリーマンを勤めた父云々・・・
のコメントを読ませてもらったからなのですが・・・

> 政治学ではエリート層の固定は社会の停滞を招くと言っているが
> 卓越主義的リベラリズムとはその弊害に陥らない機能を果たせるのだろうか?
日本では根付かないでしょうが、憎まれ役って私は大切だと思います。
ご教示いただいたケインズ的発想って、
卓越主義的リベラリズムだと、私個人的には思えるのですが・・・

ご紹介くださった原田泰先生の解説に関しては、
私の頭の中では???でまだ整理できてません。
http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/harada.cfm?i=20060629c3000c3
> 日本人は子供のころから「日本は資源のない国だから、
> 輸出をしなければ立ち行かなくなる」と教えられてきたことも影響しているのかもしれない。
> 確かに、日本が石油輸入代金分の輸出をしなければ、生活水準は急落してしまう。
> 石油がまったく入ってこなくなれば、あらゆるものが生産できなくなるからだ。
> しかし、石油が買える分の輸出さえできていれば、後は輸出が減っても、
> 輸出部門のGDPに占めるシェアに比例して日本の生活水準が下落するだけだ。

内橋克人著『隗より始めよ』
「対米依存の輸出構造」
「日本経済の過去の成長は、他国と何を交換することによって成し遂げられたのか」
「日本企業は戦後一貫して、需給ギャップを、巨大なアメリカ市場によって埋め合わせてきた」

外需で賄った過去の経済成長の結果、豊かになった現在の日本は、内需で回るってことなのでしょうか?
ただ、小幡績先生の回(第403回)に紹介されていた「実体経済 < 金融経済」の規模を見て、
実体的な需要は、金融に振り回されざるを得ない状況だなあ・・・と思いました。
経済力を持つ人々が、自発的に累進課税の強化に乗り出すとは考えにくく、
金融的有効需要って、手に負えない気がします・・・

沈思黙考 | 2009年02月04日 01:27

>沈思黙考さん
年次要望書の私なりの見解は長くなりまたもや承認対象に、あるいは要注意人物視されたのかもw
一応、参照資料だけ貼り付け。
ウィキペディア 年次改革要望書
http://keyboo.at.webry.info/200710/article_11.html
http://keyboo.at.webry.info/200710/article_12.html
http://www.eda-k.net/mag/mag_112.html
http://www6.atwiki.jp/political_master/pages/27.html

それから私の>3−1はようやく承認された。
>3−3の追加資料として
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20090201#p1
書評 浜矩子『グローバル恐慌』

まぐ | 2009年02月03日 18:24

まぐさんに教示していただいた公理
「ケインンジアン・・・需要と供給はもともと一致しないものだと考えていて、
それは人々のお金に対する愛のせいで需要が低水準にとどまるからだと思っている」

「学問は政治に従属する(中田安彦、副島隆彦共著『ジャパン・ハンドラーズ』)」
という公理は、お気に召さなかったようで・・・
> 後輩 | 2009年02月03日 01:24
> 小著・・・数百倍・・・
よっぽど気に障ったみたいですね。
経済学的金持ち喧嘩せず・・・ですか(笑)
とりあえず、ご紹介下さった若田部昌澄著『改革の経済学』のお礼を!
石橋湛山『インフレーションの理論と実際』の解説は良かったです。
先ず、金本位制を再停止してから、量的緩和に乗り出した・・・
政府の通貨政策の失敗に原因を見た
リフレ政策の見事な成功例だと思いました。
「知識についての貪欲さ、あるいは節操のなさ、そして異論を受け入れる、
あるいはそうせざるをえない競争的かつ開放的な知的土壌・・・(『改革の経済学』より)」
> 色々独自のこだわりや思考過程・・・たいへんな熱意
文脈次第で随分印象が変わっちゃいますね。 ではでは・・・

沈思黙考 | 2009年02月03日 18:00

年次改革要望書をどのように考えるべきか?

ウィキペディアの年次改革要望書によれば、日米、日欧の政府間でお互いに要望しあうというものです。
この要望を受け入れるかどうかは基本的には各政府の判断によりますが、力関係も介在します。

関係者の一人、江田憲司氏は
http://www.eda-k.net/mag/mag_112.html
>F でも、官邸に対する米国の圧力はあるでしょ?
江田 基木的にはないですね。よく陰謀説で出てくる米国の対日「年次改革要望書」。これに郵政民営化の要望が載っていたと言うけど、(作成している)米国の下級官僚なんて調査能力もレベルも低いんですよ。日本で専門家たちが言っているようなことを全部かき集めてきて報告書にするから、それがただ逆流しているだけ。

また妥当性のある分析として
http://keyboo.at.webry.info/200710/article_12.html
【補論】「米国陰謀論」は本当なのか?(郵政民営化の本質を探る:番外編3)
>橋本派打倒の踏み絵を用意する必要があった小泉さん。
郵貯・簡保の縮小によるビジネスチャンスを目論んでいた米国。
両者の思惑が一致して断行された郵政民営化。
しかし、民営化を先に主張したのは米国ではなく小泉さん自身であった。

また長期的な視点から
http://www6.atwiki.jp/political_master/pages/27.html
政治的党派性とマクロ経済政策?
>ヒッブスの党派性理論
左派政権--------高インフレであって「低失業」を重視
つまりは
ケインズ主義的マクロ経済戦略、低失業率、所得平準化 指向
中道・右派政権---高失業率であっても「低インフレ」を重視
つまりは
インフレ対策と均衡予算による民間企業への安定的な経済枠組み提供

このような視点から言えば
現自民党は中道右派政権に属すると分析され、それほどの特殊性は考えられない。

まぐ | 2009年02月03日 10:29

 政教分離ではなくて、政経分離ですか。要望書は官僚の作文(by吉崎達彦)という感じですかねぇ。

すでにニュースからも本編内容からも、かなり逸脱してしまっているので、あまり引っ張りたくないんですが、ただ色々独自のこだわりや思考過程がおありなようですから、そこでどうでしょう、このような狭い場所ではなく、先のichigobbsとかでお聞きになられたら。あそこはプロの方も混ざっていますし。ブログや小著を色々と読まれるのも良いですが、ちょっと時間がもったいない気がします。一度オーソドックスな教科書を読まれたうえで考えられたほうが、数百倍は効率的かと。ちょっと時間的余裕がありませんので、ご期待どおりには応えられません、この辺りでお暇させて頂きます。ただ、たいへんな熱意は伝わってきましたので。

後輩 | 2009年02月03日 01:24

2−2
後輩さんは、政経分離(年次改革要望書)についてどう思いますか?
「私が『拒否できない日本』という本で提起したのは、
「日米構造協議は実は終わっていない」ということなんです・・・
日米構造協議は、『年次改革要望書』という恒常的な慣例にかたちを変え、
「構造改革」と名を変えて、
いまも事実上継続していると思うんです(関岡英之著『国富消尽』)」
経済(比較優位説)は、
政治(産業政策)を前提視せざるを得ないのではないでしょうか?
比較弱者の思想的抵抗(例:アメリカからの再軍備要求に対する吉田ドクトリン:
相手の論理=タテマエ(日米安保+平和憲法)を逆手に取る。
「アメリカに基地を提供する代わりに本土防衛義務を負わせ、
日本はできるかぎりの低軍備で国力のすべてを経済復興に傾注する(宮台真司著『憲法対論』)」)
として、あえての市場整備(見えざる手)重視なら納得できるのですが、如何でしょう?
陰謀論じみた実証しがたい(研究になじまない)対象について
言及している点は自覚しております。
竹中平蔵氏のケースを例に取りましょう。
http://amesei.exblog.jp/1513131
> 靴屋の倅である(部落出身者である)
http://www.jimbo.tv/videonews/000236.php
> February 19, 2006 投稿者 沈思黙考
魚住昭著『野中広務』を読んだり、
ビデオニュースでも言及された野中広務氏の両腕とまで評された浅田満氏(ハンナン)
「私財3億円を使って、国内の牛肉を買い取り、補助金を再分配した」を聞くにつけ、
部落出身者でありながら、部落の力の背景にしていない竹中平蔵氏が
日本のメイン・ストリートで昇り龍の如く出世していった背景は何なのでしょう?
その答えは、アメリカ(の裁量行政、産業政策)だと私は思います。

沈思黙考 | 2009年02月02日 01:48

2−2
http://www.asyura.com/0505/hasan42/msg/150.html
> 現在の日本のデフレは日本の将来をかける先端産業が
> 米国の圧力で潰されてきたことが原因であり、
> 米国こそ構造不況の最大原因であった
まぐさんが紹介されたリンク先のコメントは、
当たらずとも遠からず・・・と考える次第です。
後輩さんは、政経分離(年次改革要望書)についてどう思いますか?
「私が『拒否できない日本』という本で提起したのは、
「日米構造協議は実は終わっていない」ということなんです・・・
日米構造協議は、『年次改革要望書』という恒常的な慣例にかたちを変え、
「構造改革」と名を変えて、
いまも事実上継続していると思うんです(関岡英之著『国富消尽』)」
経済(比較優位説)は、
政治(産業政策)を前提視せざるを得ないのではないでしょうか?
比較弱者の思想的抵抗(例:アメリカからの再軍備要求に対する吉田ドクトリン:
相手の論理=タテマエ(日米安保+平和憲法)を逆手に取る。
「アメリカに基地を提供する代わりに本土防衛義務を負わせ、
日本はできるかぎりの低軍備で国力のすべてを経済復興に傾注する(宮台真司著『憲法対論』)」)
として、あえての市場整備(見えざる手)重視なら納得できるのですが、如何でしょう?
陰謀論じみた実証しがたい(研究になじまない)対象について
言及している点は自覚しております。
竹中平蔵氏のケースを例に取りましょう。
http://amesei.exblog.jp/1513131
> 靴屋の倅である(部落出身者である)
http://www.jimbo.tv/videonews/000236.php
> February 19, 2006 投稿者 沈思黙考
魚住昭著『野中広務』を読んだり、
ビデオニュースでも言及された野中広務氏の両腕とまで評された浅田満氏(ハンナン)
「私財3億円を使って、国内の牛肉を買い取り、補助金を再分配した」を聞くにつけ、
部落出身者でありながら、部落の力の背景にしていない竹中平蔵氏が
日本のメイン・ストリートで昇り龍の如く出世していった背景は何なのでしょう?
その答えは、アメリカ(の裁量行政、産業政策)だと私は思います。

沈思黙考 | 2009年02月01日 22:52

2−1
後輩さんへ
> 後輩 | 2009年01月31日 01:40
> 横槍みたいですいません。
とんでもない。
一番尋ねたかった質問を引用してくれて、誠実さを感じた位です(笑)。
> 産業政策ほど計画経済っぽくはないし、
> 完全無欠かどうかはともかく産業政策ほど不確実でもないでしょう。
比較優位説を学んだ時に私が感じたのは、
初期条件を踏まえ、相互信頼関係が続く限りでは正解だ、ということです。
政経分離など幻(「政経不可分」霍見芳浩先生)だと考えている私としては、
相互信頼・・・これが難問だと思うのです。
タレブ著『まぐれ』を忘れがたい所以です。

> それでもやっぱり、どっか、なんとなく、
> どうにもこうにも、ちょっとリスキー・・・
リンク先を吟味すれば、概ねリフレ政策に収束すると
踏んだ上でのコメントだと解釈したのですが、
最良のアプローチがリフレ政策であるとして、
> マネーサプライの成長率とインフレ率との関係は、短期的にはブレを見せますが、
> 数年以上の中長期的な平均をとれば、たいていはきれいな関係に落ち着きます
当局がリフレ政策に乗り出さない理由が、勉強不足だとは考えにくいのです。
前任者の政策「輸出依存型経済構造を内需主導型経済へと転換する(「前川レポート」)」
(を主導したアメリカ様)に縛られて機敏に動けなくなっていたのでしょうか?

沈思黙考 | 2009年02月01日 22:48

後輩さんへ
> 後輩 | 2009年01月31日 01:40
> 横槍みたいですいません。
とんでもない。一番尋ねたかった質問を引用してくれて、感謝してます(笑)。
> 産業政策ほど計画経済っぽくはないし、
> 完全無欠かどうかはともかく産業政策ほど不確実でもないでしょう。
比較優位説を学んだ時に私が感じたのは、
初期条件を踏まえ、相互信頼関係が続く限りでは正解だ、ということです。
政経分離など幻(「政経不可分」霍見芳浩先生)だと考えている私としては、
相互信頼・・・これが難問だと思うのです。
タレブ著『まぐれ』を忘れがたい所以です。

> それでもやっぱり、どっか、なんとなく、
> どうにもこうにも、ちょっとリスキー・・・
リンク先を吟味すれば、概ねリフレ政策に収束すると
踏んだ上でのコメントだと解釈したのですが、
最良のアプローチがリフレ政策であるとして、
> マネーサプライの成長率とインフレ率との関係は、短期的にはブレを見せますが、
> 数年以上の中長期的な平均をとれば、たいていはきれいな関係に落ち着きます
当局がリフレ政策に乗り出さない理由が、勉強不足だとは考えにくいのです。
前任者の政策「輸出依存型経済構造を内需主導型経済へと転換する(「前川レポート」)」
(を主導したアメリカ様)に縛られて機敏に動けなくなっていたのでしょうか?

http://www.asyura.com/0505/hasan42/msg/150.html
> 現在の日本のデフレは日本の将来をかける先端産業が
> 米国の圧力で潰されてきたことが原因であり、
> 米国こそ構造不況の最大原因であった
まぐさんが紹介されたリンク先のコメントは、
当たらずとも遠からず・・・と考える次第です。
後輩さんは、政経分離(年次改革要望書)についてどう思いますか?
「私が『拒否できない日本』という本で提起したのは、
「日米構造協議は実は終わっていない」ということなんです・・・
日米構造協議は、『年次改革要望書』という恒常的な慣例にかたちを変え、
「構造改革」と名を変えて、
いまも事実上継続していると思うんです(関岡英之著『国富消尽』)」
経済(比較優位説)は、
政治(産業政策)を前提視せざるを得ないのではないでしょうか?
比較弱者の思想的抵抗(例:アメリカからの再軍備要求に対する吉田ドクトリン:
相手の論理=タテマエ(日米安保+平和憲法)を逆手に取る)
「アメリカに基地を提供する代わりに本土防衛義務を負わせ、
日本はできるかぎりの低軍備で国力のすべてを経済復興に傾注する(宮台真司著『憲法対論』)」
として、あえての市場整備(見えざる手)重視なら納得できるのですが、如何でしょう?
陰謀、謀略といった実証しがたい(研究になじまない)対象について
私が言及している点は自覚しております。
竹中平蔵氏のケースを例に取りましょう。
http://amesei.exblog.jp/1513131
> 靴屋の倅である(部落出身者である)
http://www.jimbo.tv/videonews/000236.php
> February 19, 2006 投稿者 沈思黙考
魚住昭著『野中広務』を読んだり、
ビデオニュースでも言及された野中広務氏の両腕とまで評された浅田満氏(ハンナン)
「私財3億円を使って、国内の牛肉を買い取り、補助金を再分配した」を聞くにつけ、
部落出身者でありながら、部落の力の背景にしていない竹中平蔵氏が
日本のメイン・ストリートで昇り龍の如く出世していった背景は何なのでしょう?
その答えは、アメリカ(の裁量行政、産業政策)だと私は思います。

沈思黙考 | 2009年02月01日 16:18

>3−3 沈思黙考さん
http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/harada.cfm?i=20060629c3000c3
「輸出はそんなに大事なのか」原田 泰
>*マクロ的・中長期的にみれば輸出の影響は大きくはない*
> しかし、日本の国内総生産(GDP)に占める輸出の比率はせいぜい15%で、この比率は長期的に2−3%ポイント上がったにすぎない。

>日本人の生活水準を高めるためには、15%の輸出セクターではなく、残りの85%の国内セクターの生産性が高いことが、より重要だ。

また以下も参考になります。
http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/harada.cfm?i=2005111627onec3
「『国際競争力』に一喜一憂する必要はあるのか?」原田 泰

それでは国内の産業の生産性をどうあげていくのかは?
http://yokohama.cool.ne.jp/oymsunrun/economy_product_010603.htm
JMM 生産性の定義 山崎 元
> 例えば、マクロ経済の議論では、成長率から労働人口の伸び率を引いた数字が生産性の伸び率だ、という具合に「生産性」は事後的に把握されます。要は、帳尻を計算して、余った部分が「生産性」に帰属するといった形で「生産性」が把握されます。このように考えると、マクロ経済のコンテクストで「生産性」を語ることに、事後的な説明の方便以上の価値を求めることは困難です。

であり
http://www.study-mirai.org/works/chainstore-age0809.htm
本当に、日本の労働生産性は低いのか?
>購買力平価の考え方で求めた各年の為替レートの理論値(2006年時点で1ドル=89円)を用いて換算し直してみると、日本の労働生産性の対米国比は1998年から2006年で、1.01倍から0.99倍の間で安定的に推移しているという結果が得られる。

また、どのように次代を切り開く産業を育成するのかは後輩さんが仰ったように不確実で、結局3−1のレス(長すぎて承認の対象になりコメント欄に掲載は遅くなりそう)に示したように
>産業構造のイノベーション(革新)はマクロの経済が適度な経済成長を維持していてこそ起こりやすいという

実証研究例があり、市場に任せた方が望ましいと思います。
また日本近海に眠る資源(メタン・ハイドレート)開発も、タイミング的にはもっと原油価格が恒常的に高騰している時点が望ましく、世界的な大不況では益々価格が下がりますから、短中期では望ましくない。
むしろ
http://takamasa.at.webry.info/200812/article_4.html
基軸通貨国によるゼロ金利強制
によれば、いまこそ大量に原油を買い石油備蓄をした方がいいとなります。

まぐ | 2009年01月31日 23:56

>3−2 沈思黙考さん
以下は日本の不動産バブルの崩壊過程の記述です。
http://blog.guts-kaneko.com/2007/06/post_296.php
バブル崩壊からデフレの脱却へ:リフレ政策からの観点
>これら資産価格の高騰は、無用の景気過熱につながるため、これを金融政策で押さえ込もうとしたことは当然の判断である。しかしながら、政府当局は、GDPデフレーターなどが安定していたことに気を取られてか、あるいは、当時の海外経済の情勢に配慮しすぎたためか、本来ならもっと早めに穏やかに取られるべき金融引締政策は、極めて遅いタイミングから急激なブレーキをかけるものとなってしまった。

また今回の問題でも
米国の住宅バブル、来春にも弾ける公算大きい=クルーグマン教授
http://www.asyura.com/0505/hasan42/msg/150.html
05年に彼は警告しています。
しかし、これも政治的に軽視された。
まず端的に政治の問題です。

私の考えでは再分配政策の誤りで貨幣に偏在が生まれ過剰流動性を生んでいると思います。同じ通貨量ならより遍在(偏在ではない)させた方がよいのが道理です。
つまり呼び水的に通貨量を多くして成長させるのが問題なのではなく、通貨を偏在するにまかせる政治の無策がバブルを引き起こしていると思います。
むしろ経済の成長により格差が是正される事が殆どですし。
また、インフレは資産を持つものにより多くの負担(資産の目減り)をもたらし、デフレは資産の価値を高め、格差を広げます。
また税体系も消費を抑制する消費税ではなく所得税の累進課税の強化が望ましいと思います。

まぐ | 2009年01月31日 23:19

>3−1 沈思黙考さん

貨幣への愛は何にでも交換できる事で重宝(流動性選好)なのとシルビオ・ゲゼルが言うように劣化(減価)せず貯蔵コストがかからないことから生まれます。
また、ケインズ経済学を理解するうえで役に立つ記事をみつけました。クルーグマンが書いています。
ケインズ「一般理論」
http://cruel.org/krugman/generaltheoryintro.html

また池田信夫氏に関して、私が腑に落ちた評価が以下です。
http://kitsunekonkon.blog38.fc2.com/blog-entry-2025.html
>池田氏のマクロ経済学についての発言は〜ニュー・ケインジアンの主張に近い〜多くは、グレゴリー・マンキュー教授に依拠していますから…。
>ただ、彼は、マルクス主義とケインズ主義がキライなので〜フリードマンやハイエクの手柄のように語っていて

要はケイジアンのマンキューに依拠しながら需要創出の部分になると生産性向上の文脈に書き変えているわけです。

また、世界の名目GDP(上位60国)
http://www.iti.or.jp/stat/4-001.pdf
を見ると世界的に95年〜07年にかけて1.7倍成長しているのに、60国中、日本1国だけ何故収縮しているのか、池田氏の言説からは説明できません。
構造要因なら通常バラけるはずで、成長率の低い国々から共通の構造要因が抽出されるというような事実があるのなら理解できるのですが。
普通に考えれば、特殊要因だし、リフレ派がいうように日銀による金融コントロールの失敗、つまりは金融緩和に極消極的な結果と考える方が妥当性があります。

産業政策関連では後輩さんが言ったように不確実性が付きまといます。
つまりはやって見なければわからない。
これに関しては以下の記述に妥当性を感じます。
http://d.hatena.ne.jp/sunafukin99/20080831/1220144160
「上から目線」の構造改革論について
企業の新分野への投資は好景気の状況で活発になり不況下では沈滞するとするカバレロとハマーの研究からは、産業構造のイノベーション(革新)はマクロの経済が適度な経済成長を維持していてこそ起こりやすいという仮説が導かれる(竹森俊平氏「経済論戦は甦る」)。これが正しいとすれば産業構造の転換についてはあくまで民間市場の自律調整に任せて、マクロな景気の環境については政府が責任を持って関わること(いわゆる政策割り当て)が望ましいと思われる。そして副次的に起こってくる短期的な失業や倒産については適宜再分配政策で対応するしかないかもしれないが、これも経済成長が維持されているなら長期的には*2新産業分野に吸収されてゆくので政策的にも対応しやすくなる。

まぐ | 2009年01月31日 20:03

本編の内容について少し。。

官僚と政治家の実態の行動パターン大変面白かったです。官僚が劣化し屁理屈コネ具合がなりふり構わないというお話もおもしろかったのですが、なりふり構うかどうかで同じことをするのにもスマートかどうかだけではなくて本当に中身の変わる必要性、その方法についてももう少し聞きたかったかなあと思いました。

無記名 | 2009年01月31日 10:44

横槍みたいですいません。

>「インフレ率を2%程度に安定化させる」間違いのない金融政策というものは、
本当に存在するのでしょうか?
もし存在するとすれば、リフレ政策とは計画経済に他ならないことになりはしませんか?

 産業政策ほど計画経済っぽくはないし、完全無欠かどうかはともかく産業政策ほど不確実でもないでしょう。マネーサプライの成長率とインフレ率との関係は、短期的にはブレを見せますが、数年以上の中長期的な平均をとれば、たいていはきれいな関係に落ち着きますよね。たとえば、フィリップス曲線からインフレ非加速失業率を想定して、オーカン係数から目標となる名目の成長率をはじき出したりするでしょう。それにこれまでの貨幣乗数と流通速度の推移から、必要となるマネタリーベースを見積もることが考えられます。もっとずっと精密なやつもあります。いま手元に無いですが、どっかで岩田氏がマッカラム・ルールと日銀の政策とのズレを比較したやつを出してませんでしたっけ?それを愚直に実効するだけでも、かなりのものかと。さらに上限、下限を明示してやることで(コミットメント)、その範囲内で市場が勝手に自省してくれたりする効果も期待できるでしょう。それでもやっぱり、どっか、なんとなく、どうにもこうにも、ちょっとリスキーだ、という人に対しては、若田部氏の『改革の経済学』なんかが参考になると思います。
ちょっと論点が多いので(もう土曜だし・・・、国際貿易の話も混ざってるし、・・・)以下を参照されると得るものが多いと思いますが、

少し古いですが基本的な疑問は↓
http://bewaad.com/archives/themebased/reflationfaq.html

全般的かつさらなる疑問は↓
http://www.ichigobbs.net/economy/index.html

後輩 | 2009年01月31日 01:40

> 沈思黙考 | 2009年01月30日 17:14
3−2(↑)
3−3
日本経済を牽引してきた製造業は、BRICs並みの人件費を覚悟せざるを得ず、
生活レベルの劣化は避けられない状況ではないでしょうか?
それとも、日本国民の生活レベルの維持・向上は、
第三次産業でカバーできるものなのでしょうか?
とても勉強になった岩田規久男著『「小さな政府」を問いなおす』第9章には、
「インフレ率を2%程度に安定化させることが望まれる」と書かれていますが、
金融政策によって、インフレ側に振れるか否かは、一種の美人投票・・・
「中央銀行が金利を引き下げ、景気が回復したとする。
中央銀行の行動のおかげで景気は回復したのか、それとも回復が遅れたのかはわからない。
将来インフレが起きるリスクを上昇させて経済を不安定にした可能性さえ否定はできない。
中央銀行側は理論的な説明を語るのだろうけれど、
経済学は経験にもとづいて形づくられる学問だから、
都合のいい説明を後からつくるのは簡単だ。
・・・結局、たまたまなのに・・・(タレブ著『まぐれ』)」
と、思えるのです。
「インフレ率を2%程度に安定化させる」間違いのない金融政策というものは、
本当に存在するのでしょうか?
もし存在するとすれば、リフレ政策とは計画経済に他ならないことになりはしませんか?

http://www.videonews.com/on-demand/0401410/000806.php
> 常に経済成長を求める資本主義は、実体経済の成長が頭打ちだと知ると、
> 実体から乖離した金融資本の価値を増幅させることで、見せかけの経済成長を遂げてきた
量的緩和の結果、生じた市場まかせの資本は、どこで消費 or 投資されるのでしょう?
(貴 or 希金属? エネルギー? BRICs? 金融市場?)
トリクル・ダウンを別とすれば、一般の日本人を豊かにする国内投資とは質を異にするものです。

個人的には、製造業が斜陽化しつつある今後の日本国内で、
市場任せにしていては、豊かな投資対象が現れるとは思えないのです。
平時の産業政策に関しては、市場の「見えざる手」を尊重する両先生のご意見に賛成ですが、
非常時には、中田安彦氏の考えを重視したいと考える次第です。
http://amesei.exblog.jp/7945965/
> 公共投資という財政政策に意味があるのは、産業政策がしっかりとしている時だけである
> 政治家(≠官僚)が、「21世紀型産業(=道路以外のメシのタネ)を日本に作り出す」
> というリーダーシップと予算配分を
> 決死の決意で政治家が国民を説得する必要があると言うことだと思う
個人的には、日本近海に眠る資源(メタン・ハイドレート)開発を想定いたしました。

データを背景にした定量的な吟味は、私の能力を超えておりますので、
誤解があるようでしたら、訂正してください。

沈思黙考 | 2009年01月30日 21:10

岩田規久男、池田信夫両先生は、格差縮小を図るべく、
内需拡大を志向したいという点では一致していると考えます。
ただし、岩田規久男先生が、内需の持続的拡大の可能性に立つ一方で、
池田信夫先生は、内需拡大の持続性に関しては疑問視しているだろう、
と感じております。

岩田規久男、池田信夫両先生のズレ・・・量的緩和の帰趨。
「資産価格の上昇や円安などの効果を通じて、消費や投資や輸出などの需要が増加し、
それにともなって資金需要も増加する(岩田規久男著『デフレの経済学』)」
「優先すべき経済政策は需要不足を解消するマクロ経済安定化政策です
(岩田規久男著『日本経済を学ぶ』)」

私は、岩田規久男著『日本経済にいま何が起きているのか』の
終章のタイトル「日本経済の未来は明るい」を見た際、
本気で述べておられるのだろうか?・・・と疑問を感じました。
私が池田信夫先生の見解に耳を傾けるのは、
リフレ政策(量的緩和)の実効性に対する疑問に共感したからです。

http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/0a8b3da9f1d797ccc6796b5a5727e4c1
> 必要以上に大量の通貨を供給し続けると、
> 必ずどこかにはけ口ができて(物価もしくは資産の)
> インフレが起こるということだ。
> それは多くの場合、ターゲットにしている市場でデフレが是正されるのではなく、
> 別の市場や別の国で起こる
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/67d34ea4493cc9de2a42d3f5e84f1613
> 日銀が行なったゼロ金利や量的緩和は、
> 結果的には円キャリー取引を誘発して、アメリカの住宅バブルを促進した
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/87c9f18f491b31cc06e697cba4d87073
> 日本や新興国などの過剰貯蓄が行き場を失い、
> 新たなバブルを引き起こすリスクも大きい。
> 特に日本は、国内で投資機会を増やさないかぎり、長期衰退は避けられない
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/82b1cf411e4f6e82313a8a7cd5175e4f
> 過剰貯蓄が、新たなはけ口を求めて別の市場に向かっている・・・
> 急成長する国々の巨大な富を吸収できる質量ともに十分な資産が供給されないかぎり、
> 一つのバブルをつぶしても新たなバブルが出てくる「もぐらたたき」は続くだろう
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/eaa756aa96a3b9a770d19c245f5a5ebd
> 1980年代以降、金融のグローバル化にともなって、
> ふたたび定期的な恐慌が起こるようになりました。
> これは金融資本が各国政府のコントロールできる規模を超え、
> マクロ政策で調節できなくなったためではないかと思います。

ご紹介くださった野口悠紀雄先生も、同様の否定的見解を述べてますね。
http://diamond.jp/series/noguchi_economy/10002/
> 金融緩和と円安誘導を行ない、輸出産業による景気回復を実現しようとした。
> この政策は、たしかに輸出関連産業の利益を拡大させ、株価を引き上げ、
> かくして「戦後最長の景気回復」を実現した。
> しかし、豊かになったのは輸出関連産業だけで、
> 景気回復の利益は、一般の日本人を豊かにしなかった。

格差拡大を想定したと思われる池田信夫先生の率直なコメント。
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/412ebde80d54a027aaf3431de4363563
> 親密な共同体は消え、「強い個人」を建て前にした社会になってゆくだろう。
> それが不可避で不可逆だというマルクスとハイエクの予言は正しいのだが、
> 人々がそれによって幸福になるかどうかはわからない
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/943bd8620b008ec7470e1c8cd090d533
> 近代社会が原子的な個人に分解される傾向は不可逆なのかもしれない。
> それによって日本社会の同質性が失われることは、イノベーションの源泉になる一方で、
> 製造業の高い効率を支えてきた信頼ネットワークの「資本価値」を低下させるだろう。
日本にいる必要など何もないという、よく考えれば当たり前の身も蓋もないお話です。

沈思黙考 | 2009年01月30日 17:14

3−1
まぐさんへ
ご紹介くださったリンク先・・・面白かったです。
http://chez-sugi.net/book/20081113.html
ケインンジアンの説明「需要と供給はもともと一致しないものだと考えていて、
それは人々のお金に対する愛のせいで需要が低水準にとどまるからだと思っている」
には、深く啓蒙されました(笑)。ご説明のケインンジアン的観点から眺めると、
放っておけば、人間の性(さが)で、需要 < 供給に陥り、
価格調整機能でデフレにならざるを得ず、
人為的インフレ政策が恒常的に求められることになる訳で、
池田先生の批判(↓)は、
ケインンジアン(モノやサービスよりも貨幣好き)には体をなさなくなりますね。
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/abe74085a280457c3d3a24f375b5b1b6
>「需要が不足している」という話は、なぜ不足しているのか、
> そして不足がなぜ価格で調整されないのかを明らかにしないかぎり、説明にはならない。

ところで、ご教示いただきたい心境も手伝って、
岩田規久男先生の著書と池田信夫先生 blog を比較してみました。
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/6ee7a548fa10f4be4a2791bdcf4554c4

岩田規久男、池田信夫両先生の共通了解と思われた点を挙げます。
●「社会的、市民的平等には少なくともおおよそのところでの
経済的平等が前提となる(クリストファー・ラッシュ著『エリートの反逆』)」
立場から、経済成長を重視する観点。
「多くの実証研究が、
所得格差の縮小にもっとも貢献したのは政府による所得再配分政策ではなく、
経済成長だったことを明らかにしています。・・・
所得格差の縮小のためにも、
成長率を高めることが必要です(岩田規久男著『日本経済を学ぶ』)」
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/82e37ae447724f8268cbc6784dc0b9fd
> 成長が止まると格差が拡大する

●裁量行政(産業政策)を疑問視する姿勢・・・
「金融・証券業の競争を制限する護送船団行政などの産業保護策」と共に、
「経済成長を鈍化させる要因になった」事例として挙げておられる
「非効率な零細小売業を保護する大型店舗出店規制法」
(岩田規久男著『スッキリ!日本経済入門』)から
「民間部門が自らの力で産業構造調整を
スムーズにおこなっていけるようにすることこそが、
中央銀行も含めた政府のもっとも重要な機能
(野口旭『エコノミスト・ミシュラン』)」という市場整備重視の観点。
「10年近くも低金利政策を続けてもらっておいて、
98年には税金までつぎ込まなければ
破綻してしまう大手行が出てくる始末ですから、
全部とはいいませんが、銀行の経営者は悪いに決まってます。
しかしそういう経営者をつくったのは、大蔵省の護送船団行政であり、
裁量行政だったんです(岩田規久男著『金融法廷』)」
「官僚による裁量的経済運営は効率的だったといわれることがある・・・
証明された事実ではない・・・
むしろ、財閥の解体や貿易・資本の自由化といった、
市場を競争的に維持する政策の方が、
戦後日本の高度経済成長に大きく寄与したのではないだろうか
(岩田規久男著『スッキリ!日本経済入門』)」
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/48dce1587ade7a9197faa026eb857692
> 「新自由主義はだめだから政府が介入する」という反動が来るとすれば、
> それは誤りである。
> 自由の反対は、裁量的な介入ではない。
> 政府の裁量を断ち切るための抽象的な法の支配こそ重要なのである
背景には、「(まともな)産業政策など存在しなかった(三輪芳朗、
J・マーク・ラムザイヤー共著 『産業政策論の誤解』)」
という「合理的選択論」があると感じました。
http://amesei.exblog.jp/7945965/

沈思黙考 | 2009年01月29日 23:55

まぐさんへ
ご紹介くださったリンク先・・・面白かったです。
http://chez-sugi.net/book/20081113.html
ケインンジアンの説明「需要と供給はもともと一致しないものだと考えていて、
それは人々のお金に対する愛のせいで需要が低水準にとどまるからだと思っている」
には、深く啓蒙されました(笑)。ご説明のケインンジアン的観点から眺めると、
放っておけば、人間の性(さが)で、需要 < 供給に陥り、
価格調整機能でデフレにならざるを得ず、
人為的インフレ政策が恒常的に求められることになる訳で、
池田先生の批判(↓)は、
ケインンジアン(モノやサービスよりも貨幣好き)には体をなさなくなりますね。
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/abe74085a280457c3d3a24f375b5b1b6
>「需要が不足している」という話は、なぜ不足しているのか、
> そして不足がなぜ価格で調整されないのかを明らかにしないかぎり、説明にはならない。

ところで、ご教示いただきたい心境も手伝って、
岩田規久男先生の著書と池田信夫先生 blog を比較してみました。
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/6ee7a548fa10f4be4a2791bdcf4554c4

岩田規久男、池田信夫両先生の共通了解と思われた点を挙げます。
●「社会的、市民的平等には少なくともおおよそのところでの
経済的平等が前提となる(クリストファー・ラッシュ著『エリートの反逆』)」
立場から、経済成長を重視する観点。
「多くの実証研究が、
所得格差の縮小にもっとも貢献したのは政府による所得再配分政策ではなく、
経済成長だったことを明らかにしています。・・・
所得格差の縮小のためにも、
成長率を高めることが必要です(岩田規久男著『日本経済を学ぶ』)」
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/82e37ae447724f8268cbc6784dc0b9fd
> 成長が止まると格差が拡大する

●裁量行政(産業政策)を疑問視する姿勢・・・
「金融・証券業の競争を制限する護送船団行政などの産業保護策」と共に、
「経済成長を鈍化させる要因になった」事例として挙げておられる
「非効率な零細小売業を保護する大型店舗出店規制法」
(岩田規久男著『スッキリ!日本経済入門』)から
「民間部門が自らの力で産業構造調整を
スムーズにおこなっていけるようにすることこそが、
中央銀行も含めた政府のもっとも重要な機能
(野口旭『エコノミスト・ミシュラン』)」という市場整備重視の観点。
「10年近くも低金利政策を続けてもらっておいて、
98年には税金までつぎ込まなければ
破綻してしまう大手行が出てくる始末ですから、
全部とはいいませんが、銀行の経営者は悪いに決まってます。
しかしそういう経営者をつくったのは、大蔵省の護送船団行政であり、
裁量行政だったんです(岩田規久男著『金融法廷』)」
「官僚による裁量的経済運営は効率的だったといわれることがある・・・
証明された事実ではない・・・
むしろ、財閥の解体や貿易・資本の自由化といった、
市場を競争的に維持する政策の方が、
戦後日本の高度経済成長に大きく寄与したのではないだろうか
(岩田規久男著『スッキリ!日本経済入門』)」
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/48dce1587ade7a9197faa026eb857692
> 「新自由主義はだめだから政府が介入する」という反動が来るとすれば、
> それは誤りである。
> 自由の反対は、裁量的な介入ではない。
> 政府の裁量を断ち切るための抽象的な法の支配こそ重要なのである
背景には、「(まともな)産業政策など存在しなかった(三輪芳朗、
J・マーク・ラムザイヤー共著 『産業政策論の誤解』)」
という「合理的選択論」があると感じました。
http://amesei.exblog.jp/7945965/

岩田規久男、池田信夫両先生は、格差縮小を図るべく、
内需拡大を志向したいという点では一致していると考えます。
ただし、岩田規久男先生が、内需の持続的拡大の可能性に立つ一方で、
池田信夫先生は、内需拡大の持続性に関しては疑問視しているだろう、
と感じております。

岩田規久男、池田信夫両先生のズレ・・・量的緩和の帰趨。
「資産価格の上昇や円安などの効果を通じて、消費や投資や輸出などの需要が増加し、
それにともなって資金需要も増加する(岩田規久男著『デフレの経済学』)」
「優先すべき経済政策は需要不足を解消するマクロ経済安定化政策です
(岩田規久男著『日本経済を学ぶ』)」

私は、岩田規久男著『日本経済にいま何が起きているのか』の
終章のタイトル「日本経済の未来は明るい」を見た際、
本気で述べておられるのだろうか?・・・と疑問を感じました。
私が池田信夫先生の見解に耳を傾けるのは、
リフレ政策(量的緩和)の実効性に対する疑問に共感したからです。

http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/0a8b3da9f1d797ccc6796b5a5727e4c1
> 必要以上に大量の通貨を供給し続けると、
> 必ずどこかにはけ口ができて(物価もしくは資産の)
> インフレが起こるということだ。
> それは多くの場合、ターゲットにしている市場でデフレが是正されるのではなく、
> 別の市場や別の国で起こる
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/67d34ea4493cc9de2a42d3f5e84f1613
> 日銀が行なったゼロ金利や量的緩和は、
> 結果的には円キャリー取引を誘発して、アメリカの住宅バブルを促進した
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/87c9f18f491b31cc06e697cba4d87073
> 日本や新興国などの過剰貯蓄が行き場を失い、
> 新たなバブルを引き起こすリスクも大きい。
> 特に日本は、国内で投資機会を増やさないかぎり、長期衰退は避けられない
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/82b1cf411e4f6e82313a8a7cd5175e4f
> 過剰貯蓄が、新たなはけ口を求めて別の市場に向かっている・・・
> 急成長する国々の巨大な富を吸収できる質量ともに十分な資産が供給されないかぎり、
> 一つのバブルをつぶしても新たなバブルが出てくる「もぐらたたき」は続くだろう
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/eaa756aa96a3b9a770d19c245f5a5ebd
> 1980年代以降、金融のグローバル化にともなって、
> ふたたび定期的な恐慌が起こるようになりました。
> これは金融資本が各国政府のコントロールできる規模を超え、
> マクロ政策で調節できなくなったためではないかと思います。

ご紹介くださった野口悠紀雄先生も、同様の否定的見解を述べてますね。
http://diamond.jp/series/noguchi_economy/10002/
> 金融緩和と円安誘導を行ない、輸出産業による景気回復を実現しようとした。
> この政策は、たしかに輸出関連産業の利益を拡大させ、株価を引き上げ、
> かくして「戦後最長の景気回復」を実現した。
> しかし、豊かになったのは輸出関連産業だけで、
> 景気回復の利益は、一般の日本人を豊かにしなかった。

格差拡大を想定したと思われる池田信夫先生の率直なコメント。
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/412ebde80d54a027aaf3431de4363563
> 親密な共同体は消え、「強い個人」を建て前にした社会になってゆくだろう。
> それが不可避で不可逆だというマルクスとハイエクの予言は正しいのだが、
> 人々がそれによって幸福になるかどうかはわからない
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/943bd8620b008ec7470e1c8cd090d533
> 近代社会が原子的な個人に分解される傾向は不可逆なのかもしれない。
> それによって日本社会の同質性が失われることは、イノベーションの源泉になる一方で、
> 製造業の高い効率を支えてきた信頼ネットワークの「資本価値」を低下させるだろう。
日本にいる必要など何もないという、よく考えれば当たり前の身も蓋もないお話です。

日本経済を牽引してきた製造業は、BRICs並みの人件費を覚悟せざるを得ず、
生活レベルの劣化は避けられない状況ではないでしょうか?
それとも、日本国民の生活レベルの維持・向上は、
第三次産業でカバーできるものなのでしょうか?
とても勉強になった岩田規久男著『「小さな政府」を問いなおす』第9章には、
「インフレ率を2%程度に安定化させることが望まれる」と書かれていますが、
金融政策によって、インフレ側に振れるか否かは、一種の美人投票・・・
「中央銀行が金利を引き下げ、景気が回復したとする。
中央銀行の行動のおかげで景気は回復したのか、それとも回復が遅れたのかはわからない。
将来インフレが起きるリスクを上昇させて経済を不安定にした可能性さえ否定はできない。
中央銀行側は理論的な説明を語るのだろうけれど、
経済学は経験にもとづいて形づくられる学問だから、
都合のいい説明を後からつくるのは簡単だ。
・・・結局、たまたまなのに・・・(タレブ著『まぐれ』)」
と、思えるのです。
「インフレ率を2%程度に安定化させる」間違いのない金融政策というものは、
本当に存在するのでしょうか?
もし存在するとすれば、リフレ政策とは計画経済に他ならないことになりはしませんか?

http://www.videonews.com/on-demand/0401410/000806.php
> 常に経済成長を求める資本主義は、実体経済の成長が頭打ちだと知ると、
> 実体から乖離した金融資本の価値を増幅させることで、見せかけの経済成長を遂げてきた
量的緩和の結果、生じた市場まかせの資本は、どこで消費 or 投資されるのでしょう?
(貴 or 希金属? エネルギー? BRICs? 金融市場?)
トリクル・ダウンを別とすれば、一般の日本人を豊かにする国内投資とは質を異にするものです。

個人的には、製造業が斜陽化しつつある今後の日本国内で、
市場任せにしていては、豊かな投資対象が現れるとは思えないのです。
平時の産業政策に関しては、市場の「見えざる手」を尊重する両先生のご意見に賛成ですが、
非常時には、中田安彦氏の考えを重視したいと考える次第です。
http://amesei.exblog.jp/7945965/
> 公共投資という財政政策に意味があるのは、産業政策がしっかりとしている時だけである
> 政治家(≠官僚)が、「21世紀型産業(=道路以外のメシのタネ)を日本に作り出す」
> というリーダーシップと予算配分を
> 決死の決意で政治家が国民を説得する必要があると言うことだと思う
個人的には、日本近海に眠る資源(メタン・ハイドレート)開発を想定いたしました。

データを背景にした定量的な吟味は、私の能力を超えておりますので、
誤解があるようでしたら、訂正してください。

沈思黙考 | 2009年01月29日 23:53

もう国内政治に期待はしないにし期待するほど失望を与えてくれる(誰も頼っていないか、、)
現実をどう生きるかが重要だと思う

それで個人的要望なんですが
マル激で<プログッシブ・ロック>
を取り扱ってほしい。
(なぜ、日本ではHM・HR・PRが浸透しないか?)
このジャンルは世界的に大きなムーブメントになっているようです。
社会不安が覆っているこのご時世で日本は例外のような感じがします。
サブカルに精通している宮台氏に
<グローバルな視点>で音楽を論じてほしい!
ゲストはMASA・ITO氏で!!
プログレはガス抜き要素てんこ盛りですよ〜(個人的に)
みなさ〜ん

DEATH | 2009年01月29日 21:57

無記名さんの問いかけは私の手には余るので、teleleさんに密かに期待していましたが。。
後輩さん、ありがとう、大変勉強になりました。
さて、私はENさんに問い直したいと思います。ENさんにはコメントを丹念に読んでいただいたという事なので、私もかなり時間をかけました。
http://www.miyadai.com/
>書物にいったん内在しきった立場(内的視点)を通過した上で、今日の社会の在り方の中に再帰的に位置づける(外的視点)という作業を、冷静にしてくださり、瞠目いたしました。
上記が数学屋のメガネさんへの宮台氏のコメントです。
という事はENさんは私が内的視点を通過してないというのでしょうか? 何の?多分宮台氏の言説でしょう。
私としては、宮台氏の経済学的理解の不足を指摘しただけですが、宮台氏の言説の内的視点を通過すれば、どのように私のコメントが変わるというのでしょうか?

全く見当がつかないので宮台氏に賞賛された「数学屋のメガネ」さんはどのような事を言っているのか気になりました。
http://ksyuumei.exblog.jp/i5/
まず、「本当にみんな仲良しなのか?」は私も以前、かなりの宮台本を読んでいたので特に違和感はありません。
違和感がでるのは「社会におけるルールの正当性」からです。
確かに人はともすると「行為功利主義」つまりは、どんな「行為」をすれば、自分が幸せになるか、と考える。
そして、「規則功利主義」つまりは、どんな「規則」が、人を幸せにするか、とまでは中々考えない。
つまり考えうる人、それも、より本質的に考えうる「エリート」が必要になってくる。
まあ、これは経済学的に考えれば、分業の正当性であり、その職業に比較優位的な人が携われば、社会全体の富をより増やす事ができるという事になる。
つまりは専門家の奨励といった程度の話なのだが。
しかし、宮台氏はここでジャンプし、エリートの正当性を担保する卓越主義的リベラリズムを主張する。
まあ、ここら辺は宮台氏のいつもの共和主義の発露であり、民主主義に伴う衆愚政治に対する批判となる。
ところで政治学ではエリート層の固定は社会の停滞を招くと言っているが卓越主義的リベラリズムとはその弊害に陥らない機能を果たせるのだろうか?
また複雑な社会ゆえに社会の本質的な理解が困難になると言うが、その複雑とは何ほどのものなのか?
http://www.nagaitosiya.com/c/system_definition.html
http://www.nagaitosiya.com/a/complex_societies.html
による「他者準拠型の複雑系」として、経済学的な例をだせば、世界は今、金融緩和の競争を行っている。
これにより為替が変動し、それに充分対応できない、つまりは金融緩和の足りない日本が極端な円高を招き、外需にダメージを受けかねない、というような状況を考えればそれなりに理解できる。
やはり経済学に対して理解が足りないのはエリートとして拙いとしか思えない。
以上は数学屋のメガネさんというより宮台氏への疑問となる。

さて、問題ありありなのが「卓越主義的リベラリズムとエリート」
数学屋のメガネさんは板倉聖宣さんの「民主主義は最後の奴隷制」を引きながら、多数による少数への強制による少数の基本的人権の侵害を問題にしている。
これにはまず、多数決とは民主主義とは違う土壌で生まれたという史実を指摘できる。
要は全会一致を原則に政策決定していた国が停滞し、国力を減じた事により多数決による決議が多くの国に取り入れられたという事である。多数決は功利的選択された手法であり、民主主義の本質的制度ではない。
次に多数決は多数による少数の強制という理解も大雑把すぎる。
厳密に言うならば、多数決による政策の施行や実現を少数は物理的に妨げる事ができない、である。
当然の事ながら少数には内心の自由はあり、その政策を批判したり、消極的に従わない自由はある。
数学屋のメガネさんは納得できるといい、さらには「みんなが判断するということにふさわしくないことまでも民主的な手続きで決定することに間違いがあるという指摘だ。」という。
この筋道は全く理解できない。少数の自由の問題から多数による判断の妥当性の問題はどのようにつながるのか?さらに不可解なのは「同じように」にと言いながら宮台氏の『「どんなルールがみんなを幸せにするか」を知るには、ものごとを広く長く見通す必要がある。そんなことが出来るのは特別に優れた人だけだ。あれがいいかこれがいいかと毎日一喜一憂するパンピーには無理だ−−。』という発言を紹介する。
これは少数どころか多数の政治的自由を奪いかねない主張で「民主主義は最後の奴隷制」と整合がつくのだろうか?
これ以降の文章は私にとって違和感だらけであった。
結局、数学屋のメガネさんは論理的一貫性よりも宮台氏の言説に寄り添う事を重視しているとしか考えられない。

結論として、ENさんのコメントはもっと宮台氏の言説に寄り添えという話なのかと思ってしまう。

まぐ | 2009年01月28日 23:14

無記名氏へ

 ちなみに、今回は背景となっていることを理解して欲しかったので、長々と書いてしまいましたが、ふつう、そのような、あまりに茫漠とした問いかけだと、ほとんど返答を期待できません。

 そうした話の具体化を迫るべき相手は、言い出しっぺの宮台氏自身です。宮台氏にも「社会的包摂性って何ですか?具体的にどうやって実行していくんですか?国家を小さくして社会を大きくといっても、奇妙な経済的条件を暗に想定しちゃっていませんか?」と聞けば、ちゃんと説明するのに大変な時間がかかるでしょう。以上、tel氏の後輩でした。長文申し訳ない。

批判の意味4 | 2009年01月28日 13:23

それで今回のゲストの高橋氏ですが、詳しくは彼の経済関係の本を見ていただくとして(他にもこの手の話で啓蒙的なのはたくさんあります)彼の案は、まず金融政策(マクロ)により、現実の成長率を、とりあえずは潜在成長率まで引き上げるということです。日本の潜在成長率は3%前後はあると考えられています。それ以上の成長を考えることが成長政策で、宮台氏の「生産性」の話はこれに当たりますが、潜在成長率を政策で引き上げるというのは、閉鎖経済からの脱却過程にある途上国ならまだしも、ほとんどの理論家は、先進国に対しては非常に懐疑的です。それこそ得体の知れない何かを回そうとして、その結果、経済も社会も回りにくくなるか、奇妙な形で回る、振り回されてしまう。というのは20年後どのような産業が出来上がるか誰にも分からないからです。知ってたらその人自身が乗り出して先に大儲けしてくれたほうが世間の人々に対してよほど効果的です。ちなみに高橋氏の理論的バックボーンはベン・バーナンキなどの政策ですが、この手の政策について数年前あまり理解しないうちに真っ向から否定したのが宮台氏です。もちろん高橋氏とて完全な評価を得ているわけではありません。高橋氏は改革派的側面もありますが、あくまで金融政策ベースなので異色の人なのです。ぼくもこれとは別のところで疑問に感じている点があります。ただし日本のGDPは約500兆円で、1%増えるたびに、約5兆円かそれ以上の余剰が生まれていきます。これは防衛予算に匹敵します。もちろんそのすべてを回せるわけではないが。つまり、経済政策が上手くいくからこそ、社会政策をやる「余裕」が出てくるんです。これは社会を回すために経済を利用しようと考える人こそ考えることです。

批判の意味3 | 2009年01月28日 13:09

 いくらこれから生涯学習の時代とはいえ、若いうちでなければ、なかなか身につけられない知識や技術があり、経験できないことがあり、築けない人間関係があります。そして当然、1人1人の人間にとって一度過ぎ去った若い時期というのは戻ってきません。1年やそこらの不況ならまだしも、これが10年以上続けば、それだけで20代が終わってしまいます。

この間、慢性的に失業状態にあった人は、いずれ経済が好況に転じても期待される能力を発揮できない可能性があります。そうした人が大量に出れば、安定的な収入が得られず結婚ができなかったり、中高年ホームレス化したり、救済を受けるときに、真面目に働いて保険料を納めた人との間に公正さについての軋轢が生じたりして、様々な所で「社会問題」化します。そもそも救済できるほど国の財政と経済環境が良い保証はありません。これら社会問題が、本人たちが自ら望んだことではなく、経済政策の失敗にあったとすれば不幸ですよね。

 また日本では年間3万人ほどの自殺者が出ています。いまどき地震や戦争でもこんなに亡くなりませんが、失業や経済苦によるものが相当なボリュームを占めています。これは経済の問題であると同時に大きな社会問題です。失業しても暖かく迎える家族のような「社会的包摂性」が重要だとしても、そもそも父親の失業がきっかけで一家が離散するケースがあるのでとても難しい。

市民参加的に、こうした問題に苦しむ人々を支援するNPOなどに税制優遇措置をとるという「社会政策」をしたとしても、それだけで活動資金が充実するかは疑問であり、下手をすれば脱税に利用されたり、NPOを偽装するカルトが発生したり、国もそもそも財源がないので、それをチェックするのに手が回らなかったりして、包摂性も絵に描いた餅になりかねません。自分の給料を下げてまで、あるいは職を捨て家財を投げ売ってまでそうした人々を救済する活動をしようという人が大量に出るわけではありません。あるいは鬱対策などで死なせないことは可能でも、それ以上となると限界が出てきます。

もちろん、真剣に活動している人々は賞賛されるべきです。そもそも非自発的失業者を出さないとか、あるいは再就職が容易なように経済環境をもっていく政策と一緒であるほうが望ましいのは当然ですし、救済に必要な財源が確保できるほど経済が好調であるのに超したことはありません。つまり「それでは社会も経済も回らなくなるよ」という反論がありえます。

批判の意味2 | 2009年01月28日 13:03

 ぼんやりしてますが前向きな問いかけという印象があるので、出来る限りお応えします。回るとか回らないとかは、非常に粗雑な比喩に過ぎないと思いますが、それはともかく。まず背景となる文脈ですが、宮台氏がその発言をしたのは、いわゆる経団連と小泉政権以降の構造改革至上主義的なスタンスを批判してのことです。「至上」というのは、金融政策無しでもあくまで改革を優先させるという意味です。ここで経済を回す派と社会を回す派が対立しているように見えるかもしれませんが、単純な誤解です。金融政策無しのドラスティックな改革の危険性は、多くの経済学者によって指摘されました。つまり、宮台氏は勇み足で「そんなことをすると、経済は回っても、社会は回らないよ」と言い、普通の経済学者は、上の言い方に従えば「そんなことをしても、そもそも経済は回らないし、社会も回らないよ」と言えたわけです。ピンと来ない理由のひとつはこのせいかもしれません。
 ふつう経済政策には、マクロ経済政策、成長政策、再分配政策etc.とあり、これと教育や職能習得支援、出産・育児支援、医療・福祉、治安、環境といった広い意味での社会政策がパッケージされます。宮台氏が番組で述べている「ディマンド・サイド」が云々というのはマクロ、「生産性」が云々というのは成長政策の話で、両方とも完全に経済政策の範疇です。経済政策を言っているのではない、というのは端的に誤りです。あるいは社会投資国家という概念に象徴されるように、非常に広い意味での社会政策のための経済政策としても、変わりはありません。おっしゃるように理念を踏まえたうえでその経済学的な有効性や実効性を考えることは十分に意味があるからです。

 社会がより良く回っているというのは具体的にどのようなことかが定義されていないので、そのままでは地に足がつかない話になりますが、経済政策と社会政策を両立させることは、もちろん可能です。つまり経済も社会もより良く回す政策を考えることは可能です。問題なのは、経済政策の善し悪しをきちんと評価する知識が無ければ、社会政策の実行性を考えることなど不可能になるか、あるいは出来たとしても大変な制約を受けることです。理由は、社会政策のための財源の確保ができないし、また経済環境の悪化が新たな社会問題を次々と引き起こしてしまうからです。さらに普段働いている市民も自分のことで精一杯で公共的なことをやる余裕がなくなったりします(あるいはそのせいで公共性への渇望がヘンな熱狂を生んだりします)。例はいくらでもありますが、マル激で馴染みの若年層の失業と自殺を考えてみてください。

批判の意味 | 2009年01月28日 12:54

角谷さんを中刷り広告で見たのでしばらくの間、「永田町コンフィデンシャル」はないということですね

了解しました。(笑)

ビデオニュース・ドットコム倫理委員会 | 2009年01月28日 00:40

NPOセクタとおっしゃるけれど、当たり前に企業に勤め公務を務め、全体的に言えば、ただ生活を送ることがそのまま公的な振る舞いである、それを改良することこそが良いことである、という風でなければ駄目なのでは?
そういうところがアメリカやEUの胡散臭さだと思う。
右手で殺しながら左手で助けることはできないし、平和は勝ち取れるものではないと思う。
アメリカのジャーナリズムのイノセンス、ヒロイズムが極めて不愉快です。
ブッシュみたいな奴が出れば金になる。
オバマだってブッシュが作り出したも同然なのだから。
結局、神保さんが戦争はダメとか言うのはおかしい。宮台さんは戦争万歳の悪人だからどうでも良いけれど。
その手の美しさ強さは、世界中の悲劇と完全に相動的だから。

って思うけれど違うのかなあ…。

匿名 | 2009年01月27日 20:25

宮台氏に対する批判が、ちょっとピンとこないなぁっと考えていたら、理由がわかった。

宮台氏は、時々経済と社会の両方を回さなければならないって感じのことを言っている。
だから、経済政策そのものを言っているのではなくて、社会政策として言っているわけなんだろうなと思うわけです。
社会を回す政策が、経済を回すことにもなるって事ではないでしょうか。

ですから、反論するなら、「経済をわかっていない」的な批判は、意味をなさないような気がする。
批判するなら、その政策では、社会は回っても、経済は回らないとか、社会と経済を両方回すことは無理とか、そのような批判でないと意味をなさないと思う。

無記名 | 2009年01月27日 19:07

やっぱり↓の長文の方々のご意見はスルーでOKだろうな、と思います。
理由はMIYADAI.comの最新エントリーの「数学屋のメガネさん」の書評に対する宮台氏のコメント内容をココでも展開するべきと思うからです。まるでココのコメントに対する宮台氏のコメントであるかのような内容ですし。
とはいいつつ↓の長文コメントとリンクを丹念に読んでみると、勉強になる部分は多いですけどね。

EN | 2009年01月27日 14:06

高橋洋一氏が昨日のTVタックルにビデオ出演し、日本の不況を救う政策として、50兆円規模の政府発行紙幣の直接ばら撒きを主張しました。
国民一人当たり20万円を給付するというもので、大不況に成りかねない日本経済へのカンフル注射として有効で、デメリットなしというものです。
出演している森永卓郎やリフレ派の大村議員が賛成したのは当然として、保守系評論家の三宅久之までも賛成しています。ビートたけしらのキツネにつままれたような怪訝な顔が印象的でした。
この妥当性を考えてみます。
日銀は日銀プロパーの白川らが理事長、理事をしめているため、金融緩和には極く消極的です。円高が進んでいるから渋々金利も下げましたが、アメリカのように積極的に不況克服の意欲はありません。
従って日銀には期待できず、政府が紙幣を発行し、直接、国民に渡す事により国民の消費意欲を刺激するしかない。
このメリットは既に発行権限が政府にあるので法改正等の手間がかからない事。通貨発行益を得る為、財政が悪化ない事。日本がデフレであるため問題になるほどインフレ化が進まない事。円安傾向になり、輸出業のプラスになる事。

デメリットは国民の心理を不安にさせる事ぐらいです。つまり、そんな美味い話があるのかという事です。
これは既に日本国民は経済の長期停滞による経済損出という対価を充分すぎるくらいに払っている事を意識していないだけです。
経済が好況ならば、経済はインフレ化しており、新たな給付は高インフレを招きかねません。ヘリコプターマネー政策はデフレ不況だからこそ有効な政策です。

ここでTVタックルに話を戻すと、民主党議員とか評論家の勝間和代らは否定的な態度でした。
彼らが言うのは政府発行紙幣は直接給付ではなく、日本の生産性を上げる為に使われるべきだという意見でした。
宮台氏と共通しますね。

問題は簡単に生産性を上げると言っていますが、生産性を上げる事は結構難しいという事です。
生産性が上がるというのは結果論みたいな所があり、恒常的経済成長している国の国民は生産性が高いというような話です。
従って供給側に力を入れたからといって国全体の生産性がそれに応じて上がるわけではないのです。サプライサイドエコノミクスは生産性の向上にそれ程の寄与をしなかったというのがクルーグマンの評価です。
その上、日本ではともすると生産性と国際競争力が同一視されかねません。国際競争力は企業が重視すべき価値観であり、国が重視すれば国全体の減益を招く価値観です。
これは国民の労賃をダンピングさせ結果として国民の消費能力を減じて内需を縮小させてしまう傾向が日本には多々見られるからです。

生産性に話を戻すと、例えば環境に力を入れようという意見の問題点は太陽光とか風力とかのマイナーなものに過剰投資する事が望ましいのか、それとも天然ガスを燃料とするガスタービンの熱効率の向上をはかる方が効果的なのかという個別問題があり、選択を誤れば大問題になります。
更なる問題は金融を緩和していないと、環境関係は雇用を生んだが他の面で雇用減を生み、トタールでは経済の成長につながらなかったという、これまでの日本のパターンの繰り返しになる事です。


まぐ | 2009年01月27日 09:56

国会議員でもまともに法令読めないヤツはたくさんいる。
もっとも、問題になってるわたり容認政令なんか、委任規定が多すぎて、概要と一緒に読まないと、とても読めたもんじゃないが。
まずは、国会議員(特に自民党の)にリテラシーをつけることが大事だろうね。

じゃが | 2009年01月27日 01:41

 ぼくのコメントで不快な思いをなされた方がいるようですね。真意が伝わっていないとすれば残念ですが、もし気分を害されたのであれば、この場を借りてお詫びします。

 しかし、下のまぐ氏の見解で尽きていると思われますが、もしそのようなことを本当に信じているのなら、アカデミズムやジャーナリズムに対する考えを改めたほうが良いと思います。宮台氏に負けないどころか、それ以上の才能を持ち、また努力しながら、宮台氏よりもはるかに謙虚な学者さんやその卵はたくさんいらっしゃいます。そうした人々の真摯な討論は、かつてよりもずっと公開されるようになっています。宮台氏だけが特権的に難しくて有難い教説を広めているわけでは決してありません。そのように考える大学生がいるとすれば、世の中を知らなさ過ぎます。
 またビデオニュースは公共性の一端を担うプログラムであるはずです。あからさまな無理解は、当たり前に批判されるべきですし、また当然ながら神保氏や宮台氏はそれを覚悟のうえでやっていると考えなければ、むしろ彼らに失礼です。もしテレビで全知全能というわけではないコメンテーターや評論家が、たとえ自分の得意分野でなくても、少年犯罪や司法制度について無理解を晒してしまったら、批判されるべきなのは当然です。むしろ宮台氏がこれまで、そのような人たちについて放った痛罵は、人によっては神経をやられてしまいかねないほど辛辣を極めています。
 宮台氏が政治家や官僚とのつながりの中でそれら人々に様々なアドヴァイスをなさっていることは度々示唆されています。その影響力には、それなりの責任がともなってしかるべきです。経済についてあまりに不十分な知識を持つ政治家や官僚が増えることで、いったいどれだけ夥しい数の失業が放置され、若い人の未来が失われることになるか、責任ある人は真剣に考えなければいけないはずです。是非、そのような背景をご理解ください。

telele | 2009年01月27日 01:15

ニュースのところの派遣村や法人税のところについては、今回は、不人気になるがやったほうがよいと思えることが発生する状況の説明、として使ったと思いますが、宮台氏はヨーロッパ型の法人税減税政策がいいとは別に思ってないようですよ。福岡さんの回のニュースを見れば、そういうのはみんながやれば意味ないし、所詮一時的なもの、という話をしてますから。

一応、気になったので | 2009年01月26日 19:41

何故官僚支配が駄目なんでしょう?
この国では政党があまりうまく機能していないが故に官僚主導
になっているのでは?

早期退職の慣行を改めるなり、役目を終えた制度は廃して、官僚組織が
ちゃんとまともに機能するようにインセンティブの方向を改めた方が
よほど生産的だと思います。

政党(内閣)も、閣僚を丸裸で官庁に送り込んだらどうなるか、考えたら
わかる事でしょう。

当たり前のことを当たり前にやれるように制度と目的の転倒を直す方が、
官僚支配の打破などと言って目立つより好ましく感じます。


完全に素人なのでよく知りませんが、以前世耕氏が喋っていた政党の内実
を考えると、政党もよほどの自己改革を行わなければ、官僚が何も決めなく
なっても、まともな意志決定は行えないように思います。


あと、下の方も言っていますが宮台さん経済関係が悲惨すぎます。ビッグマウスの前に勉強するか誰かに任せるかした方が番組の向上に資するのでは

共産趣味 | 2009年01月26日 13:33

退職金なしの懲罰的懲戒免職などよりは、彼らを抱きこめればいいですねぇ。5倍の退職金を払う代わりに埋蔵金を吐き出させたりはできないものかしら。吐き出した埋蔵金の1%賞金にしますとか。名誉が欲しい方にはもちろん勲章も。

yos | 2009年01月26日 13:13

アイドルのファンクラブなら、唄が下手だとか踊りに切れがないとかいうのは野暮な事だと思う。
しかし、宮台氏は一流の社会学者であり、政治家にもかなりの影響力を持っていると推察できる。
民主党が「生活重視」を掲げているが、宮台氏はそれ以前に「生活重視」を民主党に推奨していた。また、菅直人氏の「最小不幸社会」にも宮台氏の影響を感じる。
つまり、宮台氏の社会的影響力はかなり高く、それに伴う責任も高いといえる。

一方に置いて日本のような経済の長期停滞を引き起こしている国の政治にはより正しい経済学の知見が欠かせない。この主張はこの15年間に経済的理由で亡くなった方が日本には十数万人いるという事実を挙げれば論拠として充分だろう。
また、現在の重要な問題である格差問題も不景気に対する市場の(過剰)適応と言える。不景気でなければこれほどの問題にはならなかった一面がある。
結局、経済の知見が重要でないはずがない。

また、マスメディア(テレビ)に置いても、政府の規制により独占的利益を得ていたので、以前は、財務省・日銀シンパとガス抜きの役割をはたす左翼系の経済学者を出すインセンティブに支配されていた。それが大不況の始まりで宣伝収入が激減し、経営の困難に直面して初めて、不況克服にインセンティブが働き、まともな経済学者を出演させ始めている。(フジテレビが堀江に買収されかけて、従来の市場主義を変え、テレビは公器と主張し、その論の補強にスティグリッツを出演させた例もある)
そのようなテレビの流れからも取り残されて、ファンクラブとしてマル激が閉ざされていいわけはない。

また、変な擁護をする方は宮台氏の能力を過小評価している。
一般に法学、社会学と経済学は思考的に相性が悪いようだが、宮台氏の能力を持ってすれば、学部の教科書を読破するのに時間はかからないだろうし、それを起点として、自身の思想の一部を書き換えていく事は困難ではないだろう。

まぐ | 2009年01月26日 08:38

↓のような人もマル激を見てるんですね。
悲しいです。

ai | 2009年01月26日 08:31

教祖様が批判されると、
大した事ではないと切断処理しようとするコメント。

まさに宮台さんがよく言う「認知的不協和」だね(笑

無記名 | 2009年01月26日 07:55

まあ、宮台・池田批判は定番だからさりげなくスルーでOKでしょう。

EN | 2009年01月26日 03:37

私も>>そのへんのオサーンさんの気持ちを共有しました。

宮台さんだって何でも詳しいわけではないでしょうから、まちがったことを言うこともあるのかもしれません。

たまたま自分が詳しい分野の話になって、普段はすごく難しいことを勉強させてもらっている人がちょっと間違ったことを言ったら、ここぞとばかりに得意げにそれを指摘する方々って、ちょっと、寂しくありませんか。

みなさんが大層なことのように批判されている論点も、実は誰にとってもそれほど重要なことではないかもしれませんよ。

ただ、勉強がしたいだけなら、大学とか大学院に行けばいいのですから。もう少し大人になりましょうよ。

ai | 2009年01月26日 02:48

united we stand,divided we fall
というフレーズがあるでしょう。

宮台さんがどうとかこうとか、くだらない。内輪もめをしてるときではないですよ。政権交代というのは、いちじくカンチョウのようなものです。詰まっているからこんな国内です。いちじくの実がどうのこうのとか、議論してる場合じゃないんですよ。

そのへんのオサーン | 2009年01月26日 02:33

なんか宮台さん生き生きしてた(笑)

ヒガシ | 2009年01月26日 00:30

>すまん。経済音痴の俺様だが
公共投資→金利上昇→円高→輸出ダウン→不況→公共投資→金利上昇→円高→輸出ダウン→・・・
というループを宮台どんは批判してるんじゃないの?

批判しているつもりなのかもしれませんよね。彼の意識の中では。正確には、金融政策を伴わない形での公共投資では・・・という但し書きが必要でしょうけども。しかし、それに続けて、「だからディマンド・サイドが問題ではないのだ!ケインジアンではダメなんだ!」と言えば、それまで横で激しく同意しながら聞いていた経済学者たちは、後方に椅子ごとひっくり返ってしまうでしょう。ほとんどドリフです。

ディマンド・サイドが問題ではないと言うためには、現実の成長率が潜在成長率に等しく、現在の失業率が自然失業率であることを論証する必要があります。

というか宮台氏はそうした体系的な前提を知らないのではないかと思います。

telele | 2009年01月25日 21:34

結局宮内一派の別働隊かな。

アホらし | 2009年01月25日 20:34

このところ渡辺善美さんのマスコミへの露出度がますます盛んになっていますが、どの報道も官僚支配を根絶するための本質に迫るようなものはないような気がします。これほど金太郎飴的な声高な「支援」報道が並ぶと、なにか裏がある、もしかすると、民主党に流れるであろう反自民の票を堰き止め、政権交代を阻止して、政管業(+マスコミ)の癒着利権構造を延命しようという目的のお芝居ではないのだろうか、と勘繰りたくなるほどです。

そこで今回、渡辺さんのブレーンである高橋さんの言説をじっくり聞きたいと思ったのですが、期待外れでした。せっかく2時間も聞きながら、神保さんも宮台さんも公務員制度の「入口」問題に全く切り込んでいかないのはどうしたことでしょうか。

「出口」である天下り禁止は法的にも当然ですし、年功序列による給与制度も、いわゆる同期組一斉退職も止めてもらいたいのですが、渡辺氏らが唱える公務員制度改革では、官僚への「入口」すなわち採用試験の改革が明記されていないのが気になります。例えば上級試験を廃止し、キャリアとノンキャリを区別しない一般採用試験だけにして、入省後の成績による昇進制度に切り替える---こうしたことは盛り込まれているのだろうか。また、血縁や婚姻関係にあるものの採用の制限あるいは禁止についてはどうか。

もし、こうした「入口」での規制が実施されなければ、高級官僚(とその部族)の特権意識は無くならないでしょう。官僚が威張るなどというのはどうでも良いのですが、オレは選民で、しかも国のためにこんなに汗水垂らして働いているという官僚の特権意識は、民草を犠牲にすることで利益を得ることを正当化する根拠になる、それが問題だと思うのです。オレは不正をしていると忸怩たる気持ちを持ちながら利益を得ている官僚はいないでしょうから。


conservator | 2009年01月25日 20:17

 アカデミックな意味でも政策的な意味でも、経済についての宮台氏の無知丸出しぶりは、これはちょっともう笑い事では済まされないのではないでしょうか。もし彼が、自身が示唆するように日本の最大野党のアドバイザー的な立場にあるのだとしたら、その影響を考えると陰鬱な気分にならざるをえません。
クルーグマンの「流動性の罠」論文が出たのが98年。この時点で非専門家の宮台氏に理解しろというのは酷ですが、それから特に2002年から2004年にかけて国内でも、クルーグマン本人をはじめ、スティグリッツ、バーナンキ、スヴェンソンらの論文が訳出ないし紹介され、熱心な論争や啓蒙がなされました。しかし、2004年のM2の対談でも、宮崎哲哉氏とは対照的に、宮台氏からは一向に無理解が解消される気配がありませんでした。もちろん、完璧な理解とはいえなくとも、少なくとも標準的なテキストの簡単な延長で理解されるべき水準でも。学部レベルの教科書さえ理解しているのか不安です。このことはマクロだけに限りません。それからさらに5年の時を経て、未だにこの程度の認識とは。
 そりゃ経済の問題はさまざまな側面があるのは当然として、スティグリッツもバーナンキもスヴェンソンもクルーグマンも、彼らの認識からすれば、日本の経済の問題がディマンド・サイドではない、というのはよほどトリッキーな皮肉でもない限り、あからさまな間違いでしょう。日本に対してであれ、米国に対してであれ、これら人々が提案する政策に非ケインズ的と形容する人間がいるとすると、一流の経済学者であればあるほど首を傾げるでしょう。もしそれが整合的に意味をなすとすれば、おそらく何十年も前にあまりに戯画的な形で普及したケインジアン/マネタリスト論争のままの認識ということになるかと。宮台氏は最先端、最先端と連呼なさっていますが・・・。
 かつて宮台氏は、自身の著作で「自分自身を啓蒙する言葉に我々は到達すべきだ」と書きました。宮台氏自身がそうした言葉に到達できないと見なされて久しいのではないでしょうか。またかつて宮台氏は、『諸君』や『正論』を「ジジイ向けのガラガラ」と称しました。それはまあ妥当であるかもしれません。しかし、水野和夫やロバート・ライシュやスーザン・ジョージが、いかにも真司おジイちゃんの好きそうなガラガラだと思うのがぼくだけでしょうか。
 法社会学的な議論や政治とメディアの関係などは、まだまだ聞くべきところがあると思いますが、(しかし比較政治学的な領域も実はあやしい・・・)。

telele | 2009年01月25日 19:18

すまん。経済音痴の俺様だが
公共投資→金利上昇→円高→輸出ダウン→不況→公共投資→金利上昇→円高→輸出ダウン→・・・
というループを宮台どんは批判してるんじゃないの?これは高橋氏がクルーグマン&マンキューの学説(というか常識なのかもしれいないけれども)を引用しながら言っていることのようだけれども。
エロい人教えて・・・

俺様 | 2009年01月25日 15:49

池田信夫氏と同じだから宮台氏の話はトンデモという可能性は思わないのですか?(池田氏はさすがに国策で国際競争力を引き上げろとは言わないと思うが)
彼の誤訳や無理解は方々で批判されています。私が読んだ限りでは妥当性は批判している側にあると思っています。
また、彼は多方面に口出して、その筋の専門家風の人から反論されますが、討論が相手の人格攻撃になったり、私の記事をよく読めと議論を打ち切ったりで、生産性の高い議論を読んだ事がありません。都合の悪いコメントは消したり載せたりしないという話もよく聞きます。

私の端的な疑問は何故日本1国が名目GDP上位60国の中で収縮しているのかが彼の話からは説明できないという事につきます。
他の国に構造問題がないはずはないのです。
また、創造的破壊は実証的に否定されています。好景気の中でこそ、新規起業が多く、不景気では資本の大きい企業が生き残ります。

いずれにしろ、池田信夫関連で議論をするのは時間の無駄だと思っています。

宮台氏に戻れば彼の「需要が問題ではない」はクルーグマンもマンキューもスティグリッツも「日本の問題は需要だから米国よりは遥かに容易だ」というような事を言っていて、どちらを重視するのかという問題になり、素人でも判断は容易です。
また、彼はさも新しい経済学のような事を言っていますが、いまどき穴を掘ってまた埋め戻すよう事で需要(雇用)創出をいうケイジアンなどいるわけがありません。短期的には乗数効果の高い、あるいは将来的な成長につながるような公共事業を主張するのが常です。
以下参照
http://chez-sugi.net/book/20081113.html
まあ、規制緩和すれば問題解決するなどという共和党プロパーの主張をする経済学者も米国では転向して少数派になっているというのが現状です。

まぐ | 2009年01月25日 14:16

ttp://ameblo.jp/shiro13-1/entry-10189835848.html
これが本当なら、例え官僚が改正国家公務員法の趣旨に反する政令を作ったといえども、そんな政令を作れるような抜け道を(意図せずとも)与えてしまった責任は、麻生総理のみならず町村前官房長官や渡辺元行革大臣にもあるのではないかと疑います。
さらにそんな答弁を引き出す元となった民主党松井議員の質問がこちらですが、

> これは内閣総理大臣が個別によく見て審査をして再就職あっせんを認めます、こういう解釈は官房長官、あるんでしょうか。

一体誰の入れ知恵でこんな普通思い付かないような質問を投げかけたのでしょうか。官僚の狡賢さのみならず、それに踊らされる議員の滑稽さも問題視したいです。

  | 2009年01月25日 14:01

宮台さんが言っていることは池田信夫氏と全く同じですね。彼はこちらがマクロ経済学の常識であると言っていますが、一度ここらへん議論していただきたいと思います。素人がかんたんに間違いって断言できることではないです。

かぴばら | 2009年01月25日 12:27

法人税負担率の話をするときは、社会保険料の負担率も頭に入れないとダメだ。
確かに社会保険料も英米は低いんだけどね。

じゃが | 2009年01月25日 10:06

最近の宮台氏の言説は、自民党の批判と民主党の礼賛をしたいだけのようで、見てて辟易します。なんでもかんでもその目的のために、無理矢理主張を組み立てている節があり、真っ当な批評を出来ていないように感じます。私たちは民放のニュース番組に飽きてこの番組を視聴しているのに、言っていることは、下劣な現政権の批判ばかりで見るに耐えません。

無記名 | 2009年01月25日 08:24

どうも最近宮台さんの発言がよく理解できない(基本的には敬服してるんだけど)。
「派遣村だけじゃダメ!」っていうけど、誰が「派遣村だけでイイ!」って言ってるの?
誰に向かって「派遣村だけじゃダメ!」ってアナウンスしているの?
全体の経済を立て直さなきゃいけないのは当たり前。そんなことはみんなわかってる。「どうやって」には議論があるだろう。だけど、どのような「シフト」するにも「チェンジ」するにもセーフティーネットは必要でしょ?

「派遣村だけじゃダメ!」というのが、どうも、派遣村で活動している人たちに向けられているように聞こえて、それはフェアじゃないと覆う。
虚業的なアカデミズムの世界にさっさと見切りをつけて、実践から理論を構築した湯浅氏が、ダイナミックに政治を動かしていく姿にちょっとばかし嫉妬しているのだろうか?

しかもこれはまさにかつて神保さんがいってた「炭坑のカナリア」の話であって、決して「社会の例外的なごく一部の話」では無いよね。

法人税をヨーロッパ並みに下げなきゃいけないことが自明のように語るけど、そのヨーロッパはその分20%前後の消費税がある。法人税率を下げて、「企業に出て行かないでもらう」だけでは恒常的な財政難になるのだからそれを補完する消費税とセットで語らなければ、政策といえない。
アメリカが日本と並んで法人税率が高いけど、オバマはマケインとの討論で、法人税減税を否定した。
http://taxman.typepad.jp/weblog/2008/08/post-f603.html
それなのに、こないだテレビで竹中平蔵やオリックスの宮内、東京証券取引所長らが出てきて、法人税を下げれば日本はアメリカのような金融センターになれると言っていた。竹中平蔵もテレビに出るたびに法人税を下げるべきだと言うけど、アメリカの法人税が日本と同じ高率であることや、法人税を下げた国が同時に消費税を上げ続けてきたは言わない。派遣の規制を撤廃したときにセーフティーネットを張らなかったのと同じで、「セットとして初めて成立する制度」を単品で動かそうとする。

宮台さん、最近は中川秀直のブレーンもやってるみたいだけど、いったいなにがしたいねん?
もともとトリッキーな話し方をする人だけど、どうも最近は90年代の「ボクってこんなに頭がいいんだぞごっこ」してた頃の宮台さんに先祖返りしているようにみえる。

fotosintesi | 2009年01月25日 05:35

>>宮台氏
まあマクロ経済学が専門じゃないからしょうがないんじゃない?

そろそろ飯田先生召喚か?

本編は面白かったです。

neko | 2009年01月25日 02:39

ニュースコメンタリーで、
日本は深刻なデフレ不況であるのに、宮台さんは
「総需要が問題なのではない」と言い切った。
それに対して、苦笑して発言を肯定する
神保さんの絵。

これは、驚いたね。

ゲストの高橋洋一さんだって、少なくとも短期的
には総需要の手当が必要だと認識しているから
金融緩和であったり、
埋蔵金ファイナンスの財政支出を
自身の著作や媒体で唱えているわけで。

宮台さんの供給至上主義的な経済解説の間違いは
コメント欄で何度も指摘されているが、
止まる気配はないっすね(笑

無記名 | 2009年01月25日 01:35

オバマ大統領の経済対策に関しての宮台氏の解説は相変わらずの頓珍漢ぶりでがっかりしました。
こんな事なら高橋洋一氏の時間枠を広げ、解説してもらいたかったと切に思います。
最近の米経済学界の動向を反映し、かつわかり易い解説を見つけたので以下を。
http://podcast.tbsradio.jp/st/files/sakasa20090122.mp3
クルーグマンにしてもマンキューにしても小泉改革(前期)を含めて日本の経済運営の酷さを反面教師とし、如何にして、アメリカ経済をデフレにせずに済ますかという共通認識にたっています。
なお、構造改革派だった野口悠紀雄も財政出動派に微妙に転向しています。
http://diamond.jp/series/noguchi_economy/10002/

高橋洋一氏の話はわかり易く、攻め様によっては官僚を国民益に沿わせる事も可能な事がわかり、安堵しました。
宮台氏もさすがに法学関連の話は蓄積が高く、話がかみ合い、聞き応えのあるものでした。
 

まぐ | 2009年01月24日 23:56
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