マル激トーク・オン・ディマンド
どのような政治活動を誰が負担すべきか
マル激トーク・オン・ディマンド 第415回(2009年03月21日)
どのような政治活動を誰が負担すべきか
ゲスト:岩井奉信氏(日本大学法学部教授)
 民主党の小沢代表の公設秘書の逮捕で、また政治とカネの問題が論争を呼んでいる。ここまで俎上に上っている論点は、長らく指摘されてきた政治資金規正法の抜け穴問題と企業献金の是非だ。
 政治資金規正法は48年の施行以来、政治とカネの問題が浮上するたびに改正を繰り返してきたが、それでもまだ抜け道の多いザル法と呼ばれている。特に今回の西松建設疑惑で明らかになった、企業や団体が政治団体を通じて政治家個人に献金を行っている実態は、あまりに広範に行われているため、これを違法としていては、大半の政治家が「クロ」になってしまうと言われるほどだ。
 また、企業から迂回献金を受けていた張本人の小沢氏が、手のひらを返したように企業団体献金の全面禁止を主張し始めたことで、企業献金の是非があらためて議論されている。
 確かに政治資金規正法の抜け穴も企業献金の是非も、議論すべき重要なテーマかもしれない。しかし、政治資金に詳しい日本大学法学部の岩井奉信教授は、日本の政治にはそれ以前の問題があり、その問題を放置したままでは、結局は過去何度も繰り返されてきたような場当たり的な対応を繰り返すことになると指摘する。それは、そもそもなぜ日本では政治家一人一人がそれほどまでにカネを集める必要があるのかということだ。
 日本の国会議員が政治活動を行うためには平均して年間5000万円程度の資金を必要としているが、国から支給されるのは、歳費(議員の給料)と文書通信交通滞在費などを合わせても3500万円にも満たない。最低限の政治活動を続けるためには、残りの1500万円から多い議員では数千万円を、議員一人一人が自力で集めなければならないことになる。
 ある中堅国会議員の場合、4000万円強の年間支出の約3割が人件費、約2割が事務所の維持費に消えている。日本の国会議員は、単に地元の事務所の維持費とそこで働く職員数名の人件費を賄うために、個人や法人から懸命に寄附を集めなければならないのが実情なのだ。当選回数を重ねるごとに政治家の権限が大きくなり、陳情や挨拶先の数も増えるため、職員の数も増える。個人献金の伝統が希薄な日本では、それに呼応するように企業献金への依存度が自ずと増していく。これが日本の国会議員の政治活動の実態だ。
 日本は政党政治を行っているのだから、政治活動に必要な費用は本来は政党が負担すべきものだと岩井氏は言う。また、日本では中央政府の権限が大きいため、本来は県議や市議が対応すべき地元の細々とした陳情を国会議員が受けなければならないことも、地元で多くのスタッフを必要とする原因となっている。地方分権を進めない限り、ここの問題にも解決策は見えてこない。
 政治資金はどんなに規制をしても、ニーズがある限り、抜け穴を見つける人が出てくる。規制強化や企業献金の是非の議論も結構だが、規制と抜け道探しのいたちごっこに終止符を打つためには、現在の日本の政治のあり方を根本から変え直す必要があるのではないかと岩井氏は問う。
 「政治とカネ」をめぐる議論でまだ十分語られていない2つの大きな問い、「そもそもなぜ政治家自身がカネを集めなければならないのか」そして「そのカネは何に使われているのか」、「政治活動を支えるカネは誰がどのような形で負担すべきものなのか」を、岩井氏と議論した。
  • 闇サイト殺人事件の死刑判決をどう評価するか
  • 西山太吉さんらが密約文書の開示求め提訴
  • 小沢氏の企業献金全面禁止の本気度
  • 国民新党が「書かない」記者を会見から排除

インタビューズ (2009年03月21日)
私が企業献金を受け取らない理由
民主党細野豪志衆議院議員インタビュー

インタビューズ (2009年03月06日)
理解に苦しむこの時期の小沢氏秘書の逮捕
元検事・郷原信郎氏インタビュー

プレスクラブ (2009年03月18日)
小沢氏、来週にも進退を決定

プレスクラブ (2009年03月10日)
「進退全く考えず」小沢氏が会見

プレスクラブ (2009年03月17日)
西山太吉さんらが密約文書の開示を求めて提訴

岩井 奉信いわい ともあき
(日本大学法学部教授)
1950年東京都生まれ。76年日本大学法学部卒業。81年慶應義塾大学大学院法学研究博士課程単位取得退学。慶應義塾大学新聞研究所講師、常磐大学人間科学部教授などを経て、00年より現職。著書に『「政治資金」の研究』など。
この記事へのコメント

kenliveさんに代表されるような思い込みで発言する人が時々いますが、困ったものです。
もう一度、番組を見直すべき。

今回言われたことは、政党政治なら政党が負担すべきとか、地方分権によって国会議員の負担を減らすべきとか、後援会制度は、お金がかかる(政治主導とは無関係で、官僚の嫌がることとは違う)ってことだと思いますが。

無記名 | 2009年03月24日 20:50

岩井さんはじめマスコミの論調は政治に金がかかりすぎるという前提ですね。
これっておかしくないですか?
官僚の思う壺というか、政治に金をかけないから国民の代表が官僚利権をまともに検証できないわけで。
自民党に至っては官僚利権法案を官僚に丸投げで作成させている官僚の犬政党でしかないですよ。
この官僚プロパガンダに踊らされている土俵で話するのはもうそろそろ卒業してくださいよ。
逆なんですよ。官僚が一番いやがること=政治に力が付くことを今やるべきで・・・
つまり政治にもっと金をかけないと官僚利権を打破できないという前提にしないとこの国のマスコミ・評論の分野は何時までも稚拙な論議で官僚の手のひらの上で踊らされる状態が続くだけだろう思います。
例えば政党助成金を10倍にして年間3千億円使って政党に政策シンクタンク・予算検証委員会などを弁護士や公認会計士・財政学の専門家などを雇ってつくれば官僚に対抗できると思います。
三千億円で官僚利権=国家予算230兆円の内20兆円程度(これは国民にとって大半が無駄でしかない)が検証され必要な予算に回されれば団塊の世代が死ぬまでの社会保障の危機をも乗り切れると思いますが。マスコミ・評論家はもういい加減ワンランク上がってくれと言いたいですね。

kenlive | 2009年03月23日 21:05

岩井先生の指摘とKANAME氏のアイディアに触れた民主党関係者は、早速これを検討し、新しく透明な浄財献金・集金システムを開発・実行すべし。
自民党に冷笑され、公明党・共産党のドグマに引きずられてドタバタすれば政敵を利するのみ。幹部更迭如きが問題解決の本質ではない。
現在の政治権力を相手にして企業献金廃止法案を提出しても無駄な時間を費やすのみ。わが国で納税を逃れている膨大な資金を還流吸収すれば良い。新しいシステムの創造は民主党国会議員、議員秘書、本部事務官僚の知恵が問われている話。国・地方の公務員官僚の改革を言うのも尤もだが、民主党官僚もその機能が問われている。
国民1人1,000万円の破滅的な財政赤字を垂れ流している中、国会議員・地方議会員の削減、国・地方公務員の削減、その報酬・俸給の削減は一向に進まない状態。為政者と官僚の背任背信行為を許し、馬鹿にされるのは総無責任社会の反映でしかない。
小沢氏秘書逮捕はその是非はともあれ、この国の体制・権力機構が抱える諸問題の快方を遅らせる結果とならないようにする覚悟を迫られているもの。

TOYO | 2009年03月23日 14:50

最近、政治に偏り過ぎてる感があるが・・・基本的に面白い放送だった。

企業献金禁止について・・・・岡田と前原が条件付きで、枝野と小沢は賛成という互いの好き嫌いとは関係なしに反応が見れて面白い。所詮は自分の都合のいい仕組みを選んでるだけかもしれんがね。。。

日建連会長が「代替策」と言っているのには注目したいところ。

個人献金について・・・・菅直人辻元清美加藤紘一がネット献金議連?を作ったり渡辺嘉美もネット献金!と連呼していて頼もしい限りではあるが、やたらと「こだわりすぎ」だと思う。「オバマが当選した理由=ネット献金があったから」と短絡的に考えているフシがある。献金!献金!と連呼していて、これでは逆にうさんくさく見えてしまう。「金」という文字を出し過ぎだ。相変わらず対外イメージを考えてないね。いつものことだけど。

それはともかく、オバマやノムヒョン的なネット献金の政治運動は難しいかもしれない。というのは、日本はアメリカや韓国のようなクレジットカード社会ではないから。かといってクレジットカード社会にすれば良いかというと、そう単純でもないだろう。貨幣制度の是非といった議論になってしまうし。

クレジットカード持ってる人/持ってない人のデバイドがやたらと大きい気もする。ヒラリー支持者がオバマは少額献金が多いというのはウソであり献金できるカードなどを持ってない貧困層はヒラリーを支持していると主張していたが日本でも結構リアルな問題と言えよう。

今やるとしたら携帯電話における有料の着メロをダウンロードのと同じ通話料金に上乗せするタイプの課金システムだろうが考えてみたら携帯電話を契約するには通常はクレジットカードが必須に近い。結局は同じだ。

その辺りはある程度は仕方ないとしてもいい加減、ネットの課金システム問題はクリアしてもらいたいものだ。マル激の視聴方法がそうであるようにネットを通じた課金システムは問題点が残っている。韓国のように住基ネット番号登録すれば簡単だがこれまた色々と難しそうだし。

いずれにせよ常識的に考えて民間の商取引ですら有料売買は敷居が高いのだから政治の世界でできるのはまだ時間は先だろう。

自分が民主党議員だったら公職選挙法上できるか知らないが「民主党テレビドットコム」でも作って、マル激のよな番組を配信して「有料会員=献金」を増やすという戦略をとる。小沢が非記者クラブ情報を大量に流せば良い。と思うのだが。そういうのはダメなのか?

とりあえず「献金ポータルサイト」でも作って検索して献金元をリスト化できるようなページを必要だろう。民主党はさっさと自分でサイトを開設すれば良い。たぶん・・。小沢も自由党時代からオープン!が大事って言っているんだからさ。

kaname | 2009年03月22日 20:39

この放送を観て、政治と金の問題は複雑なんだなと思いました。献金は必要悪なんでしょう。今より情報を開示する、そして今度はチェックする側のレベルの向上(マスコミ、国民など)が必要なのかな。そう考えると政治家の問題ではなく、国民と政治との関係が問題で、今回の小沢氏関連の献金問題の根底には、多くの国民が政治に積極的に関わっていないことが問題なのかもしれない。

35歳 無職 | 2009年03月22日 14:12

やっぱ宮台さんとっても不自然。どうみても小沢一郎をかばってること歴然。最後のコメントを求められてるのに外しているからね、いつもの学者らしくない。岩井奉信氏(日本大学法学部教授)ご苦労様。あなたはまったく汚れがありません。学者はこうでなくちゃいけません。こうなるとジャーナリスト神保さん頑張ってください貴方が頼り、悲しいけど。

談合嫌悪 | 2009年03月22日 00:35

細野はいいわなあ
TVによく出てるから

かばん、かんばん、じばん、なくても

ばんぐみでてりゃあ当選

おっちゃん | 2009年03月21日 23:16
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