マル激トーク・オン・ディマンド
まちがいだらけのマニフェスト選挙
マル激トーク・オン・ディマンド 第480回(2010年06月26日)
まちがいだらけのマニフェスト選挙
ゲスト:浜矩子氏(同志社大学大学院ビジネス研究科教授)
 参院選が24日、公示され、各党ともマニフェストを通じて政策を訴えている。また、菅首相がマニフェスト発表会見で消費税率引き上げに言及したために、マニフェストとは別に消費税引き上げの是非が、選挙の主要な争点となっているようだ。
 マニフェストは各政党が重要だと考える政策をまとめたものだが、それは日本や世界の現状をどう認識し、どのような対策を打つべきだと考えているかを示すものにほかならない。各党による今日の日本の診断書であり処方箋である。
 各党のマニフェストは一様に、日本の現状について経済の停滞や長期デフレに言及した上で、その処方箋として、「強い経済」や「デフレ克服」、「目標経済成長率」などを提示している。
 しかし、エコノミストの浜矩子同志社大学大学院ビジネス研究科教授は、各党のマニフェストが提案する政策はまちがいだらけだと指摘する。そもそも診断書の部分、つまり世界や日本の現状認識が誤っているからだと言うのだ。
 浜氏は、現在、日本を覆うデフレは需要が供給を下回る通常のデフレとは異なる「ユニクロ型デフレ」とも呼ぶ現象だと言う。これは、グローバル化によって地球規模の安売り競争が起きた結果、モノの値段の低下が人件費を押し下げ、人件費の低下がモノの値段を押し下げるという悪循環を指す。ユニクロ型デフレの下では、経済が成長したとしても、貧富の格差が増し、貧しい人々の生活はますます貧しくなる。貧しくなった人々はますます安い商品に群がらざるを得なくなるため、更にユニクロ型デフレの悪循環の深みにはまっていくのだ。
 浜氏は、こうした状況の下では、政党が経済成長を公約に掲げ、約束通りの経済成長が達成されたとしても、日本企業が中国などの新興国と安売り競争を続ける限り、人件費は下がり続けるし、格差は広がり続け、現在のユニクロ型デフレ状況は変わらないと言う。各党が今の日本経済の最大の問題と位置づけるデフレは、別の問題から生じている、という主張だ。そうならば、その根本問題に手当をしない限り、いつまでたってもデフレは解決しないことになる。
 根本問題への取り組みが結果的に経済成長にもつながるだろうと浜氏は言う。そのためにはまず政治が、経済成長を吹聴するだけでなく、根本問題に対する処方箋を提示しなければならない。では、いたずらに経済成長を謳うのではなく、政治が経済や社会に対して本当にできることは何か。
 浜氏はそこでカギとなるのが地域主権だと説く。まず政府が地域に権限を委譲した上で、地域に住む市民がお互いの顔が見える範囲で自分たちの問題に対する解を見つけそれを実行していく以外に、現在の日本社会が抱える問題を解決する方法は見あたらない。仮にセーフティネットの強化が必要という結論に達したとしても、それは国が一律に行うセーフティネットではなく、地域ごとのニーズを地域自らが考えて実行に移していくことが重要になる。政治にできることがあるとすれば、そうした枠組み作りくらいだろうと浜氏は言う。
 政治が経済や社会を変えることはできない、反対に経済や社会が政治のあり方を決めるのだと主張する浜氏と、各党の参院選マニフェストの問題点、さらにはマニフェストには載っていない参院選の真の争点は何かを議論した。
  • 野球賭博を生んだ相撲界の拝金体質と閉鎖性

インタビューズ(2010年06月19日)
民主党マニフェスト、新経済成長戦略をどう見るか
熊野英生氏、飯田泰之氏、高橋洋一氏インタビュー

プレスクラブ(2010年06月21日)
9党党首討論

プレスクラブ (2010年06月16日)
自民党と民主党が17日夕、マニフェストを発表へ

浜 矩子はま のりこ
(同志社大学大学院ビジネス研究科教授)
1952年生まれ。75年一橋大学経済学部卒業。同年三菱総合研究所入社。ロンドン駐在員事務所長、主席研究員などを経て02年退職。同年より現職。著書に『ユニクロ型デフレと国家破産』、『グローバル恐慌 金融暴走時代の果てに』など
この記事へのコメント

「つおい経済、つおい財政、つおい、、社会保障」や「一番」。。
年寄りの冷や水とは本当ですね!

管さんの民主党のポスターはほんとうにセンスゼロ。また形骸化モード(形骸化オヤジ、麻生さんのようなモード)を思わせる。

ほんとに、もうこうしたキャッチフレーズは、ギャグみたいな感じがします。自民党の「みんなでやろうぜ」やポスター(谷垣総裁が上着をはおって出かける感じのポスター(これはなかなか良い意味で面白かった)

公明党の人も中身があるのかのないのかよくわからないようなキャラ。

みんなの党の代表も、一昔前のベンチャー企業のようなメガネやヘヤースタイル。

ダサい。

おっさん | 2010年07月03日 15:47

浜さんの言う通り、格差社会で成長しても下の方が得る果実は少ないでしょうね。ココの所を常に頭に入れておかないとね。

また、地域(市民)で出来る事って結構ありそうな気がします。例えば、NPOバンクを作って余裕のある人から余裕の無い人に融通するとか。地域通貨を作って経済を活性化させるとか。

浜さんの主張は、金融・財政政策と並行して行える気がしますし、またやってほしいですね。マル激との相性も良いんじゃないかな。

ところで「成熟社会」の為には高速道路無料化は必須項目ですよね。さっさとやってほしいな。

ねこじゃらし | 2010年07月03日 14:43

コメントを読んで一言。

できることをすべてやって、万策尽きて「成長だけが幸せではない」と言うのならまだ理解できます。でも日本はいくらでもできることがあります。簡単に成長できます。それをやらずに「日本はもうダメ」と言うのはいかがなものでしょうか。

長期金利がとうとう1.1%を割りました。たぶん人類史上初めてか、ほとんどあり得ないレベルの異常状態です。

これは国債バブルです。日本は80年代の土地バブル崩壊の羹に懲りて膾を吹き逆方向に突っ走った結果、世界史上でも稀な国債バブルを作ってしまいました。

このバブルが弾けると、土地バブル崩壊と逆のことが起きます。デフレ不況の逆です。そんなもの起こせばいいでしょう。というか、どうして起こさないんでしょう。

この期に及んで消費税増税とか言って国債バブルを更に膨らませて、日本人の誰が得するのでしょうか。銀行がしこたま抱えている国債の価格が暴落するのを防ぐために財務省が必死になっているのはわかります。でも大切なのは銀行ではなく国民経済でしょう。なんか主客逆転している感じがします。

と、このようなことを考えている経済学者はたぶん腐るほどいらっしゃいます。そういう人をゲストに迎えていただきたいなと思います。

toyokawa | 2010年07月01日 23:54

神保さーん、
Nコメにも本編にも関係なくて申し訳ないんですが、「韓国哨戒艦天安沈没事件」はやっぱりスルーするんですか?

 最近、ゲストが他のメディアでもよく登場する方が多くて新鮮味が少ないんですけど…
もちろん、神保さんの鋭い質問があるので他のメディアとは違うものを感じるものではありますが、それにしても…
 丸激は、今までは、他ではやらないようなことを(いち早く)とりあげて、深く激しく掘り下げる、ってことが魅力でしたよね。

 「韓国哨戒艦天安沈没事件」について神保さんが語ったことは聞いてないのでどう思っているのかわかりませんが、宮台さんはTBSラジオ等での発言を聞いている限り、韓国の発表をそのまま信じているように聞こえました。その根拠は、国際調査団にスウェーデン等の第3国が参加しているので、あの調査報告は信じられる、というもののようですが、調査団24名中4名しか氏名は発表されていなかったり、スウェーデンは報告書に納得しなかったという情報や、ロシアが独自に送った調査団は帰国後メディアに「天安が魚雷攻撃で沈没したとしたら、韓国海軍は穀潰し」と述べたという情報がありますね。
丸激こそ、このような情報を整理してほんとうに近いところを提供してくれるところだったのに…
 鳩山さんも菅さんも、韓国の発表をもろ信じて、積極的に北朝鮮非難をしているのが気になります。もしかして、防衛官僚、外務官僚はもっと真実に近いところを知っているにもかかわらず、それをあえて伝えていないのではと…

 丸激こそ、真実に近いところを掘り下げて放送してほしいのです。
 

soto | 2010年07月01日 23:49

浜さんの議論、概ね納得がいくものでした。マニフェスト会見で強いを連発した上に消費税、それも10%と具体的数字まで。さらに国家財政破綻に言及するなど、一国の首相としてありえない会見にただただ呆れるばかりだったので、私的には精神衛生上、大変よい番組で助かりました(笑)

ただ、最初の方も触れておられるように地域主権の考え方が少し分かりにくかったです。具体的には、権限「移」譲でなく権限「委」譲なのだというところです。私の理解では、国家が地域に権限移譲するのではなく、本来は地域の権限であるところ、地域から国家に委譲しているだけだから、「地域主権」とは、それを本来の姿に戻すということを仰っていたと受け止めました。

そうだとすれば、物凄くラジカル。というか、少し考えればごくオーソドックスなのですが、一般にはこのように受け止めてられていないのではないかと思います。国家から権限を移譲してやると言われて喜んでいてはいけないなぁ・・・って、改めて自覚する良い機会でした。ありがとうございました。的が外れていたらごめんなさい。

こや | 2010年07月01日 23:03

これまでの経済関係のゲストの話と比べて格段にわかりやすくてためになりました。

これは経済学の初歩だからとかよくわからないことを言って聞き手を煙に巻くようなタイプの学者の話は最後まで聞いていられないので、ぜひ今回の浜先生のようなわかりやすく今の時代に合った話をして下さる方を呼んでください。

あほな成長路線で寝不足になって効率悪く働くのは早くやめにして、貧しくても幸せな社会、ほんとに今後の日本はその方向に進んで行きたいものですねえ。

nijimasu | 2010年07月01日 20:58

>名無し草

経済関連の知識不足で議論に付いていけないということを吐露する分には構いませんが、その知識不足をもってして浜先生を含めて他人を中傷誹謗するのはどうかと思いますよw
大体あなたのコメント自体が抽象論の典型例じゃないですか。マジ勘弁してくださいよ。
久しぶりに、笑った。

匿名 | 2010年06月30日 23:39

ゲストの質に波がありすぎでは?
ユニクロ型デフレの人じゃないですか。。

でも、この方同志社大学の教授なんですよね。
日本の大学教育レベル(文系)をもってすれば、十分に控えめな経済社会を実現できそうです。

st | 2010年06月30日 23:36

最近コメントしてなかったが、相変わらず抽象論ばっかりだな。
浜って学者は、ようするに、もう日本は成長しないという確信を持っているのだろう。
あとは、その確信に合致する知識を再構築して経済オタクにウケそうな話をしているだけだ。
あるいは、反発を買いそうな話を。
ただ、この確信は、なかなか手強い。
実は私もそう思っているから。
ただし、皆さんみたいな偽善者と違って、まずは自分及び家族が路頭に迷わないで済む方策を考える。
根本的な疑問だが、本当に格差是正などする必要あるのかなあ?
変質者天国の生ぬるい社会が出来るだけじゃないのか?
コントラストの強い写真の方がパッと見にはきれいに見えると思うが。
しかし、これは自分の経験から言うのだが、何事も専門家故に悲観的に見てしまうこともあるわけで、構造改革すれば、日本はまだまだ成長する余地があるのかもしれない。
それにしても、「構造改革」って、具体的には何をどうするのか?
重厚長大から軽薄短小へは既に変わっているし、次は物より心だろうが、金儲けにつながる心なんてまがい物でしかない。
しかし、ケインズが機を見るに敏な人間で、ようするに利己的な人間だったというのは面白いな。
教祖様ってのは、信者には気の毒だが、そうしたものなのだよ。
久しぶりに、笑った。


名無し草 | 2010年06月30日 17:09

kaka さんへ
私のコメントへの応答でしょうか?
仰る通り、腑に落ちなければ仕方ないです。

アドバイス1
> 人口減少が確実な日本で、
> 長期的に成長し続けるなんでどうしてあり得るのか?
第473回(飯田泰之先生)のPART1(11分頃〜)で
kaka さんの疑問に飯田先生が言及してます。
私が kaka さんに問いかけたいのは、
経済成長に占める人口要因を
過剰に評価する根拠って何なのか? てことです。

アドバイス2
> 所詮一時的なもの
仰る通り、小手先、
その場しのぎにならないようにするために、
金融緩和と併せて構造改革を行なえばいい訳でしょ。
『日本経済復活 一番かんたんな方法』
に分かりやすく書いてあります。
私が逆に、kaka さんに問いかけたいのは、
一時的にしろ、構造改革の痛みを和らげる措置を取らずに、
構造改革していくことにどうして賛同できるのか?
ということです。
おまけ・・・
宮台先生も、
kaka さんと同じような趣旨のお話をされてますけど、
宮台先生の場合、構造改革したところで、
"所詮一時的なもの" って諦観されていると思いますよ。
kaka さんにとって根治とは何でしょうか?

> 経済学に詳しくない
私自身、ほんの少し前まで興味すら持てなかったので、
笑ってくださって結構ですが、ここ日本の現状では、
マクロ経済学は、学んでおいた方がいいですよ。
ソクラテス的ソフィストの影響が強すぎます。
件の経済学者の中には、学生時代に身に付けた、
古いマクロ経済学観に囚われていて、
日進月歩してきた成果を更新していない方が
結構いることに気づけます。
(その内、私自身がそうなってしまうのかしら(笑)?)

沈思黙考 | 2010年06月30日 12:13

日本に言われるような格差が本当にあるかどうかは別として(あるのは世代間格差のみというのが私の認識)、先生の仰る通りちゃんと筋を通して頂いてからじゃないと、消費税上げたって公務員の安心安全システムにつぎ込まれるだけだし。

tip | 2010年06月30日 07:52

経済学に詳しくないせいか、コメント欄にある『経済成長絶対必要』論がイマイチわからない。
リフレ政策などで技術的にデフレに対抗したところで所詮一時的なものではないか?
人口減少が確実な日本で、長期的に成長し続けるなんでどうしてあり得るのか?
アメリカが成長したのは、移民もあるし借金による過剰な消費があったからでは?一般労働者の賃金はインドなど外国人によって奪われていると思うのだが。
 浜氏の言うように、従来の経済成長路線では限界があるのは確かではないだろうか。

kaka | 2010年06月29日 18:19

さすがに、浜さん、すばっと、きますね。不可能を可能にすることを期待したときましたか・・・

まいりました。

状況掌握力やそれをフレーズにする力は、ずばぬけています。

「ごうせいの誤謬」とか、すばらしいと思っています。参考になります。月々たった500円で、勉強になるなら、これ以上ありがたいことはありません。

欣求浄土厭離穢土を崩壊させれるか? | 2010年06月29日 16:29

神保さんのツイッターを拝見すると、
飯田泰之先生をフォローされているので、
リフレ政策に共感されたのかな? と期待していたのですが・・・

残念ながら、結局は、
http://www.videonews.com/on-demand/451460/001322.php
飯田哲也先生が紹介されたヨアン・S. ノルゴー教授の言葉
「無限に拡大する経済は破綻する」
という成熟志向(市民社会志向? ゼロ成長志向?)が、
神保さんのファイナル・ボキャブラリーなのでしょうか?
浜矩子先生と飯田哲也先生は、
間違いなく意気投合されることでしょう・・・
(でも、ゼロ成長社会って、
無限に拡大する成長社会以上に厳しいジャングルですよ。
新しい取り分が増えない中で構造改革する訳ですから、
取られる方の痛み・抵抗たるや・・・)

マル激が提供するマクロ経済学にこそ、
イノベーション・・・、創造的破壊を期待する。
これだけ長い時間、マクロ経済学について議論しながら、
日銀の在り方(金融政策)に言及しない姿勢には、
疑問を通り越してしまいました。
特に今回、神保さんが、
積極的に披露する経済学的知見をお聞きしていて、
必ずしも不勉強が原因なのでないことは分かりましたし・・・。
コメント欄で散々批判されているので、
日銀の在り方について、番組製作者の意識に、
のぼっていないはずもなく、
日銀に言及しないこと=マル激のスタンス、なのだ・・・
と解釈せざるをえません。

日銀が銀行券を刷って、庶民にばら撒く・・・
という政策には懐疑的・・・
働かざる者、食うべからず、という訳なのでしょうか?
(ホントに働いていないのは、日本銀行の方々なんですが・・・)

リフレ政策を黙殺・軽視・否定するマクロ経済学者がいる限り、
いくらでも、日銀の責任を等閑視できる不思議な国、ニッポン・・・

浜矩子氏(同志社大学大学院ビジネス研究科教授)へ
かつての様な高度経済成長が望めないからといって、
経済成長が不要ということにはなりません。絶対に必要です。
武士は食わねど高楊枝・・・なんてプライドを、
他者に押し付けてはいけないのです。
無限の経済成長あってこそ、新しく増えたパイを通じて、
様々な手当てが容易くなるからです。
ゼロ成長=取るか、取られるか
という厳しい社会を望む経済学者って異様です。
必ずしも経済成長を否定するものではない、
という逃げ口上を述べられるのかもしれませんが、
経済成長なくして、decent などあり得ないのです。
Digに出演された際、参院選の候補者選定基準を神保さんに問われて
「嘘をついていないか、どうか」と、応えられた時は、
これが大学で専門知を教える立場にある方の意見なのか?
と唖然としてしまったのですが、今回、
「消費税の使途が正直に語られていない(PART2 6:50頃)」
と仰るのをお聞きして、納得できました。仰る通りだと思います。

マル激スタッフの皆様へ
論理的にはデフレ下でも、構造改革はできます。
(自民党と民主党が連立したら、本当に行動に移しそうで恐い)
清貧、成熟社会、市民社会・・・ 聞こえはいいけど、
構造改革するにあたって、どうすれば痛みが小さいのか?
なぜインフレを実現した上での構造改革を謳われないのか?
リフレ政策に心底懐疑的なら、
リフレ政策を徹底的に批判する特集を組まれたい。

J−CASTニュース
http://www.j-cast.com/2010/06/28069760.html
> 「誤解」を生んだのはマスコミのせいだ
おやおや・・・
本人が「誤解だ!」と言えば、何でも通ると思っている方がここにも・・・
まぐさんが紹介された中曽根康弘・元首相の分析は正しかった・・・
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100611/plc1006110311001-n1.htm
経済政策がコロコロ変わって見えるのは、
支持率に右往左往せざるを得ない状況に加え、
マクロ経済学の基礎を腑に落ちるまで学習してこなかったツケなんだろう。
自論に自信があるなら、記者会見をして、並み居る専門家を前に、
説得すればいいだけのことだ。かつての田中康夫・長野県知事の様に。
決断することばかりが政治家の仕事ではない。
踏み止まって説得する・・・、そんな姿勢にこそ、decent を感じる次第。

沈思黙考 | 2010年06月29日 12:15

本編追加

ちゃんと経済を語っていたゲストって、高橋洋一氏と飯田泰之氏くらいしか記憶にありません。あとは井堀なにがしほかの財務省の犬みたいな学者や今回みたいな人ばっかり。

ここまで不毛なゲストが続くと、原因は、根本的に、神保・宮台コンビが経済について知らなすぎることにあると思わざるを得ません。ゲストの選定だから責任は神保さんですかね。

「グローバリゼーションでユニクロ型デフレ不況になる」という話を聞いて「なるほどー」とか納得しないで欲しいんですよ。「ならどうして米国や欧州がユニクロ型デフレ不況にならなかったのですか」と質問するのがジャーナリストでしょう。政治や社会の分野では素晴らしい質問が続出していつも驚嘆しているのですが、経済政策に関しては脱力することが多いです。正直。

なんども言いますが、どうしてリチャード・クー氏を呼ばないのでしょう。彼の話を本編で一時間聴いたら、神保さん、宮台さんくらいの地頭の人なら今回のデフレ不況(バランスシート型不況)の本質を完璧に理解すると思います。

それって日本の国益だと私は思いますよ。この番組が経済政策でマトモになれば、年間の自殺者は楽に数%減ると思います。いや冗談でなく。

toyokawa | 2010年06月29日 11:07

浜先生、意外と普通の問題意識だったので正直驚きました。

資本主義では必ず漏れ落ちていく人間がいて、それをすくい上げるための包摂社会を作ることが大切、という経済学者というより社会学者のような御発言ではありましたが、「貧困は資本主義にはつきもので、必要悪だから仕方ないよ」という切り捨て方をしないところは、十分に評価されるべきかと感じます。

ただ、実際、お金がない国家になっていくことを国民が座して肯んじるとも思えず、そういう意味では、やはり規制緩和等していくことも大切なのではないでしょうか?

be_together | 2010年06月28日 20:11

まれに見る最悪のゲスト。
 コメントの更新が遅かったので酷いコメントが多くてスタッフが神保氏に相談していて遅れているのかと思ったら好意的なコメントが結構あって驚いた。
 今回のゲスト、話が下手なのか、準備していないからか、前提とか根拠とか、論理的な話に必要な説明が全くないので全然説得力がない。内容以前の問題。信じている思想を語っているだけにしか聞こえない。この内容なら定量的な解析も必要でしょう。司会者のフォローでやっと話が見えてくるありさま。宮台氏のフォローとゲストの思想にはかなり落差があったのではと思ったらゲストは反論するでもなし。宮台氏の静かさ(冷笑と取りました。)が印象的でした。

かぴばら | 2010年06月28日 19:39

本編

池田氏を始めとする経済学者と浜氏の議論がすれ違う理由がなんとなく分かりました。浜氏は、ある理念をお持ちのようです。それは「成熟したdecentな社会を目指そう」に尽きると思います。とりわけ「安物売りに安物買いという精神はdecentではない」という信条を持っておられるのではないでしょうか。しかし理念が強すぎるために、浜氏の議論の中には経済学では通常考慮されない要素が埋め込まれたり、事実誤認が見られる場合があります。多くの経済学者から批判を浴びる理由はそこにある。そして、一方で支持を受ける理由もやはりそこにあるのではないでしょうか。

それが顕著に現れているのが浜氏のおっしゃる「ユニクロ型デフレ」です。

・同じ生産パフォーマンスで賃金の安い人がいればそこに手を出すのは資本主義社会である以上当然。

・生産者も相場より高い賃金で雇ってもらえる。

・営業部門等の社員の給料が下がっているという証拠もない。

・ユニクロ好きの消費者は安くモノが買える。

・ユニクロは10%を超える利益率を出している。利益を出し続けなければ労働者は解雇される。

ユニクロの経営では、労働者も、消費者も、そしてユニクロ自身も損をしていない。経済学者からすれば「これのどこがいけないんだ?」と。

でも、浜氏に惹かれる人も多い。明確な信条を持っているように映るからでしょう。饒舌なのも信念があるからだと思います。強い理念を持ったエコノミストもいていいと個人的には思います。

ただエコノミスト・学者という肩書きの人が一言発言をすれば、それは「いわゆる経済学者としてのコメント」であるとたいていは受け取られます。だから、神保氏が「では具体的にどういう対策を打てばいいか」と切り込んだのに「いや、市民が…ごにょごにょ…」という回答だけで終わったりすると、経済学者としての答えを求める人には「経済学者としての提言がない」という風に受け止められる。また、浜氏の理念に少なからず共有する人にも「具体的内容に乏しく消化不良」という印象を与えてしまう。

経済学が私のような素人に一見難しく見えるのは、経済学とは論理明快であるはずなのに、ある人が語る経済学の中にその人の信条が知らず知らずの内に入り込んでしまっていることが少なくないからではないかと。「いい社会を作るために経済システムを利用する」と宮台氏はおっしゃっていました。「標準的な経済学」がどういう社会を良しとして作られているかということはきちんと認識する必要があると思います。そして、経済学上で部分最適が達成されたからといって社会全体がうまく回るわけではない。かといって、経済学は社会の問題全てを扱い切れないし、扱ってはいけない。このことも認識する必要がある。

もっとも、論理明快な経済学を語る人に周りの人がついていくかというと、それはまた別の話。「言って分からないから体で覚えさせる」といって父親の愛のムチを幾度となく食らった幼い頃の記憶が何故かふと蘇りました。

kimukimui | 2010年06月28日 19:12

財政危機と格差との関係、浜先生の説明は大変わかりやすかった。

「まず格差対策」とおっしゃる意味はよく分かるが、あまり単純化したせいか、それが消費に返ってくる好循環化のプロセスに時間がかかること、その間、差し迫った危機をどう乗り切るかの説明が抜けていたのではないか?

「格差対策」や「地域市民社会への委譲」を進めながらも、産業構造の転換、特に国家資本主義への対抗策(現在新自由主義はこれに対処できない)を具体的に推進する必要がある。

つまり、これが民主党の言う官民一体のインフラ・環境技術・サービス等の売り込みだ。
自動車・家電等国際競争力の低下傾向にある産業部門の輸出にいつまでも依存し続けるのでなく、新しい日本特有の技術に立脚した産業部門の輸出を官民一体で進めることしかない。新自由主義では中国・ロシア等の国家資本主義に対抗できないことは明らかだ。

国家資本主義に対抗する道筋は、政府の権限強化、政権の安定性が不可欠だ。1年に一度首相が変わる現状はどうしても断ち切らなければいけない。

urara | 2010年06月28日 10:36

ここまで「消費税!消費税!消費税!」と世の中なったのは、やはりマスコミのみなさんのおかげかと思います。マスコミのみなさん、大勝利。

前からマスコミでは、存在するのは「税」や「増税」の話ではなく「消費税」と「消費税上げ」でしたが、政権交代後でしょうか、マスコミさんによる消費税話に拍車がかかったというか、相当なギアチェンジが行なわれたように思えます。


たとえば、朝日新聞と報道ステーションの消費税煽りは凄まじく、一色さん(と古舘さん)が「消費税!消費税!消費税!」言うのを何十回も聞いてます(というか毎日言ってた?)。

ちなみに一色さんは、上げた消費税は社会保障に使ったら財政再建にならないから財政再建のためだけに使えというマッチョ路線です。この手の方々は、もはや経済や財政や社会がどうこうじゃなくて、「マッチョなのが責任ある男の姿!」ってノリに見えます、私からは。

Aoyey | 2010年06月28日 02:55

中・先進国の中で日本一国が長期停滞しているのは、日本では経済に関する知識水準が極めて低いからだろう。
それ故、このような色物エコノミストが臆面もなく自説を披露している。
まちがっているのは貴女だろう!

まぐ | 2010年06月27日 21:55

初めてこの番組の出演経済学者で傾聴に値する話でした。また出演願いたいです。

無記名 | 2010年06月27日 19:50

浜さんの言うことは良くわかるし、賛成なのだが、実際にNPOにボランティアなどで関わっている身としていえば、市民ではなく社員である働き盛り男性が、新しい公共としてのNPOやボランティアに関わっている割合は非常に低く、市民や公民として、いかに振舞うかを考えて公共に関わろうという層は、学生であったり、主婦であったり、退職した還暦以上の世代であったりという経済システム周縁に位置する層が主で、しかもそれらの層のごくわずかの意識の高い人たちしかいないというのが現状である。

養老孟司さん(ゲストとして呼んでほしいところである)のいう参勤交代制のように、この際首根っこを押さえてでも田舎に住まわせて農業などをやらせるというのは半ば強制ではあるが、地域だとか環境問題などに、こういうところから気づきがある可能性もあるので私は賛成なのだが、こういう大胆な政策を掲げる政党はない。

チャレンジするのも余裕からというのと同様に、市民社会を成熟させるのも余裕からということで、安心にかかるコストを国が全部負担する高福祉国家に日本を転換させる方向を探ってみてはどうか、と思う。

新自由主義では夜警国家なので、安全(軍事や警察ということですけど)にかかるコストは国がやったほうが効率的と考えていると思うが、安心(医療だとか老後に心配など)は自己責任で市場から調達しろということになる。福祉国家は安心も部分も国が負担した方がいいと考えているが、どちらが経済成長にとってよろしいか?

貯蓄率の高い日本では、お金持ちの高齢者もなかなか貯金を崩さないが、墓場の中まで持っていくことのできないお金をなぜ使わないかといえば、自分がいつ死ぬかわからないし、その間に何が起こるかわからないからである。いわば将来不安を担保するために貯蓄を崩さないのである。なので、安心の担保を与えるために教育、医療、福祉に関わるコストはすべて国が負担しますというような高福祉国家にしたほうが宵越しの金は持たねぇという感じでも安心していられる、ということになり貯蓄されている数百兆円のお金が回り始めて経済も成長するということになるのではないだろうか。

もちろん高福祉国家は税負担も高くなり消費税率も上げなければならないだろうが、まず日本を10年で北欧並みの高福祉国家にすることを宣言し、そのために消費税は1年ごとに2%ずつ上げるということにして最終的には25%ということにすれば、1年で2%ずつお金の価値は下がることになるので消費を促すことになる。

経済成長させるには日本では新自由主義的政策より福祉国家的政策の方がいいと考えるのだが、いかがか?

toshiaki | 2010年06月27日 17:24

番組紹介の記事でみる気が・・・・。まだグローバル化のせいでデフレだっていう人いたんだ。

番組を見てなるほどと思った人は、ちゃんと数字を確認しましょう。(親切な経済学の先生のブログには公的機関の統計情報などへのリンクとかあって便利ですよ。)

経済学が苦手な人は海外の標準的な経済学の教科書がお薦め。(マンキューとか)

それから、もうアプローチしてるかもしれないけど、蓮舫さんと事業仕分けしたことでもおなじみ、本物のエコノミスト原田泰さんをリクエストしたい。(本も売れてるみたいだし。話題性もあるのでは)

神保さんは特に原田氏の  "日本の「エネルギー効率」は本当に高いのか"  という分析も興味深いんじゃないでしょうか。 個人的にはいつも原田氏のはなしには目から鱗落ちまくりです。

sa | 2010年06月27日 14:28

今まで、経済学なんて「経世済民」から社会(世)と市民(民)を排除した学問なんでしょ、と思ったりしてましたが、こんな方もいらっしゃるんですね。
冒頭、各党のマニフェストを"元気を出したい老人達のマムシドリンク"のように喝破されていたのも痛快でした。

tepa | 2010年06月27日 13:26

ここ数ヶ月で最悪の回でした。格差といいますが、現在の日本はまだ最低限の社会保障が維持できています。成長がなければ生活保護などの最低限のセーフティーネットすら保てなくなるというのは常識です。この先生の主張を議員さん達が真に受けないことを祈ります(ないと思いますが)。地域主権の構想も具体性をまったく欠いています。経済成長と地域主権を結びつける考え自体は広く普及しているので、この領域で有益な主張をされている方の登場を期待しています。 

lou | 2010年06月27日 12:13

本編

マル激が連れてくる経済学者はどうしてこうダメなのが多いんでしょう。市民も地域社会も結構ですけれど、経済学者として主張するべきことを主張して下さいと申し上げたいところです。

焦点は政府による信用創造の問題です。これに言及せずに経済を語るって、あり得ないでしょう。地域社会がいかに頑張ったって、日本銀行は日本に一つしかなく、日銀をシビリアンコントロールする政府は日本に一つしかないのですから。

ユニクロ型デフレと言ってますが、何のことか全くわかりません。普通のデフレじゃないですか。格差問題は単に労働市場が機能していないから正社員の既得権益が温存され、そのシワが派遣社員や若年層に寄りましたねという話です。賃金の下方硬直性がある中で財務省と日銀が円高を放置した結果、日本人の人件費が不合理なレベルまで高くなり、国内の産業が必要以上に中国ほかに逃げ出した姿が今の惨状です。

今やるべきは政府による信用創造です。米国も欧州も中国もみんなこれをやっています。それもあきれるくらいに大きな規模で。これをやらずに財政均衡とか寝言言ってる日本だけが長期の円高デフレ不況に陥っているわけです。

政策の順番(大きなロジ)はこうなります。

1.政府の信用創造・積極財政による円高デフレ不況脱却

2.名目GDPが4%程度の巡航成長にもどり、完全雇用が実現。社会の中で失業に対する恐怖がなくなる

3.正社員既得権の剥奪による労働市場の流動化。再就職市場の健全化。官僚の天下り禁止。

4.事業仕分け。産業構造改革。成長分野への人材の移転。地域主権への転換。社会の包摂性の拡大。消費税の地方税化。

最初の1,2,をすっ飛ばして3なんて実現するはずがないでしょう。権益を失う側は命がけで抵抗します。3がなければ4もありえません。

不況時は経済政策の時代であり、宮台先生のような社会学者は3.4.段階の好況時の専門家なのだと思います。浜さんも好況時の経済学者としては素敵なことを言ってくれそうです。早く宮台先生や浜先生の時代になるよう、ここは思い切ったマクロ経済政策を打って欲しいと願うものです。

しかし民主党も自民党も消費税増税…。何なんですかね、この国は。

toyokawa | 2010年06月26日 23:44

浜さんについて断片的な発言や、ネット上での評判しか知り得なかった自分としては。非常に冷静で説得力が有る発言と説明で驚きました。

特にご自身のエコノミストとしての立場と政治が判断すべき事柄を明確にし、特定の方向性にミスリードさせないように気を使っている点。
様々な判断に至る合理的なプロセスが重要であるとする点など、慎重でありながらも明確な内容でした。

今までも高名な経済学者さんが登場されましたが、どの方もいずれかの思想を代弁しているかのような臭いがしました。しかし、今回はそれを感じさせないものでした。

ただし、市民が直接権限を得ることで経済的な解決も図られるという部分は、自分の中で租借しきれなかった。
再度内容を見返してみようと思う貴重な回でした。

また、ここのコメント欄においても諸氏がどのような反応をするかも楽しみです。
今回の主張に、大いに反論も書いていただくことが非常に参考になるだろうと期待しています。

Taka | 2010年06月26日 22:35

中澤さんでかいなあー

torako | 2010年06月26日 22:06
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