マル激トーク・オン・ディマンド
攻めの民主に死角はないか
マル激トーク・オン・ディマンド 第341回(2007年10月11日)
攻めの民主に死角はないか
ゲスト:福山哲郎氏(参議院議員)
 参院で主導権を握った民主党は、すでに6本の法案と11本の質問主意書を提出し、国政調査権を盾に、政府・自民党への攻勢を強めている。今国会で最大の焦点とみられていたテロ特措法延長問題も、空母キティホークへの給油をめぐる疑惑などが持ち上がり、政府与党はさらに窮地に追い込まれる展開となっている。まさに民主党は絶好調だったが、予算委員会でテロ特措法の審議がまさに始まろうとする直前、民主党の小沢一郎代表が、10月10日発売の月刊誌『世界』に寄稿した論文が、大きな物議を醸している。
 その論文で小沢氏は、民主党が政権をとれば、国連中心主義の立場から、アフガニスタンの治安維持軍に自衛隊を参加させる意思を表明した。小沢氏の主張では、国連決議でオーソライズされた平和活動に参加することは、たとえ武力行使を伴ったとしても憲法に抵触しない、というもの。しかし、この主張が、自衛目的以外の武力行使を排除したこれまでの日本政府の憲法解釈から大きく飛躍したものであることは、誰の目にも明らかだ。
 小沢氏の論文が、テロ特措法の延長に反対するばかりで、対案を出さないとの批判をかわす目的で出されたことは理解できる。しかし、民主党が政権をとれば、国連決議があれば武力行使にも参加するとまで踏み込んだことに対しては、民主党内部からも戸惑いの声が上がっている。民主党有利で進むはずだった今国会も、下手をするとこの論文ひとつで民主党が守勢に立たされる可能性も否定できない。また、党内にさまざまな意見を抱える民主党にとっては、これが分裂の火種になる可能性もある。
 しかし、参院の政策責任者として、政府を追い詰める先頭に立つ民主党の福山哲郎氏は、政権獲得が見えてきたこの時期だからこそ、あえて民主党内部に対して、小沢氏はこの論文を突きつけたのではないかと読み解く。民主党が抱えている矛盾や内部対立、特に安全保障政策での不一致は、民主党が政権についた際には大きな枷になりかねない。あえて今の時期に各議員に「党の方針に従えるかどうか?」を問い、解散総選挙前に覚悟を求めたのではないかと語る。
 実際、小沢氏は10日の記者会見で、論文の内容は党の方針と一致しており、その方針がいやな議員は「離党する以外ない」とまで言いきっている。
 福山氏はまた、小沢論文は、小沢氏が次の選挙に自身の政治生命をすべてかけていることの表れではないかとも言う。40年に及ぶ小沢氏の政治生活の中で、最後に自分が理想とする国家像の実現をあの論文に託したと見ることもできる。
 週明けからはじまる参議院での国会論戦を前に、参院民主党のキーマン福山氏をゲストに、小沢論文の衝撃や民主党の今後の国会運営などを議論した。
福山 哲郎ふくやま てつろう
(参議院議員)
1962年東京都生まれ。86年同志社大学法学部卒業。大和証券を経て、90年松下政経塾第11期生として入塾。95年京都大学大学院法学研究科修士課程修了。98年参議院京都選挙区で立候補し、当選。99年民主党に入党。07年「次の内閣」政調会長代理、民主党参院政審会長に就任。当選2回(参院・京都)
この記事へのコメント

 民主党の小沢代表がISAF参加を容認する発言をしたことで、民主党支持層の中に「血を流す活動」をすることに尻込みしてしまう人たちが出てしまうのではという危惧が語られていましたが、あまりその心配はないと思います。「自衛隊の皆さん、ひとつよろしくお願いします」と言うだけで済むわけですからね。
 今回の放送は民主党が内輪でやる戦略会議に付き合わされてしまった観があります。「お馬鹿な烏合の衆はこれこれこういう方法でコントロールしなければならない」的なニュアンスがかなり露骨になってしまったところに、民主党をコーディネイトする(?)宮台氏の焦り(結構、福田自民が支持を盛り返すのではないか)のようなものを感じました。

Amandla | 2007年10月21日 08:41

キーワードは“相対化”ですよね。
でも、日本人は超々々々々苦手ですよね。
困った困った・・・

EN | 2007年10月19日 19:57

散々反対のための反対とその理由の後付を繰り返してきた民主党が、また反対のための適当な理屈を持ち出してきたか、位にしか見えないのは私だけでしょうか。
核武装の国民的合意もないまま、対米中立にシフトするのは危険すぎるんじゃないの?補助金漬けで食糧自給率を上げれば国際的袋だたきは目に見えてるけど大丈夫?自立支援法の定率負担はなぜ廃止する必要があるの?
全てやり尽くされた議論ですが、そういう難しいところはうまく避けて、民主的成長のプロセスです、前向きにご期待下さい、で片付けるのは余りにお粗末というか、参議院過半数に浮かれすぎではないですか?

共産趣味 | 2007年10月18日 22:07

中立性とは何かについて、私は別の意見を持ちます
政権与党の情報発信量や統制力は絶大なものがあるのです
足して2で割ること、真ん中を取ることがはたして中立なのでしょうか?
もちろん政権与党の意見を聞くことは必ずしも否定しませんが

福山議員の考え方が大変しっかりしていること、前途有望だと感じました

日米関係の相対化
国際貢献の自主判断
自給率を上げる
安全保障は軍事だけではない
安全保障を生活面まで拡げる
余裕なくしてチャレンジなし
思考停止的な対米従属を止めて、しっかりネゴシエーションを行う
国内的にも緊張関係とネゴシエーションが重要だ、等々

宮台先生の主張にも共感するものが多くありました
日本の将来に希望が持てた番組でした


伊藤良彦 | 2007年10月17日 11:16

面白く見させていただきました。
しかしながら、ここまで明らかに「民主党応援」を前面に出すことで、いつも神保さんが言われている「メディアの中立性」の問題はどうなったのだろうという疑問も感じました。

まぁ、放送一回のなかで中立じゃなくても良い。ということかも知れませんが。

自民党側のお話が聞けるとさらに面白いと思います。

hatano | 2007年10月14日 17:36
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