マル激トーク・オン・ディマンド 第375回(2008年06月07日)
抵抗勢力の本丸は政官財のステルス複合体にあり
ゲスト:中川秀直氏(自民党前幹事長)
自民党内で、増税をめぐる意見対立が鮮明になってきた。少子高齢化によって今後膨れあがる社会保障費の財源を消費税率の引き上げで賄い、財政再建を優先すべきと主張する増税・財政再建派と、増税に反対し、構造改革によって経済成長を図り、税収を延ばすことを主張する上げ潮派に、党内の意見が大きく集約されつつあるようだ。
上げ潮派の中心が、安倍政権で幹事長を務め、小泉改革の正統的継承者を自認する中川秀直衆議院議員だ。中川氏は歳出の削減を徹底して行い、規制緩和などで経済成長率を高める「上げ潮政策」をとれば、「増税なしで財政再建は可能」と主張し、声高に増税反対を唱えている。また、5月末に上梓した新著『官僚国家の崩壊』では、有名なアイゼンハワー大統領の「軍産複合体」演説に準えた、エリート官僚を中心とする「ステルス複合体」が日本の改革を邪魔しているとして、更なる構造改革の推進を強烈に訴えている。
その中川氏は日本が東大法学部を中心とするエリート官僚たちに巧妙に支配されており、政治が官僚をコントロールできていないことが、日本の改革が進まない最大の要因であると主張し、改革に反対するエリート官僚たちを厳しく批判する。選挙の洗礼を受ける政治家は、政策の失敗に対して責任を追及されるが、官僚たちは、匿名のまま、政策を作成し、それが失敗に終わっても、結果責任をとることもない。政治家がいくら改革の旗を振ろうが、最大の既得権益者であるステルス複合体が改革を許すはずがない。彼らは官界を越えて、産業界、学界、マスコミまでを網羅した東大法学部人脈を通じて、相互に補完し合いながら、自分たちの力の保全を図っている。これが中川氏が日本の最大のガンになっていると断罪するステルス複合体の実態だ。
しかし、今国会で成立した公務員制度改革法は、山県有朋以来続いてきた、官僚支配の転換点になり得るとして、この法案の成立と道州制の導入によって、明治以来の官僚を中心とする中央集権体制からの脱却を図ることの重要性を強調する。また、そのためには政治が政策立案を官僚に依存している現状を変える必要があると語り、議員の政策スタッフの拡充や霞ヶ関に対抗しうる民間のシンクタンクの必要性を訴える。
「上げ潮政策」については、支出を削減し、規制を緩和し、新規参入を促す点では、新自由主義的な政策ではあるが、決して、市場原理主義政策ではないと、上げ潮批判に反論する。また、単に規制を緩和するのではなく、官から民へ権限を移譲する過程で、国民にパブリック(公共)の意識を育て、国民一人一人が主体的に社会と関われるようにするために、寄付税制を含めたNPO制度の拡充を図るべきだと主張する。
今週は、「上げ潮」と「ステルス複合体打破」の2つの政策を掲げ、ポスト福田総裁レースに殴り込みをかけたと永田町でもっぱら取り沙汰される中川氏をゲストに迎え、日本がいかに現状を打破すべきか、そして中川氏自身は10年後、20年後にどのような国家像を描いているかなどを聞いた。
プレスクラブ(2007年11月14日)
「上げ潮路線」を堅持すべし・中川秀直衆議院議員講演
中川 秀直なかがわ ひでなお
自民党前幹事長
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1944年東京都生まれ。66年慶應義塾大学法学部卒業。同年日本経済新聞社に入社。76年衆議院初当選(新自由クラブ)。79年の落選を経て80年に再選し、自民党に入党。96年初入閣(科学技術庁長官)。内閣官房長官、党国会対策委員長、政務調査会長を歴任の後、06年党幹事長に就任。当選9回(広島4区)。著書には『上げ潮の時代』、『官僚国家の崩壊』など。 |
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この記事へのコメント
輸入原材料の高騰で上げ潮路線は破綻した。
日本の輸出産品は競争が激しく、価格転化がし難く、輸出すればするほど損になるという交易損益が生じている。その推定年額23兆円(消費税11%に相当)。
つまり、輸出すれば損出する構造の中で、トヨタなどが利益を確保しようとすれば、そのシワ寄せで下請けの日本企業はより以上コストカットをしいられ、さらなる損出を出してしまうわけだ。
マイナスサムでの分配はより過酷になり、弱肉強食性が強まる。
輸出の公益性が殆どなくなった以上、輸出産業を強化して日本を豊かにするなどという国策は成立しない。
というか、元々日本のGDPの10%内外の輸出産業に消費税2%にあたる2兆円を減税(利益供与)し、内需を殺ぐような国民への負担増を強いた自民党は、国民政党とすら呼べなかったが、今や公党の資格さえなくなっている。
自民党は解党した方がいい。
まぐ |
2008年07月20日 10:18
中川が言ってる政官財ステルス云々は、90年代始め大騒ぎになった住専破綻から、バブル経済崩壊に至る図式と同じことじゃないですか?
あれから20年経った現在も、霞ヶ関役人組織の根性が健在であり、最近はあの当時バッシングされた大蔵官僚どもの怨念で、社会がこれだけズタズタにされたのではないかとさえ感じる。(俺達に逆らったらどうなるかわからせてやる…。なんてね)
住専の時、お金の管理を役人に任せていたら、社会はとんでもないことになる、ということを私達は学んだはずで、あれから20年近く経った今尚、あの教訓を生かせず、的外れな改革路線を走り、躓くと、「これから、これから」と同じ呪文を唱え続けている。
そうやっていれば、議員も学者も商売になる。有権者はあまり声を出さない。誰一人本気で血を流す覚悟はない。やっぱり「明るい未来」はないなあ、と私も嘆くだけですが…。
(住専破綻処理とか、古くは旧国鉄の赤字精算とか、ああいうのたくさんあるはずだけど、どうなってるのかなあ…)
一庶民 |
2008年06月12日 11:13
今回、今まで私が抱いてた中川さんのイメージが変わり、非常に興味深く見ることができました。個人的には彼の言葉は借り物ではない説得力を感じましたし、危機感も本物だという印象です。
ただ、言葉には端々には苦労が偲ばれますが、その理念と小泉政権がやってきた政策、つまり現実とのギャップがどうしても気になりました。
そして、国家公務員法の話で言っていた「すべてはこれから」の言葉にも、なぜそんなに時間が掛かるのか?ポリティカルアポインティーも政権交代がなければ機能しないのではないか?といった疑問も拭えません。
また、中川さんが信頼を置く(ように見える)小泉さんや竹中さんには、どの程度“社会の厚みの保持、再生”に対する問題意識があるのか?
中川さん自身はどのように考えているのか知りたいところです。(まあ、普通に聞いても「ある」としか言わないでしょうけど)
やはり、一度竹中さんを丸激に呼んでもらいたいものです。
それと、相手が政治家の場合、出張丸激になることが多いから難しいかもしれませんが、ゲストとの討論後にお二人で、10分ぐらいでも簡単な総括というか感想を見られるといいですね。
内容以外で一つ気になった点ですが、今回の中川さんの出演はビデオニュースの方からオファーしたのでしょうか?(だと推測しますが)
一般的に大物政治家が頻繁にメディアへ露出する際、政治家からのアプローチの経路や、どのような手順でメディア側と「出演する」「しない」「条件のあるなし」などのやり取りがなされるのか興味を持ちました。
どちらにしても、与党のキーマンがビデオニュースに出演するようになってきたのはすばらしい事だと思ってます。
いい加減、“権力者と討論したら取り込まれる”なんて、情け無い事をいうのはやめましょうよ(笑)
takumi |
2008年06月10日 12:27
しかし、キャラ暗いね。
ダメだよ、これは。
方向性は良いのだが・・・
名無し草 |
2008年06月09日 16:37
中川秀直の利用価値は高そうですね。
EN |
2008年06月09日 10:18
宮台さんの誘導?もしくは釣りw
中川秀直の悪がよくわかりましたw
無記名 |
2008年06月09日 02:43
中川秀直、この人の顔を見ると、例のスキャンダルの時のあのベッド上の写真が頭に浮かぶ。どんなこと言っても書いてもあのイメージは払拭できない。
今度、animalさんも言うようにぜひ高橋洋一氏を呼んでほしい。彼には金融政策と財政政策はあるが産業政策はない、との批判があるが、その辺つっ込んでください。彼の合理性はすっきりしていて個人的には好きだが、そうは世の中まわらない、んですよね?
無記名 |
2008年06月08日 17:35
番組企画そのものには賛同します
このような企画も必要だとは思います
しかし肝心なことは、相手が権力者だと言うことを抜きにしては素直には聞けない面があるのです
うがった見方かもしれませんが、現実の目の前に迫った問題「格差拡大」「医療崩壊」「福祉切捨て」「政管財の腐敗」等々の問題、それに対する市民の怒り、これに対処するすべを失った政府与党としてはいわゆる「大所高所にたったあるべき姿論」に向かわざるをえないとみるべきではないのでしょうか?
私には一種の「目くらまし」としか見えません
いわゆる「大所高所にたったあるべき姿論」ではリベラル派と意見の一致を見る場面があっても当然だともいえます
良い改革と悪い改革があること
目先の問題に少しも触れることがなかったこと(この種の企画ではやむをえないことかもしれませんが)
宮台先生との同意点のみがクローズアップされたこと
宮台先生が彼らに取り込まれ利用される恐れは全く考えておりませんが、できれば日を改めてこの番組に関して、神保さんとのトーク番組をお願いしたいところです
100%勇気 |
2008年06月08日 12:25
警告!
田原総一郎の真似をすると、権力に取り込まれて、国民を不幸にするよ。
おやめなさい。
干潟 |
2008年06月08日 12:22
今回のインタビューで宮台氏が、「昨今の経済論戦(上げ潮=リフレ派vs財政均衡=増税派)が経済学ヲタ領域での話題に終始している」との発言がありましたが、是非Videonewsには、このヲタ領域に風穴を開けていただきたく思います。(レベルは落とさずに)
中川氏が出演されたので、高橋洋一氏(東洋大)にも出演していただきたく思います。同氏であれば金融政策の話以外にも官僚機構・財投改革(埋蔵金)等の話も可能です。
Videonewsで金融政策のみというのは少し酷過ぎる感があるので(前の岩田氏(学習院)は個人的には良かった)、いくつか引き出しのある人物をゲストにした方がいいでしょう。その他にも原田氏(大和総研)、飯田氏(駒沢大)や先日、民主党の英断!により日銀副総裁を逃した伊藤氏(東大)も適任かと。
これだと若干リフレ派色が強いのでw、宮川氏(学習院)にでも近年実証研究が蓄積されているTFPに関する話題をしてもらう。財政関連であれば土居氏(慶応)、岩本氏(東大)、小野氏(阪大)もいいんじゃないでしょうか。また労働・不平等関連であれば橘木氏(同志社)、大竹氏(阪大)、玄田氏(東大)も引き出しを多く持っている学者です。経済論戦に直には関連しませんが、三輪氏(東大)もある意味面白い。彼の研究は多くの非経済学専門家に対しても興味深いように思います。
経済論議がヲタ領域になっているのはしょうがない面もありますが、一方非常に問題でもあります。経済分野が非常に手薄wなVideonews(多くの新聞・テレビも同様ですが)には絶好のチャンスかと思います。経済学は現実的な問題を扱う学問でもあり、アメリカの経済学者が実社会の問題に対して度々コメントしているのと同様、日本の経済学者にも是非コメントしていただきたいです(もしかしたらその機会がそれ程多くないのかもしれません)。自分の専門分野の動向や自身の提言を編集なしに発言できるのは専門論文以外には無いかもしれません。
兎角、日本にゴチャゴチャ文句を言うwクルーグマンにでも英語が達者な神保氏が独占2時間インタビューをすれば、収益面でも話題面でも独占できますし、ある意味快挙かもしれません。
長文失礼しました。Videonews一視聴者からの雑言です。
animal |
2008年06月08日 10:49
番組の内容に直接関係ないのですが、
撮影の際の照明の不足が原因だと思うのですが、画像が貧弱になっています。もう少し、照明をたすなどし、更に、主演者の顔の皮膚の色などを考慮して撮影して頂きたいと思いました。
勿論、内容重視の番組であることは承知しているのですが、折角撮影するなら、照明のライトを補強+ヘアーメークをつけて下さい。
★mode |
2008年06月08日 10:44
宮台さんもネオリベらしく今後もっと
本音を語っていけばいいんじゃないか。
外野からいかにも「自分は違う」みたいな感じで批判しているのはかっこ悪いですね。
もちろん本音を言い出せばあなたの地位なんかすぐなくなるだろうけどね。
無記名 |
2008年06月08日 02:02
霞ヶ関はホワイトハウスの出先機関だってーなコトなんじゃないんすかぃ
無記名 |
2008年06月08日 00:50
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