マル激トーク・オン・ディマンド 第383回(2008年08月02日)
われわれはどれぐらい本当の中国を知っているのか?
ゲスト:土井香苗氏(弁護士、ヒューマン・ライツ・ウォッチ日本代表)
史上最大規模の五輪を開催するほどの国力を持ちながら、中国はいまだ監視国家としての顔を色濃く持っている。新聞やテレビはおろか、インターネットに至るまで、中国国民が触れることのできる情報源は、例外なく国家の厳しい監視下にあり、コントロールを受けている。また、海外メディアの取材にも、依然として厳しい制約が課せられている。
五輪開催を目前に控えた7月29日、米国のブッシュ大統領は、中国の人権活動家5人と会い「中国の指導者に、人権や宗教の自由は否定されるべきではないという米国の立場をはっきり伝える」と約束をした。この強い言葉の背景には、五輪を機に人権問題が改善されることを期待した国際社会の期待が、裏切られている実情があると、国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ日本代表の土井香苗氏は語る。
中国は、五輪を招致するにあたり、繰り返し人権問題の改善を約束してきた。2000年の五輪招致に失敗したのも、人権問題が主要因だったと言われている。しかし、最終的には中国の約束が欧米各国の支持を得て、北京五輪の招致に成功をした。
そして、中国は国際社会との約束を果たすため、「外国人記者に対する暫定規則」を定め、2007年1月1日から08年10月17日までの期間限定ながら、外国人ジャーナリストに自由な取材を保証したはずだった。
しかし、現実には暫定規則が発効してからも、外国メディアへの暴行、威嚇などの妨害行為がやむことはなかった。中国外国特派員協会が把握しているだけで、2007年1月以降、既に180件以上の暴行、監禁、フィルムやデータの没収といった取材妨害が発生しているという。
取材妨害は、反政府活動家たちやその家族、抗議デモなど政府にとって好ましくない題材を取材した場合に留まらない。五輪チケットを購入しようと殺到する市民たちを撮影しただけで暴行を受けたケースもあり、報道の自由を約束した規則は完全に有名無実化していると土井氏は指摘する。
更に厳しい監視下に置かれているのが中国人だ。外国メディアの報道に応じたり、取材に協力しただけで国家機密漏洩罪で投獄されるケースが出ているほか、現在少なくとも26人の中国人ジャーナリストが拘禁されており、それ以上の人々が取材妨害や暴行を受けている。
五輪期間中、世界各国から2万人以上のジャーナリストが中国を訪れることが予想されているが、ヒューマン・ライツ・ウォッチでは、取材対象の中国人たちに被害を及ぼさないために、『北京五輪取材ハンドブック』を作成し、彼らに注意を呼びかけている。さらに、ジャーナリストであれば、中国で活動する際には、電話から、メール、酒場での話まで、常に監視・盗聴される可能性があることを肝に銘じておくべきと土井氏は警告する。
もともと北京五輪は、中国の人権問題を改善する千載一遇のチャンスだった。しかし、そのチャンスを国際オリンピック委員会(IOC)も国際社会も活かすことができなかったと土井氏は残念がる。
オリンピック憲章51条で「報道の自由」は保障されており、IOCがより強硬に人権問題の改善を求めれば、事態が改善される可能性は高かった。にもかかわらず、中国の圧倒的な経済力と国連安保理理事国である政治力を恐れ、多くの国は中国に強い圧力をかけることをためらったと土井氏は批判する。
しかし、土井氏はまだ希望を捨てていないと言う。先のブッシュ大統領のような形でアピールをすることも可能だし、開会式への出席を表明した福田康夫首相の発言にも期待を寄せる。また、いざ五輪が開幕すれば、衆人環視の中で、監視国家中国の実像が浮き彫りになる可能性も高い。
その際に、国際社会がどのような態度を取り、中国政府がどう反応するか、五輪期間中は状況を注視したいと土井氏は語る。
今週は、五輪を目前に控えた中国の人権問題、特に表現の自由と報道の自由について議論をした。翌週は、ドーピング問題を取り上げる予定。
マル激トーク・オン・ディマンド 第185回(2004年10月08日)
中国人に日本人の歴史観はどう映っているのか
ゲスト:劉傑氏(早稲田大学教授)
マル激トーク・オン・ディマンド 第218回(2005年06月04日)
今中国に何が起きているのか
ゲスト:興梠一郎氏(神田外語大学助教授)
マル激トーク・オン・ディマンド 第366回(2008年04月05日)
中国がチベットを手放せない理由
ゲスト(PART1):ラクパ・ツォコ氏(ダライ・ラマ法王日本代表部事務所・代表)
ゲスト(PART2):平野聡氏(東京大学大学院准教授)
土井 香苗どい かなえ
(弁護士、ヒューマン・ライツ・ウォッチ日本代表)
|
1975年神奈川県生まれ。98年東京大学法学部卒業。96年司法試験合格。97年エリトリアの法律改
正委員会に調査員としてボランティア参加。2000年弁護士登録。06年ニューヨーク大学ロースクー
ル修士課程修了。07年ニューヨーク州弁護士資格取得。06年より国際人権NGOヒューマン・ラ
イツ・ウォッチに参加し、07年より現職。 著書に『“ようこそ”といえる日本へ』。 |
 |
この記事へのコメント
宮台さん、かなりがんばって土井さんを小馬鹿にしたような表情を演技されてるように見えたのですが、これは優秀な女性に対するマル激視聴者層の視線を代弁した演出なのでしょうか…。
ずれたコメントですみません。
そうであるなら少し怖いなぁと思ったので。
木川 |
2008年08月28日 18:28
北京オリンピックは始まりました。このオリンピックほど東京オリンピックを思い出す事はありません。あのとき先進国だった人は今私が思う様に感じていたのでしょうね。中国を誇りに思うとインタビューに答える人はあの時の私たちです。
Subscriber |
2008年08月16日 19:01
日本が中国に影響力を行使できるとしたら、吉田茂と旧社会党の談合戦術くらいしか有効な手段はないのではないか。つまり反中を至上命題とする野党が国会で4分の1くらい議席を占めた上で、
「あいつらが政権を獲ったら日本の持てるリソースを全て使って、政治・軍事・経済・社会・文化・環境などあらゆるジャンルで中国の権益妨害に全力を注ぐでしょう。あいつらに政権を獲らせるかどうかは、ひとえにあなたたちの対応次第ですよ」
みたいな感じで恫喝するしかないんじゃないかな。
まあ現実を予想すれば、団塊ジュニアやロストジェネレーションや新人類ジュニアで政治家や官僚になろうとする人間は「戦争論」なり「嫌韓流」なり「中国入門・この困った隣人」を読んで社会性に目覚めた人が大多数。だからあと20〜30年してこの世代が首相・閣僚になるなり、各省庁の最高幹部クラスになるなら、必然的にネタではなくベタで反「特亜」政策をバンバンやることになるでしょう。
無記名 |
2008年08月09日 16:12
馬鹿が「馬鹿馬鹿」言ってますが、
劣等感丸出しの書き込みは不愉快極まりないですね。
マスゴミwww
馬鹿 |
2008年08月09日 13:32
はっきり言って保守的な人間(宮台さんのような人など)の論理構造って55年体制か冷戦の構造で満たされている。だから中国批判なんていうのも結局くだらない話でなんかずれている。
中国のオリンピックのテロがどうのこうので、中国は恐ろしい国みたな印象をテレビが撒き散らしているが
「お前ら馬鹿じゃないの?」って言いたい。ドイツのミュンヘンオリンピックは?っていうことで終わり。モスクワオリンピックだってそう。
印象操作も歴史を何も知らない人間がいかにも自分たちは歴史の事実を知っているみたいな感じでえらっそうに言っているのを見ると
「お前馬鹿?見る人間が何も知らないと思ってなめてんの?」と思う。
中国がすきか嫌いか、じゃなくて
マスゴミ及び知識をひけらかして悦に入ってる東大出身者の惨めな姿を見ると不愉快極まりない。
無記名 |
2008年08月09日 03:06
事実から言えばどんなに朝日新聞とテレビ朝日と保守論壇が中国を批判したってもうアジアで中国の位置は揺るがない、ということ。
日本はその事実を認めたがらないで中国の体制をいろいろ言っているが、事実に基づかない認識なんてただの馬鹿。
中国を批判するなら徹底的でしかも首尾一貫した論理でしなければならない。日本は未だに台湾を中国より正当なものにしろ、などという頭のおかしな連中がうようよいる。そういう人間の批判をまともに聞いていないのがアメリカ、なぜか(なぜかなのも必然性はあるが)まにうけているのが日本というところだろう
ゲストの人どういう人なんだろうね。
無記名 |
2008年08月09日 02:56
なんとも聞いていて後ろめたいというか、聞き苦しいというか。神保さんが最初に、「自分のところのことはおいておいて」と言ってから始まったので、一応聞いていられましたが・・・
中国のことは確かにそうなんでしょうけれど、中国のこと言う前に、自分の所をもっとウォッチしてもの言う方が先では、と思ってしまう。数は少ないとはいえ、日本にもかなりひどい制度的人権侵害や運用的人権侵害やあれやこれやたーくさんあるのに。土井さんの優秀さをもって、ぜひ、まず、日本のヒューマン・ライツ・ウォッチをしっかりやってそれについて発信してほしいなあ。
無記名 |
2008年08月09日 02:39
今回のゲスト、NYの弁護士資格取得とありますが、これ、ヒラリー・クリントンでも取得できなかった資格ではないか?というか、なんでヒラリーほどの「大物」がNYのバー試験に落ちて他の州で弁護士資格を取得することになったのだろう???
a |
2008年08月09日 01:46
日本が中国を盛んに批判しているので番組を持ったのかもしれないけど
じゃあ何故アメリカは中国を一貫して支持し続けてきたのか、という問いに答えるほどの内容でもなかった。それと独裁体制の中国に何故13億の人間が従っているのか、ということも言われない。
日本の保守論壇は盛んに中国を批判しているがその殆どはもう戦後の終わりを象徴するくらいのくだらない復古的な議論で、これをみても保守論壇の崩壊が見て取れる。しかも保守論壇は毒餃子事件で財界が中国からの食品依存から正当化したとき迎合して反論を行わなくなるというへタレぶり。
この番組だってそうだったでしょ?
「わからないことは言わない」みたいなスタンスで。
今頃へタレみたいに最後っ屁ひったってへタレぶりが明らか
無記名 |
2008年08月08日 21:59
かつて大国アメリカが自国に都合のいい資本主義を世界に広める「おまけ」として民主主義を広めたとすると、次の大国中国はどんな「おまけ」を世界に広めるのでしょうか?
アメリカ以外の国、日本やEUですら、必ずしも統制国家体制に抵抗がないように見えることを考えても、戦慄を感じます。
現在、中国批判は「保守」側の専売特許になっていますが、今後それをむしろリベラル側から行う必要があるのでは?
今回、神保氏がなぜか「個人としてどうすれば?」などと、あえて両氏に質問した理由をそう考えてしまいました。
EN |
2008年08月07日 10:55
これ、中国とともに日本のメディアにも同様の批判が当てはまる議論であったと思います。中国に対する観察がメインであったこの番組は日本の大きな匿名ネット世論でも賞賛されうるというきがしますが、日本に対する問題提起という形であったとしたらネット世論から非国民、売国奴との攻撃の嵐にさらされるだろうと想像してしまいます。誰にとっても共通のしくみとしてあるべき姿の議論が感情的には素直に受け止められなそうな、そんな思いがしました。
fs |
2008年08月06日 22:34
土井香苗さん、相変わらずおきれいですね。しばらくメディアに登場されていなかったので、どこにおられるかと思っていたら、ヒューマンライツウォッチにご所属ですか。
こういう優秀な方が人道的な活動に従事しておられるというのは日本も捨てたものではないと思えます。政治に出てこられるのはいつでしょうね。
今後も注目していきましょう。
シュウ |
2008年08月04日 15:36
「葉千栄の亜州熱線」バックナンバー公開はまだなのでしょうか・・・?
児童小説 |
2008年08月04日 01:54
「会見者からの要請で加工してます」とテロップ出てますよ。
無記名 |
2008年08月03日 22:07
目隠しの件ですが、彼女は実名で戦っている人です。
本来なら、目隠しは必要でないかもしれません。
製作会社としては、「彼女が出ている映像に配慮しています〜〜」、ってことで目隠しの処理をしたのであって、反対に目隠しの処理がキツいと犯罪者みたいな印象を持ってしまうよね〜〜。
そう思うと、今回の映像処理は、そんなに突っ込む必要がないと思うけど、皆さんは、どうでしょうか?
mode |
2008年08月03日 21:42
支配階級やその子弟も偏った知識や倫理で育った田吾作が多いので、一定の距離を保つのは仕方ないと思う。積極的、直接的にコミットメントするよりも富裕階層の子弟の海外留学を受け入れる体制をもっと整えたり、彼ら自身が将来、正しい知識で国を変革するのを待つほうが早いと思う。ネットが規制されてなければもっと話が早いんだけどねぇ・・
パンチパーマ主婦 |
2008年08月03日 15:51
私も魚さんの意見に賛同です。
目隠しとしては不適当ではないですか?
pong |
2008年08月03日 11:08
大陸から逃げてきたGは大陸に残ったGと共に滅べってことですか。そりゃあんまりだ。
平均的G |
2008年08月03日 07:53
平均的な日本人は吠えるで何もできないってことですね、わかります。
NEWSにおけるオーストラリア人女性Janeさんの顔に付けられた目隠ですが、中途半端過ぎて無意味に思えるのですがいかがでしょうか。
顔を隠すならばしっかり隠すべきだと思うのです。
魚 |
2008年08月03日 07:04
何で旧西側諸国は武力で中共を政権変更しないの? としか言いようがない。
しかし、日本も運がない。現在の「支那に反対すれば反対するほど国際的地位・人気が上がる」という日本のために誂えられたとしか言い様がない状況のときに、狙ったように首相が媚中派。まともな人間が首相だったら、今年の8月15日こそ靖国に行ってたでしょう。
日本というのは、大陸と半島の余りの酷さに呆れて亡命してきた渡来人が作った国なのだから、全人類の敵たる支那と半島と戦うことが日本の国是、日本人の義務なのである。
支那人というのは、「共存」とか「平和」とは全く反対のエートスの塊のような連中である。中華文明というのは要は周囲を東夷西戎北狄南蛮と見下した上に、最後はジェノサイドすることを正当化する究極の差別の論理なのである。ぶっちゃけ、支那人は生物学的には人間かもしれないが、社会・文化的にはGなのである。番組の最後の方で「中国人は○○○と決め付けるようなやり方は止めた方がいい」と言っていたがトンデモない。そんな甘いことを言ってる場合ではない。支那人=人道・平和の敵とはっきり認識し、それを前提に徹底的に行動することが何よりも求められている。
世界のためにはむしろ支那には爆発的に破滅してもらった方がいい。全ての少数民族が独立した上で、大陸は永久に内戦というのが最善だろう。どうせ回りに迷惑をかけず平和に生きるなんて支那人には絶対に不可能。殺人・強盗・窃盗・強姦・放火は支那人同士でやり合えと言いたい。支那どもよ、害毒を撒き散らすな! GはG同士で共食いでもしてろ!
平均的日本人 |
2008年08月03日 04:29
|