マル激トーク・オン・ディマンド
臓器移植法に改正が必要な理由
マル激トーク・オン・ディマンド 第424回(2009年05月23日)
臓器移植法に改正が必要な理由
ゲスト(PART1):河野太郎氏(衆議院議員)、阿部知子氏(衆議院議員)
ゲスト(PART2):ぬで島次郎氏(東京財団研究員)
 臓器移植法の改正をめぐり、国会が揺れている。現行法の制限を大幅に緩和する案と、むしろ規制を強化する案とその折衷案などが錯綜し、各党がこの法案については党議拘束をかけない方針を打ち出していることも相俟って、全く見通しがたたない状態に陥っている。日本の国会では珍しいガチンコ状態と言ってもいいだろう。
 1997年に成立した同法には3年後の見直しが定められていたが、施行後約10年間、一度も見直しは行われてこなかった。しかし、この5月にWHO(世界保健機関)の総会で臓器移植のガイドラインが変更され、移植臓器の国内自給が求められるようになるとの観測が飛び交ったことがきっかけで、国内でも臓器移植法の見直し機運が一気に高まった。
 実際は新型インフルエンザへの対応に追われたために、ガイドラインの変更は今年は行われないことになったが、WHOの動向にかかわらず、国会では臓器移植法の審議が来週にも始まろうとしている。
 これまで改正案としてはいずれも議員立法で、臓器移植をより容易にするA案、現行法を踏襲しながら、臓器提供者の対象年齢を15歳から12歳まで引き下げるB案、脳死判定基準をより厳格化するC案の3案が国会に提出されていたが、いずれも過半数の支持を得られる見通しは立っていなかった。そこで今月15日に自民党の根本匠議員、民主党の笠浩史議員らが新たな妥協案としてD案を提出し、衆議院の厚生労働委員会で来週AからDまでの4案の質疑が行われる予定だ。
 97年に日本で初めての臓器移植法が法制され、本人の書面での提供意思の表明と家族の同意があれば、日本でも脳死となった人から臓器を取り出して移植を行うことが可能になった。しかし、これまでの12年間での脳死移植は81件しか行われていない。今年4月末現在、12,240人が臓器移植を待っている状態にある。また、現行法では15歳未満の臓器提供は認められていないため、臓器移植を必要とする子どもは、高額の費用を負担して海外で移植を受けるか、ドナーに後遺症が残る危険を冒して生体移植を受けるしかない。
 これらの点を問題視して提案されたのが、年齢制限をなくし、本人の意思表示がなくても家族の同意のみで臓器提供を行うことができると定めたA案だ。A案は本人から生前の意思表示が無かった場合は、臓器提供の意思ありと推定されるため、脳死移植は大幅に増える可能性が大きい。また、A案はあくまで家族の同意が前提となるため、臓器提供者に年齢制限を設けていない。
 しかし、A案では本人があらかじめ臓器提供を拒絶する意思を表明できる上、本人の意思にかかわらず家族は臓器提供を拒否できるため、「どなたにも意思に反したことを強制しない」とA案の提案者で自ら生体肝移植のドナーとなった経験を持つ自民党の河野太郎衆議院議員は説明する。
 一方のC案は、一概に脳死を人の死としない現行法の考えを踏襲した上で、現行の脳死基準をさらに厳格化することで、脳死後も何年も心停止に至らない例も数多くみられるなど、医学的にも脳死を人の死とすることへの疑問に答えようとする立場をとる。
 また、4案の中で唯一生体臓器移植を親族間のみに限定する規制を含む。C案の提案者で社民党の阿部知子氏は、自らの小児科医としての経験に基づき、脳死を一律に人の死としてしまうことにリスクを訴えた上で、その一例として臓器移植以外の医療が十分に施されていない問題を指摘する。
 B案は現行法の年齢制限を15歳から12歳に下げるもので、D案は現行法から年齢制限を削除するというもの。いずれも、国内では移植を受けられない日本人の子どもが、海外で移植を受けている事態にのみ対応した案だ。
 臓器移植は臓器を提供する側と移植を受ける側の立場の、どちらから考えるかによって、180度見え方が変わってしまう性格があるため、非常に判断が難しい。しかし、科学技術政策論の専門家で20年臓器移植法を研究してきたぬで島次郎氏は、まず臓器移植問題と「脳死は人の死か」の死生観をめぐる議論は分けて考える必要があると説く。脳死を人の死とするかどうかについては、まだ決着がついておらず、問題の語られ方もこの20年変わっていないと言う。これはまた臓器移植が進んでいる海外でも決着がついているわけではない。この議論を始めると泥沼にはまってしまうとぬで島氏は言う。
 臓器移植をめぐる真の争点は、日本人の死生観ではなく、死後の臓器の摘出に本人の同意を必須とするかしないかにあり、4案の審議もその点に絞るべきだとぬで島氏は主張する。人権の最も基本である人身の不可侵を守るのが本人同意であり、どういう場合に本人同意を外すことが許容されるべきかを決めることが、臓器移植における本質的な論点であるべきだというわけだ。
 また、ぬで島氏は現行法では、生体移植がまったく規制されていないため、日本の生体移植の件数が海外に比べて非常に多いことが、逆に日本で脳死移植が増えない原因にもなっている可能性があると指摘する。その意味でC案は生体移植を近親者に限定するルールを備えており、この点では合意できる可能性がある。
 ぬで島氏はこの法案では、AからDのどれか一つを選ぶのではなく、条文ごとに受け入れられるものを選んでいく「逐条審議」を行うべきだと主張しているが、日本の国会では慣例により、逐条審議は行われていない。
 今週のマル激では、来週にも本格的に審議入りする臓器移植法改正案の論点を2部構成で徹底的に議論してみた。まずPart1ではA案提出者の自民党河野太郎衆院議員とC案提出者の社民党阿部知子衆院議員をスタジオに招き、両議員が考える現行法の問題点やそれぞれが提案する案のポイントをディベート方式で議論してもらった。(Part1は無料放送中)
 そしてPart2は、ぬで島氏とともに、前半の議論を踏まえて、臓器移植問題の争点をさらに掘り下げた。(ぬで島氏のぬでは木へんに勝)
  • 裁判員制度の延期法案続報
  • 検察審査会法改正の評価

マル激トーク・オン・ディマンド第288回(2006年10月06日)
私が脳死移植に断固反対する理由
ゲスト:小松美彦氏(東京海洋大学教授)

河野 太郎こうの たろう
(衆議院議員)
1963年神奈川県生まれ。85年ジョージタウン大学国際学部卒業。富士ゼロックス、日本端子を経て96年衆院初当選(自民党)。02年総務大臣政務官、05年法務副大臣を歴任の後、現在衆院外交委員長。当選4回(神奈川15区 )。

阿部 知子あべ ともこ
(衆議院議員)
1948年東京都生まれ。74年東京大学医学部卒業。国立小児病院神経科、東大病院小児科、千葉徳洲会病院院長を経て00年衆院初当選(社民党)。現在、党政審会長。小児科医。当選3回(比例南関東ブロック)。

ぬで島 次郎ぬでしま じろう
(東京財団研究員)
1960年神奈川県生まれ。83年東京大学文学部卒業。88年東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。90年三菱化学生命科学研究所、04年科学技術文明研究所などを経て07年より現職。社会学博士。専攻は科学技術政策論。著書に『脳死・臓器移植と日本社会』、『先端医療のルール』など。(ぬでは木へんに勝)
この記事へのコメント

今日(30土曜)も更新無いんでしょうかね?

nnn | 2009年05月30日 19:33

掲示板でも作りましょうか

児童小説 | 2009年05月30日 00:02

お馬鹿な書き込みに目が冴えて眠れない。めっきり少なくなった西松事件を検索して見たがーーーー


http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200905290067.html


以下引用: 鳩山氏、西松幕引きに躍起 与党「小沢カード」温存 '09/5/29

 民主党の鳩山由紀夫代表は、小沢一郎代表代行の公設秘書が起訴された西松建設巨額献金の幕引きを図ろうと躍起だ。党政治改革推進本部で、三年後の企業・団体献金全面禁止を正式決定。西松事件で党が設置した有識者会議からも近く最終報告を受け、説明責任不足との批判をかわしたい考え。ただ与党は「小沢追及カード」を温存する方針で、この問題で守勢から抜け出す道筋は見えてこない。

 「小沢の説明責任に関しては、近いうちに報告書が出る。それをご覧になってください」。鳩山氏は二十七日の党首討論であえて西松事件を取り上げ、企業・団体献金禁止を麻生太郎首相に迫りながら、極秘に行っていた小沢氏聴取を明らかにした。討論後は「説明責任の問題は決着がつく」と胸を張った。

 小沢氏と距離を置く中堅議員も「西松問題を今さら取り上げられても全く怖くない。終わった話だ」と強気の姿勢を示す。ただ、自民党幹部は二十八日「説明責任の問題は解決していない。今後も説明を求めていく」と強調。六月十九日の西松建設前社長の初公判を念頭に、中堅議員も「これから裁判が始まる。幕引きなんかさせてたまるか」と息巻いた。

 民主党は二十八日夕、党本部で開かれた政治改革推進本部総会で、三年後の全面禁止までの経過措置として、国や地方公共団体から一件一億円以上の契約をした企業の献金やパーティー券購入禁止を正式決定。鳩山氏は「民主党への信頼を取り戻せる」と記者団に自賛してみせた。しかし、共産党の志位和夫委員長は「悪いことなら即時禁止すべきだ。法律で定めなくとも受け取らなければ済む」と批判のボルテージを上げる。

 「民主党内で(西松事件をめぐり)どうこう言う人もほとんどいない。マスコミもけちを付けるところがなくなっただろう。とにかく次期衆院選を目指し、一生懸命に頑張ろうという雰囲気だ」。小沢氏は二十八日、衆院選に向け訪れた長崎県佐世保市で記者団に力説した。ただ、西松事件の裁判が始まれば、小沢氏の説明責任を問う声がさらに高まる展開も予想され、鳩山氏は対応に苦慮しそうだ。

ーーーーーー今夜も熟睡できなそー。

今夜も寝る前に | 2009年05月29日 23:25

私もここでの議論とは別にこの問題は死生観とは関係ないと思う。脳死の問題は医療行為や医療従事者をどれほど信用しているのかという問題では無いだろうか。患者さんの生を求めるために奮闘する中で、臓器を求めるために死んでほしいとも願うという相反する感情を医者がうまく制御できるとは思えないという不信感が沸かないだろうかという問題である。臓器移植に関しては患者さんもさることながら医者もこの制度を求める主体の一つである。従って臓器移植に理解を示す医者は多い。仮に直接移植にかかわっていなくても、脳死になる可能性がある患者さんに対し、どれだけ親身に医療行為をしてくれるのかは分からない。情報の非対称性もあるし、医者の多数が移植に賛成なので専門家の言葉も信用できない。この不信感は医療に対して将来大きな問題を招くのではないかと危惧する。
アメリカは日本よりもずっと医療に対する信頼が強いのであろう。脳死になるまでは一生懸命救命に従事し、脳死になったとたんそれをやめて臓器を取り出すようなことが医師に可能だと信じているのだから。
私は医師に大きな役目を課し過ぎていると思う。医師はとにかく救命に愚直に奮闘すべきだと思うのである。移植や尊厳死などある意味死を望む行為に関しては医者とは別に専門家を設け、既存の医者と対立させる構図にすべきであろう。その専門家同士の綱引きによって始めてよい落とし所ができるであろうし、システムへの信頼も助成される。
話の最後のほうで日本の葬式の歴史などに話題が移り非常に面白かった。なぜ火葬がここまで普及したのかは私も常々疑問に思っているところである。いつかぜひそのような話題をしていただきたいと思っている。

賈雨村 | 2009年05月29日 02:10

そうそう。
それが問題ではなくて、「To be」の人と「Not to be」の人が共存できるのが「自由な社会」で、どちらかに偏るのが「不自由な(全体主義的な)社会」ということですよね。

もうひとつの切り口で言えば、
「財」…人が欲しがるもの(この場合、器官)…だけど代替可能なもの
「愛」…他人はなぜその人がそれに、それほどまで執着するか理解できないもの(この場合、ほぼ絶望的な家族の肉体)…代替不可能なもの
というのがありますよね。宮台氏はいつも「代替不可能なもの」を大切しようと説かれていると思います。
確かに「財」を集めると、人から羨ましがられるし、優越感も感じられます。ハッピーだと思います。生きていくうえでも不安が少なくなります。でも、それをいくら集めても満足度には限界があるよということなのかもしれません。
自分でもうまく理解できないけど、何か(誰か)に愛着することができたら、それは素晴らしいことだから、それを大切に生きようというメッセージを感じます。

ウマ3 | 2009年05月29日 00:25

To be or not to be, that is NOT the question...みたいな。
そう言われてみればそうですね。頭の中がスッキリしました。

dodo | 2009年05月28日 16:30

ビデオニュースがあれば新聞なんていらない さん

>どうして民主党に肩入れしてます、なぜならって、正直に言えないの? つまらない言い訳するの?

肩入れしているというのは、どんな意味で使っているのわからないけど、ビデオニュースでは、政権交代は必要で、できるのは民主党しかないって立場は、明確でした
なぜ政権交代が必要かと言えば、変革にできるからであって、変革できないのであれば、政権交代してもい意味はない。
今回は、今のままでは交代しても意味がないなって思わせるに十分だったでしょう。

無記名 | 2009年05月28日 09:24

民主党の法務担当議員

民主党HPのニュースから
http://www.dpj.or.jp/news/?num=9192
>民主党『次の内閣』法務部門は6日午後、罪を犯した少年に対する処遇の実情を調査するため、東京都八王子市にある多摩少年院を視察した。

 視察には平岡秀夫『次の内閣』法務担当(衆議院議員)、前川清成同副担当(参議院議員)、高山智司衆議院議員、千葉景子、榛葉賀津也両参議院議員と議員秘書など、合わせて13人が参加した。

まぐ | 2009年05月27日 19:29

河野太郎
肝臓悪すぎだろ、見た目
どーみてもそのうち死にそうだな

無記名 | 2009年05月27日 18:14

ミニ情報です。

「オーマイニュース消滅記念座談会」参加報告−JanJanニュース

会場にはビデオ・ニュースのカメラも回っていたし、全容報告はどこかで探すこととしよう。

http://www.news.janjan.jp/media/0905/0905274091/1.php

……だそうです。

稀代の天才白魔女さん | 2009年05月27日 15:54

脆弱な自尊心

おおおー | 2009年05月27日 05:03

移植医療について判らない人もデフォルトドナーとする点、脳死した人の家族が医師の判断に反してドナーを拒否する点、脳死=人の死とする点、A案への批判に対しての河野議員の語りぶりにぞっとした。
「〜できません。〜しません。〜ありません」と不安要素をまるで赤子を諭すように説得する方法に、冷血さ、施政者の恣意性を強く感じ、何度も何を言っているのか、巻き戻して聞いてしまいました。
しまいには、ドナーになるのを拒否するというのは、全世界の社会が合意している死を否定していることになる、と含意するような結論を、見ている視聴者に植え付けようとする話の組み立てに、なぜこのような方に集票がするのか、理解できた気がして、なおかつ皮肉な事だと思いました。
河野議員は論じてはなく、まるで世論などを誘導しているかのようです。

対して、阿部議員はまるで爆発したように感情的に話している為、情報過多ぎみになり、ほとんど中身のない河野議員の話と比較すると判りにくいが、善意の医療従事者という立場が怒りの中から醸し出されており、あらゆる点で思いが至っている。
「結局、移植医療は隙間からなりたっている」
「臓器が足りないといわれるが、ドナーの死があって初めてのできる医療で足りないという論じられかたがそもそもおかしい」

拉致被害者問題や司法の被害者家族参加制度などのポピュリズムに煽動される政治家は社会の将来像を持たない人気取りにすぎず、そんな世俗的なものを「理念」と誤認識している。今の日本では中身が無ければ無いほど理解されやすい。
いつか、優生学の犯した誤ちのように脳死移植も語られるようになるのだろうか。

twin peek | 2009年05月27日 01:30

みっともねえなあ、神保も宮台も。

今回ばかりはかばいきれないよ。呆れてものも言えない。

民主党に肩入れしてたじゃん! どうみたって。何でそこを逃げるの?
風化してるとか世間の関心とかほざいて、小沢かばってただろうよ。予想と違ってただろ?

ほんとに、いい加減にしろよ、宮台。去年、てめえが「ひとつだけ民主党をかばうとね」って、ゲストに何回言ったか、後で番組チェックしてみろよ。(神保もだぞ。バカヤロウ)

俺は民主党に肩入れしたよ。政権交代が起こってほしいから。

お前らだって、そうだったんじゃねえのかよ。だから「無理線」で、さんざんかばってたんじゃねえのかよ。素直にそう言やあ良いじゃねえか、みっともねえな。Nコメの3月のコメントとか、宮台まともに視れるか? 笑っちまうぞ。

岡田のことも批判してるけど、飯尾さんがまったく同じこと言ってたとき、あんたら、ふんふん頷いてたよ。何、飯尾さんと岡田では、格が違うってこと? たいがいにしとけよ。

民主党の会見が質問受け付けない? 何甘えたこと言ってんだよ、神保。お前、幾つだ? 年末のてめえと宮台のイベントに俺だって行ったよ。それで宮台に、「ひとつだけ民主党かばうとね」って、流行語大賞になるほど言ってましたけど、そこまでかばう理由はなんですかってきこうとしたら、時間オーバーだってさ。おんなじじゃねえか。民主党の会見でだって、たまたま神保に当たる時間がなかっただけだろ。逆恨みすんなよ(だいたいマイケル=ムーアに対抗したお前のドキュメンタリーはいつできるんだよ。100年後か? 広瀬隆が地球温暖化について、お前と全く逆の主張してたのに、何でふんふん頷いてたの? ツバルぶつけろよ?)。

ちょっと、ひどすぎるんじゃない? 神保、宮台でお互いのみっともなさにはほっかむりして、批判ばっかりってどうなの? どうして自分の姿が見えないの? どうして民主党に肩入れしてます、なぜならって、正直に言えないの? つまらない言い訳するの?

はっきり言います。神保さんと宮台さんの言うことを指針にして勉強している若者は、あなたたちが思っている以上に、たっくさんいます。

あまり、醜態晒して、がっかりさせんなよ。頼むぜ、ほんとに。

ビデオニュースがあれば新聞なんていらない | 2009年05月27日 01:06

BSディベートとマル激トークオンディマンドと両方を続けて見たので、
同じA案支持でありながら、
BSに出ていた福嶌教授と、マル激に出ていた河野太郎議員との、
脳死を死とすることについての意見の違いが気になりました。

福嶌教授……脳死を一律に死とするべき。
正しい脳死判定は無呼吸テストを経たものだけ。
医者が脳死は死であると一律に宣言するべき。

河野議員……本人が生前に脳死を拒否する意思を表示するか、家族が
脳死判定を拒否すれば、脳死判定の結果で死亡宣告されることはない。

C案の阿部知子議員……A案を支持する人はいつも、
脳死を拒否できるというけれども、救急医学会は、脳死を一律に死とするべき、
という声明を発表しているじゃありませんか!

……というようなわけなので、一回、河野議員と福嶌教授とで、議論してほしいです。

なお、弁護士の滝本太郎さんも、脳死移植をするからには、
脳死は死であると一律にするべき、という意見です。

ただし、滝本さんは、6歳未満は脳死判定するべきでなく、
6歳以上はこどもにも意思表示の機会を与えるべき、
したがって現状ではB案支持、との立場です。

ぬで島次郎さんと宮台真司さんは、
映画「おくりびと」やUSAのエンバーミングまでとりあげて、
死や葬制について、話していましたね。

BSのディベートでは、スペインモデルとして有名な、
移植コーディネーターの組織の責任者みたいな方が、
会場からの質問に答えていました。
そこでは言われていませんでしたが、スペインは、日本よりも大家族が残っていて、
移植コーディネーターはそのなかのキーパーソンにおもに話をします。

大家族のキーパーソンが、
脳死した家族の臓器を提供することによって社会に貢献しよう、と考えれば、
皆がそれに同意するのです。

スペインでも、わりと新しい映画「オールアバウトマイマザー」では、
大家族はもうありませんでした。
移植コーディネーターとして腕をふるい、女手一つで息子を育ててきた女性。
その息子が交通事故で脳死になる。
職業柄、当然、臓器提供に同意する。
でも、苦しかった。

そこから映画が始まる……といっても何も移植医療がテーマの映画ではありませんが。

スペインでも、都会で核家族で暮らす人がふえたら、また、変わってくるかもしれません。

宮台さんの御意見で、臓器提供への同意または拒否の返事をするのを、
自分の指定した家族に委託する、という選択肢もあるといいのに、
というのがあり、これにはぬで島さんも賛成でしたし、私も賛成です。

ドイツの臓器提供意思表示カードには、そんな選択肢もあります。

あと、ぬで島さんの、ABCDのそれぞれまるごとを選ぶかどうかではなく、
それぞれのいいとこどりをしようとする逐条審議をしてほしい、と
の御意見にも賛成です。

BSディベートでは、A案の福嶌先生とB案の杉本健郎先生、
マル激トークオンディマンドでは、A案の河野太郎議員とC案の阿部知子議員、
そして、ぬで島次郎さんは、C案の生体移植についての規定と、
D案の15歳未満は親の同意と第三者機関の審査で、15歳以上は現行法どおり、
という条項を支持と、これでABCDのそれぞれのメリットデメリットがよくわかりました。

てるてる | 2009年05月26日 10:16

書き込みは二回目。(前回は、民主党小沢氏秘書逮捕直後の神保氏の動き方を見て、彼は信用できないと見た、と書き込んだ。)

中立らしく装いながら、パート1で神保氏は、阿部知子議員(医師)の方をほとんど向いていない。目も見ていない。質問や進行も河野氏側にはじめからついている。

分かりやすい。ジャーナリストとしてまったく信用できない人物だと、改めて確認した。

SR | 2009年05月26日 05:19

20年前に立花隆の本で脳死について知った身としては、あの本の方向性も今日の脳死の議論を縛っているという辺りが印象的でした。
良くある葬式での、認識や思い入れの違い(あるいは遺産うんぬん)から来る家族と遠い親戚との間の揉め事などのことを考えると、その辺からも脳死・臓器移植の同意や判断が難しいことは想像出来ます。
とりあえず判断基準を統一する第一歩として、脳死・臓器移植に関して、立花本の巻頭にある「脳死と植物状態の違い」位の知識は中学生で常識として知っているくらいの教育から始めるべきなのではないでしょうか?
それとも最近の中学生は知ってるのかな?

EN | 2009年05月25日 23:41

難しいテーマでしたが、なぜ「家族の同意」が必要になるかサッパリわかりませんでした。家族制度自体の是非すら議論されているというのに。仕方ないから「この人とこの人」ってあらかじめ指名しておくしかないのか、ということか。基本的には自己決定権の拡張への賛否を巡る対立なのかな、と。ようわからんが。

それと、次の5金は無理でしょうが都議選のときはぜひ「行革110番」の人を呼んで欲しいです。他のよくわかんない人(自民議員や民主議員)を呼ぶよりも百倍オモシロイでしょう。

地方議会はまだあんまりテーマにしてないはず。滋賀県知事もいずれはお目にかかりたいものだ。

児童小説 | 2009年05月25日 21:07

臓器移植法の争点が、身体の取り扱いについて、本人の同意を必要としない場合の規定にあると言う、ぬで島さんの指摘に、目からウロコでした。倫理学のテキストにしたいような話ですね。生体移植が盛んだから脳死移植が進まないという指摘も、自分は考えたことがなかったので、勉強になりました。個人的には、臓器移植を「動的平衡」の視点から、福岡伸一さんに語ってもらいたいです。

次回は5金で、映画の話があるかもしれませんね。楽しみです。去年の5月の5金で、「休暇」という映画を紹介していました。約一年後の当月20日、ようやくレンタルで見れるようになりました!その後の5金で、町山さんが紹介していたオリバー・ストーンのブッシュ自伝は、今上映中。レンタルはまだまだ先ですね。

ところで先日、「実録・連合赤軍」という映画を見ていたら、宮台さんが出てきてビックリ!そして宮台さんの「日本の難点」が、書店の新書ベストセラーコーナーで、勝間本より上位に来ていて、またビックリ!初めは背表紙だけ見える状態で並んでいたのですが、売れているみたいですね。

かんぽ | 2009年05月25日 19:33

救命または治療以外の他事目的を含む医療行為を実施する際に、当該患者が事前に不同意の旨を明確にしていなければ他事目的に本人が同意したものと推定するやり方は、医療倫理の蓄積に逆行する。

この「他事目的に対する推定本人同意」がありならば、もの言わぬ重体の患者に確立されていない医薬品や外科手術を試すこともありということになってしまう。

脳死移植や心停止後移植にだけ「推定本人同意」という例外を認めなければならない根拠は全くない。

推定ドナーを基本とする移植法改定A案には、
移植推進論者の傲慢さが滲み出ている。

無記名 | 2009年05月25日 19:05

【臓器移植法について】
「15歳」基準の根拠についてですが、昔では想像もつかないほど医学が進歩してしまい、社会に「臓器」という「財」が生まれたことが原因でしょう。財産と考えれば「遺言状の内容(本人)」→「家族の意向」→「国」と判断する主体が移動しても不思議じゃないです。あと、臓器は他の財産とは違い鮮度が必要ということですね。家族の範囲を広げすぎると確認に時間がとられすぎてしまう…。その特殊性をどこまで考慮するか、ですかね。
遺言がなかった場合の財産分与を考えれば、年齢なんて関係ないです。家族が「切り刻まないで」と言えばそうなるし、「誰かの生命のお役にお立てください」と言えば、そうすれば良い。どちらも愛ある行為です。どちらも正解。
阿部氏の言う「虐待」「生活保護者」の問題は、臓器移植の倫理とは別の倫理です。別の議論にしないとゴチャゴチャになってしまいます。

それにしても、ぬで島氏のサーヴェイの確かさは素晴らしいですねぇ。この国に必要なのは専門家の発言力だと思いました。民主党政権になればリヴォルビングドアも活発になる(らしい)ので、ますますご活躍くださいませ。期待しております。

ウマ2 | 2009年05月25日 12:32

あれ?私の職業威信スコアは下から3番目とか5番目程度だよ(笑)。日本社会の底辺だし中卒高卒庶民の典型ね。でも、なんでマル激を視聴してるんだろう?自分でも自分が分かりません(笑)。それにしても、あの職業威信スコア、なんか、変だよ。社会学の研究者がちゃんと調査した結果というのもますます変だな(笑)。米国だとほとんどのエリート職業をおさえて消防士が一番 prestigious ですよ。なんか変(笑)。

そんなバカな! | 2009年05月25日 01:56

インフルエンザについて。
なぜ騒ぐのか分からないという点について、最初の段階である程度警戒をするのは仕方がないことだと思います。
新型インフルエンザの死因が、一般のインフルエンザの症状ではなく、免疫的なショック症状だというのは、鳥インフルエンザの症状やスペイン風邪の記録からかなり確からしい。
今回のウイルスがメキシコで死者をそれなりの数だしていると報道されている以上、それなりの警戒をする必要はあったはずです。インフルエンザの風邪様症状が軽くても、免疫的なショック症状を強く誘発する可能性も否定されていなかったからです。ある程度の数感染したあと事後的に死なないことが分かったからといって、警戒をしないでよかったのに、というわけにも行かない。
機内検疫など明らかに無駄なことをやっていることも確かではありますし、これだけの感染者を出しても重症化した例がないことから、今後緩和の方向でよいとは思いますが、初動での警戒はしかたなかったのではないかと。

けんけん | 2009年05月25日 00:27

脳死の方も見終えました。

私はまさに12年前の臓器移植法の頃に一線の記者として取材をしていたので、えらく懐かしく拝見しました。阿部知子議員は当時、東大の小児科の先生で、移植反対の議論を展開していました。形の上のリーダーだった男性医師を完全に食っていましたので、国会議員になった時は妙に納得しました(笑)

日本の脳死移植がなぜこうなったかについての私の当時の結論はこうです。移植医がみんな「第二の和田寿郎」になるのを恐れ、徹底的に防御したからです。

当時の移植医は記者から「どうして移植したいんですか」という質問ばかり投げかけられていました。これに対し私は心臓移植再開第一号と目されていた心臓外科医に「どうして移植しないんですか」と聞いたのですが、彼の顔色は明らかに変わりました。

移植医側が一定のリスクを負って実績を積み重ねることをせず、お膳立てを整えてもらって自分の安全を確保しようとした結果がこれです。アメリカほかの移植医は法律がなくても自分の信念に従ってガンガン症例を重ねていきました。

いいか悪いかは分かりませんが、そういう差なんだと思います。

toyokawa | 2009年05月24日 23:43

【臓器移植法案】
今にも失われている命がある・・・と考えると河野さんのA案かなという気がしました。100点満点の答えはない問題ですね・・・

hassy | 2009年05月24日 23:01

民主党の問題、メディアの問題を神保さんが深く丁寧に教えてくれてよかった。宮台さんもなかなか明確にコメントが出せないくらい根が深い。政党政治は日本では本当に信頼に耐えるシステムであるのだろうかと疑問に感じてきた。これは戦前に国民や軍部が政党に失望した歴史が繰り返されているような気がする。また政党や議員は果たして法律を作れる技術を持っているのだろうか。それがあるから霞ヶ関に頼らざるを得ない。ちょっと日本の政治は絶望的だ。政権交代してもだめかもしれない。これも戦前と同じ。また同じ道を突き進んでいるのか。

あき | 2009年05月24日 22:01

この問題で刑法との絡みが議論されていないのでは!
確か20年前「脳死段階における臓器移植のための臓器摘出と刑法」というレポートを書いた記憶がある。
当時を想い起してみた。例えば交通事故で病院に搬送された方が、医師によって仮に脳死と判定されたとする。 
この段階で警察は故意による事故の可能性をどう判断したか、いつ判断できるのかは個別の事故によって異なるだろう。脳死は事故による場合が多いとすれば、そこに犯罪性があるのかの判断が重要である。
要するに加害者が問われる罪は何なのか?脳死段階で臓器摘出がなされた場合、加害者は致死罪なのか、刑法では心停止が死とされていれば、被害者が手術によって亡くなるわけであるが、傷害罪で裁くのか?臓器摘出がなされなければ、その後なくなった場合、致死罪や故意であれば殺人罪にも問われる可能性があるわけで、極めて大きな課題がるのではないかと考えるが、如何でしょうか?
刑法との絡みで様々なケーススタディーをやらなければならないのではないかと考えております。
すでに議論されているとすればご教示いただければと思います。

Naoto Brazil | 2009年05月24日 20:23

今回の放送も、とても興味深い内容でした。ボリュームもたっぷりで、いつもより楽しめました。

一般に、葬儀をはじめ死体の処理のしかたについては、死んだ本人の意向よりも、残された家族の意向が強く反映するものだと思っていたので、河野氏のすすめるA案で(現実的には)問題はないのではないかと思いました。しかし後半で、ぬで島氏や宮台氏のお話を聞くと、そう単純なものでもなく、自分の死体の処理にこだわる方も意外と多いのかもしれないと考えさせられました。(火葬されるのはOKで、切り刻まれるのがNGというのが、いぜんとして不思議なままですが)

また、前半と後半で、議員の方と学者の方の議論のしかたの違いがはっきり出ていて、その意味で面白かったです。

ウマ | 2009年05月24日 16:14

Nコメみたけど
結局、民主党も国民より党の利益なわけね・・・
さてさて、どこに投票するべきか
共産党かなあ・・・

おっちゃん | 2009年05月24日 12:49

臓器移植の問題の解決方法は簡単です。まず日本のぬる過ぎる刑罰を改めて、今の量刑相場で懲役10年以上に当たるような事件は全て死刑にすればいいんです。そして、その刑死した犯罪者から臓器を取り出して有効活用すればいいんです。
もう一つは違法滞在の外国人は本来、そこには居ないはずの存在なのだから人権なんかあるはずがありません。だから、入管が捕まえたら強制送還・再入国禁止などという温情主義的措置は辞めて、その場で「処理」して臓器を取り出せば有効活用すればいいんです。こないだ騒ぎになった比国人一家なんか全員「処理」して臓器を日本人のために使えば良かったんですよ。
日本という国は法を厳守する日本人だけのものです!!!

被害者 | 2009年05月24日 12:28

Nコメのコメです

左派も右派もそうですけれど、演繹が帰納に優り過ぎている人たちの判断は極めて精度が落ちるというのは、私の取材経験でもその通りです。宮台先生の「うーん。うーん」の後のコメントはその通りだと思いました。

演繹が帰納に優りすぎて滑っているコメントの標本が、公開された検事総長のそれです。痴漢冤罪最高裁判決の後にああいうことを平気で言える厚顔無恥加減が脱力感を呼びます。

その意味では、法律を通したことへの懺悔大会になった「裁判員制度待った」議員連盟の様子の方がよほど健全です。どうやら役人よりも政治家の方が信用できます。

どうやら、身分や生活を保障すると人間は阿呆な判断をするようです。常にギリギリの判断を強いる必要があるように思います。とりわけ権力を行使する立場にある人には。

toyokawa | 2009年05月24日 02:07

マル劇いつも楽しく
視聴させていただいています。

ところで、ひとつお願いがあります。

最近は、特に政治経済に関する
「重い」テーマを取り上げることが
多いような気がします。

ビデオニュース様のお立場上、
それがあるべき姿だとは思いますが、
せめて2ヶ月に1回程度は、
映画批評やサブカル特集のような
教養系の「軽い」テーマも
取り上げて頂きたいです。

田吾作2号 | 2009年05月24日 01:07

カミングアウトした裁判員候補の方、どの局だか忘れましたけど、テレビで見ました。ニュースかワイドショーで。こちらでアップされてるイベントの映像だったのではと思います。


あと、いわゆる「左翼人権派弁護士」系の裁判員制度賛成派について言及されてましたけど、少々欠席裁判ぽかったような気がしました。


できれば、誰かその系統の賛成派を呼んで議論を聞いてみたいなと思いました。以前賛成派で番組に出た方はいわゆる「左翼人権派弁護士系」とは違う系統の方でしたし。


番組に出たことのある、というか、お二人のお友だちの福島弁護士(男)あたりどうでしょうか?番組作るほどじゃないなら、インタビュー動画をアップするというのはどうでしょうか?お二人や保坂さん等の反対派の疑問や議論や主張をしっかりぶつけた上でのインタビュー。

沙雹 | 2009年05月24日 00:43
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