マル激トーク・オン・ディマンド
選挙特番 この選挙で何が問われているのか
マル激トーク・オン・ディマンド 第482回(2010年07月10日)
選挙特番 この選挙で何が問われているのか
ゲスト(Part1):清水康之氏(自殺対策NPOライフリンク代表)
(Part2):角谷浩一氏(政治ジャーナリスト)、吉崎達彦氏(双日総研主任エコノミスト)
 参議院選挙が明日投票日を迎える。
 民主党政権の9ヶ月への審判、財政再建と消費税率引き上げの是非等々、この選挙が問うものは多いが、その中でも各党が、経済成長に力点を置いている点が目に付く。貧富の格差問題やワーキングプア問題、年間3万人を越える自殺者問題など、日本が抱える深刻な問題の数々も、経済成長さえ達成できれば自ずと解決されると言わんばかりだ。
 しかし、自殺の防止や家族を自殺で失った遺族のサポートなどを現場の第一線で行ってきたNPOライフリンクの清水康之氏は、毎年3万人の自殺者を出すこの国でまず問われるべき問題は成長戦略ではないはずだと、各党の主張に疑問を呈する。
 もとより、経済成長そのものが悪いわけではない。しかし、清水氏の目には各党の成長戦略が、「経済成長のない時代に入り、せっかく日本が抱える本当の問題が見えてきたのに、それをまた経済成長によって覆い隠そうとしているだけ」と映る。つまり、今日本が抱える問題の多くは、戦後、日本が経済成長を最優先するあまり、置き去りにしてきたさまざまな問題が、経済がなくなった今になって初めて噴出しているのではないかと言うのだ。それは、地域や社会とのあり方であり、人とのつながり方であり、家族との関係であり、そして一人ひとりの人間としての生き方でもあるかもしれない。経済成長による解決では、「また経済成長が無くなったら自殺者が3万人に戻ることになる」と清水氏は言う。
 むしろ、清水氏が考える日本の最大の問題は、われわれの多くが、何か問題があるとわかっていても、それをそのまま放置し、その問題が解決されないまま続いていくことではないかと言う。問題を問題として認識し、それを直視し、対応する。そういう基本的なことができていないことが、多くの問題の根底にあるというのが、自殺対策という人間の生死の根源に関わる現場で奔走してきた清水氏の実感だと言う。
 参議院選挙について清水氏は、06年に自殺対策基本法が成立した背景に、参議院の超党派の議員たちの尽力があったことを例にあげ、「参院の比例区には、必ずしも世の中の多くの人の耳目を引くわけではない問題に地道に取り組んでいる議員が多い。そうした議員を一人でも多く当選させて欲しい」と言う。熾烈な小選挙区制の元で選挙が頻繁に行われる衆院と比べ、参院は任期が6年と長く、しかも比例区では衆院のような人気投票に荷担しなくても、一定数の議員が当選する道が残されている。実はそうした議員の地道な活動が重要だと言うのだ。
 パート1では津田塾大学准教授の萱野稔人と神保哲生が、清水氏と参院選の真の争点について議論した。
 また、パート2では、政治ジャーナリストの角谷浩一氏と双日総研主任エコノミストの吉崎達彦氏をスタジオに招き、政治ジャーナリストとエコノミストの目で見た参院選の争点を聞いた。
 そして、パート3では、パート1とパート2の議論を宮台真司と神保哲生が総括した。

プレスクラブ (2010年06月21日)
9党党首討論

マル激トーク・オン・ディマンド 第272回(2006年06月16日)
毎日1000人が自殺に走る国がまともなはずがない
ゲスト:清水康之氏(NPO法人 『自殺対策支援センター・ ライフリンク』代表)

清水 康之しみず やすゆき
(NPO法人ライフリンク代表)
1972年東京都生まれ。96年国際基督教大学教養学部卒業。97年NHK入局。『クローズアップ現代』などを経て04年退職。同年NPO法人ライフリンクを立ち上げ代表に就任。09年11月から10年6月まで内閣府参与を務める。共著に『「自殺社会」から「生き心地の良い社会へ」』、『闇の中に光を見出す―貧困・自殺の現場から』。

角谷 浩一かくたに こういち
(政治ジャーナリスト)
1961年神奈川県生まれ。85年日本大学法学部卒業。東京タイムズ、週刊ポスト、SAPIO、テレビ朝日報道局勤務などを経て、93年よりフリー。

吉崎 達彦よしざき たつひこ
(双日総合研究所副所長、主任エコノミスト)
1960年富山県生まれ。84年一橋大学社会学部卒業、同年日商岩井(現双日)に入社。91年米国ブルッキングス研究所客員研究員、93年経済同友会調査役などを経て、03年より現職。著書に『1985年』、『溜池通信 いかにもこれが経済』など。
この記事へのコメント

さらに壊れたラジオの私から応答をw
>「経済成長を否定しないが、
経済成長で解決できるというのは短絡」という見解は変です。
「社会的包摂を否定しないが、社会的包摂で解決できるというのは短絡」
と反論せざるをえないからです。<

これは思わず膝を打ち納得しました。
ところで、社会的包摂には余り良い評価が生じません。
乏しい兵站で「現地調達」を強い、略奪や多くの兵士の餓死を生んだ歴史が思い浮かぶからです。
また、地方には、それなりに「付き合い」がありますが、一旦、そこから零れ落ちた人間は「穢れ」として排除されるのか、日本社会は冷淡な気がします。
その意味では国の役割は依然として大きいと思います。
北欧の一国だと記憶していますが、有力なNPOに政府が歳出1%の予算枠を作っていました。日本の場合も、このような取り組みが必要になるのではないかと思えます。

まぐ | 2010年07月25日 10:05

ねこじゃらしさん
>私は経済成長と制度(社会の仕組み)の変更の両方が必要だと思います。

全く同意です。
ところで、質問があります。
内向きなアメリカ、ブロック化する欧州を考えると、宮台氏のいう「小さな政府化は必至」には疑問が生じます。
出来れば、ねこじゃらしさんの見通しをお聞かせください。

無記名 | 2010年07月25日 09:51

ごく一部分に反応します。

galiberoさん
>日本の閉塞感を打破する鍵は、経済成長ではなく、人権政策の実現

田中秀臣氏によれば、日本の労働法等は高度成長期を通して改善されたようです。背景には人手不足があり、待遇面を改善しないと人が集まらない現実がありました。
逆に長期停滞期に規制緩和が叫ばれ労働法が改悪されて来ました。

理念を推し進める状況を考えれば、長期停滞を脱する事は必要になると思います。

まぐ | 2010年07月25日 09:46

経済がらみですから、壊れたラジオよろしく苦言を(笑)。

PART1
31分30秒〜
●清水康之氏(自殺対策NPOライフリンク代表)へ
追い詰められて悪循環に陥っている方に、
きめ細かい手当てが必要なこと・・・全面的に賛成です。
尤も、「お金に依存した命の在り様・・・」
という揶揄には首を傾げます。
お金に依存しない命って、絵に描いた餅だからです。
長期停滞が自殺とリンクしていないはずがない。
どうして、大量殺人集団・日本銀行の金融政策を
問題視しないのでしょうか?
道徳や倫理で、自殺の問題が改善できると
思っていらっしゃるのであれば、落胆する他ありません。
適切な経済政策と相俟ってはじめて、
持続可能な社会が実現するからです。
リフレ政策に賛同していただけないものでしょうか?
以下、「連邦準備理事会(以下、連銀) アメリカ」を
「日本銀行(以下、日銀) 日本」と読み替えていただきたい。

ポール・クルーグマン著『資本主義経済の幻想』
「消費を伸ばすこと自体は簡単である。
連邦準備理事会(以下、連銀)はいつでも
好きなときに紙幣を増発できるし、
すでに何度もその手で好況を創り出してきた。
それなら、なぜ連銀はつねに好況を維持しようと努めないのか。
雇用が増えすぎると、許容範囲を超えてインフレが
進行すると恐れているからだ。
・・・すなわち、アメリカの雇用の上限は、
輸出などの活動による需要創出能力によるものではなく、
連銀がインフレをコントロールするうえで必要な
失業率の許容水準に従って決められているのである」
「連銀が一定水準の雇用目標を掲げ、
それを維持する手段を握っているという事実を認めるなら、
輸出入の増減は全体の雇用になんら影響を与えないという
結論にならざるをえないのである」

44分30秒〜
●萱野稔人・津田塾大学准教授へ
「経済成長できない」なんて気軽に言わないでください。
日銀の金融政策次第で実現可能なんですから・・・
ゼロ成長が原因となる不幸(失業・過剰在庫)を、
経済成長以外で解決できると、本気でお考えなのでしょうか?

「経済成長を否定しないが、
経済成長で解決できるというのは短絡」という見解は変です。
「社会的包摂を否定しないが、社会的包摂で解決できるというのは短絡」
と反論せざるをえないからです。
> まぐ | 2010年07月15日 09:39
> 自殺の防止と経済成長を何故、対立的に捉えなければならないのか
> 清水氏、萱野氏の論旨が理解できません。
全く同感するほかありません。

第473回ゲスト:飯田泰之氏(駒澤大学経済学部准教授)
PART1 5分50秒頃〜
「生産能力が2%ぐらい向上する・・・
それに、需要が2%で追いつけないと売れ残り(在庫、失業)が生じる」
特に何もしなくても、2%程度効率化していく供給能力を埋め合わせる意味で
「2%の成長を需要側で確保していく必要がある」
経済成長なくして・・・ゼロ成長で、
どうやって失業者(自殺者予備軍)を助けることができるのでしょう?

PART3
●大好きな宮台先生へ
「雨漏り・バケツ問題」・・・
雨漏りどころか、底抜けの大穴を開けて、
日本国民を死地に追いやっているのは、日銀の金融政策です。
「経済は水物」とも仰ってますが、
日本の長期停滞の異常さを糊塗するかのような弁明は疑問です。
「日本って崩壊過程なんですよ・・・」
避け得べからざる自然現象のように聞こえたのですが、
日本銀行に適切な金融政策を行わせた上で、
問題提起しても遅くはないと思います。
「経済政策はあくまでも手段で、重要なのは社会・・・」
という表現が、経済政策の重要性を矮小化しているようで心配です。
経済と社会は、どちらも重要・・・
車の両輪なのではないでしょうか?

沈思黙考 | 2010年07月20日 03:00

浜さんのご主張は制度学派的なものだと思います。金子勝さんや神野直彦さんに近いかな?
http://note.masm.jp/%C0%A9%C5%D9%B3%D8%C7%C9/

私は経済成長と制度(社会の仕組み)の変更の両方が必要だと思います。

経済成長してデフレを脱却する。そして経済成長では解決できない問題を制度の組み換えで解決するという事でいいんじゃないかな。

例えば、経済成長で雇用や所得の問題を解決して、制度の組み換えで年齢制限や非正規労働者のピンハネ率を改善するとかね。自殺問題・住宅問題なんかもこの二つの側面から迫るといいのでは。

蛇足ですが、私は消費税upの目的は財務省の利権拡大だと思っています。税収が彼らの権力の源泉ですから。その為に財政危機を煽ってるんでしょう。
30年前から国が潰れると騒いでますが、長期金利は逆に下がってるんですよ。

ねこじゃらし | 2010年07月17日 23:47

珍しく以下には感心した。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20100707/215313/?P=1
「政治家が身を切らないと、消費税は上げられない」という幼稚な議論
北海道大学法学研究科/公共政策大学院准教授・吉田徹

吉田氏はシノドスで飯田泰之と対談しているが、飯田氏よりも言論に深みがある。経済学者よりも政治学者の方が識見が深いというのは珍しい。
丸激のゲストに強く希望する。
という事でパート2以降はコメントをパス。

まぐ | 2010年07月17日 21:55

日本の行きにくさ、不安感、閉塞感の打開策、つまり「魂の平安」を得られるために、今政治ができることをわたしなりに考えた文章を長文で恐縮ですが、投稿(今回の参院選の前のものと、昨年の衆院選まえのもの)します。
*********

日本の閉塞感を打破する鍵は、経済成長ではなく、人権政策の実現
2010年7月9日

日本の閉塞感を打ち破る特効薬はない。経済成長をめざす政策を実施したとしても結果は未知数、消費税の導入も容易ではない。どこかの党のマニフェストの「日本が一番」といってみても、日本の経済力は底堅いといってみても、この期に及んで甘言を振りまいたところでむなしく響くだけである。
むしろ、日本を覆う沈滞ムード、活力のなさは、経済の低迷による生活水準の低下もさることながら、気がついてみたら、まともなセーフティネットが存在していなかったことにいまさらながら思い知らされて、不安にとりつかれ精神的に萎縮して防戦一方に追い込まれているということではないだろうか。バブルがはじけてかれこれ20年になるが、おそらく数百兆円という資産はほとんど意味のない公共事業、さまざまな無駄づかい、不良債権の事後処理に消えてしまった。その間、自民党を中心とする政治は、ほぼ一環して社会保障を切り崩してきた。社会に相互扶助の仕組みが乏しく、かといって公的支援もかたちばかり、地域にも職場にも共同体はもはやなく、国民は無防備で弱肉強食の社会に放り出されている状態といっても決して過言でない。

国家財政と経済の立て直しに政治が取組まなければならないのは自明のことであるが、政治が経済成長の甘い夢をふりまくのは国民をミスリードすることになる。今こそ、経済成長の呪縛から政治も国民も解き放たれなければならない。
日本人の不安と閉塞感の解消に効き目のある確実な手段は、「人権政策」の推進とその実現である。戦後一貫して「人権」を敵視してきた自民党中心の政治では、度重なる国連の勧告を無視して「人権後進国」のありがたくない称号を独占してきた。人権分野の改革・前進をマニフェストの柱のひとつに掲げて誕生したのが民主党政権であった。昨年の政権交代で日本の人権状況の改善が進むのではないかと私は少なからず期待したが、「母子加算の復活」、「子ども手当て」、内容に問題はあるが「高校教育の無償化」など実現したのはわずかにすぎない。

「人権擁護法案」、「選択的夫婦別姓法案」、「外国人地方参政権法案」などが提出準備中ではあるが、自民党などの多くの野党や与党内にも異論が続出して宙に浮いた状態である。
ある差別主義丸出しの右翼系週刊誌は、上記の3法案が「危険極まりない」法律で、それを成立させようとしている民主党にそれでも投票するのかと、センセーショナルに煽りたている。そのほかにも長年にわたって国連から改善勧告を受けているテーマは、家庭内、職場での男女差別、外国人差別、少数民族差別、部落民差別、難民の人権、従軍慰安婦や中国残留者などの戦争関連被害者の人権、障害者差別、高齢者の差別、子どもの人権、嫡出子・非嫡出子の差別、民法上の女性の婚姻における差別、男女の結婚年齢の違い、司法制度の改善、死刑制度の廃止など、多岐にわたる。前述の3法案に関しては、欧州先進諸国ではとっくの昔に成立しており、「外国人地方参政権」は韓国でも昨年成立しているというのに、日本はいったいどうなっているのか、暗澹たる思いにとらわれてしまう。

新自由主義の弱肉・強食、自己責任論が社会を覆うにつれて、日本の社会の息苦しさ、閉塞感がいやが上にも増すばかりである。もうすでに臨界点を超えているのではないだろうか。自殺や悲惨な事件は起きるべくして起きているともいえる。
日本国憲法は「平和」だけでなく、「人権」についてもその不可侵の重要性を明確に述べた素晴らしい憲法である。しかし、残念なことに、「人権」あるいは「主権者としての権利」の意識が多くの日本人になんと希薄なことか!

世界の調査によれば、日本人の幸福度は非常に低い。それもそのはずである。自分たちの「人権」が戦前はもちろん戦後から現在まで為政者によってほとんど顧みられることがなかったのである。あまつさえ、改憲論者は国民からさらに権利を奪おうとしている。
右翼差別主義者は、「人権」の問題をしばしば固有の伝統や文化論にすり替える。それは完全に間違っている。「人権」は人類にとって「普遍的」な権利である。
私たちの権利があまねく保障されるように尽力するのが政治の最大の務めであると私は思う。つまりは、あらゆる政策は憲法で保障されている国民の権利(=人権)の実現を最優先に立案され、それを基に実施されなければならないということである。

果たして今の日本の政策論議で人権という視点が最重要視されているだろうか?あらゆる政党のマニフェストを比較検討する際に最も大切なのは、「人権」の視点が最優先で反映されているかという点である。
民主党は普天間、日米安保問題を筆頭に不合格なところも目に付くが、前述のようにもともとのマニフェストや政策集には人権の改善が大きなテーマのひとつに挙げられているので、今後に期待できる余地はある。自民党は論外、公明党はことばだけがあそんでいて真意は未知数。みんなの党は人権に関しては自民とほとんど同じ感じ。その他の新党(舛添新党、創新党、たちあがれ日本など)はほぼ右翼政党なので反・人権のスタンスである。合格といえるのは、社民党と共産党であるが、あえて難点は具体的な経済政策がみえないことであろうか。
社民党にはもっともっと伸びて欲しい。本来ならば、民主党を中道右派とすれば、社民党が中道左派(社会民主主義)で民主党と拮抗するくらいの位置になっているべきと私は思う。フランス、ドイツなどは緑の党(日本には残念ながら存在しない)などが加わって連立を組むのが一般的。いずれにしても、日本の自民党などの野党は政策的には欧州の基準から見れば右翼・極右政党に近く、欧州なら支持率はせいぜい5〜10%である。

一見逆説的に思えるかもしれないが、あえて「経済成長」の時代ではないといいたい。日本が経済成長するとすれば、外国人の頭脳や労働力を大幅に受け入れて、長期的に共存、融合していく以外に可能性はないのではないか。そうでなければ、むしろ、経済は成長しなくても幸福度を高めることをこそ追求すべきである。グローバル経済に飲み込まれずに国内や地域ごとに需給が完結した経済システムをつくること、長時間労働をやめて労働時間を少なくして雇用をシェアして増やすこと、そして、なによりも日本人の意識から成長信仰を捨てることがかぎとなるのではないか。

「人権」が保障されたところでしか平和も確立されない。平和の保障と人権の保障はコインの裏表なのである。基地も北朝鮮の拉致も戦争の問題も人権が最優先されれば、おのずと解決が見出せると思うのはあまりに楽観的であろうか?
************

総選挙であらためて問いたい「国民の権利」
国連人権委員会やILOからの勧告が続いている現状の改善を2009/08/28
 
報道などではとかく「めざす国のかたちが見えない」との議論が多く見受けられる。確かに「暮らし優先」の政策を競い合っている感は否めない。

 しかし、各党のマニフェストの論点の細目に目を通した上でそれらを俯瞰して総合的につなげてみると「どのような国家像を描いているのか」という方向性の一端がある程度把握でき、違いが浮かび上がってくる。

 民主党を中心とする野党(特に共産・社民)と自民・公明の政策の背景となる「どのような国をめざすのか」という考え方には大きな相違があると思われる。

 一言で表現すれば、前者のマニフェストの根底に流れる思想は「国民が主権者であり、国民の権利が尊重・擁護される国家」であるが、後者のそれは、自民党憲法調査会の改憲試案に如実に表れているように、「強い国家をまずめざし、その枠組みの下で庇護されると同時に国家に奉仕の義務を負う国民の国」ということができる。

 その裏付けとなる重要な要素のひとつが「国民の権利」である。民主党も他の野党の場合も選挙用マニフェスト要約版にはその多くが記載されておらず、したがって報道でもほとんどカバーされていないのが、この「国民の権利」に関する政策である。

 最近上梓された『民主党が約束する99の政策で日本はどう変わるか?』(ダイヤモンド社、神保哲生・著)から民主党の政策集に目を通したが、民主党の政策を貫いている考え方は「情報公開」、「公平・公正」、「多様な市民の社会への包摂と市民の参加」である。「権利」に関する政策という観点から拾ってみると、例えば主なものとして以下のような政策が挙げられている。

法務・司法関係 
・取調べの可視化の実現
・代用監獄制度の廃止

人権関係 
・国籍選択制度を見直し、二重国籍の容認を検討
・難民認定制度を改め、難民保護に関するあらたな法律を制定
・性的マイノリティの包摂
・障害者の権利を擁護し、自立と社会参加を支援する
・選択的夫婦別姓の導入
・婚外子差別を撤廃

雇用関係 
・雇用における年齢差別を禁止
・男女差別を禁止
・労働者派遣法の規制強化
・最低賃金を全国平均1000円に

社会・子育て関係 
・ワーク・ライフ・バランス(仕事と労働の調和のとれた生活)重視
・パパ・クォータ(男性の育児休業取得の推進)の導入

社会保障関係 
・シングルマザー(母子家庭)&ファザー(父子家庭)支援の拡大
・障害者自立支援法の定率1割負担を廃止
・後期高齢者医療制度の廃止

年金関係 
・いわゆる「消えた年金」、「宙に浮いた年金」問題への早期解決への対応
・「最低保障年金」の創設

メディア・知る権利関係 
・記者会見は記者クラブに限定せずオープンにする
・情報公開法を改正し、「国民の知る権利」と「原則公開」を確立する
・新聞とテレビの系列化(クロスオーナーシップ)を見直す

選挙制度 
・インターネット選挙の全面解禁
・1票の価値の格差を2倍未満にする
・永住外国人に地方参政権を付与

 もちろんこれですべてではないが、特に社民党や共産党の各政策項目を網羅した政策集(選挙用のマニフェスト要約版にはやはりこれらの「国民の権利」に関する政策はあまり明記されていないが)を見ても、相違点やニュアンスの相違などがあるものの、民主党のそれと大筋では同じ方向を向いていると言えるものが少なくない。

 上記の「諸権利」については、そのほとんどが自民・公明党政権下では実現していないかあるいはその実現が不十分なものであることは言うまでもない。また、OECD加盟のいわゆる先進国の基準と比べると「不十分」と非難されていたり、国連の人権委員会やILO(国際労働機関)などから国内法の改正や制度の導入を勧告されているものが多い。
 自民党政権やこの10年間の自・公政権はこれまでそれに対して拒否の回答をするかあるいは事実上棚上げしてきている。

 もちろん、国民の間でも賛否両論ある論点も多いことを私は承知している。しかしそれでも、それらの勧告や非難をかわす理由として国内世論の動向や文化・伝統などが時として持ち出されるが、人間の権利は本来「普遍的」なもので、世界的な基準と合致させていくように努力するのが「先進国と自負している」国の責務ではないかと考える。

 現実問題として、現在国民の多くが感じている閉塞感や不満は単に経済、社会保障など諸政策内容のよしあし以前の問題として、憲法で保障されている各種の国民の権利が尊重されていなかったり、軽視・無視された状態で法律が施行されて政策が実行されているからではないかと思われる。

 つまり、「後期高齢者医療制度」、「障害者自立支援法の定率1割負担」、「母子加算の廃止」、「非正規雇用や派遣労働の無制限な拡大」など、国民の権利の尊重という視点が抜け落ちている「温かみのない、血のかよわない」政策に多くの国民から「NO」を突きつけられているのである。

 「公平・公正」な社会を見据えた「権利の尊重」が実現されてはじめて、国民に物心両面で「ゆとりと安心感」が生まれ、それが労働や勉学さらには努力への意欲を生み、人生の希望が生まれてくるのではないだろうか。

 「人権」が「サヨク」や「活動家」の専売特許のように疎んじられ揶揄される風潮も近年散見されていたが、権利を語ることをともすると「青臭い」議論のように遠ざけるのではなく、むしろ「権利の保障」抜きにわれわれの暮らしの安全・安心は成り立たないということをこの機会に再確認する必要があると思う。

 ただし、これらの権利にかかわる政策が一朝一夕に実現するとは私には思えないし、政党もすべてを実現させることを約束しているものではない。当然、現実にはさまざまな障害や既得権益との衝突、既存の政策との調整さらには国民の合意のとりつけなどが必要となり、その道のりは険しいものとなろう。

 政策の立案、財源の配分などすべての面で政治家をはじめ、官僚、そして何よりもわれわれ国民が、この「権利の尊重」を重視する「新たな国の仕組み」づくりに意欲と覚悟を求められるからである。しかし、現状を見るかぎり、それを成し遂げなければ日本に明るい未来はないとさえ言える。

 ジャーナリスト神保哲生氏も前述の本のなかで述べているが、そうであればこそ、民主党中心の政権が実現した暁には「国民参加」への道は大きく開かれるが、それだけに政権をしっかりと監視する意欲と同時に、それを支えていく国民の努力と忍耐そして覚悟も求められる。いわば、これまでの「お任せ民主主義」ではなく、国民の側の自立と自律さらには「変革への強い意思」が求められる。

 民主党の鳩山代表が演説で口にする「革命的」選挙とか「国民とともに新しい政治をつくる」という言葉はこのことを意味しているのであろうか。

 この意味から、国民にとって従来の自民党的な国づくりを続けていくのか、それとも従来の価値観と決別して民主主義国としての要件の実現をめざす新たな国づくりへスタートを切るのかの重要な選択が、今回の衆院選で国民の前に示されていると言える。
 はたして、国民がどちらの価値観を選ぶのかが「隠れた争点」となっている。
◇ ◇ ◇
関連記事
『民主党が約束する99の政策で日本はどう変わるか?』の感想 (今週の本棚)

galibero | 2010年07月17日 09:35

古代ギリシャ・ストア派とエピクロス派の哲学的『ウンコカレー』対決(続き)


そう言えば、ボクが小学生5年生の時遊んだファミコンソフト『たけしの戦国風雲児』なるゲームで、町に入って体力回復のための店『かれーや』で、件の『うんこカレー』が売ってましたっけ。このカレー、数ある『かれー』の中で最も高価で最も回復効果が高い『かれー』なのですが、たまーにお腹壊してプレイヤーが『一回休み』になっちゃったりします。※このゲームは『人生ゲーム』や『桃鉄』同様、サイコロ振って進行するすごろくゲームなのです。


今思えば、当時小学5年生だったボクの手に、遥か古代のギリシャからこの問題が既に託されていたのです。ファミコンソフトの形で(わはは)。
あの『かれーや』で食した『うんこカレー』は、果たして『カレー』だったのか?それとも『ウンコ』だったのか・・・?謎は深まるばかりです。

※当時、たけしは『北野印の福神漬け』なる漬物をサイドビジネスで売り出していて、それをゲーム中にも引っ張って『かれーや』があったんですね。たぶん。

どうせ壊れるなら、これぐらいでないとね | 2010年07月17日 09:09

「憲政の常道」という言葉を思い出しました。

barworld | 2010年07月17日 02:17

さあ、一息ついたので「みんなの党」の検証を始めましょうか。

この党の弱点は、「既に何点か」見えている。

経済政策は本当にそれで「OKなのかな」

都市部政党故の、もろさかな?

「経済、経済、経済、経済、そればかりじゃないか。」

無記名 | 2010年07月17日 00:17

コメントの流れに沿わないコメントで申し訳ありません。一言申し上げたいことがあります。

ついに戦略局も泡と消えることになりました。宮台先生の怒りを秘めたお姿に深く同意するものです。細川内閣の誕生およびその後を目撃したものなので、簡単に希望を抱く(絶望する)ことは自分に禁じてはおりますが、それにしても・・・・・。

名無しでお願いします | 2010年07月16日 19:54

地域の内発性なんて今からどうやってもとめえるのですか?
今やそんな力をもっている地域はあんまりないし、それをいえばいうほど地域間格差をもたらすだけのことをいいはなっているように聞こえます。

無記名 | 2010年07月16日 00:37

人は自分の得意な分野の価値を過剰評価し、自分の不得意な分野の価値を過小評価する動物だとつくづく思います。それは新聞記者のような商売をそれなりに長くやった人間はみんな肌で感じていることだと思います。

役人は役人の世界を過大評価しますし、学者は学者の、企業経営者は企業経営者の、労働者は労働者の世界を、みんな課題に評価し、自分の関心のない分野や敵対する分野のことは過小評価します。

私も例外ではなく、マル激で、特に宮台先生が展開している議論のいくつかの部分を、明らかにこれまで過小評価していたことを思い知らされることがままありました。目からウロコがボロボロ落ちます。なのでこの番組にハマっているというのが正直なところです。

同じことが宮台先生や神保さん、萱野さん、清水さんほかに言えそうなのが経済の問題という、そういう構図です。不得意分野だから過小評価しているのではないですか? それにしても経済学部の教授が(後略)

あんまり言うと壊れたなんたらと言われるのでこのへんで(笑)

toyokawa | 2010年07月15日 18:11

Part1
沈思黙考さん、「民主主義への憎悪」に関しての応答をPart1に絡めてしようと思います。

賢者と一般大衆とに分ければ、賢者が政治をつかさどるのが良いというのは同意できます。しかし、問題は賢者とは誰なのかという問題に行き着きます。特に日本の場合、エリートが使い物にならないという印象が強いのです。従って従来のエリート輩出層を熟成するよりも流動性を高め、広範囲から輩出を求めた方がよいと思えます。その為にこそ民主主義は徹底されなければならないという日本の逆説があります。

何故、日本のエリートは使えないのかの一つの要因をあげます。この場合、識者ですが。
例えば、自殺の防止と経済成長を何故、対立的に捉えなければならないのか清水氏、萱野氏の論旨が理解できません。
日本に比べ自殺者が少ない先進国が経済成長していないわけではないからです。むしろ何故自殺を防止できないのか、経済成長できないのかに日本人特有の同じ思考錯誤が存在すると考えるべきです。
日本の識者の場合、徒に理念に走り、現実性を軽視する傾向があり過ぎます。人の生死の問題で金の問題を論じるなという「清貧性」に余りにも淫しています。
その割には、現実では貯蓄を無条件に美徳と考え、金の価値を下げる事に反対します。
この傾向の国民的総和が金の価値を引き上げ(デフレ化)人の労働の価値を引き下げている事実は考えようとはしません。マクロ的には金>労働≒人権としながら、ミクロ的には理念を語るという錯誤こそ正すべきだと思います。

理念的であり技術的であり現実的であるそのような両立が求められます。
理念は高ければ高いほど実現コストがかかります。また高い理念が成立する為には豊かな物理的基盤を要します。

まぐ | 2010年07月15日 09:39

toyokawa、アンタは壊れたラジオか?毎回毎回同じような戯言を繰り返してよく飽きないな。。

そもそもこの回で言ってることは経済成長なんて必要ないって話じゃねーだろ。たとえ経済成長で一時的に自殺者数を減らすことが出来たとしても、対策を先送りし続ける限りは景気が悪くなった途端に毎年3万人台の水準に逆戻りしてしまう。だから経済成長とか別次元で考えるべきだって話だろ。

お前みたいに経済成長(しかもよりにもよってリフレ)の一点ばりで何もかもがうまく行くように思い込んでるお花畑には理解できないのかもしれんな。まあ、せいぜいファンタジーの世界で日本を救う夢を見続けてろ。誰も相手にせんと思うがな。

匿名 | 2010年07月15日 06:02

私の言っていることに色々ご指摘いただいているようなので(論争は面倒くさいし、いちいち答える義務もないと思ってはいますが)、もう少し具体的に言った方がわかりやすいと思いますので、簡単に述べておきます。

私はいくつかの環境NPOで活動をしています。NPOの理念や目的は、そんなに高尚なことでも抽象的なことでもありません。例えば山に捨てられている大量の不法投棄されたゴミを見て、それらをなくして環境を保全したいと思えば、それはNPOの理念や目的になります。また、海辺に流れつく大量の漂着ゴミなくして海辺の環境を保全したいと思えば、それもNPOの理念や目的になります。

しかし、それらの問題を何とかしたいと思うだけでは問題解決の端緒に立っているだけなので、そこから行動をして、言葉の力で人を集めることによりネットワーク化、事業化することによりNPO化できると考えております。そういう意味で「最初にあるのは理念や目的だけで、人もいなければ、お金もない」と申しました。「空虚」というもの語弊があるのかもしれませんが、一人の人間の心の中に理念や目的が止まっている限りでは、まだ何も存在しないことと同じという意味で「空虚」という言葉を使いました。

「行動力と言葉の力で共感する人やお金を集めて活動を拡げていく。」というのは、環境NPOの場合、自分達の仕事に対して直接対価を支払ってくれる相手がいないことが多いので、財政的には行政や企業からの助成や、個人からの寄付やカンパに頼るところが大きいのですが、ただ待っているだけでは、誰も助成も寄付もしてはくれませんので、言葉を使って申請なりアピールをしなければなりません。そしてまた、自分達の活動による成果や結果を示さなければ助成を打ち切られてします可能性もあります。また、ボランティアの人数を増やすためにレクチャーを行ったり研修を行ったりなどもします。そういう意味において「行動力と言葉の力で共感する人やお金を集めて活動を拡げていく。」と書かせていただきました。

よかったら、今後の活動の参考にしてください。

toshaki | 2010年07月14日 23:31

戻り鰹さんがおっしゃることは、民主党の比例当選者リストから明らかで、これは非常に問題だと思います。番組中でおっしゃられていた、比例は出来るだけ調べて優れた候補者へというご助言は正しいと思いますが、全く現実とはかけ離れている状態です。

多くの人は選挙運動中のツイッター解禁を主張しますが、多くの議員の選挙運動外のツイッターを見る限り、勉強していると思われる議員は限られていると思います。もっと政策を発信していただき、普段から有権者を惹きつける努力をお願いしたいです。

もちろん有権者のほうも問題ですが、タレントが低調だったことからも明らかなように、今後ますます実力がものをいうことになると思います。

アメリカ上院とのアナロジーですが、アメリカも既得権や特殊利益との結びつきは顕著で、その点はかなり問題です。しかし上院議員はかなり優秀で、ステイタスも高い点は日本の参議院との大きな違いだと思います。番組の中で、数減らしの批判がありましたが、議員個人のユニークな活動や、議員立法提出が少ない日本では、やはり議席を減らし、任期を長くして有能な議員を入れて、財政問題、消費税、安全保障、憲法改正など長期的問題を主に扱うことが有益だと思います。

klitii | 2010年07月14日 19:13

民主党の本質は労働組合だ。
労働組合である限り規制緩和も出来ないし、行政改革も出来ない。どんなに理屈をこねても出来ないものは出来ない。年功序列と終身雇用も変えることは出来ない。絶対に出来ない。労働組合問題を何とかしない限り、その他の各論や理想論を何時間話しても堂々巡りになって全く話は進まない。

候補者を見ても分かるように、民主党は新人からベテランまで労組出身者だらけだ。組合は自分たちが食いっぱぐれないことが最大の目的であり、唯一の目的だ。国の将来のことなどはどうでもいいのだ。年功序列と終身雇用を維持し、借金を続けてばらまき続けるのだ。組合はグローバル経済などには殆ど関心が無い。連合が支持母体である限り民主党には産業構造改革も行政改革も出来ない。どんなに議論しようが出来ないものは出来ない。JALは日本の縮図だったし、JALの組合は民主党の縮図だ。会社の将来より自分たちの老後の方が大事だというわけだ。民主党が国民の代表だと思ったらとんでもない勘違いだ。民主党は労働組合の代表だ。民主党は労働組合のために正に全力で働いているわけだ。

戻り鰹 | 2010年07月14日 17:09

宮台からは宮台からしか聞けないネタをクレクレしようよ。
経済の話で盛り上がりたい方は別の場所がいくらでもあるでしょうに。。。
ここのコメ欄みるたびに萎えるのでちょっと書いてみました。

無記名 | 2010年07月14日 14:15

清水さん編、いいトークでした。経済の話となるとすぐ規制緩和万能主義のエコノミストばかりで辟易としていましたが、ようやく真面目な話を聞けたような気がします。全部を通して非常に実証的な議論で、説得力があり、きわめて好感が持てました。しばらく、購読料をドブに捨てていた気分でしたが、この座談一本で回収できました。萱野さんの、話の流れを尊重した控えめで冷静なフォローは宮台さんと対照的でこれも快適ですね。清水さん萱野さんお二人とも参議院廃止に反対。嬉しいです。いまどきインターネットにもマスメディアにも動物的言説が荒れ狂って、参議院廃止論を喚き散らす便所の落書きが横行していますが、その嘆かわしい時代に、お二人のトークはきわめて例外的奇跡的に理性的です。ありがとう。昔はTBSの筑紫さんあたりがそういう役割を担っていたのですけどね。ネットの廃墟に知性のオアシスを発見した気分です。/もしこのトークが政党名入りで行われ、有権者が投票前にこのトークを聞いていたら、きっとあんな選挙結果にはならなかったでしょう。「景気回復しさえすれば型政党」の代表である「みんなの党」のあれほどの躍進はなかったでしょう(丸山真男のいう、問題を見ない「新し物好き」的思想輸入としての新自由主義)。内閣府参与の経験についての発言では、清水さんは副大臣を増やせばよかったとおっしゃっている。いまだに「小さな政府」に固執する勢力は絶対に認めないだろう。連帯保証の話が本当に大事だという。でも担い手になるべきであったひとたちはみな政府を、国会を去った。大臣を辞任してしまっていた亀井静香。落選した千葉法相、参議院東京選挙区の小池晃。「命を大事にしない国」路線が選ばれたということになるのだろうか。しかし、それが本当に民意なのだろうか!?

わりと古い視聴者 | 2010年07月14日 12:50

選挙の後で見たよ。
私は片田舎の名も無き草だから、遠縁の候補者と比例は入れるところがないのでこれも頼まれた人に入れた。
結果には満足している。
民主党?
リベラルじゃないのに、元より入れるわけ無いだろ!
ここで、軽く自殺について。
10何年連続して何万人が自殺しようとあまり関心はない。
自殺したい人間は、自殺したい政党と同じく、さっさと死ねばいいと思う。
家族ですら簡単葬が広がっているのに、何で他人の自殺をそれほど引き留めたがるのか?嘘言うなって。
清水さんなどの活動は確かに立派で、手助けもしてあげたいが、個々具体的には私のような人間が多いと思う。
第一、うざい隣のおっさんが自殺しようとして、あなた止めますか?
とてもそういう気になれないはず。
これがコミュニティの崩壊という現実だ。
それが好ましくないと考える宗教家のような人もいるだろうが、それは今の日本ではむしろ少数派。
多くの人は現状をあるがまま受け止め、その中で自分たちが生きる道を考えていると思う。
この番組を見ている人は、比較的現実への不満に渦巻いている内面を持った若い人が多いと思うので、幻想に逃げることなく、まずは自分のために生き抜くべきだと思う。
より良く生きる”ものさし”が無くなった以上、そんなものは余裕が出来てから見つけるべきことなのだ。
それが出来ない人は、幾ら助けてあげても、いずれ自殺する。
だから、自殺したい人を助ける必要はないが、それで罪悪感に苦しむ家族のケアは必要だろう。
だが、それも限度がある。
こんなこと選挙と関係なさそうだが、実はそうでもない。
やはり、分配型政治による一億総中流社会の崩壊が自殺者の数を増やしたのだと思うが、もう一億総中流社会には戻れないという現実を認識すべきだからだ。

名無し草 | 2010年07月14日 12:01

経済成長の扱いについて

今回議論されている通り、経済成長は望ましい社会を作るための十分条件ではありません。しかし、おそらく必要条件です。浜教授は「必要条件でもない」と言ったから「それは経済学者としての敗北宣言でしょう」と申し上げたわけです。

経済成長なしに構造改革を進め、労働市場を正常化し、地方主権を確立し、「分厚い社会」を作るのはほとんど不可能だと思います。デフレ不況社会では権益の剥奪イコール社会的死亡ですから、何かやろうとすればそこらじゅうで決死の抵抗が起きます。たとえば霞が関改革や正社員利権の剥奪なんて不可能です。

一方、4〜5%の実質GDPの成長と2%程度のマイルドインフレのもとでは、社会はおおらかになります。望ましい社会を目指した各種の改革はぐっとやりやすくなるでしょう。なにはさておきデフレ不況を脱却することが一丁目一番地の最優先課題だと思います。もちろん目指すべき社会の地図を掲げるのは大切です。

「経済成長なんて要らない」とか「経済成長はもう無理」といった暴論にマル激は走りがちのように見えます。私に言わせれば無能サヨクの戯言です。説得力ゼロ。ここは非常に気になります。

日本は土地バブル破裂後、マゾヒスティックなまでの正攻法で金融機関ほかの不良資産を減らしていきました。一方リーマンショック後のアメリカは、中央銀行の信用創造でこれを一気に解消しています。日本の失敗から学んだからだそうです。ちょっとズルイんじゃないかと言いたくもなりますが、これが正しい政策です。
http://www.clevelandfed.org/research/data/credit_easing/index.cfm

日本も同じことをやればあっという間に景気回復するでしょう。日本は不良金融資産がそれほどないので金融資産の買取ではなく国債発行と財政出動の形になるのかもしれません。要は市場が需要不足状態なのでその分を政府と中央銀行が信用創造して需要を作るということです。

具体的には環境、教育、医療、福祉などの新規投資分野に雇用が生まれます。為替が正常化するので国内に産業が戻ってきます。完全雇用が実現し若者の失業問題は基本的に可決すると思います。付随的に税収も上がるでしょう。できることがあるのにこれをやらず、「経済成長しなくていい」みたいな論に逃げるのは、本当に勘弁して欲しいものがあります。

toyokawa | 2010年07月13日 09:33

toshakiの言い草には、市民の自発的な活動に不十分ながら関わるものとして捨て置けないものがある。君は現場を知ってそう言っているのか、想像だけで評論家気取りで放言してもらっちゃあ困るよ。そこで、NPOについてこの欄の読者に注意を喚起したい。

(以下引用)
もともと政治もNPOも空虚な存在である。最初にあるのは理念や目的だけで、人もいなければ、お金もない(清水さんは今も貯金を切り崩して活動しているのでしょうか?)。そんなところから始まって、行動力と言葉の力で共感する人やお金を集めて活動を拡げていく。そんなようなところが、政治とNPOは似ているなぁと思ったりするのだが、むしろ似ているというよりも、政治は最大のNPO活動である、というようにも思えてしまうのである。
(引用終わり)

「最初にあるのは理念や目的だけ」とはどのようなNPOを指して言っているのであろうか?

困っている人を助けようとして出来上がったNPOにとっては、最初に目の前に「困っている人々」がいる。それを現場と表現することができる。まずあるのは、人であり現場である。

個人的な不幸ではなく社会的集団的カテゴリーとして認知できるレベルの不幸な人々が生物多様性さながらに存在している。無論生物多様性は失われつつある良いものなので保護や復活の対象であるが、こちらの多様性はできれば根絶、改善したい。国内だけでなく海外にまで目を向ければきりがない。

「行動力と言葉の力で共感する人やお金を集めて活動を拡げていく」んだって?そんな奇麗ごとが実現していたら、もっと人が集まってるって。

日本の、制度はあっても税制のバックアップのない、個人の篤志家となるとさらに見出しにくいNPOにはもとより資金はない。それでもやむにやまれず「市民」は自腹を切って、余暇を割いて日々活動している。
プロ市民などという心ないイメージ操作用語があるが、むしろプロがいないのが問題で、単純なワークフォースからして決定的に足りていない。今参加すれば、君がリーダーになれる、そんな分野が山ほどあるだろう。

「理念や(抽象的な)目的だけ」では到底活動は維持できない。目の前の困っている人たちの抱える問題をいっしょに解決したいという心からの<気持ち>、具体的に実現可能と思われる目的によって、持続可能となる。今私が実際に見る現場にいる人たちは、そのようなタイプが多い。

ちなみに私自身は、自己犠牲的に情熱を注ぐ活動の対象として市民運動を見ていない。個人的な事情で本業がそういうものになってしまっているのでそんな余裕はまったくない。
それはおいておくとして、市民の義務として個人的にもっとも気になる活動に参加している。そしてそのイシューは「理念や目的だけ」と言われるのが当たっているような気もしたりする。そんな市民の活動もあるにはある。

現状の政治はヘタな想像を超えて機能していないほどだから、現状のNPOはそいつを補完する機能すら担おうとしているが、よしんば政治が想像できる程度に機能してくれていてもNPOは社会にとって不可欠である。公共の役に立たない所に流し込まれる税金を少しはNPOに流してやれよ、と思う。

私のような本業が食うか食われるかぎりぎりでもできる範囲で参加できているのであるから、この欄の読者である知的感度はかなり高く、また生活にも余裕がある方々は、御自分の実存を振るわせるような気がかりなイシューがあるのなら、一度市民の現場に足を運んでみることをお勧めする次第である。

副産物として、いろんな活動に否応なく首を突っ込んでいる人が多いので、マル激でも取り上げないコアな現実に触れる機会もたくさんあるよ。

少人数で自己犠牲的に献身する人らで回している現状を見るにつけ、わたしのようにできる範囲で気軽に参加して微力ながら助けようと言う層が薄過ぎるのが日本の問題だと日々痛感する。この層が分厚くなれば、我々の社会の閉塞した現状を打開できるかもしれぬと思っているのですよ。投票以外に社会を変える土日の「手軽な」アクションとして、NPO活動はいかがですか?

それもしないんだったら、後は、今いるその場所で、職場で、学校で空気を敢えて読まずに問題提起することだが、(おれは実はコッチの方が燃えるんだけど、)後に続く仲間は絶望的に少ないからな。アジるつもりはなかったのだが、これで終わる。


いっしょにせんといてくれ | 2010年07月13日 06:00

個人的には、小泉Jrを選挙CMに出すという子供騙しの愚行をした自民党と、表現規制推進派の筆頭格の後藤氏を擁立したみ党は既に選択肢から外れていたので、結局選挙区は民主2人、社民、国民新党の候補者から選んで投票しました。
比例区はこの番組でもおなじみの保坂さんに国政に復帰してもらって普天間、八ッ場ダム等の問題に先頭に立って追及してほしかったんですが・・・残念でなりません。
ところで、民主党の党役員(幹事長、選対、財務)は辞める気ゼロですか?まさか選挙に負けた原因は前幹事長で自分達には責任が無いとでも思っているんでしょうか。
だとしたら、まさに厚顔無恥ですね

keno | 2010年07月12日 22:57

参議院選挙も終わり、選挙ネタも開放でしょうから、地方での状況を皆さんにご報告してみます。

二人区で民主党が二名立候補した選挙区で、負けた候補者の選挙活動を少しだけ手伝いました。
現場はメディアで伝えられる以上に民主党が混乱していました。
全選挙区内で選挙事務所は別々、ジャンパーの色も別、党の選挙カーも別、訴える内容も食い違い、現職候補が同じ党の新人候補をあからさまに非難。
当然、民主党県連から新人候補には応援は皆無のみならず党本部も新人に積極的応援が出来ない状態でした。

新人には、表立って現職国会議員の応援演説も無く、僅かに非公式な訪問と影の応援があるばかり。新人をサポートするのは小沢さんから派遣された私兵のみ。

先の衆院選挙で小沢チルドレンとして当選した地元国会議員も民主党県連に尻尾を振って、新人候補には為書きも送らない始末。

地区の総評は県連に合同選挙事務所を申し入れるも断られ、総評独自に事務所を開かざる得ない状況。
現職民主党衆院議員事務所からの電話作戦に対して、なぜ新人公認候補もよろしくと言わないのかと尋ねると「県連が党だ」とキレる始末。

既に同じ党とは言えない選挙戦に、選挙後は分党確実の様相でした。

しかし、当然政治家は嘘つきですから、選挙後は何も無かったかのように装うのでしょうが、相当な遺恨試合であったことは確かです。
現在、水面下の蹴り合いが激しいのでしょう。

選挙もぐだぐだでしたが、ネットでの生中継や実況も乱立模様でしたね。
特にニコ生は呆れた状況で、あれがネットメディアの今後ということになれば暗澹たるものでしょう。
コメンテーターが自由に暴言を吐くだけの場所を皆が欲しているんでしょうか?
(特にホリエモンと岸博幸氏は酒でも飲んでいるかのようなエキサイトぶり・・)
唯一、神保さんが紳士的に発言されていたのが救いでした。

政党も国民も限界なんでしょうか?

Taka | 2010年07月12日 09:19

※久しぶりにお便り(?)します。

part3の、かーなり後半について

選挙期間中に於ける候補者の政治理念や政策の是非を判断する話が一転し、突然『ウンコ味のカレーvsカレー味のウンコ』のネタになり、それを宮台先生がギリシャ哲学(ストア派?エピクロス派??)を駆使して果敢に解決しようと試みている姿に、久々に爆笑させて頂きました(オレ、こーゆーの大好きやねん!!)。

特に、神保さんが笑いながら『この問題について、ストア派は何て言ってるんですか?』って宮台先生に尋ねる場面なんか、『いたずらっ子の中学生』そのものでしょう。こんな調子できっと、神保さんは桐蔭(中学)時代は沢山の先生方を困らせていたんだろうなーって勝手に想像してしまいます(わはは)。

宮台先生曰く『カレー味である限り、それがウンコであることを忘れられる』なんて指摘は、映画『マトリックス』ならぬ『クソリックス?』と言ったところでしょうか?

この議論は尽きません。なぜなら、片やれっきとしたカレーであり、片や紛れも無いウンコなのですから!(ぶわっはっは!)

選挙、行ってきました | 2010年07月12日 00:33

政治と清水さんの行っているようなNPO活動をアナロジーで捉えるのもなんだな、とも思うが、似たようなところが多々あるというように感じたりもしている。

 もともと政治もNPOも空虚な存在である。最初にあるのは理念や目的だけで、人もいなければ、お金もない(清水さんは今も貯金を切り崩して活動しているのでしょうか?)。そんなところから始まって、行動力と言葉の力で共感する人やお金を集めて活動を拡げていく。そんなようなところが、政治とNPOは似ているなぁと思ったりするのだが、むしろ似ているというよりも、政治は最大のNPO活動である、というようにも思えてしまうのである(NGOというと、政府が非政府というのもおかしいのでNGOとはここでは言わない)。

 だから、民主党の言っていた(過去形か)「新しい公共」と「政治主導」はリンクだなぁと思うのだが、民主党自身は、政治主導をどうも履き違えていたように見える。典型的なのは、菅さんの「官僚はバカだ」発言だが、民主党の政治主導というのは、政治家は官僚よりも頭がいいのだから、頭のいい政治家が官僚を指導するのだ、というくらいに思っていたのではないのか。あるいは、俺は政治家になる前は弁護士だった、みたいなところで発言するどなたかのように、政治家と官僚が、頭のよさ、のようなところで競い合っていて、結局、狡知に長けていた官僚に軍配が上がって、民主党は政治主導を引っ込めてしまったというように見えてしまうのである。

 政治が最大のNPO活動であると考えるのなら、最初にあるのは、政治家の頭のよさなどではなく、理念や目的でしょう。それを言葉の力と行動力で表現しながら人々を呼び込み、お金を集めて活動を拡げていく。その繰り返しが大切だと思うが、民主党が政治主導で官僚と勝負をすべきところは、頭のよさなどではなくて、経験値の違いのようなところであったのではないのか思ったりする。だから、民主党は、清水さんや湯浅さんのような方たちを味方に付けて、官僚の浅知恵では考えられないような経験値から発する知恵を武器にして官僚と対峙すべきだったと思うのだが、今となっては後も祭りか。民主党の参議院選での敗北は決定的のようですね。

toshaki | 2010年07月11日 17:47

遅くなりましたが
浜矩子さんのトークは
経済オンチな私でも
すごく分かりやすく
いかに今のカン内閣が
頓珍漢なことを言っているか
よくわかります。
管さんの変貌
恐ろしいくらいです。
選挙に全く
協力してあげようと
思えない。
小沢さんと雲泥の差。
やっぱ人間力の差
でしょうか。
B級市民は騙せるかと思ったけど
そうはいかなかったね笑

nami | 2010年07月11日 17:20

どんな政権だろうがどんな政策だろうが、(市場原理主義政権だろうが、社会主義政権だろうが)、それとは全く独立して、地域社会の分厚さを取り戻すために我々ができることはいくらでもあるのではないでしょうか。というより、国単位でできることなど高が知れているというか・・・。

tip | 2010年07月11日 15:51

ライフリンクの清水さん、なぜ参与を辞任されたのか、ずっと分からなかったのですが、今回のお話で理解できました。自殺問題は、宮台さんの仰る「雨漏り・バケツ」比喩の解決の糸口としては物凄く可能性を感じられた政策です。連帯保証制度等をはじめとして、様々な問題に広がり、様々なシステム変更に繋がるかと思えたのに大変残念です。

しかしでも、今回ばかりは、どうすれば良いのか全く分からず途方に暮れていたのですが、宮台先生までが不在者投票されず、迷っておられるわけで、私が悩むのも当たり前ですね。最も私の場合は、悩んでも出口はないのですがw

っていうか、私の心配は、これから暑くなるので、神保さんも宮台さんもスタッフのみなさんも、お体には気を付けていただきたいということかな。しっかり夏休みをとられたほうがいいかもです。3〜4回パスは許しますよ。怖いもの見たさに番組を見て、見たら案の定、崖っぷちだと「心の平穏」にも悪いしw 「得体の知れないもの」を見て、涼しくなりたいというご意見もあるかもですがw

こや | 2010年07月11日 05:09

自分が感じていることを明確に言われるのは実に快感ですね。「政策よりも人物」、「どういう社会を作るかが目的で政治手法や経済は手段」、「民主党政権はPDCAが回っていない(意訳ですが)」、すべて同意です。

菅政権の「なんかやな感じ」が言語化されたのも痛快でした。しかし日本国民としてはあんまり喜んでいられない話ではあります。

toyokawa | 2010年07月11日 01:48

炭酸ガス見える化賛成。詳しくは橋爪大三郎の「炭素会計入門」を読んで下さいませ。

医学生 | 2010年07月10日 23:47
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