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マル激トーク・オン・ディマンド 第21巻(第211〜220回収録)詳細
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収録日 2005年4月15日(PART1:54分 PART2:58分)
ホリエモンの「テレビはなくなる論」を考える(その2)
ゲスト 水越伸東京大学助教授(メディア史・メディア論)

少し前にホリエモンの「テレビは無くなる論」について、東大の西垣通氏は、インターネット側からの視点で、概ねそれを支持するシナリオを語った。しかし、放送史に詳しい水越伸氏は、テレビはそう簡単にはなくならないだろうとの立場を取る。ここまで50年かけてテレビが築いてきた技術やビジネスモデルは、「大きな杉の木」のように日本の隅々にまで根を張っているからだ。
  しかし、テレビは杉の木同様、周囲の生態系を枯渇させ、また人々にとって有害となる花粉をばら撒きながら生きながらえていることも事実だ。水越氏は、テレビが受け手側からの広範な支持を得ないまま生き残りに走れば、今後テレビは生きる屍のような状態で生きながらえることになる可能性が高いとも説く。放送技術、免許、記者クラブといった既得権益のみによって支えられたメディアに成り下がってしまう可能性があるということだ。そして、同様の指摘は新聞にも当てはまる。
  果たしてテレビは失いかけた公共性を取り戻すことができるのか。その際にカギとなるのは何なのか。市民のメディア参加という視点も交えながら、ホリエモンのテレビはなくなる論を、テレビ側の視点から考えてみた。
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収録日 2005年4月24日(PART1:1時間1分 PART2:1時間8分)
憲法シリーズ第2回 日本人にはまだ憲法は書けない

ゲスト 小室直樹氏(政治学者)

衆参の憲法調査会で最終報告書がまとまり、国会で憲法改正が喧しく議論されている。しかし、政治学者の小室直樹氏は、このままでは、憲法改正は見送られるだろうとの見方を示す。その理由は、憲法とは「国民意識の反映」であり、憲法意識が欠如 していては憲法を書き直すことなど無理だからだと言う。
  憲法とは何なのか、憲法改正にどのような意味があるのか。憲法の役割やここまで の憲法改正論議の問題点を、宮台氏の師匠でもある小室氏と共に考えた。他、中国の反日デモなど。
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収録日 2005年4月27日(1時間28分)
こんな国に発明家は育たない
ゲスト 中村修二氏(カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授)

世界中の科学者たちが開発に鎬を削っていた青色発光ダイオード(LED)の発明者中村氏は、日本の司法制度が腐っているために、日本では発明家は育たないと語る。青色LED発明の対価をめぐる裁判で、中村氏はかつて勤務していた日亜化学工業との間で約8億4千万円を氏が受け取ることで和解しているが、その裁判では発明の対価そのものよりも、いかに企業を潰さないようにするかが最優先されたというのが氏の主張だ。「真実が何であるかは二の次だった」と氏は不満を露わにする。
  また、現在アメリカの大学で研究生活を送る中村氏は、自由な開発研究を行うための環境も、日米間には大きな格差があると指摘する。
  日米両国で発明をめぐる裁判を経験した中村氏からみた日本の裁判制度の問題点とは何か。なぜ中小企業の一研究者だった中村氏が大企業の研究チームにもできなかったLEDの発明に成功できたのか。現行制度のままで日本は今後、研究開発の国際競争に生き残っていけるのか。来日中の中村氏とともに考えた。
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収録日 2005年5月6日(PART1:1時間5分 PART2:58分)
こじれた日中関係をどう立て直すか
ゲスト 加藤紘一衆議院議員(自民党)

こじれた日中関係に解決の糸口が見えてこない。外務省時代に中国畑を歩み、政界きっての中国通として知られる加藤紘一衆院議員も、東アジアの大国が「裸の言葉をぶつけ合う」現在の状況は危険だと指摘する。
  かつてYKKの盟友として小泉首相をよく知る加藤氏は、小泉首相が靖国参拝にこだわる理由を、論理よりも情で動く「直感型政治家」の負の側面と語る。また、自民党内に隠然たる力を持った大物政治家や他を圧倒する派閥が消えたために、小泉政権の独断的な意思決定に党からの歯止めがきかなくなっていることも、状況を悪化させる一因となっていると加藤氏は言う。
  日中関係の改善の糸口はどこにあるのかを、加藤氏と共に考えた。
  他、小泉政権4年の評価、郵政民営化・憲法改正問題の行方など。
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収録日 2005年5月14日 (PART1:1時間15分 PART2:1時間38分)
重大事故はなぜ無くならないのか
ゲスト 黒田勲氏(医師・日本ヒューマンファクター研究所長)

尼崎のJR宝塚線脱線事故から3週間が過ぎた。しかしこれと前後して、東京・足立区の竹の塚駅踏切の事故や相次ぐ航空機や管制関連のミスなど、事故の連鎖はとどまるところを知らないかに見える。なぜここに来て急に事故が増えているのか。
  40年以上にわたり航空機や列車事故の調査に関わってきた医師の黒田勲氏は、その原因をヒューマンエラーが不可避であることを前提とした安全システムを組めていないことにあると指摘する。ミスを最小化する努力を常に怠らないのは当然としても、人間は必ずミスを犯す。その大前提の上に立ち、ミスがあっても重大事故に至らないようなシステムを構築しなければならないところを、ミスを犯さないようにすることばかりに過度のエネルギーを割く余り、真に安全なシステムが構築できていないというのだ。そしてその姿勢は、事故の後に原因追求よりも責任追求を優先する態度にも如実に顕れているという。
  いみじくも信楽鉄道事故からちょうど14年目にあたるこの日、黒田氏とともに技術立国と呼ばれて久しい日本が、その成長の過程で置き忘れてきた「何か」について考えた。他、JR宝塚線事故報道のあり方、少女監禁事件についてなど。
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収録日 2005年5月20日 (PART1:48分 PART2:1時間1分)
発明の秘訣は心にあり
ゲスト 中松義郎氏(ドクター中松・発明家)

「がんばれ日本」の商標をめぐるJOC(日本オリンピック委員会)と発明家ドクター中松こと中松義郎氏の争いはこの4月、中松氏側の敗訴に終わったが、今後こうした知的財産権をめぐる紛争は増加の一途をたどるとみられている。それを物語るかのように今週は角川書店の持ち株会社が保有していた「NPO」と「ボランティア」の2つの商標の無効が言い渡された。
  特許権や商標といった知的財産権は保護がいき過ぎれば公益性が損なわれ、不十分だと発明や新技術のための研究開発の意欲が削がれるため、その均衡を計ることが難しい。しかし、ドクター中松は発明とはそもそもそのような制度論に左右されるものではないと語る。3200件を越える世界最多の発明特許を持つ発明王に発明論の要請を聞いた。
マル激トーク・オン・ディマンド(第217回) >>電子書店パピレスで映像版を購入>>OnGenで音声版を購入
収録日 2005年5月25日 (1時間22分)
憲法シリーズ第3回 9条は宝の持ち腐れに終わるのか
ゲスト 土井たか子氏(前社民党党首)

憲法シリーズの第3回は、護憲のシンボル的存在として知られる前社民党党首の土井たか子氏を招いた。土井氏は、周知の通り平和主義を謳う憲法第9条の改正に強く反対している。冷戦が終わった今こそ、9条が謳う崇高な平和理念を実現するチャンスが来ているというのが、土井氏の主張だ。
  しかし、そうした土井氏の主張に対しては、常に理想主義的、非現実的との批判が伴う。
  また、土井氏と意見を異にする改憲論者の中には、平和主義の実現のためにこそ、改憲が必要と主張する人たちもいる。その一人宮台氏は、戦力を保持できない9条の下で、既にイラクやインド洋に自衛隊が派遣されている以上、もはや9条は実効性を失っている。アメリカの言うがままに自衛隊の海外派遣まで行っている現状に歯止めをかけるためには、9条を改正した上で、新たな実効性のある歯止めを設ける必要があると主張する。
  しかし、土井氏は現行の憲法を守れない国が、憲法を改正したところで新たな歯止めが有効に機能すると考えるのは現実的でないと反論し、むしろ、現憲法を維持しながら、対米追従外交からアジアの多国間外交へ移行する日本の外交政策の修正を優先すべきだと主張する。
  なぜアメリカ追従一辺倒に歯止めをかけ、平和主義を実現するという共通の目的を持ちながら、両者はその実現方法において180度袂を分かつ結果になるのか。違いはどこにあるのか。改憲論争の根幹に触れる争点を、護憲派の雄土井氏と共に考えた 。
マル激トーク・オン・ディマンド(第218回) >>電子書店パピレスで映像版を購入>>OnGenで音声版を購入
収録日 2005年6月4日 (PART1:1時間6分 PART2:56分)
今中国に何が起きているのか
ゲスト 興梠一郎氏(神田外語大学助教授)

中国における反日感情の高まりを受け、首相の靖国参拝の是非が議論を呼んでいる。しかし、その一方で、ここに来て突如として反日感情が高まった背景にどのような中国の国内事情が存在するかについては、十分な検証がなされていない。
  商社マンとして中国を担当して以来外務省の分析員時代も含め25年にわたり中国の社会情勢を研究している興梠氏は、中国国内で広がる都市と農村の経済格差が、深刻な政治的不安定要因となっていることを指摘した上で、「反日デモよりもはるかに大規模なデモや座り込みが日常的に起きている事実が、日本では十分報じられていない」と指摘する。
  果たして中国は現在の経済成長を続けたまま一党独裁体制を維持することが可能なのか。中国経済が破綻した場合の日本への影響は。そうした中国の国内事情を念頭に置いた時、日本の取るべき対中政策はどのようなものであるべきなのか。中国国内事情に通じた気鋭の現代中国論者興梠氏とともに考えた。
マル激トーク・オン・ディマンド(第219回) >>電子書店パピレスで映像版を購入>>OnGenで音声版を購入
収録日 2005年6月8日 (1時間16分)
ウォーターゲート事件の神話は崩壊したのか
ゲスト 春名幹男(共同通信特別編集委員)

ニクソン大統領を辞任に追い込んだウォーターゲート事件で、謎の情報源「ディープスロート」の正体が、FBIのフェルト元副長官だったことが明らかになった。
  不正を働いた現職大統領を辞任にまで追い込んだこの事件は、ジャーナリズム界においては調査報道の金字塔と賞賛され、伝説として今日まで語りつがれてきた。しかし、その情報源が警察高官であったという事実の持つ意味は重い。
  ウォーターゲート事件が表面化する1ヶ月前、48年間FBI長官の座に君臨したフーバーが死亡し、ニクソンは自らの腹心だったグレーをフーバーの後任としてFBIに送り込んだ。しかし、フェルトらフーバー派にとって、これは到底受け入れられる人事ではなかった。フェルト自身が、自分が長官に指名されることを密かに期待していたことも事実のようだが、それよりも更に深刻なことは、外部から長官が入ってくれば、フーバー体制下のFBIの違法捜査の数々が、白日のもとに晒されてしまう。フーバー体制下のFBIは、強権的な違法捜査体質が長年批判されいたものの、スキャンダル情報を握られているが故に名だたる歴代大統領たちでさえFBIに手出しはできなかったと言われている。半世紀に及ぶフーバーFBIはもはやワシントンではアンタッチャブルな存在になっていたのだ。
  そこで、フーバーの片腕だったフェルトは、当時まだ新興勢力だったワシントンポストの若い2人の記者に接近し、警察でなければ知り得ないはずの、ニクソン追い落としのための情報をリークする。ウッドワード、バーンスタインの2人の熱心な若手記者はその情報をもとに忠実に取材を重ね、最後はフェルトらFBIの思惑通り、ニクソンが葬り去られる。
  ワシントン特派員を2度経験し、アメリカ政治に詳しい共同通信の春名氏は、ディープスロートの正体がFBI高官だったことは、警察権力が時の政権をも転覆する力を持っていたことの証左となったとして、むしろこの事件では警察権の濫用にこそ警戒する必要があると指摘する。リークしたフェルト氏が極秘情報を記者に流した動機が、ニクソンの人事に対する報復だったとすれば、ウォーターゲート事件とは、警察を改革しようとした大統領が、警察のリークに踊らされたメディアによって葬り去られてしまった事件だった、ということになりかねないからだ。
  ウォーターゲート事件がその後の政治、及び政治報道に与えた影響とは何だったのか。その黒幕の正体がFBI高官だったことが明らかになったことで、その評価はどう変わってくるのか。これが報道の情報源秘匿の原則にどのような影響を与えるのか。春名氏とともに考えた。
マル激トーク・オン・ディマンド(第220回) >>電子書店パピレスで映像版を購入>>OnGenで音声版を購入
収録日 2005年6月17日(PART1:51分 PART2:56分)
日本に『第三の道』はあるのか
ゲスト 山口二郎氏(北海道大学教授)

「民にできることは民で」。そんな合言葉を掲げ、財政再建果たすべく小泉政権は「小さな政府」実現のための構造改革路線を邁進しているかにみえる。そして今国会では、郵便局さえもが民営化の対象となっている。
  この「小さな政府」路線はネオリベ(ネオリベラリズム=新自由主義)路線と呼ばれるもので、80年代から90年代にかけて規制緩和を促進し、社会保障の大幅な緊縮財政を行った米英のレーガン・サッチャー政権がとったネオリベ路線を彷彿とさせる。小泉政権が「20年遅れのネオリベ」と称される所以だ。
  北海道大学教授の山口氏は、肥大化した中央政府が公共事業によって富をばらまく経世会的な再配分体勢は変革が必要だったとして、小泉政権の小さな政府路線には一定の評価は与える。しかし、山口氏は同時に、「問題は構造改革といっても何の構造をどう変えるのかが明らかになっていないこと」と、理念無き改革は手厳しく批判する。  山口氏は、もともとネオリベラリズムとは富裕層を優遇することで、富裕層に集中した富が社会全体に滴り落ちる(tricle down)ことで再配分が果たされるとの立場を取るが、レーガン ・サッチャー時代を通じてその滴り落ち効果は期待できないことも、既に実証されていると説く。
  もしそれが事実だとすると、ネオリベ政策が進めば一握りの億万長者がさらに裕福になる一方で、社会全体では福祉、教育、公共交通といった社会の土台が劣化し、公立校の水準の低下、失業中の若者の増加など、ひと昔前に米英が経験した悪夢が、今まさに日本の起きようとしているということになる。実際にその兆候も随所に見られる。
  5月のイギリス総選挙では、ブレア政権の外交政策は批判を受けたが、「福祉漬け国家」(第一)でもなく「小さな政府」(第二)でもない「第三の道」は国民に支持され、ブレア政権は三期目に入った。日本でも理念無きネオリベ路線は脱却し、「第三の道」の理念を確立することが必要だと山口氏は説く。また、氏は自民党が第二の道路線を選択したことで、民主党に第三の道を選ぶチャンスが与えられているにもかかわらず、党内の意見を集約できない民主党の体たらくにも不満を露にする。
  小泉ネオリベ路線は日本をどこに導こうとしているのか、日本に第三の道はあるのか。3ヶ月にわたりイギリスの総選挙を視察してきた山口氏とともに考えた。
 
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