| マル激トーク・オン・ディマンド(第261回) |
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収録日 2006年3月31日(PART1:1時間48分 PART2:42分)
マル激『5金』スペシャル 映画特集
今春話題の映画「ブロークバック・マウンテン」「クラッシュ」「グッドナイト&グッドラック」「ミュンヘン」などを宮台真司・神保哲生が超辛口論評。また、収録直前に飛び込んできた民主党執行部総退陣のニュースも取り上げた。
後半では、読者からのメールに一斉回答。 |
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| マル激トーク・オン・ディマンド(第262回) |
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収録日 2006年4月7日(PART1:60分 PART2:44分)
それでもあなたは食べますか
ゲスト 安部司氏(添加物アドバイザー・『食品の裏側』著者)
かつて食品添加物を専門に扱う商社のトップ営業マンだった安部氏は、自分が売っている添加物に誇りを持っていた。添加物のおかげで大勢の人が手軽に様々な種類の食品にありつくことができていたと考えていたからだ。添加物は多くの人に本来は高価な食品を安価で届けることを可能にし、同時に消費者のコンビニエンスと企業の利益にも貢献できているとの自負が、安部氏にはあった。
しかし、ある日自宅の食卓で自らが開発した100円ミートボールを自分の子供たちが美味しそうに頬張る姿を見た時、安部氏の考えは根底から変わった。それはとてもミートボールとは呼べない「添加物の塊」でしかないことを、開発者の安部氏が誰よりも知っていたからだった。
その後安部氏は添加物商社を辞め、添加物の知識を活かした「添加物アドバイザー」に転じた。食品に本当は何が入っているかをより多くの人に知ってもらうためだ。安部氏にとっては添加物を売り続けた半生への悔い改めの意味もあった。
論より証拠。安部氏は「白い粉」だけを使って作った豚骨スープや、水とサラダ油だけで作ったコーヒーフレッシュなどを実際にスタジオで作って見せてくれた。しかも、それは味も見てくれも「実物」とほとんど区別がつかないほど精巧なものだった。
恐るべし添加物の魔術。
しかし安部氏は、添加物を全面的に否定する立場は取らない。添加物にも一定のメリットはある。そもそも添加物なしでもはややっていけないと言っていいほど、既に私たちの食卓は添加物漬けになっている。
むしろ問題は、食品表示もろくに見ずに添加物を平気で子供に食べさせている親たちの意識の方だと安部氏は言う。現行の食品表示法制には弱点はあるものの、添加物がどの程度使われているかは、食品表示を見ればある程度わかるようにはなっている。それをろくにみもせずに、安直に添加物漬け生活を送る人が多すぎると言うのだ。
食品の裏側を知り尽くした安部氏とともに、食品添加物の実情と問題点を考えた。 |
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| マル激トーク・オン・ディマンド(第263回) |
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収録日 2006年4月14日(PART1:47分 PART2:36分)
小泉×小沢で日本の政治はどう変わるのか
ゲスト 山口二郎氏(北海道大学教授)
かつて自民党の権力中枢にあった小沢一郎氏が、ついに野党民主党の代表となった。剛腕政治家の呼び名が高い小沢氏のリーダーシップに期待する声がある一方で、日本の政治から野党が消滅したかのような印象を受けている人も少なくないはずだ。なぜならば、小沢氏は自著『日本改造計画』の中で、現在の小泉構造改革路線に極めて近い新自由主義を明確に標榜してきた過去があるからだ。
しかし、かつて小沢氏の強権的な手法を厳しく批判してきた山口二郎氏は、小沢氏の民主党代表就任を諸手を挙げて歓迎する。小沢氏のマキャベリスティックとも言える政治哲学は、個々の政策に対するこだわりよりも、権力を得ることを何よりも最優先するはずだと山口氏は考える。そして、そのためには民主党の政策は小泉路線との差別化を図るためにも「イギリスブレア政権の第三の道に極めて近いものにならざるを得ない」と山口氏は見るからだ。
確かに、メディアインタビューなどを見る限り、小沢氏はここにきて過去の政策スタンスを微妙に修正しているかに見える。また、代表代行就任以来民主党の表の顔として露出機会が増えている菅直人氏も、小沢氏との政策的合意はできていると説明している。どうやら政策的には小沢氏は過去と決別したかのように見える。
山口氏は自民党が構造改革路線を踏襲する安部氏を小泉後継に据えれば、民主党との差別化が明確になり、有権者にとっては分かりやすい選択肢が提示されることになるだろうと、今後の展開に期待する。しかし、自民党もそうした状況を先回りして、あえて福田康夫氏や谷垣禎一財務相など小泉路線とは一線を画する候補者を立ててくる可能性も否定できないため、状況は予断を許さない。
山口氏とともに、小沢民主党誕生の意味を考えてみた。 |
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| マル激トーク・オン・ディマンド(第264回) |
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収録日 2006年4月21日(PART1:1時間9分 PART2:37分)
これでいいのか、 個人情報保護法の現状
ゲスト 村千鶴子氏(弁護士)
個人情報保護法をめぐる問題が噴出している。
まず、法律とは関係の無いところで、明らかな過剰反応が広がっている。個人情報保護を理由に子供の学校の連絡網が作れないなどの極端な事例も多発しているという。
しかし、その一方で、本来法案が意図していると思われていた無駄なダイレクトメールや架空請求などは、一向に減っていない。
これで個人情報保護法は機能していると言えるのか。
個人情報保護法は消費者保護には殆ど効力を発揮していないと言い切る弁護士の村千鶴子氏は、「そもそもこの法律は消費者を守るための法律でもなければ、プライバシーを保護することを意図した法律でもない」と切り捨てる。
村氏によると、個人情報保護法は事業者が個人情報を使ったビジネスを展開し易くするために、やっていいこととやってはいけないことの境界線を明示したに過ぎない。盗んだり不正に取得した個人情報を商業利用しない限り、基本的にはこの法律には抵触しないし、万が一違反が発覚しても、懲罰は最高でも罰金30万と非常に軽い。
このように個人情報保護法の効力が疑問視される一方で、警察や行政機関が個人情報保護を理由に不正を働いた公務員の氏名の公表を拒否するなど、この法律を隠れ蓑にした情報公開の後退も顕著になってきている。
個人情報保護法はこのままでいいのか。この法律で誰が得をし、誰が損をしているのか。法案施行1年を迎えた個人情報保護法の功罪を考えた。 |
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| マル激トーク・オン・ディマンド(第265回) |
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収録日 2006年4月28日 (PART1:48分 PART2:41分)
竹中式改革に異議あり
ゲスト 三澤千代治氏 (ミサワホーム創業者)
1967年にミサワホームを興し、一代で業界第3位の住宅メーカーに育て上げた三澤千代治氏が、ミサワホームを追われて1年が過ぎた。
メディア報道では、三澤氏はバブル期のリゾート開発などの失敗で抱えた数千億円にのぼる債務の責任を取って退任し、会社は再生機構で債務を処理した上で、UFJ銀行(現三菱東京UFJ銀行)の仲介でトヨタが引き受け、トヨタ傘下で新たなスタートを切ったとされている。一見、小泉−竹中路線で突っ走ってきた不良債権処理スキームに基づく、企業再生のサクセスストーリーだ。
しかし、ミサワの場合他と違うことが一つあった。それは、創業者三澤千代治氏のただならぬミサワへの愛着だった。
自動車メーカーに人の住む家は作れないと確信する三澤氏は、三澤氏は、ミサワの再生機構入りからトヨタに引き継がれるまでの一連の過程の中で、数々の不正や問題があったことを告発。特にその過程で竹中平蔵財政金融担当大臣(当時)の不当な介入があったことは、大臣の職権濫用につながるとして、竹中大臣を刑事告訴に踏み切っている。
ミサワホームを再生機構経由でトヨタ傘下に入れる処理方法が、当時の経済状況の中で正しかったかどうかについては、三澤氏側と債権者でもある取引銀行側の主張に大きな開きがあり、果たしてどちらが本当に正しかったのかはわからない。しかし、その過程で三澤氏が指摘するような数々デューデリジェンス上の問題があった可能性は大きい。
また、確かに再建を担う経営者にとって三澤氏はうるさい存在なのかもしれないが、三澤氏が創業者としてミサワホームの理念や哲学の体現者であることも疑いのな事実である。その三澤氏を強引に排除して、住宅メーカーを欲していたトヨタに「不当に安い値段で」(三澤氏)譲渡する方法が、果たして企業再生のあり方として適切だったのかどうかも問われる。
そこで今回は三澤千代治氏をゲストに招き、三澤氏とミサワホームに何が起きたのかを三澤氏の視点から再検証しながら、「不良債権処理」の国家的大義名分の元で竹中平蔵氏が主導してきた企業再生のあり方と、苦境に陥った企業の強引な破綻処理や再生処理を通じて、日本が失ったかもしれないものが何なのかを考えてみた。 |
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| マル激トーク・オン・ディマンド(第266回) |
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収録日 2006年5月5日 (PART1:1時間4分 PART2:58分)
入国管理法改正案の中身を知っていますか
ゲスト 保坂展人氏 (社民党衆院議員)
世の中はまだホリデイ気分が抜けきれないが、どうやら政治状況はそんな暢気なことを言っている場合ではなくなっているようだ。ゴールデンウィーク明けに終盤戦の山場を迎える国会で、我々の多くが気づかない間にとても重大な法案が与党の賛成多数で次々に可決されようとしている。
中でも深刻なのが、入国管理法の改正案だ。これは日本を訪れる750万人の外国人に対して、入国審査時に指紋による認証を義務付ける新しいコンピューターシステムの導入をうたったもので、法案は既に衆議院を通過し、ゴールデンウィーク明けから参議院での審議が始まる。共謀罪や教育基本法の改正とは異なりメディアもほとんど問題として取り上げていないため、これは既に成立を前提とした審議が行われているという点でも、より注意が必要だ。
この法案については、そもそも外国人に洩れなく指紋認証を要求することの是非についても、考えなければならない点は多い。犯罪者でもないただの旅行者にまで例外なく指紋を登録させることの人権上の問題ももちろんある。しかも、数年前にアメリカが同様のシステムを導入した際に、ブラジルがアメリカ人のみに対して入国時に指紋押捺を求める報復的な措置を取ったことからもわかるように、日本が外国人に対してこれを行えば、外国で日本人(とアメリカ人)のみが、同様に指紋押捺を求められるようになる可能性もある。そのような可能性まで考慮に入れた上で、この法案は審議されているのだろうか。
更にこの法案が注意を要すると思われる点は、外国人同様日本人も希望すれば指紋を登録することができるとしている点だ。指紋を登録することで、高速道路のETCのように、入国審査を自動化することができるという。入国審査場で並ばずに済むという理由で、自ら進んで指紋を登録する人も少なくないだろうが、問題はそこで登録された指紋情報が、どのように管理されるかが法案では明記されていないのだ。
もともとこのシステムは外国人のテロリストや犯罪者の入国を水際で防ぐことを目的としている。そのため、登録された情報は法務省、警察、財務省(税関を管轄する官庁として)のデータベースと広く共有されることが、このシステムのウリにもなっている。つまり、日本人でも指紋と個人情報を登録すれば、その情報はデータベース化され広く共有されることになるはずだが、その歯止め策については、もともと日本人の登録を前提としていないため、何も明記されていないのが実情なのだ。
しかも、更に気になることがある。このシステム全てを請け負っているのが、アクセンチュアというバミューダに本社を置く米国系のコンサルティング会社という点だ。アメリカは同時テロを受けて2004年から1兆円をかけて新たにUS−VISITという入国時の指紋認証システムを導入しているが、それを1兆円で請け負ったのがこのアクセンチュアだった。対米追従が指摘されて久しいが、日本はどうやら入国管理システムまでアメリカのシステムの一部になろうとしているかにも見える。
今週のマル激では、衆院の法務委員会で法案の問題点を積極的に追求している社民党の保坂議員とともに、入国管理法改正案や共謀罪の問題点と、それが報道されないまま通過していく異常事態などについて考えた。 |
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| マル激トーク・オン・ディマンド(第267回) |
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収録日 2006年5月13日 (PART1:1時間19分 PART2:1時間18分)
Googleの何がそんなにすごくて何が危ないのか
ゲスト 森健氏 (ジャーナリスト)
巷ではグーグル本が売れている。その大半が、グーグルのすごさやグーグルの便利さを紹介する礼賛本だ。日本ではまだその力が十分に認識されていないかもしれないが、確かに世界市場に目をやると、グーグルの一人勝ちになっている。欧米市場では、かつて検索サイトの代名詞にもなっていたヤフーをとうに抜き去り、グーグルのシェアはユーザー数は5倍以上にのぼるところも珍しくない。(ただし、日本市場は世界の中でも例外で、ヤフー6に対してグーグルユーザーはまだ4程度)。どうやら以前マル激に登場した際に東大の西垣通教授が予告した「自由競争は最後には一人の勝者に収斂する」事態が、世界規模で確実に起こりつつあるかのようにも見える。
確かにグーグルの検索エンジンの性能、そしてそれを支える技術と膨大な数のサーバーは、他の検索エンジンを圧倒するだけのものがあると専門家は口を揃えて賞賛する。また、単なる検索サイトから、広告、ニュース検索など多様なサービスへと移行していくスピードも、類を見ない。グーグルのビジネスとしての優位性には疑いの余地は無いようだ。
ユーザー数の拡大にともない、グーグルの影響力も急激に高まっている。今やグーグルで上位表示されるかどうかがネットビジネスの成否を決すると言っても決して過言ではないほど、グーグルはネット界の覇者としての地位を確保しつつある。
しかしその一方で、グーグル自身はその影響力や、影響力に伴う社会的責任を必ずしも認識できていないとの指摘もある。不明瞭な基準による安易な削除要請への対応などはその最たるものだろう。グーグルに不適切の烙印を押され、検索サイトから削除されることは、ネット上から抹殺されることを意味する。いまやグーグルの判断が、実社会における裁判所のそれを上回りかねない事態も起きている。また、グーグルの恐らく無自覚な行動によって、本来より多くの人に市場参入の機会を与えてくれるはずだったインターネットが、SEO(検索エンジン最適化)や検索サイトのチェックの人員を投入することができる大企業や金持ち企業によって席巻される傾向もより顕著になってきている。よくも悪くもグーグルがインターネットの性格を変えようとしていることだけは間違いない。
そこで今日は長くグーグルを取材してきたジャーナリストの森健氏とともに、グーグルの何がそんなにすごいのか、グーグルは私たちとインターネットの関係どう変えようとしているのか、そこに死角や懸念材料はないのかなど、グーグルを中心とするインターネットの新しい秩序について考えた。 |
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| マル激トーク・オン・ディマンド(第268回) |
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収録日 2006年5月19日 (1時間33分)
天皇家に「もうやめた!」と言われる前に考えておくべきこと
ゲスト 板垣恭介氏 (元共同通信宮内庁担当記者)
今国会の最重要法案の一つになるとみられていた皇室典範改正は、秋篠宮妃の懐妊でしばしの小休止に入っている。しかし、40年にわたり皇室を取材し、皇室関係者とも親交の深い元共同通信の板垣氏は、皇室典範改正論争で一つ決定的に欠けていた視点があるという。それは、天皇家側が皇族を辞めたいと言い出したり、即位を辞退するシナリオがまったく想定されていない点だ。現在の憲法にも皇室典範にも、天皇制が何らかの理由で廃止されるシナリオは一切想定されていないのだ。
その矛盾を近著「明仁さん、美智子さん、皇族やめませんか」に著した板垣氏は、人権もプライバシーも認められず、一重に天皇家の自己犠牲の上に成り立っている現在の天皇制を問題視する。確かに、天皇家に嫁いだ女性が、あたかもお世継ぎを産むことを課せられた母胎装置であるかような扱いを受ける昨今の有様は、人権上もあまりに問題がある。
しかも、現在の制度のもとでは、天皇家自身に即位を辞退したり、公務の執行を拒絶する選択肢は与えられていない。本人が望む望まぬにかかわらず、憲法によって世襲を義務づけられている以上、それを考えなければならないのは、主権者としての日本人の責務のはずだと、板垣氏は主張する。そして、皇室典範改正はその問題を考える絶好の機会だったにもかかわらず、政治もメディアも、そしてわれわれ日本人全員がその議論を避けていると批判する。
ジャーナリストとして長年にわたり天皇家を間近から見てきた板垣氏とともに、人権問題としての天皇制と、天皇を政治利用しようとすると勢力の存在、そして仮に天皇制が廃止されると日本にどのような影響が出るのか等を考えた。 |
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| マル激トーク・オン・ディマンド(第269回) |
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収録日 2006年5月24日 (PART1:1時間3分 PART2:59分)
私が重大犯罪の被告を弁護しなければならない理由
ゲスト 安田好弘氏(弁護士)
今週のマル激ではここ近年視聴者からのリクエストが最も多かった安田好弘弁護士をゲストに迎えた。
今更言を待たないが、安田氏は山口県光市の母子殺害事件の被告や、和歌山カレー事件の林真須美被告、ヒューザーの小嶋進社長など、世間を騒がせた重大事件の被告人の弁護に当たる。世間を騒がせたと言うよりも、マスコミによる激しいバッシングを受けたと言った方がより正確かもしれない。
また、かつてはオウム真理教の麻原彰晃の主任弁護人を引き受けるも、オウム真理教がサリンを製造していることを知りながら地下鉄サリン事件を防げなかった警察の責任を追及する姿勢を見せると、ほどなく強制執行妨害なる容疑で逮捕(その後一審無罪も、検察が控訴し現在も係争中)されるなどの曰く付きの経歴の持ち主でもある。また、自身は死刑廃止運動の中心的な役割も演じる。
その安田氏は、世間から凶悪犯扱いされる被告の弁護を引き受ける理由として、「マスコミバッシングによって正当な裁判を受ける機会を与えられていない」ことを理由にあげる。安田氏の厳しい追及によって、新宿西口バス放火事件など、過去に下級審の判決の軽減に成功したケースも多い。
安田氏はまた、マスコミから極悪人のレッテルを貼られた人間を、正当な裁判もないまま葬ってしまおうとする昨今の風潮を民主主義の危機として、強く危惧する。また、そうした風潮が、近代法の前提たる推定無罪原則からの司法の逸脱を許しているとして、世論に迎合する司法の堕落ぶりも批判する。
しかし、自分自身が権力からつけ狙われ、また金銭的な報酬も期待できない被告の弁護をなぜ安田氏は引き受け続けるのか。そのエネルギーの源泉はどこにあるのか。安田氏はなぜ死刑制度に強く反対するのか。このように困難で重要な役割を、たった一人の弁護士に背負わせているという事実が、日本の市民社会の何を反映しているのか。安田氏とともに、考えた。 |
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| マル激トーク・オン・ディマンド(第270回) |
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収録日 2006年5月31日(PART1:42分 PART2:47分)
他の総裁候補では自民党はダメになる
ゲスト 河野太郎氏 (衆議院議員)
本番組にも何度か登場している自民党の河野太郎氏が、自民党の総裁選に出馬を表明した。一般的には「政治家としての将来への布石」くらいにしか思われていないようで、メディアもほとんどまともに取り合っていないようだが、どうしてどうして、本人は年金の抜本改革を前面に押し出して、本気で勝つつもりでいるという。「自分以外の総裁では自民党はダメになる」とまで公言して憚らない。
実際、年金問題が自民党総裁選の争点にならないことの方がおかしい。年金は既に待ったなしの状態にあり、このままでは国民年金も厚生年金も破綻は目に見えている。見せかけの徴収率をあげるために各地の社会保険庁が不正を働いていたことが問題になっているが、もはや年金は国民の信用を根本から失っているのだ。これは日本という国の社会保障制度の根幹が揺らいでいるということだ。
その年金の抜本改革を43歳の河野氏が打ち出したことの意味は大きい。なぜならば、43歳近辺が、年金の矛盾が集中する年齢となるからだ。現在44歳の人が普通に年金を支払い平均寿命まで生きた場合、その人が受け取る年金の総額が初めて実際の支払額を下回るとされている。つまり、年金問題は明らかに世代間の利害が衝突する問題なのだ。
他にも財政問題や環境問題などで世代間の利害が衝突する。将来の健全な財政や環境を守るために、今痛みを伴う政策を実施することを、例えば50歳より上の世代が率先して受け入れる可能性は低い。その世代はその世代で、これまで十分に社会に貢献してきたのだから、自分たちはその恩恵に浴する一定の権利があるはずだと考えるからだ。
河野氏は基礎年金の完全消費税化と、厚生年金の積み立て方式化を提唱する。そうすることで、現在の未納問題も少子高齢化による負担増の問題も一挙に解決できるという。無論そのためには一定の財政措置が必要になる上、最低でも8%程度までの消費税率の引き上げが避けられないことになる。賛否両論を呼ぶことになるだろう。しかし、河野氏が提唱する処方箋以外に、年金問題を根本から解決する手段が無いことも事実なのだ。
しかし、年長の政治家たちが積極的に語りたがらない年金問題の本質を、43歳の河野氏が真正面から自民党総裁選の争点にぶつけてきたことの意味は大きい。メディアがどこまでこれをまともに扱うかにもよるが、これを機に年金問題がこの国が現在抱える最大の問題の一つであることも徐々に再認識されてくるだろう。
河野氏に、年金問題の他、河野政権における内政、外交政策などの展望を聞いた。 |
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