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マル激トーク・オン・ディマンド 第29巻(第291〜300回収録)詳細
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収録日 2001年10月20日(PART1:1時間32分 PART2:1時間4分)
日本核武装論を嗤う
ゲスト 吉田康彦氏(元IAEA広報部長)

 北朝鮮の核実験を受けて、日本の核武装の是非が盛んに取り沙汰されている。
 しかしそうした一連の議論は技術的に日本が核を保有する能力を持っているか否かや、核武装が憲法上認められるか否かといった観念論の域を出ていないかに見える。
 その一方で、日本では殆ど報道されないが、日本はIAEA査察官が8人も常駐するれっきとした核査察対象国だ。北朝鮮の核実験直後の米国主要各紙の報道にも見られるように、世界の目は日本の核武装の可能性について、日本人の想像を遙かに超えるほど敏感になっている。
 核拡散を防ぐための査察を行う国連機関IAEA(国際原子力機関)で日本支部の広報部長を務めた経験を持つ吉田氏は、そもそもIAEAという組織が、戦後日本とドイツの核武装を防ぐことを最大の目的に結成された組織であることを、日本人の多くが正確に認識できていないのではないかとの疑問を呈する。
 吉田氏は、日本の核保有が技術的には可能だとしても、万が一日本がそのような方向に一歩でも踏み出せば、国際政治上大変な代償を伴うと言う。日本が核兵器を保有するためにはNPT(核拡散防止条約)を脱退する必要があるが、その際に起きるだろう国連安保理による制裁や各国からのエネルギー供給の停止に、資源の無い日本が耐えられるはずがないというのだ。
 果たして核武装論者はこうしたリスクを理解した上で核保有を主張しているのか、と吉田氏は訝る。
 また、吉田氏は、北朝鮮の関心は「一にも二にもアメリカ」であり、今回の核実験は米朝二国間協議を実現させ、将来的にはアメリカとの国交正常化をするための手段に過ぎないとの見方を示したうえで、視聴率目的で情緒的な北朝鮮脅威論を煽るメディア報道に苦言を呈する。
 そもそも核兵器とは何なのか。日本の核武装は国際的にはどのような意味を持つのか。日本は今後北の核の脅威にどう対応していくべきなのか。吉田氏と共に考えた。
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収録日 2006年10月29日(PART1:1時間37分 PART2:1時間40分)
「ちょっとみんな元気ないんじゃない」


 北大、中央大に続いて3回目となる大学での公開収録の舞台は、神保氏が教授を務める京都の立命館大学。
 大学生との対話方式を公言するライブトークでは、開口一番神保氏から、「とにかく今の学生は元気がない。やれと言われればやるが、言わないとなかなかやろうとしない。インターネットの普及で指先でキーを叩くだけで簡単に情報を手に入れられるようになってしまったために、自分で動いてモノを調べようとしない。怒られても食い下がってこない。要はみんな頭でっかちだ」との挑発で始まった。果たして学生対宮台・神保両氏の熾烈なバトルに発展するのか。それとも、宮台・神保両氏の暴走で終わるのか。はたまた、京都で小学校時代を過ごした宮台氏の愛郷主義が炸裂するのか。
 立命館を中心とする京都周辺の学生たちとの対話から、当世の学生たちの関心事や悩み、不安をマル激が斬る。
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収録日 2006年11月10日(PART1:1時間9分 PART2:55分)
いじめを無くすためにまず私たちがすべきこと
ゲスト 内藤朝雄氏(社会学者・明治大学助教授)

 再びいじめが社会問題としてクローズアップされている。前回と同様、今回も小・中学生のいじめ自殺がきっかけだった。今回は大臣宛に自殺予告の手紙が届くなど、いじめ問題が実はほとんど改善されていない実態を露呈している。
 「いじめの社会理論」の著者で、学校におけるいじめ問題に詳しい社会学者の内藤氏は、学校が「聖域」として扱われ、一般の市民社会から隔絶されてきたことが、日本でいじめが無くならない最大の要因だという。
 社会から切り離された空間のなかでは、一般社会では認められない暴力や人格を傷つける行為が行われても、隠蔽や感情論に基づく対応がまかり通ってしまうからだ。
 内藤氏はまた、日本では学校が単に勉強を教える場としての役割だけではなく、情操教育まで担うことを期待されてしているため、授業の他、スポーツや課外活動までが、全て学校という場で行われる点がいじめ発生のメカニズムに寄与していると指摘する。子供にしてみれば、朝から晩までを過ごす学校に全人格を握られる形となっているため、不快に感じる相手を排除したり傷つける行動も招きやすくなるし、いじめられる側も、他に逃げ場が無くなる。
 海外でも、学校に共同体全体主義的な役割を担わせている米、英、スウェーデンなどではいじめが多く、勉強に特化した予備校型のドイツやフランスではいじめが明らかに少ないというデータもある。内藤氏は現在の日本の教育制度を、米英型の中でも「突出した共同体全体主義型」と位置づける。
 こうした現状をふまえて内藤氏は、いじめを無くすためには、第二性徴後自立の道を歩もうとする子供を、むしろ押さえつけようとしている現在の学校の制度、とりわけ中学校の制度を、より選択と自己責任に基づく制度にあらためていく必要があると主張する。
 また、現在のいじめ問題がより緊急の課題となっているとの立場から、短期的には、暴力的ないじめに対しては警察や裁判所の介入によっていかなる理由があろうとも暴力は許されないという市民社会では当たり前の基準を学校でも徹底すること、40人ほどの他人を無理矢理同じ部屋に閉じこめて1日中一緒に過ごさせる現在の学級制度を廃止し、クラスメート以外にも「タコ足配線的」(1本の足が取れても他にたくさんの足がある=一部のクラスメートから無視されたりのけ者にされても、他にいくらでも友達が作れる状態)に色々なタイプの人とつきあえるような柔軟な制度に変えることが必要と主張する。
 なぜ人はいじめるのか。なぜいじめは起きるのか。いじめ発生のメカニズムを解くことで、いじめを無くすために短期的、長期的に何をすべきかを内藤氏とともに考えた。
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収録日 2006年11月17日(PART1:1時間19分 PART2:1時間20分)
私が9・11の真相を疑う理由
ゲスト ベンジャミン・フルフォード氏(ジャーナリスト)

 イラク情勢が泥沼化し米中間選挙で野党民主党が12年ぶりに上下両院を制する中、アメリカがイラクに介入するきっかけとなった9・11同時多発テロをめぐる動きが騒がしくなっている。アメリカでは9・11の真相を問う映画が相次いで公開され、科学者やジャーナリストによる究明委員会が立ち上がるなど、今や「9.11陰謀説」が、単なるトンデモ話として切って捨てることのできないような広がりを見せている。
 1年にわたる取材の結果を「暴かれた9.11疑惑の真相」で著した、元「フォーブス」誌アジア・太平洋支局長でジャーナリストのベンジャミン・フルフォード氏は、イスラム原理主義者のテロリストたちが民間旅客機を乗っ取って9・11を実行したとする説には、あまりにも多くの疑問点や矛盾点があり、米政府はその疑問にほとんどまったくと言っていいほど答えていないと主張する。
 フルフォード氏の主張はこうだ。
 例えば、突っ込んだ飛行機の火災によって鉄骨が溶解し倒壊したとされているワールド・トレード・センター(WTC)については、ジェット燃料の炎では鉄の融点まで温度は上がらないという。ネジが溶解してフロアーのみが落下していくパンケーキ現象だったのであれば、鉄骨だけは残っていなければおかしい。しかし、WTCの後には粉々になった瓦礫しか残っていなかった。
 フルフォード氏は倒壊の映像を見ながら他にも不自然な部分を指摘し、これは爆発など何か別の力が加わって崩壊させられたとしか説明がつかないと主張する。
 また、WTCの瓦礫の中からは、突っ込んだとされるアメリカン航空11便のパーツもユナイテッド航空175便のパーツも何一つ発見されていない。にもかかわらず、米政府はその瓦礫を早晩廃棄処分にしてしまっている。しかも、飛行機の部品は全て火災で溶解したが、実行犯特定の決め手となったテロリストたちのパスポートだけは、瓦礫の中から判別可能な形で発見されているのだ。
 ペンタゴンに突っ込んだとされるアメリカン航空77便については、大型のボーイング757が突っ込んだにしては明らかに建物の損傷が小さ過ぎる上、実際にボーイング757が突っ込んだ瞬間を捉えた映像や写真が一つも公開されていない。ペンタゴン周辺には多数の防犯カメラがあり、当然そのカメラには飛行機突入の瞬間が写っていると思われるが、その映像は全て米政府が応酬したまま公開していないため、ボーイング機が突っ込んだことを裏付ける証拠が何一つ無い状態が続いているというのだ。
 しかも、ペンタゴンに突っ込んだアメリカン航空のパイロットは、実は前年まで米空軍のパイロットを務めていて、国防総省がテロの前年に航空機がペンタゴンに突っ込むテロのシミレーションを行ったときのパイロット役を務めていた人物であることを、フルフォード氏は明らかにする。
 他にも疑問点をあげれば枚挙に暇がない。
 とは言え、事が事だけに、果たしてこうした疑問がどの程度的を射たもなのかはわからない。しかし明らかに不自然なことがある。こうした疑問点に対して、米政府は監視カメラの映像を公開したり、瓦礫の中から見つかった証拠を提示するなどして、いくらでも反論する手段があるにもかかわらず、今のところ一切反論は行っていないということだ。
 今週の丸激は前半で、この問題を取材してきたフルフォード氏に、氏の考える9・11にまつわる疑問点や矛盾点を聞いた。
 また、後半は、共同通信の特別編集委員の春名幹男氏と、双日総合研究所副所長の吉崎達彦氏の2人のアメリカ・ウオッチャーのインタビューをもとに、先週行われた米中間選挙の総括と今後の日米関係への影響を考えた。
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収録日 2006年11月24日 (PART1:1時間37分 PART2:47分)
京都議定書はなぜ動かないのか
ゲスト 山岸尚之氏(WWFジャパン気候変動担当オフィサー)

 1997年12月の京都で、人類史上初の地球温暖化を防ぐための新たな国際条約が締結され、21世紀の人類最大の課題とも言われる地球温暖化は解決の方向に向かい始めた。少なくともその時はそのように見えた。しかしその後京都議定書は思いのほか困難な道のりを歩むことになる。
 2001年、アメリカでブッシュ政権が発足し、全世界の4分の1の温室効果ガスを排出するアメリカが、京都議定書から離脱してしまう。議定書が発展途上国に温室効果ガス削減を要求していないことと、議定書の内容がアメリカの国益に反しているというのがその主たる理由だった。
 昨年2月、アメリカやオーストラリアが離脱したまま京都議定書が発効した。しかし、京都会議から9年たった今も、地球温暖化を防止するための国際的な努力は、その枠組みを作ることさえできていない。
 先週ケニアのナイロビで、第二回京都議定書締約国会議(COP/MOP2)が開催された。議定書発効から2回目の会議となる。しかし、この会議でも今後の話し合いの日程を決めるのが精一杯という有様で、これといった成果のないままに終わってしまった。
 しかし、その一方で、地球温暖化の影響が、より顕著に表れてきている。また、科学の進歩により、地球温暖化が人類にとっていかに深刻な脅威であることかが、日に日に明らかになっている。それがわかっていて、なぜ京都議定書は動かないのか。
 環境NGOのWWF(世界自然保護基金)で地球温暖化問題を担当する山岸氏は、その理由として地球温暖化が地球規模の問題であるがゆえに、先進国と途上国の利害が衝突してしまっていることをあげる。1997年当時と比べて中国やインドなどの新興国はめざましい経済発展をとげ、今や先進国の経済的な脅威となりつある。しかし、そのインドも中国も、京都議定書では一切経済活動に制限を受けることはない。京都議定書があくまで先進国を対象とした条約となっているためだ。
 しかし、そもそも京都議定書というものは、「共通だが差異ある責任」という言葉で、まずこれまで温室効果ガスの原因を作ってきた先進国が率先して対策を取り模範を示すことをうたっていたものだったはずだ。
 人類は地球温暖化を解決する術を失ってしまったのか。民主的なプロセスでは100年先の地球を念頭に置いた施策をとることはできないのか。このまま進んだ場合のどのようなシナリオが人類を待ち受けているのか。ナイロビ会議から帰国したばかりの山岸氏とともに考えた。
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収録日 2006年12月01日 (PART1:56分 PART2:1時間26分)
「服役囚の4分の1が知的障害者」が意味するもの
ゲスト 山本譲司氏(福祉活動家・元衆議院議員)

 秘書給与の詐取で実刑判決を受けた元衆議院議員の山本譲司氏は、知的障害を持つ服役囚の介護が服役中の仕事だった。国会議員から一気に受刑者へと転落した時点で、ある程度の覚悟はできていたとは言え、そこには「服役囚の4人に1人が知的障害者」という驚くべき現実が山本氏を待っていた。
 約1年半の刑期を終え出所してきた山本氏は、福祉の仕事に携わりながら、知的障害者の犯罪の実態を調べ始めた。そしてそれを一冊の本にまとめたものが、近著「累犯障害者」だった。その中で山本氏は、実社会では生きるすべを持たない知的障害者たちが、繰り返し犯罪を犯しては刑務所に戻ってくる様を克明に描いている。犯罪といってもほとんどが「しょんべん刑」と呼ばれる万引き、無銭飲食、自転車の盗難などだ。そしてそうした犯罪を犯して繰り返し刑務所に戻ってくる障害者たちの多くが、刑務所を事実上「終の棲家」としてしまっているのが実態だという。
 おおよそどこの国にも人口の2〜3%程度は知的障害者が存在するとされる。日本の場合その数は300万人程度と推察されるが、その中で障害者に認定された際に渡される療育手帳を取得し公的福祉サービスを受けている人の数は46万人に過ぎない。残る障害者の多くが、福祉の網から漏れたまま、刑務所と社会の間を行き来する生活を送っているということになる。
 現実的には、知的障害者の多くにとって公的福祉サービスは存在しないに等しいという。厚生養護施設は3ヶ月程度しか障害者を受け入れてくれない。身寄りのない障害者は3ヶ月後には道に放り出される。そして、その多くが、ホームレスのような生活をする中で「しょんべん」犯罪を犯し服役してくる。その後は、同じことの繰り返しとなる。
 特に近年の高齢化によって、身寄りの無い障害者の数が増えていることも、この問題を更に深刻化させている。  山本氏はこうした問題の背後には福祉と法務行政の両方の問題があると指摘する。現在の日本では、一見健常者と見分けがつかない知的障害者に対する福祉が明らかに不十分であると同時に、知的障害者が犯罪を犯すと、自らを弁護する能力を持たないため、警察や検察に言われるがままに供述調書に署名するケースがほとんどだという。結果的に他愛も無い小さな犯罪でも立件され、刑務所送りになる。そして、それが累犯の温床となる。そんな悪循環だ。
 しかし、それにしても本来福祉が担うべき知的障害者の保護を、法務行政が、しかも刑務所という場で担っていて本当によいのだろうか。そもそも、知的障害者が刑務所に入る以外に生きるすべがないような社会が正しい社会と言えるのだろうか。このような障害者が生き難い社会というのは、実は健常者も生き難い社会ということなのではないのか。
 出所以来福祉活動に奔走している山本氏とともに、「服役囚の4分の1が知的障害者」が意味するものを考えた。
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収録日 2006年12月08日 (PART1:1時間36分 PART2:1時間48分)
教育基本法と愛国心のふぞろいな関係
ゲスト 鈴木寛氏(参議院議員):鈴木邦男氏(一水会顧問)

 愛国心論争に続き、いじめ、未履修、タウンミーティングのやらせ問題などで大揺れに揺れた臨時国会で、教育基本法改正案が早ければ来週中にも可決、成立する。
 今回の改正案をめぐる論争では、やたら愛国心問題がメディアに大きく取り上げられているが、民主党の教育基本問題調査会事務局長を務める鈴木寛氏は、愛国心問題は実は「おとり」である可能性が高いとして、警戒を呼びかける。
 現在日本の教育制度の最大の問題は、教育の責任の所在が明確になっていないことだと鈴木寛氏は指摘する。表面的には地方に権限が委譲されているような形になっていても、実際には人事権などを通じて文科省が、教育の細部にまで実質支配を続けており、自治体やローカルコミュニティが自分たちの判断に基づいて独自の教育を実践することができなくなっている。しかし、霞ヶ関の文科省に全国津々浦々の学校が抱える多種多様な問題へのきめ細かな対応などできるはずがない。また、自治体にとっては、責任は負わされるが権限は無いという現状のもとで、責任ある教育行政など期待するすべもない。
 「文科省は権限を失いたくないために、このタイミングで未履修問題を出してきて、『だから文科省の権限を強めて文科省がしっかりコントロールしなければダメだ』などと主張している」と鈴木寛氏は憤る。
 メディアが愛国心問題や未履修問題に気を取られている間に、教育の地方分権という最も重要な問題に一切触れていない法案が今まさに通ろうとしているというのが、鈴木寛氏の見立てだ。
 しかし、同時に鈴木寛氏は、この議論が左右の路線問題にすり替えられることを警戒しながらも、愛国心問題も実は重大な政治的意味を持っていることを認める。それは小泉政権以降、自民党の中枢では、次の時代の自民党を支える支持層として、「ゴーマニズム宣言」世代をターゲットとしていることが明白になっているからだ。
 今週の前半は、参議院で与野党対決の最前線にいる鈴木寛氏とともに、問題の本質がすり替えられた教育基本法改正問題と愛国心条項を押し込もうとする自民党の真意、そしてなぜ本来は平和政党であるはずの公明党が愛国心法案の成立を急ぐのかなどを議論した。
 そして、後半は民族派新右翼の旗手鈴木邦男氏と、愛国心について考えた。
 もともと右翼活動家として「愛国」を声高に主張してきた鈴木邦男氏は、昨今の愛国論争を換骨奪胎と喝破する。愛国とは上から国が強制するものでもないし、自ら声高に叫ぶものでもないと、過去の自らの活動に対する反省も込めて説く。そして、愛国という言葉を嫌っていた三島由紀夫を引き合いに出しながら、自分本位の愛国には国も迷惑をしているだろうと言う。
 それでは真の愛国とは何か。鈴木邦男氏は、それは国のことを思い、それを自ら行動で示すことだという。そしてそのためには、いきなり自分と国を対等な位置に置く不遜な発想に飛躍する前に、まず自分自身が自立した考えを持てるようになった上で、自分の家族、自分のコミュニティなどを愛することが不可欠であると説く。その延長線上で国を愛することができれば、それは真の愛国になるという。
 「愛国心を声高に叫ぶ人に限って、社会や周囲から嫌われたり、家族を愛せていない人が多い」と鈴木邦男氏は言う。
 更に鈴木邦男氏は愛国と憂国の違いにも触れ、ただ愛するだけでは不十分で、悪いところがあればそれを直していこうとする憂国の姿勢が求められる。現体制を盲目的に肯定しそれを弁護しているようでは、真の愛国者にはなれないと語る。
 愛国運動40年、君が代は5000回以上歌ってきたが、それでも「強制はよくない」と主張する鈴木邦男氏と、真の愛国とは何かを考えた。
 また、編集後記では、年末の第299回、第300回記念特別企画の際の視聴者メールの募集などを告知した。
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収録日 2006年12月15日 (PART1:1時間34分 PART2:1時間24分)
日本にとってエイズはまだ対岸の火事なのか
ゲスト 山本直樹氏(国立感染症研究所エイズ研究センター長):及川健二氏(ジャーナリスト)

 最初のエイズ患者が報告されてから今年は25年目にあたる。近年、有効な治療方法がみつかり、「エイズ=死」ではなくなりつつある。しかし、エイズによる死亡者の数はすでに延べ3000万人を超え、エイズを完治できる薬もエイズを引き起こすHIVウイルスの感染を阻止する予防ワクチンも未だ開発されていない。また、現在、世界のHIV感染者とエイズ患者を合わせた数は4000万人を超え、2006年には新たに400万人以上が感染している。感染が最も深刻なのはアフリカ大陸だが、ウィルス学の専門家である山本氏は、これから「エイズはアジアの時代」になる、と予測する。
 ところが日本では、エイズに対する関心が異様なほどに低い。日本で報告されているHIV感染者とエイズ患者は合わせて約1000人と、この数字を見る限り、日本ではまだエイズはそれほど懸念を要する事態には至っていないかに見える。しかし、この数は、実際のエイズ検査の受検者が人口の0.07%に過ぎないことを前提とした数であることを忘れてはならない。実際にはその数百倍の感染者がいても不思議はないということだ。その上、日本の新規HIV感染報告件数は、01年には90年代の2倍を超え、現在も右肩上がりに増えている。
 山本氏は、当初エイズは同性愛者だけがかかる特殊な病気という誤解が広まったことで、多くの人が「自分には関係ない」と思い込んだままになっている上、潜伏期間の長いエイズはウィルスへの感染から実際の発症まで長ければ10年間もほとんど症状が出ないため、自覚のないまま感染源になっている人が少なくないと言う。近年、エイズが発症して初めて感染の事実に気がつく「突然エイズ」が、日本では中高年の男性に増えているという。
 また、性教育とエイズ予防は切り離せない関係にあると主張する山本氏は、日本における性教育に対する消極姿勢は、若年層のエイズ感染を防ぐうえでマイナスになっていると警鐘をならす。ティーンネージャーにコンドームの使用を奨励することが、セックス容認につながるとの理由から、積極的な性教育に反対する声が、むしろ社会の保守化の流れの中で強まっているという現実もある。
 四半世紀を迎えたエイズが、世界と日本で今どのような状態になり、どのような課題を抱えてるのかを、山本氏に聞いた。
 後半は、政府やNGO団体によるエイズに対する取り組みが盛んなフランスの事情に詳しい及川氏ともに、フランスのエイズ感染の現状や家族観・ライフスタイルについて議論した。
 及川氏によると徹底した個人主義社会のフランスでは、多様な生き方や性のあり方を許容する土壌があると言う。
 フランスのエイズ対策や少子化対策から日本は何を学ぶべきか、及川氏とともに考えた。
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収録日 2006年12月20日 (PART1:1時間29分 PART2:1時間47分)
今年残された課題 2006年総集編

 通常番組としては今年最後となるマル激第299回は、今年マル激に出演したゲストの中で、特に印象深かった方々との議論の模様をあらためてご紹介しながら、当時の議論を振り返る「2006年マル激総集編」。
 番組では以下の方々との議論をあらためて取り上げた。
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収録日 2006年12月22日(PART1:1時間7分 PART2:2時間28分)
マル激300回記念特別番組 2006年これだけは言わせろ!
ゲスト 下記参照

 2006年最後のマル激は、第300回放送を記念した特別番組として、過去にマル激に出演したゲストの方々を内幸町のプレスセンターの特設スタジオに招き、視聴者からの質問を生電話で受けつける特別番組を生放送した。
 教育基本法、郵政民営化からいじめ問題まで、論客たちが視聴者からの疑問に直接答えた。
  • 出演ゲスト(登場順)
    角谷浩一氏(ジャーナリスト)
    保坂展人氏(衆院議員)
    荒井広幸氏(参院議員)
    森達也氏(ドキュメンタリー作家)
    菅直人氏(衆院議員)
    平沢勝栄氏(衆院議員)
    内藤朝雄氏(社会学者)
    山崎養世氏 (シンクタンク山崎養世事務所代表)
    海渡雄一氏(弁護士)
 
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