2011年12月29日公開

原因が特定できないコメの放射性セシウム汚染問題とその影響

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ゲスト

1967年福島県生まれ。1990年千葉大学文学部行動科学科卒業。同年福島民友新聞社入社。マイアミ大学医学部移植外科、フィリピン大学哲学科などの客員研究員、国会議員公設秘書を経て、2011年よりフリー。

司会

概要

 福島県と農水省によるコメの放射性セシウムの基準値超え要因調査の中間報告が12月25日され、水田土壌のカリウム肥料が少量だったり、根の張り方が浅いことが必要条件として挙げられるものの、現段階では明確な要因は不明という結果に達したことがわかった。
 春の段階で原子力災害対策本部は、土壌からコメへの放射性セシウムの移行係数を0.1とし、土壌中のセシウム濃度が低ければ、作付を行っても差し支えないとの見解を示していた。これは、土壌の汚染濃度が5,000ベクレルを超えた際、コメに500ベクレル超の放射性セシウムが検出されるというもの(5000ベクレル×0.1=500ベクレル)。
 ところが今回の調査では、三分の一以上の地点で移行係数が0.1を超える高い値を示しており、「土壌の放射性セシウム濃度と玄米の放射性セシウム濃度との間には明確な相関関係は見られない」と、これまでの前提が崩れたことを認定した。粘土地か砂地かなどの土壌の組成や、水田用水との関係などについても、決定的要因と断言できる結論は得られなかった。
 根本的な要因が究明できなかったことで、県や国は、来年作付のコメに対する放射性セシウム汚染への明確な対策を打ち出すことができていない。また、隣り合った水田で栽培されたコメであっても、放射性セシウム濃度が高いコメと低いコメが収穫されるなど、「マイクロ・ホットスポット」などと言われる非常に狭い範囲での高濃度の汚染地点の存在も調査の中では判明しており、その対応が課題として浮き彫りになった。
 住民の不安に対応するために、自主検査を始めた二本松市の取り組みを交えながら、医療ジャーナリストの藍原寛子氏がレポートする。

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