1995年3月20日にオウム真理教の信者が通勤ラッシュの地下鉄車内で猛毒ガスのサリンを散布した地下鉄サリン事件から30年が経過する。
化学兵器を使用した無差別テロ事件で14人が死亡し、6000人以上が負傷した。被害者は後遺障害に悩み、苦しみながら暮らす30年だったが、未だに賠償金はほとんど支払われていない。
2018年にはオウム真理教の代表だった松本智津夫(麻原彰晃)元死刑囚の死刑が執行され、30年間に事件を知らない世代も増え、風化されつつあることは否定できない。しかし、世界でも類を見ない科学テロ事件であったことやオウム真理教という信仰宗教がなぜ暴走したのか、なぜわれわれはその暴走を止められなかったのかなど、事件の教訓を次の世代にも活かしていく必要があるのではないか。