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生物多様性の維持は人類存続の必須要件だ

セーブアース セーブアース (第2回)

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完全版視聴期間 あと28日5時間4分
公開日 2022年11月26日

ゲスト

国立環境研究所 生態リスク評価・対策研究室室長

1965年生まれ、富山県出身。88年京都大学農学部卒業。90年京都大学大学院農学研究科昆虫学専攻修士課程修了。博士(農学)。90年宇部興産入社。96年より国立環境研究所地域環境研究グループ主任研究員、生物多様性研究プロジェクトグループ主任研究員などを経て2016年より現職。著書に『クワガタムシが語る生物多様性』、『これからの時代を生き抜くための生物学入門』など。

司会

概要

 地球温暖化問題と並び、現在人類が直面するもっとも重大な環境問題が生物多様性の問題だ。

 生物多様性には「種の多様性」のほか「遺伝子の多様性」、「生態系の多様性」の三つの柱があるが、生物の多様性があるおかげで地球上のあらゆる場所に生命圏が確保され、もちろん人類もとりわけ脆弱な種として、その生態系に依存して生存している。

 しかし、生物多様性に対する日本人の問題意識は低く、12月にはカナダでCOP15(生物多様性条約第15回締約国会議)が開催され、新たな国際目標「ポスト2020生物多様性枠組」が採択される予定だが、先だってエジプトのシャルム・エル・シェイクで開催されていたCOP27(国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議)と比較しても、認知度は決して高いとは言えない。

 昆虫学の研究で知られる国立環境研究所の五箇公一氏は、日本における生物多様性の保全には、南西諸島など人間の関与が少なく固有の生態系が維持されてきた地域の問題と、人間と自然が共存してきた里山地域の問題の二つの次元があることを指摘した上で、野生動物が住む奥山と人間が住む人里のバッファー=緩衝地帯としての機能をはたしてきた里山を人間が破壊してきたことで、近年害獣被害が増加していることに懸念を示す。たびたび人里に出現する動物たちの姿が、人間に対して自然との関わり方を再考するよう促していると考えるべきだと五箇氏は言う。

 また日本ではマングース、ブラックバス、アメリカナマズなど外来種の問題も深刻化している。

 現在特に危険視されているのはヒアリだ。人間を襲い農地を荒らし機械を壊すヒアリは、オーストラリアや中国で莫大な被害を与えている。幸い日本では侵入初期の段階で食い止めることに成功しているが、油断はできない。また1970年代からペット用に輸入され広がったアライグマも、生態系の破壊者であると同時に狂犬病などの感染症の媒介者となり得るため、注意が必要だと五箇氏は言う。

 生態系破壊が新たな感染症の流行につながることは今回、新型コロナウイルスが証明した。自然環境に人間が侵入することによる生態系の破壊や、グローバルな移動を伴う経済は、人類を感染症に対して非常に脆弱な状態に置いている。リスク管理としても生物多様性の問題は喫緊の課題だ。

 「CO2排出量を減らす」という明確な解決策が存在する温暖化問題に比べて、地域差が大きく複雑な生物多様性の問題に対しては、環境問題をトータルに考えながら、消費やライフスタイルを再考していく必要がある。五箇氏は地産地消によって第一次産業を活性化することがはじめの一歩になると言う。

 生物多様性について五箇氏とジャーナリストの井田徹治が議論した。

ディスカッション

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