2013年3月2日
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「片山さんは犯人ではない」
遠隔操作ウィルス事件・佐藤博史弁護士に聞く

佐藤博史氏(弁護士)

 遠隔操作ウィルス事件でメディア各紙が片山祐輔容疑者の再逮捕を報じる中、片山氏の弁護人を務める佐藤博史弁護士が3月1日、ビデオニュース・ドットコムの番組に出演し、警察の捜査手法を批判するとともに、片山氏が犯人とはなり得ないと考えられる理由などについて語った。
 報道などによると警視庁は現在の勾留期限を迎える3月3日までに、片山氏がPCを遠隔操作して日航機の爆破予告メールを送ったハイジャック防止法違反などの疑いで再逮捕をする方針だという。
 しかし、足利事件で菅家利和さんの冤罪を晴らした実績を持つ佐藤氏は、警察は片山氏と遠隔操作ウィルス事件を直接結びつける確たる証拠を持っておらず、あくまで状況証拠のみで片山氏の逮捕しているとの見方を示す。また、片山氏の逮捕についても、警察は内偵中だった片山氏の存在をメディアに嗅ぎ付けられ、証拠の隠滅を恐れて証拠固めが不十分なまま逮捕に踏み切った可能性が高いのではないかと語る。
 更に佐藤氏は、片山氏は今回の事件で使われた遠隔操作ウィルス「アイシス」の使用言語であるC#(シーシャープ)を使えないことも、本人や本人の勤務先の上司の証言で確認できており、「片山氏は犯人ではあり得ない」と言い切る。
 片山氏は現在、取り調べの録音録画を要求しており、警察側がこれに応じないため2月18日以降は一切取り調べが行われていない状態だという。しかし、片山氏の勾留も20日を超え、片山氏自身も精神的に苦しい状態になってきていると佐藤氏は言う。
 愛知県豊田市の会社のPCを使用して2ちゃんねるの掲示板に『ガソリンまいて火をつける』などの書き込みをした」 として、威力業務妨害の疑いで2月10日に逮捕された片山氏は、3 月3日に勾留期限を迎えるところだった。この事件に関して警察・検察は期限までに起訴・不起訴処分を決めるか、処分保留で釈放をするかのいずれかの選択を迫られていた。仮に再逮捕となれば、裁判所が認めれば更に最長で23日間の勾留が可能になる。
 捜査の今後の見通しなどについて、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が佐藤氏に聞いた。
 その他、「日米首脳会談で確認されたのは『聖域無き関税の撤廃もあり得る』ではなかったのか」など。
(番組中、ハイジャック防止法違反は裁判員裁判になるとの発言がありましたが、佐藤氏より「ハイジャック防止法違反は裁判員裁判とはならない。訂正したい。」との申し出があり、確認したところ、ハイジャック防止法は裁判員裁判の対象とはならないことを確認しました。ここに訂正いたします。)

佐藤 博史さとう ひろし
(弁護士)
1948年島根県生まれ。71年東京大学法学部卒業。74年弁護士登録。新東京総合法律事務所代表。東京大学法科大学院教授、早稲田大学法科大学院教授などを歴任。足利事件、神奈川県警特別高等警察(特高)の拷問によるフレームアップ事件・横浜事件(第四次請求)の主任弁護人。著書に『刑事弁護の技術と倫理ー刑事弁護の心・技・体』、共著に『訊問の罠−足利事件の真実』など。
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