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2023年08月31日公開

日本の情報公開を下支えする情報公開審査会は機能しているか

ディスクロージャー ディスクロージャー (第11回)

完全版視聴について

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完全版視聴期間 2023年11月30日23時59分
(終了しました)

概要

 第11回のディスクロージャーでは、これまで番組でも度々取り上げられてきた情報公開審査会を取り上げ、審査会とはどのような組織で、それがいかに機能しているのかなどを情報公開クリアリングハウス理事長の三木由希子氏とジャーナリストの神保哲生が議論した。

 情報公開審査会は行政不服審査法に基づき設置されている機関で、行政が行った決定や処分に不服がある場合、その決定の妥当性の審査を求めるための受け皿となる機関のこと。その委員は内閣が任命した上で国会の承認が必要となる。ある人や団体が情報公開を請求した情報が不開示、もしくは一部不開示となった場合、請求者は審査会にその決定の妥当性の審査を求めることができる。また、本来行われるべき処分が行われない不作為に対しても、審査請求ができるほか、情報公開以外でも、例えば保育園の利用申請に落選した場合や通知された納税額に不服があった場合にもこの制度を利用して審査請求ができる。

 国の審査会は総務省と会計検査院にそれぞれ設置されているほか、地方自治体では情報公開条例が制定されている自治体には必ず設置されている。

 情報公開審査会の大きな権限の一つは、不開示となった文書を非公開の場で実際に閲覧した上で不開示の妥当性を審理する、いわゆるインカメラ審理の権限を持っていることだ。情報公開訴訟が提起されても裁判所にはインカメラ権限がないため、対象の文書の内容を実際に確認できる審査会の判断は重い意味を持つ。逆に言えば審査会が不開示を妥当と判断してしまえば、裁判所でもそれを容易に覆すことはできない。

 行政の情報公開に対して大きな権限を持つ情報公開審査会だが、審査会自体の中立性は担保されているのだろうか。例えば、総務省情報公開・個人情報保護審査会は5つの部会に分かれていて、常勤の部会長と2人の非常勤委員で構成されている。委員には、元裁判官や弁護士、検察官などの法曹関係者や大学教授、官僚、公認会計士などが総務大臣によって任命され、国会の同意を経て選任されている。

 また、委員の下は審査官と各省庁から出向した専門官がいて、実際に委員の手足となり調査を行う。だいたい審議の対象となる行政機関からの出向者がいる部会がその案件の対象となることが多い。それはそれぞれの行政機関の内部事情に通じているという利点がある一方で、専門官はいずれは出身母体に戻ることが前提のため、出身省庁に対する忖度や遠慮が働く可能性も否定できない。

 また、審査会は審議結果を答申という形で出すが、答申には法的な拘束力はない。ほとんどの場合、行政機関は答申には従うが、万が一従わない行政機関があった場合、請求者は訴訟に訴えることになる。

 審査会が先例主義で過去の答申に形式的に従ってしまうことが多いことや、審査会の審議内容が非公開となっていることなど、審査会制度にはまだ課題も多いと指摘する三木由希子氏と神保哲生が議論した。

ディスカッション

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