2005年6月24日
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IT社会の『ばら色の未来像』を嗤う

三輪信雄氏(株式会社ラック代表取締役)
マル激トーク・オン・ディマンド 第221回

 ITの利便性が、ごく当たり前のことのように強調されるようになって久しい。しか し、ここにきて、クレジットカードの顧客データの漏洩に続き、今度は原発に関連し た情報や警察の捜査情報など、インターネットを舞台とする重大な情報流出事件が相 次ぎ、ネット社会のセキュリティリスクを改めて問い直さざるを得ない事態を迎えて いる。
 情報セキュリティー専門家の三輪氏は、こうした事件の多くは、IT技術の進歩のス ピードに、それを使う側の人間の知識や意識が追いついていないことから発生する ヒューマンファクターに起因する場合が多いという。また、三輪氏は、企業のネット ワークのセキュリティ自体はそれなりの堅牢性を備えている場合が多いが、社員がそ の中のデータを個人のパソコンにダウンロードして持ち出せるような仕様になってい るものが多いことが問題だと言う。「企業のネットワークのハードウエアーの仕様 を、一切データを持ち出せないような形にしなければダメ」と三輪氏は説く。また、 「コンビニエンス(利便性)が増せば、セキュリティリスクが増大することを、各人 がもっと認識する必要がある」とも言う。
 どうやらIT社会というのは、単に何でも便利になる世の中というわけにはいかない ようだ。とすると、果たしてIT時代のばら色の未来像は幻想だったのか。分散型社会 を実現する原動力になると言われてきたインターネットは、そのセキュリティリスク に堪えうるものなのか。
 ユビキタス社会とは、セキュリティリスクが限りなく高くなるか、もしくはあらゆ る方法で監視される社会になる可能性が高いと説く三輪氏とともに、見落とされてき たIT社会の死角について考えた。

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