2005年10月7日
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誰のための共謀罪か

海渡雄一氏(弁護士)
マル激トーク・オン・ディマンド 第237回

 与党圧勝の影響が早くも具体化し始めている。過去2回廃案となっていた共謀罪の法案が今週、郵政国会に提出された。衆院で圧倒的多数を持つ与党は今国会で可決させるつもりだ。
 この共謀罪は、実際に犯罪の準備や実行をしていなくても、犯罪を行うことを事前に話し合い合意していれば罪となるというもの。麻薬犯罪などを取り締まる「国連越境組織犯罪防止条約」を批准する際に求められる国内法として創設されようとしている。
 しかし、法案に反対してきた海渡弁護士は、現在の法案では対象となる罪が窃盗や脱税などを含む600以上の多岐にわたることや、取り締まり対象が犯罪組織に限定されていないことから、会社や市民団体をもが対象になり得るため、一般市民の人権侵害につながる危険性が大きいと警鐘をならす。また、共謀を密告すれば刑が減免される点も「密告社会につながる」として問題視している。
 なぜ今このような法案が出てきたのか。このまま共謀罪が可決されるとどのような問題が起き得るのか。盗聴法から個人情報保護法、住基法、共謀罪へと流れる一連の情報に関わる法整備は何を意味しているのか。今週国会に提出されながら、「刺客」議員たちの代表質問の陰に隠れてほとんどメディアで取り上げられない共謀罪の意味を考えた。

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