2005年12月16日
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小泉政治とは何だったのか

橋本晃和氏(政策研究大学院大学教授)
マル激トーク・オン・ディマンド 第247回

 小泉政権の「破壊政治」がとどまるところを知らない。郵政民営化を果たした上に、これもまた旧田中派の牙城だった道路特定財源にまで手をつけ、今週は長年聖域とされた党税調の頭越しに2兆円の実質増税まで決めてしまった。
 先の衆院選での圧勝に見られるように、小泉首相の改革は、日本の政治に巣くってきた既得権益を文字通りぶっ壊している。しかし、それと同時に、小泉政治が日本の政治が長年かけて築き上げてきた社会のセーフティネットを一つ、また一つと破壊していることも事実だ。
 無党派層の研究で知られる政策研究大学院大学の橋本教授は、小泉人気はそうしたセーフティネットの破壊によって、社会全体に広がる不安に支えられた「危うい民意」だと分析する。先の選挙での圧勝や依然高い支持率は、優勝劣敗の新自由主義的な改革による痛みを受けにくい都市部の有権者が、政策の中身よりも自分たちの不安を取り除いてくれそうな改革のイメージを支持した結果であり、具体的な中身を伴わない一時的なものだというのだ。
 しかし、小泉政治による日本の政治インフラの破壊は続く。果たして小泉政治は日本の政治のあり方を根底から変えてしまったのか。小泉政治が破壊したものは政権が交代した後も、復活してこないのか。小泉政治が既得権益と同時に壊したものは何だったのか。それによって日本が得た物と失った物とは。2005年を振り返り、小泉政治の本質と来年9月以降のポスト小泉の展望を考えた。

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