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2007年11月04日公開

教科書検定の正体とは

マル激トーク・オン・ディマンド マル激トーク・オン・ディマンド (第344回)

完全版視聴について

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完全版視聴期間 2020年01月01日00時00分
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ゲスト

立正大学心理学部教授

1942年岡山県生まれ。66年東京大学教育学部卒。72年東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得満期退学。75年、立正大学専任講師、立正大学文学部教授などを経て、02年より現職。著書に『現代の教師と学校教育』、『戦後教育改革の理念と現実』など。

著書

概要

 教科書検定によって、沖縄戦における集団自決の記述が、あたかも軍の関与が無かったかのように修正された問題は、沖縄県民からの猛烈な抗議の前に、出版社からの自主的な修正という形で収束が図られようとしている。しかし、今年出された検定意見自体は今後も効力を持ち続け、教科書検定のシステム自体も、幾多の問題を抱えることが明らかになったにもかかわらず、そのまま存続されそうな雲行きだ。
 教科書検定問題を長年研究し、教科書検定の違憲性を争った家永教科書裁判にも原告側の証人として出廷している浪本勝年氏は、今回の問題も教科書検定を通じた学校教科書への政治介入の一例に他ならないとして、現在の教科書検定のあり方を厳しく批判する。
 今回は、沖縄県民の怒りの激しさと、たまたま参議院選で与党が大敗し、安倍政権が掲げてきた修正主義史観的な傾向にストップがかかったことにより、結果的に検定の内容が覆されるという異例の展開となった。しかし、現在の検定システムが存続する限り、教科書への政治介入と、文部科学省の恣意的な検定の運用は、今後も日本の公教育を多いに歪め続けることになるだろうと、浪本氏は危惧する。
 今回は、教科書検定の密室性と文科省の恣意的な運用、とりわけ文科省の一役人に過ぎないはずの検定調査官が書いた調査書が、そのまま検定意見となり、識者による審議会がそれをまったく制御できていないという、検定システムの根本的な欠陥が白日の下にさらされた。また、調査官の人事権や採用基準も至って恣意的なため、現在の検定制度のもとでは、特定の歴史観に偏った調査官の意見に沿う形で教科書が修正されてしまう危険性もあることが確認された。
 しかし、にもかかわらず、今のところそのシステムは温存される方向にあるという。今後も、その時々の政治状況によって、検定基準が恣意的に運用されることは避けられないということだ。
 そもそも教科書検定は何のために行われているのか。それは本当に必要なものなのか。他の先進各国では、どのような基準で教科書を採用しているのか。そもそもなぜ文科省は検定を通じて教科書をコントロールしたがるのか。そこにはどのような政治的、イデオロギー的背景があるのか。
 今回明らかになった教科書検定の問題を、いい加減な決着で終わらせないためにも、浪本氏とともに検定制度の実態を検証し、その問題点を徹底的に考えてみた。

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