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2023年05月18日公開

G7議長国の日本が主導すべき気候変動対策

セーブアース セーブアース (第8回)

完全版視聴について

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完全版視聴期間 2023年08月18日23時59分
(終了しました)

ゲスト

一般社団法人Climate Integrate代表理事
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1970年熊本県生まれ。93年聖心女子大学文学部卒業。2019年早稲田大学社会科学研究科博士課程修了。博士(社会科学)。出版社、米・環境NGO「Climate Institute」を経て、1998年NPO法人「気候ネットワーク」に設立時より参加。同法人東京事務所長、国際ディレクターを経て、2022年一般社団法人「Climate Integrate」を設立し代表理事に就任。21年ゴールドマン環境賞受賞。千葉商科大学サイエンスアカデミー特別客員准教授を兼務。著書に『原発も温暖化もない未来を創る』、『気候変動と政治 気候政策統合の到達点と課題』など。

著書

司会

概要

 地球環境問題をテーマにしてお送りするセーブアース。第8回の今回はG7の議長国を務める日本が主導すべき脱炭素化政策とは何かを考えた。

 5月19日に広島で開催されるG7先進国首脳会議では、ロシアによるウクライナ侵攻などと並んで気候変動が主要な議題の一つとなる。いずれも温室効果ガスの主要排出国であるG7諸国は、グローバルリーダーとして脱炭素化の姿勢を明確に打ち出し、その牽引役となることが求められている。しかし、依然として石炭火力への依存をやめようとしない日本は、G7メンバーの中でも脱炭素化に対して消極的な姿勢が目立ち、残念ながら議長国が全体の足を引っ張っているという有り様だ。

 G7の中で電力量1kwh時当たりのCO2排出量が最も多い日本が利用している電気は、いわば「汚い電気」であり、他国が2030年までのCO2排出量ゼロの目標を掲げる一方で、日本が目標とするエネルギー政策では2030年になっても石炭、石油、ガス火力などの化石燃料への依存率が5割に及ぶ一方で、再エネについては現時点から微増の22~24%に止まる。日本は2050年時点でも化石燃料への依存度が3~4割は残るという情けない目標を公然と掲げている状態だ。

 特にCO2の排出量ゼロにむけて日本が進めるアンモニア混焼は問題が多い。燃焼してもCO2を出さないアンモニアを石炭に混ぜるというこの技術は、1トンのアンモニアを製造するのに実に1.6トンのCO2を排出してしまうという、完全に手段と目的を取り違えている上に技術的な実証も十分ではないものだと、環境系のシンクタンクClimate Integrate代表理事で日本の石炭火力の実態に詳しい平田仁子氏は指摘する。

 4月に札幌で開催された気候・エネルギー・環境大臣会合後の声明では、各国からの懸念に配慮して、アンモニア混焼については単に水素やアンモニアの「使用を検討している国があることにも留意する」という文言が加えられるにとどまった。平田氏によると、会議では各国の参加者たちから一様にこの技術の使用には現実性がないと否定的な反応が示されたというが、会合後に日本政府が作成した資料には、アンモニア混焼について「脱炭素化に資することを明記した」という、あたかもこれがG7のお墨付きを得たかのような表現にすり替えられていた。

 アメリカのバークレー研究所の日本レポートによれば、再生可能エネルギーのコスト低下により2035年までに再生可能エネルギーの比率を9割まで引き上げることは可能であり、これによって6%電力コストを削減できるとしている。平田氏は経済合理性の面から事実とデータに基づいて政策を転換していくことが必要だと述べる。

 現在の日本の地球温暖化対策や脱炭素政策はG7の議長国に相応しい国際的な責任を果たすものと言えるのか。世界の脱炭素の流れから周回遅れにならないために日本は、どのような政策を推進しなければならないのか。長年地球温暖化問題に取り組んできた平田仁子氏と環境ジャーナリストの井田徹治が、脱炭素化を進められない日本の現状と、いかにして政策転換を実現すべきかなどについて議論した。

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