ジャニーズを「サンクチュアリ」(聖域)化し、ジャニー喜多川を「怪物」にしたものとは
マル激 (第1160回)
ゲスト松谷創一郎
ジャーナリスト
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ビジネスと人権が専門で、日米で弁護士資格を持つ蔵元左近弁護士が7月21日、日本記者クラブで会見し、ジャニーズ事務所元社長の故ジャニー喜多川氏の性加害問題を受けて、ジャニーズ事務所と取引関係にある企業がこの問題にどう対応すべきかについての見解を述べた。
蔵元氏は国連の人権理事会で2011年に全会一致で採択された「ビジネスと人権」指導原則が、企業に対して人権方針の決定や、人権デューディリジェンスの実行、そして被害者救済のための体制構築を求めていることを指摘した上で、ジャニーズの性加害問題は特に人権デューディリジェンスの観点から、ジャニーズのタレントを多く起用しているテレビやスポンサー企業にも責任があるとした。人権デューディリジェンスには、人権を侵害している企業と取引関係にある企業が「影響力を行使」することを通じて、人権状況の改善を求める責任が含まれている。
その上で蔵元氏は、取引企業による安易な取引関係の解消でジャニーズ事務所の経営が悪化すれば、従業員の解雇などによってさらなる人権状況の悪化を招きかねないことから、単に契約を解消するのではなく、人権状況の具体的な改善を条件に契約を更新するなど、ビジネス上の利害関係を通じて企業としての責任を果たすことが望ましいとの考えを示した。