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2023年08月19日公開

ジャニーズの被害者たちが教えてくれた子ども時代の性被害の深刻さ

マル激トーク・オン・ディマンド マル激トーク・オン・ディマンド (第1167回)

完全版視聴について

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完全版視聴期間 2023年11月19日23時59分
(終了しました)

ゲスト

武蔵野大学名誉教授、公認心理師、臨床心理士

1957年徳島県生まれ。79年日本大学文理学部卒業。2005年大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了。博士(人間科学)。武蔵野大学人間科学部教授などを経て23年退任。同年より名誉教授。著書に『学校トラウマの実際と対応 児童・生徒への支援と理解』、共編著に『子どもへの性暴力』など。

著書

概要

 故ジャニー喜多川氏による性加害が次々と明るみとなり、大きな社会問題となっている。

 今月4日には、国連ビジネスと人権」のワーキンググループが、日本の実態を調査した際の記者会見でもジャニーズ事務所の問題に触れ、「同社のタレント数百人が性的搾取虐待に巻き込まれるという深く憂慮すべき疑惑が明らかになった」と述べた。

 この問題がこれまで黙殺されてきた背景には、業界やメディアの責任が大きいことは言うまでもない。その一方で、性被害、特に、子ども時代に受けた被害については、当事者が語ることが難しく、トラウマとして様々な形となってそれぞれの被害者の心の奥深くに秘められてきたことが推察される。

 国連の記者会見に続いて行われた記者会見における「ジャニーズ性加害問題当事者の会」の7人の被害者たちの発言は、言葉を選びながらそれぞれに強い思いがこめられており、被害が深刻で複雑であることを窺わせた。

 子どもへの性被害の実態を明らかにすることは困難だ。性犯罪として検挙されている事例は氷山の一角にすぎず、ただでさえ事件化することは難しいうえに、さらに男子の場合は真剣に受け取ってもらえずに声を上げることすらできない状況だったと、武蔵野大学名誉教授で子どものトラウマと心のケアに長年携わってきた藤森和美氏はいう。

 「魂の殺人」とまで言われる性暴力被害はどんな年代でも大きなトラウマを引き起こすが、特に被害者が子どもの場合は、起きている事態が理解できなかったり言語化できなかったりするため、被害が潜在化・長期化する。グルーミングとよばれる子どもを手なずけるやり方は、世話をしたり、教育指導を利用したり、時には愛情恋愛と思わせ子ども自身が納得したように勘違いをさせたりすることで、加害者の暴力行為が放置されてしまうことが大きな問題だと藤森氏は指摘する。

 今年7月に施行となった改正刑法では、これまで強制性交等罪強制わいせつ罪と呼ばれていた罪名が不同意性交等罪不同意わいせつ罪に変更され、新たに性的グルーミング罪も導入された。政府は先月26日「こども・若者の性被害防止のための緊急対策パッケージ」を決定し、改正刑法の周知や男性・男児のための性暴力被害者ホットラインの開設などを打ち出している。また子どもに関わる仕事に就く場合に性犯罪歴などについて証明を求める仕組み、いわゆる日本版DBS(前歴開示・前歴者就業制限機構)も議論されており、この秋にも法案提出が検討されているという。

 ジャニーズ問題が引き金となってこうした対策の検討がさらに進むことは重要だが、それだけですべてが解決するわけではない。子ども自身に何を伝えていったらよいのか、親や周囲の大人たちはどう考えたらよいのか、カウンセリングの現場経験が豊富な藤森和美氏と、社会学者の宮台真司とジャーナリストの迫田朋子が議論した。

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