自民党総裁選から読み解く日本の現在地とその選択肢
法政大学法学部教授
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立憲民主党の亀井亜紀子衆院議員が5月22日、日本外国特派員協会で会見を行い、4月28日に行われた補選の結果や今後の政策などについて語った。
亀井氏は、衆院補欠選挙の島根1区で自民党の錦織功政氏を2万5000票差の大差で破り当選した。亀井氏の衆院当選は2回目で返り咲きとなるほか、2007年から参院議員も1期務めている。
島根1区は前衆院議長の細田博之氏の死去に伴う補欠選挙だった。保守王国と言われる島根1区で、しかも自民党にとっては現職議長のまま死去した細田氏の弔い合戦となる選挙で自民党候補に勝利できた理由について亀井氏は、細田氏が統一教会との関わりやセクハラ問題について説明責任を果たさずに亡くなったことや、自民党の裏金問題に対する有権者の厳しい評価の表れがあったとの考えを示した。
しかし、亀井氏はまた、今回は自民党にお灸を据えるという意味で自身に票が集まったにすぎず、支持者が自民党から完全に離れているわけではないとの見方も示した。また、父の亀井久興氏が自民党議員だったことや、自身がすでに10年以上の国政経験があることも、今回の補選の結果に優位に働いたのではないかと語った。
また、亀井氏は今、総選挙が行われ、野党が候補者を統一することができれば、政権交代は可能だと述べた上で、その理由として、統一教会問題や裏金問題に加え、今の自民党は地方の生活苦や衰退をきちんと見ておらず、国民に寄り添っていないと指摘した。その一例として公立大学の授業料の引き上げなどを挙げた。
島根県は人口減少に拍車がかかり、医療・介護・教育、全ての分野で人が足りず、これは政権を担ってきた与党に責任があるとしたほか、一次産業が衰退すると人口が流出するため、農業者への戸別所得補償制度を復活させるなどして一次産業を振興することの重要性を訴えた。
人口問題については、同一労働・同一賃金を実現し、正規と非正規の格差を減らすことで、若者が安心して働き、子どもを育てることができる環境を作ることが必要だと語った。