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2018年01月13日公開

ポスト・トゥルース時代のメディアに何ができるか

マル激トーク・オン・ディマンド マル激トーク・オン・ディマンド (第875回)

完全版視聴について

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完全版視聴期間 2020年01月01日00時00分
(終了しました)

ゲスト

上智大学文学部新聞学科教授

1957年北海道生まれ。82年東京大学法学部卒業。同年札幌テレビ入社。ロンドン、ベルリン特派員などを経て2003年退職。同年、日本テレビ入社。ドキュメンタリー番組ディレクター、情報番組コメンテーターなどを経て12年退職。法政大学教授を経て16年より現職。17年より 『GALAC』編集長を兼務。著書に『内側から見たテレビ やらせ・捏造・情報操作の構造』など。

著書

概要

 「今さらメディアの話かい」などと訝られるかもしれないが、今年、マル激ではあらためてメディア問題を積極的に取り上げようと考えている。

 マル激は2000年の番組発足当初から、メディア問題を中心的な課題の一つに据えてきた。番組内容を一冊の著書にまとめた「マル激本」の第1弾は、メディアと政治の関わりを徹底的に深堀りした「漂流するメディア政治」(2002年)だった。その中でわれわれは当時、メディアではほとんど取り上げられていなかった記者クラブ問題や再販価格制度やクロスオーナーシップなど日本メディア固有の構造的な問題を多角的に議論し、それが日本の政治や社会にどれだけ大きな影響を与えているかなどを考察してきた。

 あれからはや、15年以上の月日が流れ、最近マル激ではあまりメディア問題を多く取り上げなくなっていた。社会の劣化が急激に進み、今さらメディアを批判してどうこうなるような次元の話ではなくなってしまったというのもその理由の一つだが、15年以上経っても、ほとんど何も改善されないメディアの状況に、ある種の絶望感を抱いていたことも事実だった。

 しかし、どんなに劣化が進んだとしても、メディアが民主主義の砦であることに変わりはない。これを軽視すると、民主主義が機能不全に陥るばかりか、われわれの社会がどのような問題に直面しているかについての共通認識すら持つことが困難になってしまう。問題の所在さえわからないのに、問題が解決されるはずがない。

 そうこうしているうちに、当分揺らぎそうもないように見えた新聞・テレビを中核とする既存のメディア企業体の経営基盤は弱体化の一途を辿り、世代によってはほとんど新聞やテレビを見ない人が多数を占めるような時代になった。もはや通り一遍の新聞・テレビ批判だけでは何の意味もなさなくなっている。

 しかし、既存メディアの牙城を突き崩し始めているネットメディア、とりわけFacebookやTwitterに代表されるSNSは、一見、ユーザー側が自分が求める情報に自由にアクセスしているように見えて、何億人という全世界のユーザーから日々収集している膨大なビッグデータを元に、巧みな広告誘導や情報操作が行われていることや、それが消費行動のみならず、選挙結果や政治思想に大きな影響を与えていることが、次第に明らかになってきている。

 かつてはマスメディアの問題に過ぎなかったわれわれの「メディア問題」は、マスメディアの凋落によって解決したのではなく、実際はより複雑で深刻化していると考えた方がいいだろう。そのような状況の下では、まずメディアに何が起きているかをきちんと踏まえた上で、それを多角的に考察し、われわれ自身のリテラシーを上げていくことが必要になる。

 今週はその取っかかりとして、テレビ局に長年勤務し、現在、上智大学の教授を務める水島宏明氏に、今、テレビに何が起きているかを聞いた上で、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司とともに、ポスト・トゥルース時代にメディアに求められる役割とは何かを議論した。

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