日本が原発依存から脱却すべきこれだけの理由
原子力資料情報室事務局長
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1936年奉天生まれ。59年東京大学工学部応用化学科卒業。日本原子力研究所研究員を経て97年より中央大学商学部教授。2007年退官。現在、核・エネルギー問題情報センター事務局長。専門は核燃料化学。著書に『シビアアクシデントの脅威ー科学的脱原発のすすめ』、『廃炉時代が始まった』、共著に『どうするプルトニウム』、『「原発ゼロ」プログラム』など。
福島第一原発が今どんな状態にあるのか、とりわけメルトダウン・メルトスルーによって原子炉から外部に漏れ出した核燃料の状態と今後の見通しについて、核燃料化学が専門の舘野淳中央大学元教授に聞いた。
舘野氏は1〜3号機の核燃料が今どのような状態にあるかについて確実なことをいえる人は誰もいないことを指摘した上で、現状は圧力容器底部にたまっている核燃料をかろうじて冷やすことはできているようだが、この先10年以上も燃料を冷やし続けなければならないこと、地震等に対してまだまだ予断が許される状態ではないこと、核燃料の取り出しまでに何年を要するかわからないこと、その間増え続ける汚染水への対策が急務であることなど、厳しい見通しを示した。
また、今後の原子力発電の見通しについて舘野氏は、あれだけの事故を経験しながら、いまだに電力会社も原子力の専門家も事故を十分に反省できていないとして、日本は商業目的の原発は続けるべきではないとの見解を示した。