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11年が経った今、復興と生活再建とのギャップは拡大している

マル激トーク・オン・ディマンド マル激トーク・オン・ディマンド (第1092回)

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公開日 2022年03月12日

ゲスト

福島大学名誉教授、ふくしま復興支援フォーラムよびかけ人

1944年千葉県生まれ。67年東北大学工学部卒業。78年同大学大学院工学研究科建築学専攻博士課程修了。博士(工学)。東北大学工学部助手、国立小山工業高等専門学校助教授、文部省在外研究委員(ロンドン大学)などを経て、90年福島大学行政社会学部教授、2004年同共生システム理工学類教授。10年退官。同年より現職。11年5月~8月福島県復興ビジョン検討委員会座長、9月~11月県復興計画検討委員会委員長を兼務。著書に『福島原発災害10年を経て 生活・生業の再建、地域社会・地域経済の再生に向けて』、『地域再生 人口減少時代の地域まちづくり』など。

著書

概要

 ロシアウクライナ侵攻でチェルノブイリやザポリージャの原発が攻撃にあったという報道に接し、日本でも不安に襲われている原発事故の被災者は多い。一度メルトダウンが起きるとその被害は苛酷で長期に及び、一度失った故郷は容易には取り戻すことができないことを、身を以て知っているからだ。

 原発災害から11年。被災地の復興が伝えられる一方で、福島第一原発の事故で被災した人たちは、今も様々な困難を抱えている。政府の統計によると現在の避難者は3万3,000人余りだが、その中には自主避難者や、避難指示が解除された後もまだ他の自治体の復興公営住宅に入居している人は含まれていない。避難指示が解除されて1年が過ぎると、もはや避難者としてはカウントされなくなるからだ。こうして避難している人たちの現実が、日に日に見えにくくなっている。

 県内各地の仮置き場に山積みにされていたフレコンバッグに入った除染土は、双葉町・大熊町に設けられた中間貯蔵施設に運び込まれ、ほとんど姿を消した。2045年に県外搬出と定められているが、その後のことはまだ何も決まっていない。廃炉の道筋もまだ見えない。

 3月に入って、原発事故被害者による集団訴訟で最高裁が東電の上告を退ける決定を相次いで出した。全国でおよそ30件提起されている集団訴訟のうち、6件で国の指針を上回る賠償を認める2審判決が確定したのだ。去年のマル激で大阪市立大学教授・除本理史氏が指摘しているように、故郷を追われ避難せざるを得なかった人たちが、さらに訴訟という手段を用いなくては被害の実態が認められないという事実を、われわれは重く受け止める必要がある。

 福島県の復興ビジョン検討委員会座長を務めた福島大学名誉教授・鈴木浩氏は、避難指示が解除された地域でも、生活・生業の再建にはほど遠く、多くの被災者がこの先どこで暮らすかを決められない宙ぶらりんの状態が続いていると語る。建築学が専門で住宅政策などに関わってきた鈴木氏はまた、国の復興政策は、除染→避難解除→帰還という“単線型復興シナリオ”となっていて、被災者に寄り添うものになっていないのではないかと疑問を呈す。 

 2011年8月にまとめられた福島県の復興ビジョンは、原子力に依存しない/復興の主役は住民/ふるさとの再生の3点を大きな柱としていた。さらに、2012年4月に施行された福島復興再生特別措置法の基本理念には「福島の地域社会の絆の維持及び再生を図ること」「住民一人一人が災害を乗り越えて豊かな人生を送ることができるようにすること」などという文言が入り、当時、鈴木氏は感動すら覚えたという。しかし、その後、国の事業が具体化していくなかでは、避難している住民に寄り添うよりも、現地の復興や大規模プロジェクトの誘致などに焦点があたり、当初の理念と乖離していったと鈴木氏は語る。

 2011年秋から呼びかけ人の一人として起ち上げたふくしま復興支援フォーラムを中心に県民版の復興ビジョン作成に取り組んでいる鈴木氏と、なぜ今、県民版の復興ビジョンが必要なのか、地域社会の再生に求められるものは何かなどについて、社会学者の宮台真司とジャーナリストの迫田朋子が議論した。

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