金正恩の外交攻勢の真意を探る
聖学院大学政治経済学部教授
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1970年大阪府生まれ。92年同志社大学法学部卒業。99年ソウル大学政治学科修士課程修了。2005年神戸大学法学研究科博士課程修了。政治学博士。日本国際問題研究所研究員を経て、09年聖学院大学研究所准教授。13年より現職。専門は政軍関係論,安全保障論,朝鮮半島研究。
北朝鮮の一連の強硬路線は、国際社会から孤立して追い詰められたことの反映であると受け止められることが多い。しかし、北朝鮮ウォッチャーの宮本悟聖学院大学准教授は、北朝鮮は決して孤立はしていないと語る。
宮本氏は、国連加盟約190ヶ国のうち「ほぼ170カ国」(宮本氏)が北朝鮮と国交を結んでいて、イギリス、スウェーデンは平壌に大使館まであることを指摘する。また、北朝鮮は特にアフリカ諸国とは親交が厚く、アフリカの全54ヶ国と国交があるばかりか、その多くの国々と軍事・警察察顧問団の相互派遣という形で連携を続けている。その結果、核開発などに伴う国連の経済制裁措置に、そのほとんどの国々は事実上応じていないと宮本氏はいう。
また、宮本氏はわれわれは北朝鮮を金正恩・朝鮮労働党第一書記の独裁国家と見てしまいがちだが、「北朝鮮は独裁者国家ではなく、一党独裁国家であり、官僚を含む上層部の意思決定機関が機能している」とも話す。
どうもわれわれは、様々な形で北朝鮮を正確に捉えられていないといころがありそうだ。北朝鮮の政軍関係に詳しい宮本氏にジャーナリストの神保哲生が聞いた。