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2016年09月24日公開

遂に核兵器保有国となった北朝鮮とどう向き合うか

マル激トーク・オン・ディマンド マル激トーク・オン・ディマンド (第807回)

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ゲスト

拓殖大学海外事情研究所・国際協力学研究科特任教授
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1949年兵庫県生まれ。77年慶應義塾大学大学院博士課程修了。同年、防衛研修所(現・防衛研究所)入所。2011年退官。同年、韓国・延世大学校国際学部専任教授。東北アジア国際戦略研究所客員研究員、拓殖大学海外事情研究所客員教授などを経て、15年より現職。専門は朝鮮半島情勢、国際関係論。著書に『東アジア動乱 地政学が明かす日本の役割』、『なぜ韓国外交は日本に敗れたのか 激変する東アジアの国家勢力図』など。

著書

概要

 遂に北朝鮮が本格的な核兵器の保有国になってしまった。

 というよりも、公然と核・ミサイル開発を続ける北朝鮮に対し、国際社会はみすみす核武装を許してしまったと言った方が、より正確かもしれない。われわれはどこで政策選択を誤ったのか。

 今年に入ってから北朝鮮は確認されているだけで、21発のミサイルを発射し、2回の核実験に成功している。8月3日にはノドン2発を日本のEEZ内に着弾し、8月24日にはSLBM(潜水艦発射ミサイル)も発射したほか、9月9日には5回目の核実験にも成功した。一般的には核実験を5回成功させれば、核兵器をミサイルに搭載できるレベルまで小型・軽量化が可能になっていると考えられている。

 早い話が、既に北朝鮮の核ミサイルは優に日本を射程内に収め、アメリカ本土にも届こうかというところまで来てしまったのだ。

 これが東アジアの安全保障の不安定要因となるばかりか、そのパワーバランスにも大きな影響を与えることは論を俟たない。日米を含む国際社会の対北朝鮮政策が、失敗だったことを認めないわけにはいかないだろう。

 そもそもなぜ日本を始めとする国際社会は北朝鮮の核武装をみすみす認めるようなことになったのか。元防衛研究所の教官で朝鮮半島情勢を長年ウォッチしてきた武貞秀士・拓殖大学特任教授は、北朝鮮はいずれ崩壊するに決まっているという国際社会側の決めつけが、北朝鮮に核武装の隙を与えたと強調する。

 確かに北朝鮮の国家体制は民主主義国のわれわれから見ると、いろいろと無理な点が目に付くことは確かだ。北朝鮮は度々食料不足に見舞われ、国民を満足に食べさせることもできていないという。かと思えば、政府の主要幹部が態度が悪いというだけで次々と処刑されたりしている。そんな国家がいつまでも持つわけがないと考えるのも無理はない。しかし、北朝鮮崩壊説に確たる根拠が示されているのを一度も見たことがないと、武貞氏は言う。

 北朝鮮という国や民族に対する蔑視や、国営放送局のニュース映像などから見えてくる全体主義の滑稽さなどによって、われわれは明らかに北朝鮮という国を過小評価していると、武貞氏は長年に渡り指摘してきた。しかし、専門家も政治家もその主張に耳を傾けようとはしなかった。そればかりか、北朝鮮という国を評価するかのような武貞氏の発言は、本気にされないばかりか、学会や論壇、メディア上などで、むしろ叩かれてきた。

 日本から見ると北朝鮮は世界から孤立しているように見えるが、実際は北朝鮮はヨーロッパやアフリカ、中東の国々と国交があり、貿易も行われている。アントニオ猪木氏らとこの9月に北朝鮮を訪れた武貞氏によると、ピョンヤンには多くのタクシーが走り、観光客の誘致に熱心で、実際観光地では外国観光客の姿が目立ったという。

 武貞氏は特に中国が北朝鮮の体制を崩壊させない強い意思を持っているほか、ロシアも経済協力に熱心だという。核実験やミサイルを発射するたびに制裁が議論される国連安保理の常任理事国2国が北朝鮮を支えているような状態では、制裁が効かないのも無理はない。

 また、確かに北朝鮮はまだ貧しく、食糧さえ不足しているが、独裁政権の下で国富を核・ミサイル開発に集中させれば、それが実現可能であることは、パキスタンやリビアなどが実証している。

 問題は、北朝鮮が核武装してしまった今、その状況に日本はどう対応すべきかだ。

 武貞氏は北朝鮮の核武装は、アメリカに対する交渉力を得ることが最大の目的で、核を持つことでアメリカに、北朝鮮は簡単に捻り潰せる相手ではないと認識してもらうためだという。しかし、北朝鮮の真意は、アメリカが朝鮮半島から手を引けば、北朝鮮主導で朝鮮半島の統一が可能になるというもので、それは日本にとっても受け入れがたい状況だ。

 朝鮮半島から地政学的にも至近距離にあり、北朝鮮との間に拉致問題を抱える日本は、この状況にどう対応すべきか。希代の朝鮮半島ウォッチャーの武貞氏と、ジャーナリストの神保哲生、社会学者の宮台真司が議論した。

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