人類は地球温暖化という21世紀最大の課題に対応する能力を失い始めているのか
東京大学未来ビジョン研究センター教授
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1979年福岡県生まれ。2002年九州大学理学部卒業。04年同大学大学院理学府修士課程修了。専門は非国家アクターによる気候変動対策。04年福岡県庁環境部、12年経産省リサイクル推進室、14年日本科学未来館科学コミュニケーターを経て18年より現職。
国連の第30回気候変動枠組条約締約国会議(COP30)が、11月10日から22日までブラジル・ベレンで開催された。アメリカが不参加の中で行われたCOP30で何があったのかを、会議に参加したWWFジャパンの気候・エネルギーグループオフィサーの田中健氏に聞いた。
田中氏はアメリカの政府交渉団が不参加だったことについて、「カリフォルニアやニューメキシコの州知事が参加しており、連邦政府が不在でもアメリカとしてパリ協定の実施に取り組むという発信が強く行われていたのが印象に残った」という。
一方、中国については、会場の入り口付近に大きなパビリオンを設け、国有の再生可能エネルギー企業がプレゼンテーションなどを行うなど、アメリカの抜けたCOPにあって中国がクリーンエネルギーで世界をリードしていることを大々的にアピールしていたのがとりわけ目立ったという。
田中氏は、今年のCOPについては「化石燃料脱却のロードマップが明記されなかった」、「アメリカ不在で後退したのではないか」といった否定的な報道が多いが、アメリカに追随してパリ協定から離脱する国はなく、少なくともCOPという会議体が多国間主義の下で一定の合意に達することができた点は前向きにとらえるべきだと語った。
田中氏にジャーナリストの神保哲生が聞いた。