貧困は自己責任でいいのか

マル激トーク・オン・ディマンド マル激トーク・オン・ディマンド (第339回)

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公開日 2007年09月27日

ゲスト

自立生活サポートセンター・もやい代表

1969年東京都生まれ。95年東京大学法学部卒業、03年同大学院を単位取得後退学。00年にホームレス支援の「自立生活サポートセンター・もやい」設立。08年12月「年越し派遣村」開設に参加。09年以降、雇用対策・困窮者支援政策関連の内閣参与を務め、12年辞任。著書に『反貧困—「すべり台社会」からの脱出』、『ヒーローを待っていても世界は変わらない』など。

著書

司会

概要

 先月末、厚生労働省がいわゆるネットカフェ難民といわれる人々の実態調査を発表した。それによると、全国に5400人余りの人々が、住居を持たず、ネットカフェなどで寝泊りをしているという。
 しかし、ホームレスや生活困窮者の支援を10年以上にわたり行ってきた湯浅誠氏は、彼らは決して新しいタイプの貧困層ではなく、従来からのホームレスと同じ状態の人々だと語る。湯浅氏はまた、彼らは24時間営業のファーストフード店や公園、友人宅などを点々としながら、寝泊まりしており、ネットカフェを調査しただけでは全体像は把握できないとも言う。
 住民票がある地域と居住地域が一致せず、行政の福祉からこぼれ落ちている点では、ネットカフェ難民もホームレスとなんら変わらない。厚生省の調査では、20代と50代が多いという結果が出ていたが、湯浅氏が代表を務めるNPOに助けを求めて訪ねてくるのは、30代がもっとも多く、夫婦や親子、姉妹兄弟がいっしょにというケースも稀ではないと言う。つまり、従来は、自助努力でなんとかなった人々が、現在は、容易に貧困に陥りやすく、貧困層として固定してしまう傾向が強くなっていると湯浅氏は指摘する。
 一億総中流社会と言われて久しい日本だが、すでにOECD諸国の中では、米国に次ぐ格差社会に変貌している現実が、データで明らかになってきている。米国流の新自由主義的な経済政策を導入し、民営化と自由化を進めた結果、米国と同様に中流家庭が没落し、貧富の格差が進んでいる。
 しかし、財界などを中心に相変わらず「格差を容認しないと国力が落ちる」という理由から「貧困を自己責任」とする主張する向きも根強く残る。こうした風潮に対して湯浅氏は、貧困に陥った人には「教育課程からの排除」、「企業福祉からの排除」、「家庭福祉からの排除」、「公的福祉からの排除」、「自分自身からの排除」と5つの排除が複合的に作用しているため、貧困から立ち直ることが非常に困難であると、自らの経験を元に語る。
 神保哲生に代わり、アメリカの貧困問題の取材を精力的に続ける気鋭のジャーナリスト堤未果を司会に迎え、貧困の現場で奮闘する湯浅氏とともに、日本の貧困の現状とその原因や背景を考えた。

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