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今こそ子どもの貧困対策に真剣に取り組んでほしい

マル激トーク・オン・ディマンド マル激トーク・オン・ディマンド (第1085回)

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公開日 2022年01月22日

ゲスト

公益財団法人「あすのば」代表理事

1965年愛知県小牧市生まれ。89年明治大学農学部卒業。2015年福島大学大学院地域政策科学研究科修了。あしなが育英会、阪神・淡路大震災遺児の心のケアのための神戸レインボーハウス館長、子どもの貧困担当などを経て、2015年一般財団法人「あすのば」を設立し代表に就任。内閣府「子どもの貧困対策に関する検討会」構成員、内閣府「休眠預金等活用審議会」専門委員主査、文部科学省「高校生等への修学支援に関する協力者会議」委員などを歴任。

概要

 1月17日に始まった通常国会。首相の施政方針演説では様々な施策が総花的に語られたが、子どもの支援にあたっている関係者の間では、「こども家庭庁」の創設をきっかけに、今度こそ子ども対策が真剣に議論される国会になってほしいとの期待が高まっている。

 これまでの日本の子ども政策が家庭任せ、親任せの自己責任を前提としていることは、これまでマル激でも繰り返し問題視されてきた。日本の子ども支援に関連した社会関係支出は、対GDP比で1.73%と、OECD加盟国(先進国)の平均を大きく下回る。さらに子どもに関連した国の施策は厚労省、文科省、内閣府の縦割り行政の壁のために、結果的に本来の目的である子どものためになっていない問題も長らく指摘されてきた。

 そうした中、昨年12月21日に閣議決定された「こども政策の新たな推進体制に関する基本方針」では、こども家庭庁を司令塔として「こどもまんなか社会を目指す」ことが謳われている。子どもの貧困対策センター公益法人あすのば代表理事の小河光治氏は、こども家庭庁が創設されるのであれば、人と予算をつけ、保護者の所得などに左右されずにすべての子どもと若者への支援を拡充してほしいと語る。

 かつてあしなが育英会で遺児支援にあたっていた小河氏は、2009年に政府が初めて子どもの貧困率を公表した時、日本人の7人に1人が貧困状態にあることを知り、とても驚いたという。その後、子どもの貧困対策法もできたが、それだけでは何も変わらないと考えた小河氏は、民間の立場から子どもの貧困対策に取り組むために市民団体「あすのば」を2015年に立ち上げ、政策提言や子どもへの直接支援活動などを続けている。

 子どもの貧困率は現在も依然として13.5%(2019年)と高い。しかも、これは3年ごとの国民生活基礎調査から算出される数値なので、2021年に行われた調査の結果が出ると、コロナ禍の影響で状況はさらに悪化していることが懸念されている。実際「あすのば」が2020年度に行った「入学・新生活給付金」には通常の数倍の応募が殺到し、緊急支援を合わせて約8000人、金額にして3億円余りの給付が行われた。受給したこどもたちからは、「母親の仕事もコロナでなくなり、学校代が払えなかったのが一番ショックだった」(17歳)、「祖母と2人家族で、高校生の私が3つバイトを掛け持ちしてなんとか生活しています。しかし、コロナ禍でシフトが減ったり営業停止したりで収入が減少して困っていました」(17歳)といった声が届いているという。                             

 政府はひとり親世帯、低所得の二人親世帯、10万円の子育て世帯臨時給付など、子育て世帯向けの施策を打ち出してはいるが、別居中の母子には支援が届かないなど、子ども政策の基本方針にある「誰一人取り残さず、抜け落ちることのない支援」には必ずしもなっておらず、場当たり的な印象は拭えない。

 こどもまんなか社会のためには何が必要なのか、その実現を阻んでいるものは何か、コロナ禍で子どもの貧困の実態が見えてきたことを、子ども政策の転換を図る契機にすべきと語る小河氏と、社会学者・宮台真司とジャーナリスト迫田朋子が議論した。

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