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2026年03月28日公開

法秩序が崩壊した世界を日本はどう生き抜くか

マル激トーク・オン・ディマンド マル激トーク・オン・ディマンド (第1303回)

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ゲスト

1952年富山県生まれ。75年東京大学法学部卒業。81年東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。法学博士。専門は国際法。横浜国立大学助教授、九州大学法学部助教授、同教授を経て2016年、九州大学名誉教授。同年より放送大学教授、25年より放送大学名誉教授。09~12年国際法学会理事長。著書に『帝国日本と不戦条約』、『国際法』など。

著書

概要

 ウクライナガザベネズエラ、そしてイラン。いま世界で起きているのは単なる地域紛争の連鎖ではない。20世紀の2度の世界大戦という惨禍の反省の上に80年かけて積み上げてきた国際法秩序そのものが、根底から揺らいでいるのだ。

 本来、国家による武力行使は国際法上、原則として禁止されている。例外は基本的に2つしかない。国連安全保障理事会の決議に基づくものか、自国が攻撃を受けた場合の自衛権の行使だ。これはいわば、戦争を法で縛るための最低限のルールだった。

 しかし現実には、そのルールがもはや機能していない。ロシアによるウクライナ侵攻。イスラエルによる軍事行動。そしてアメリカによるベネズエラ侵攻とイラン攻撃。いずれも、あからさまな国際法違反と見るべき事案だが、決定的なのは、今の世界ではそれを止める仕組みも、裁く仕組みも機能していないことだ。言い換えれば、国際社会はすでに「無法状態」と化しているのだ。

 今回のイラン攻撃についてアメリカは「自衛権の行使」を主張している。しかしここで問題になるのが、国連憲章第51条の解釈だ。自衛権も無制限ではない。一般的な国際法解釈では、「差し迫った武力攻撃」に対してのみ認められるとされている。

 では、今回のケースはどうか。アメリカに対する「差し迫った脅威」が具体的に存在したのか。この点については、アメリカ国内からも疑義が出ている。アメリカの対テロ対策の責任者を務めていたジョー・ケント氏は、イラン攻撃の正当性に疑問を突きつけて職を辞している。米国際法学会も、明確な根拠が示されていない以上、国際法違反の可能性が高いとの見解を示している。つまりここで起きているのは、「違法かもしれない」という問題ではなく、違法であっても止められない世界が現実化しているということなのだ。

 一方、ヨーロッパでは明確な変化が起きている。EUウルズラ・フォンデアライエン欧州委員長は、ヨーロッパの戦略的自立の必要性を訴え、防衛力強化に舵を切った。いわば、アメリカ一極に依存してきた安全保障体制からの離脱を模索し始めている。

 これは極めて重要なシグナルだ。同盟国であっても無条件に追随する時代ではなくなっているのだ。

 では、翻って日本はどうか。

 政府は、今回のイラン攻撃についての法的評価を避けている。同盟国アメリカへの配慮があることは理解できなくもないが、問われているのは、日本が「法の支配」を守る側に立つのか、それともその破壊者側に付くのかという、国としての根本的な立ち位置だ。同盟とは従属ではない。むしろ、同盟国だからこそ、誤りがあれば指摘する責任があるのではないか。

 これから国際秩序はどのように変わっていくのか。国際法の権威として知られる柳原正治・九州大学名誉教授は、歴史的に見て、秩序の大転換は常に大戦争の後に起きてきたと指摘する。確かに人類は大きな戦争がなければ新しい秩序を築くことができていない。しかし、だとすれば、今起きている秩序の崩壊は、次の大きな戦争への序章ということになってしまうではないか。

 国際法が機能しない世界で、日本は何を拠り所にすべきか。何があってもアメリカに抱きついていくだけで本当にいいのか。同盟と自立のバランスをどう取るのか。国際法の第一人者である柳原正治氏を迎え、崩壊しつつある国際秩序の現実と、その中で日本が取るべき選択について、神保哲生、宮台真司が徹底的に議論した。

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