中間層が没落した国は衰退する運命にある

マル激・トーク・オン・ディマンド マル激・トーク・オン・ディマンド (第766回)

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公開日 2015年12月12日

ゲスト

経済アナリスト

1970年茨城県生まれ。94年慶應義塾大学文学部卒業。短資会社日短エーピー、土浦市役所税務課職員を経て、2006年金融コンサルティング会社「アセットベストパートナーズ」を設立、代表に就任。著書に『中原圭介の経済はこう動く[2016年版]』、『格差大国アメリカを追う日本のゆくえ』など。

著書

概要

 世界の歴史を振り返った時、空前の繁栄を享受した帝国がほどなく崩壊した背景には、必ずといっていいほど共通した出来事があった。中間層の没落である。古代ギリシャの民主政、ローマ帝国、唐王朝等々、いずれも中間層を没落させたことが衰退、そして滅亡の引き金になった。

 経済を理解するためには歴史的視点が重要と語るエコノミストの中原圭介氏は、1980年代以降、アメリカが新自由主義的な政策に傾倒したことで、長らくアメリカの豊かさの象徴だった中間層の没落が始まり、もはやアメリカにはほとんど中間層が残っていないところまで状況は来ているという。そして、今、アメリカには上位1%が富を独占し、99%はほとんど豊かさを享受することができない究極の格差社会が現出している。

 翻って日本はどうか。「アベノミクス」と銘打った政策で空前の金融緩和を図り、5割近い円安を実現したが、今のところその果実は大企業のみに集中し、国民の実質賃金は逓減傾向が続いている。これではGDPが多少増えたところで、大半の国民が豊かさを実感できないのも当然のことだ。日本でもアベノミクスの恩恵は、一部の大企業や金融資産を保有する富裕層に限られ、中間層はむしろ生活が苦しくなっているのだ。

 中原氏は日本では格差や中間層の没落がアメリカほどは進んでいないため、今ならまだ間に合うと指摘する。そして日本経済を立て直すためには、果実が中間層まで回ってこない金融緩和や、財政の悪化を招く公共事業に依存する現在の経済政策から脱却し、成長が期待される分野に投資を集中させるしかないだろうという。

 かつての帝国と同様に、中間層が没落したアメリカはこのまま転落していくことになるのか。日本もその轍を踏み続けるつもりなのか。日本が選択すべき道を、ゲストの中原圭介氏とともに、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。

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