2014年06月20日公開

「私たちにも心配する家族がいることを認識してほしい」遠隔操作ウイルス事件の被害者らが法廷で証言

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概要

 パソコン遠隔操作事件で威力業務妨害罪などに問われた片山祐輔被告の第11回公判が6月20日、東京地裁で開かれ、遠隔操作ウイルスによって事件の踏み台にされ誤認逮捕された被害者らが証人として出廷した。
 誤認逮捕され8日間勾留された三重県の男性は、氏名を伏せた上で傍聴席から証人の顔が見えないように衝立で遮蔽された証言台に立ち、「片山被告は捜査機関に恨みがあったのかもしれないが、勾留の辛さはよくわかっているはず。関係のない第三者を陥れるやり方しかできなかったのかと思う」と語り、身に覚えのないことで逮捕・勾留されることの苦痛を訴えた。
 しかし、検察官から犯人に対してどのような処罰を望むかを聞かれた男性は「判例に則った処罰を望む」と言うにとどまった。その理由として男性は「私のここでの証言が被告の処罰に影響を与える可能性がる以上、そういうことは軽々には言えない」と語った。
 続いて、爆破予告のためアメリカに向かう途中で飛行機を引き返した日本航空の機長も証言台に立ち、「いたずらの可能性もあると感じたが、飛行機を引き返す以上、乗客に爆破予告の話をしないわけにはいかなかった」として、乗客にアナウンスをする際の言葉を慎重に選んだことなどを証言した。また「機内アナウンスを聞いて、泣き出す乗客もいた」と当時の機内の様子を伝えた。
 その後の被告人質問で片山氏自身が証言台に立ち、「これまで誤って逮捕された人たちの苦痛を感じていなかったが、初めて被害者の声を聞いて多くの人に迷惑をかけていたと再確認できた」と、反省の言葉を口にする一方で、「まだ、真犯人メールさえばれなければという気持ちもあり、自分の心は揺れている」と複雑な心中を吐露した。
 公判後記者会見を行った佐藤博史弁護士は「今日片山氏が被害者の話を初めて直接聞いたことは大きな契機になると思う。しっかり反省してもらいたい」と語った。

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