2006年9月22日
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安倍政権「美しい国」への提言

ジェラルド・カーチス氏(コロンビア大学教授)
マル激トーク・オン・ディマンド 第286回

 安倍内閣が発足する。
 国民的人気は高いものの、年齢的にも政治経験の上でも未知数の安倍新総理に対しては、現在の内外の難局の舵取りをまかせる側としては、期待と不安が相半ばする。
 しかし、海外から長年日本の政治をウォッチしてきたコロンビア大学のジェラルド・カーチス教授は、安倍政権が小泉政権の真似をして安直なポピュリズム路線を走れば、新政権は短命に終わるだろうと予測する。そもそも小泉劇場は小泉純一郎という個人の資質に請うところが大きかった上、現在日本が置かれた現状は小泉政権が誕生した2001年とは経済的にも政治的にも大きく異なってきているからだ。
 その一方でカーチス教授は、一見タカ派色が強く右寄りと言われる安倍総理が、意外にも現実路線を選択し、靖国参拝を行わずに、中国との関係修復に向かう可能性が高いと見る。現在の日中関係や日米関係を考えると、それ以外の選択肢はあまりにも日本にとってリスクが大きすぎるというのがその理由だ。
 現実路線を軌道に乗せ、国民の支持を集めることができれば、安倍政権が本格政権となる可能性も十分にあるとカーチス教授は言う。
 「安倍首相がそのような路線を選んだ時、日本のメディアと有権者が、安倍政権を支持し続けるかどうかが、政権の命運を左右することになるだろう。」カーチス教授はこう述べ、これまで安倍人気を支えてきた強硬派路線の信望者たちが、逆に安倍政権が現実路線を選ぶことの足枷になる可能性を懸念する。
 安倍政権は、唯一の資産と言ってもいい人気を温存しながらも、現実路線を選択することが可能なのか。その場合の条件は何なのか。安倍氏の「美しい国」とはどんな理念であるべきなのか。カーチス教授とともに考えた。

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