いつの時代にも個人の自由と人権を守るのがリベラルの役割だ
駿河台大学名誉教授
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1946年北海道生まれ。69年 東京大学法学部卒。同年、国立国会図書館入館。調査及び立法考査局政治議会課長などを経て93年、細川連立政権で首相首席秘書官。95年、駿河台大学法学部教授、2007年、同学長などを経て2011年、野田内閣で内閣官房参与。2012年12月より現職。著書に『官邸』上・下、など。
国立国会図書館の調査官として長年国会をウオッチしてきた駿河台大学の成田憲彦教授は、7月16日の衆議院本会議で安倍政権が安保法制を与党単独で可決したことについて、国会の歴史の中でも異常なできごとだったと指摘する。
「強行採決はこれまでにもあったが、中身の議論がかみ合わず、政権内でも説明が食い違うなどちぐはぐの中で押し切ってしまったのは、ちょっと異常な感じがする」と成田氏は語る。
過去の自民党政権と比べて安倍政権は国会運営でも異常な面が多いと成田氏は言う。
「これまでの自民党政権は国会を大切にしてきた。党内も大切にしてきた。それに対して安倍政権は官邸支配。安倍が16日に衆院を通すと言ったら予定通り通る。こういう自民党政権はなかった。」
成田氏はこう語り、安倍政権が伝統的な国会対策にほとんど時間をかけず、官邸主導で党も国会も支配している点が、これまでの歴代政権との大きな違いだと指摘する。
「過去の自民党政権は、権限は持っていてもそれを行使してこなかったが、安倍政権はなりふり構わずにその権限を行使する。これまでの政治制度はそれを前提としてこなかったため、官邸の暴走にブレーキをかける機能を持っていない」成田氏はこう指摘した上で、官邸の独断専行をチェックするためには、国会を改革し、国会に官邸を制御する力を持たせる必要があるとの考えを示した。
国会の生き字引とも呼ぶべき成田氏に、ジャーナリストの神保哲生が聞いた。