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2012年06月02日公開

民主党政権はどこで失敗したのか

マル激トーク・オン・ディマンド マル激トーク・オン・ディマンド (第581回)

完全版視聴について

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ゲスト

1962年東京都生まれ。86年同志社大学法学部卒業。95年京都大学大学院法学研究科修士課程修了。大和証券、松下政経塾塾生を経て98年参院初当選(無所属)。99年民主党入党。参院環境委員長、党政調会長代理、外務副大臣、内閣官房副長官などを歴任。11年より参院外交防衛委員長。当選3回(参・京都)。共著に『民主主義が一度もなかった国・日本』。

著書

概要

 2009年の総選挙で300を超える議席を得て政権の座についた民主党だったが、その後、政権に対する世間の評価は厳しい。政治主導に失敗し、官僚に牛耳られているではないかという批判が後を絶たない。それどころか、民主党は約束したことを何も実現できていないという評価が定着してしまった感さえある。民主党政権はどこで失敗したのか。

 鳩山内閣で外務副大臣、菅内閣で内閣官房副長官を務めるなど、これまで民主党政権で中心的役割を果たしてきた福山哲郎参院議員は、普天間基地の移設問題のようないくつかの象徴的な政策の失敗によって有権者の信用を失ったとみる。民主党政権が実際にはいろいろな成果をあげているとの自負はあるが、そうした成果についても有権者に聞く耳をもってもらえなくなってしまったというのだ。

 確かに、公共事業の大幅な削減や子ども手当、高校無償化などは日本にとっては大きな政策転換だった。政権交代の成果と言っていいだろう。しかし、それでも民主党政権が何もできていないように見られてしまうのはなぜなのか。単に象徴的な政策のミスが原因なのか。それとももっと根深い問題があるのか。時の政権が民主党でなければ、より有権者の支持を受けた政権運営は可能だったのか。

 実際、小泉政権の後の政権は、3代の自民党政権も含め、いずれも短命に終わっている。いずれも「何もできなかった政権」との烙印を押されていると言っていいだろう。民主党政権の場合、その未経験さゆえにより稚拙な失政が目立った感は否めないが、先進国の与党で国民の高い支持を受けている政権は皆無に近い。どうも時の政権に対する不満が充満し政権が立ち往生する現象は日本だけの問題ではなさそうだ。

 経済がグローバル化し先進国ではもはや高い経済成長が望めない状況下で、どこの国の政府も不利益の再配分を国民に求めざるを得なくなっている。しかし、国民の信頼と理解を欠いたまま「負の再配分」を推し進めようとすれば、政権は一様に不人気に陥り、結果的に何ら有効な政策を実現できなくなる。問題は、民主党はそのような厳しい状況を認識し、それに対応し得る政策や体制を用意できていたのか、だ。負の再配分という先進国にとっては歴史上初めての困難な経験を有権者に受容してもらうためには、もはや従来の意思決定の方法は通用しない。民主党の最大の失敗は、個別の政策実現のためのロジスティックスの欠如もさることながら、現下の厳しい政治状況に対応するために、有権者参加型の意思決定の方法を用意できていなかったことにあったのではないか。

 確かに民主党固有の問題は多い。しかし、その問題と、先進国に共通した民主主義の本質的な行き詰まりを識別していく必要があるだろう。前者には前者の、後者には後者の異なる対応がそれぞれ必要だと考えられるからだ。

 番組後半は逆風の中、民主党が推し進めようとしている社会的包摂プロジェクトチームの取組みについてと、福山氏自身が民主党内の有志議員と共にまとめた脱原発のためのロードマップを議論した。福山氏は2025年までに原発の全廃を謳った提言をまとめ、これからそれを党の方針とすべく活動を開始する意向だという。脱原発への道筋を具体的に示すためには、全廃の期限の明示が必要だと福山氏は主張するが、今も再稼働問題で揺れる民主党政権に2025年までの原発全廃案を受け入れる素地はあるのか。

 民主党マニフェストの作成に深く関わり、政権交代後も政権内で主要な役職を務めてきた福山氏に、民主党政権のこれまでとこれからのことを、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が聞いた。

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