自民党に歴史的大敗をもたらした民意を読み解く
マル激 (第1230回)
ゲスト小林良彰
慶應義塾大学名誉教授
慶應義塾大学名誉教授
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1954年東京都生まれ。77年慶応大学法学部卒業、82年同大学院法学研究科博士課程修了。法学博士。ミシガン大学客員助教授、プリンストン大学、カリフォルニア大学バークレー校研究員、慶応大学法学部助教授などを経て、91年より慶応大学法学部教授。専門は計量政治学。著書に『政権交代〜民主党政権とは何であったのか』、『制度改革以降の日本型民主主義』、『選挙・投票行動』など。
一票の格差は憲法が謳う平等の理念に反すると同時に、政策面でも大きな歪みをもたらす。
計量政治学が専門の小林良彰慶應大学教授は、政策決定プロセスにおいて「一票の格差」が与える最大の問題は「少数によって選出された議員の影響力が強くなってしまうこと」と指摘する。
一票の格差によって、民意の裏付けのない過重な影響力が特定の選挙区に付与されることで、法律や国の政策が歪められてしまう。特に日本では、都市部に対して地方の農村部に過重な投票価値が割り当てられる傾向があるために、公共事業や農業政策などで過重な配分が行われる一方で、子育て支援や生活保護などの都市部のニーズには過小な配分しか行われない結果を生んでいると小林氏は言う。
神保哲生が話を聞いた。