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かかりつけ医制度の整備こそがコロナ禍の最大の教訓ではないのか

マル激トーク・オン・ディマンド マル激トーク・オン・ディマンド (第1106回)

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完全版視聴期間 あと79日3時間42分
公開日 2022年06月18日

ゲスト

衆院議員(立憲民主党)・医師

1967年山梨県生まれ。帝京大学医学部卒業。帝京大学医学部附属病院、山梨大学医学部附属病院、韮崎市立病院勤務医などを経て、山梨県北杜市に診療所を開設。2012年衆院初当選。当選4回。

概要

 新型コロナウイルス感染症の大流行が始まった時、われわれ国民は政府からかかりつけ医に相談するように言われたが、その時、明確に自分のかかりつけ医を持っている人がどれだけいただろうか。かかりつけ医がいない人は飛び込みで医師の診断を受けることができず、結果的にコロナ感染の疑いがある人々は保健所に相談するしかなかった。そして日本中で保健所がパンク状態に陥ったことは、誰もが記憶に新しいはずだ。あの教訓はどこに行っただろうか。

 政府は6月17日、新型コロナウイルス感染症対策本部を開き、次の感染症危機に備えて新たな行政機関となる「感染症危機管理庁」の設置を含む新たな一連の施策を決定した。しかし、そこでは依然としてこの「かかりつけ医」問題は曖昧なまま据え置かれている。なぜ政府はかかりつけ医制度の導入にそこまで及び腰なのか。これでは参院選を前に、日本医師会が反対するかかりつけ医の制度化から逃げているとの疑念を持たれても仕方ないだろう。

 2年前に新型コロナの感染が拡大し始めたころ、政府は発熱したらまずかかりつけ医に診てもらうように国民に広報した。また、ワクチンを打つかどうかについても、迷ったらかかりつけ医に相談を、と政府は繰り返した。しかし、そもそも日本には「かかりつけ医」などという制度があるわけではなく、定義もあいまいなままだ。だから、もちろんどうやってかかりつけ医を探したらよいのか情報もなかった。患者が一方的にかかりつけ医と思っている医師がいても、医師の側はそう思っていないといった事態も方々で起きた。まあ、そもそもそのような制度が存在しないのだから、当たり前と言えば当たり前のことだが、それでも政府が「かかりつけ医」という言葉だけは事あるごとに連発するという、奇妙な事態が起きていた。

 今年1月から3月までのオミクロン株による第6波での新型コロナによる在宅死は、厚労省のデータでは555人。このなかには、必要な医療が受けられずに亡くなった人も相当数含まれているはずだが、正確なデータはまだ精査すらされていない。また、去年8月の第5波のデルタ株の際には実際、患者がかかりつけ医がいたと思っていても在宅で“放置”されて亡くなった人が多数いたことがわかっている、と国会でこの問題を訴えている医師で衆院議員の中島克仁氏は指摘する。

 中島氏は地元の山梨県で在宅医療を行ううちに家庭医の必要性に気づき、日本でもきちんとした家庭医制度を創設したいと考えて10年前に国会議員になったという。実は1980年代に日本でも、当時の厚生省が家庭医制度を導入しようと動いたが、日本医師会の強い反対に遭い断念に追い込まれたという歴史があることは、以前にマル激でもお伝えした。今も日本医師会のウェブサイトには、家庭医制度の導入を阻止した時のことが成功談として記されている。それ以来、日本で最大の政治献金を誇るなど絶大な政治力を持つ医師会の反対を前に、厚労行政の世界では家庭医制度の導入をめぐる議論は完全に封印され、「家庭医」という言葉を使うこと自体がタブーとなっていた。そこで登場した言葉が「かかりつけ医」だった。

 かかりつけ医制度をめぐる議論については、イギリスのGP(General Practitioner)制度のような、政府から総合診療医として認定を受けたGPに税金から診察費が支払われ、国民は政府から指定された家庭医の診療を無料で受けられるような包括的な制度から、中島氏が主張するような、患者が自由に医療機関を選べる現在の日本のフリーアクセスを維持したまま、かかりつけ医を登録制にするという、より緩い制度まで、かなりの幅がある。しかし、現在の制度下で開業医が十分かかりつけ医としての機能を果たしていると主張する医師会は、登録制にも反対しており、そのハードルは高いと中島氏は言う。

 しかし、コロナ禍でかかりつけ医の重要性が再認識されたことで、政府内ではさまざまに検討が始まっている。5月にまとめられた財政審建議では、かかりつけ医機能の要件を法制上明確化することが盛り込まれた。しかし、これに対し、日本医師会はすぐさま反応し、法制化反対の意見を表明している。この問題は永田町や霞ヶ関では往々にして、医療費の高騰を抑えたい財務省と、制度の導入によって収入が減る可能性がある医師の代弁者としての日本医師会の間の対立構図として受け止められる事が多いが、そこには医療を受ける患者側の都合やコロナで在宅死した遺族たちの思いを汲み取ろうとする姿勢は見えない。

 そうこうするうちに、6月7日に公表された経済財政運営と改革の基本方針である「骨太の方針」には、「かかりつけ医機能が発揮される制度整備を行う」という文言が含まれた。その発表を前に日本医師会の中川俊男会長と岸田首相の会談が行われていることなどから、おそらくこの言い回しは日本医師会も了解しているものなのだろう。しかし、「制度整備を行う」だけでは霞ヶ関文学としては、いかようにもなる表現だ。結局、岸田政権としてはかかりつけ医を登録制にするつもりがあるのかないのか、現状のまま個々の医師と患者に任せるのか、何が何でも法制化には反対なのか、「制度整備」の中身は曖昧なままだ。このままでは80年代に途中で断念せざるをえなかった家庭医制度の論議の過ちを繰り返すことになるのではないかと中島氏は危惧する。コロナ禍の教訓の上に立った、岸田総理の政治決断が待たれるところだ。

 かかりつけ医制度とはどのようなものなのか。それはどのような恩恵を国民にもたらすのか。コロナ禍での経験を今後に活かすためにも、今こそ、かかりつけ医の制度化について国民的議論が必要だと語る医師で衆院議員の中島克仁氏と、社会学者の宮台真司、ジャーナリストの迫田朋子が議論した。

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